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Q SFCの学部長変更は小論文の内容に影響ありそうですか?(2回目)

Q 学部長が変わったことが、SFC小論文に影響しそうですか?

いろぱ姉、パネェ。
ところで、学部長が変わる事について、小論文の傾向が変わると思いますか?
ツイッターのDMより(一部個人情報保護のため表現を変更)
2年ほど前にいただいた質問です。今年も学部長が交代しましたね。

総合政策学部:河添健→土屋大洋
環境情報学部:濱田庸子→脇田玲

(全て敬称略)なお、新学部長は学部長メッセージを参考にしました。

A :影響はないでしょう!

個人情報保護のため表現を変更といいつつ、いろぱ姉、パネェと言うネタはまだ残しておく。ということで、こんにちは。いろは姉です。ぱなくないけど、いろぱ姉です。小論文に関する質問をいただきましたのでお答えします。

A:影響はない、とは思います。
理由1 入試委員会をきちんと設定しているから。
理由2 もう入試問題は作成し終わっているだろうから(両学部長就任は10/1から)。
理由3 過去の学部長交代(國領教授→河添教授、村井教授→濱田教授)の際も影響はなさそうだったから。

この手の質問はほんとうに答えづらいですよね…。「実際に本当のことは誰にもわからない」が、「もし傾向が変わったように見えたら、ていのいい説明要因として学部長交代が理由としてつかわれるから」、不用意な発言をしたくないのです(笑)。

理由1 入試委員会をきちんと設定しているから。

SFCは他学部とは、異なる学部運営をしています。これは公式情報を確認した方が話が早いです。
なぜならば、SFCのキャンパス内でSFC に設置されている総合政策学部、環境情報学部ならびに大学院政策・メディア研究科には他の学部における「教授会」、「研究科委員会」に相当する機関として各々「教員会議」を置き、その下に学部運営の効率化を図るために「運営委員会」を設けている。これらは別々に開催するのではなく、2 学部 1 大学院に共通・関連する議題を審議し議決する機関として、「合同教員会議」及び「合同運営委員会」が設置され、これを中心に活動している。
2004年度 点検評価・報告書 総合政策学部・環境情報学部
と慶應義塾大学の公式ページに書かれています。この後の、2011年度 点検評価・報告書においても特に変更は書かれていなかったので、現在もこれと同じ運営であると推測されます(少なくとも、後述するIPO委員会や一般入試委員会は現在も継続中)。これをまとめると、

SFC内では単独の学部ではなく、2学部・1研究科合同で意思決定を行なっている

ということです。こうした状況から、SFC一丸となってしくみを担保しながら運営していく体制であることが推測されます。また、
 さらに、「合同教員会議」、「合同運営委員会」の下に SFC 内の会議体・委員会として、
・ IPO 委員会
・学部 AO 入試委員会
・一般入試委員会
(以上、3つは関連するもののみ抜粋)
が設置され活動している。
2004年度 点検評価・報告書 総合政策学部・環境情報学部 p49(一部、当ブログにて抜粋)
のように、SFCに関しては、一般入試委員会と学部AO入試委員会が別に設定されているが、一般入試委員会が学部毎に設定されているわけではありません。

理由2 もう入試問題は作成し終わっているだろうから(両学部長就任は10/1から)。

入試問題をいつから作成しているかはわかりませんが、新学部長の学部長就任は2020年10月1日です。

「就任直後に入試問題の作成に大きく関与して、仮にその時点から方向転換する」という状況も考えられなくもないのですが、実質5ヶ月もない期間なので、大きな変更はできないでしょう。

過去の学部長交代(國領教授→河添教授、村井教授→濱田教授)の際も影響はなさそうだったから。

2013年度に國領教授から現在の河添健学部長に学部長の交代がありました。

2013年度入試は、みんな大好きD組の主張を補強せよ問題、2014年度入試は、教科書を作る問題ですので、河添先生のメインの活動エリアである数学系の出題はほとんどでていません。(ただし、当時の学部長村井先生が、SFC全体の傾向として数学力が弱くなっているから、入試でも数学力のある人が有利になるようにしていることをほのめかしてはいます。これも、理由1につながりますね。)2015年度〜2016年度は数的感覚を問う出題といっていいものにシフトはしていますが、仮に影響があったと仮定しても、前回の総合政策学部の場合は、それが反映されるのに2年かかった、ということになります。

環境情報学部の学部長交代に関しては、2017年度にヘルスケアの問題が出題されており、学部長就任前に濱田先生の専門分野どんぴしゃの問題が出ており、2018年度の物語を作る問題や2019年度の観察の問題に関しては濱田先生の専門分野は全く関係なさそうでした。

このような過去の傾向から判断すると学部長交代が入試に与える影響は少なそうです。もちろん、たまたまテーマが一致していて、土屋先生・脇田先生の専門分野を勉強していたら、本番試験のときに得をした、ということはあるかもしれませんが、それは学部長交代の影響ではなく偶然でしょう。

終わりに:それよりも気をつけたいこと

SFC の入試制度は一般入試・AO 入試とも過去 12 年間において大きな社会的評価を得てきた。しかしながら、近年いくつかの特徴が顕著になってきている。一般入試に関しては、小論文の文章作成において、その構成や内容において均一化がみられるようになってきた。また AO 入試に関しては、出願者数の減少とその質の低下、それにともなう合格者数の減少が顕著になってきている。これらは予備校などの受験産業による、SFC の入試に対する傾向と対策が進んだ結果と考えられる。
2004年度 点検評価・報告書 総合政策学部・環境情報学部
この太字にもあるように、少なくともSFCでは

・受験産業における構成や内容の均一化を好ましく思っていない

のです。ここから類推するに、

・受験産業(あるいは受験生)が学部長の変更から想定する「構成や内容の均一化」はSFCからは好まれない

でしょう。

何度も言っているように、

SFC小論文は「適性試験」であり、「SFCに対する適性を意識しながら、その適性を有していること」を示す

ことが合格の近道です。

もちろん、その適性には「論理力」や「構成力」が含まれるので、既存の予備校の対策に全く意味がないとは言いません。けれども、既存の予備校の対策により、答案構成や内容が「均一化」されるべきならば、それは避けるべきなのです。私が、受験生の書く内容を情報分野に限定したり、決まったテーマで書くことを蛇蝎のように嫌うのは、こうした慶應義塾大学側からの公式見解があるからです。

学部長の交代があったとしても、ゆらぎない適性…それを見せられるような対策をしましょうね。

村井純 環境情報学部長の発言からSFC入試の採点基準を探ってみた。

いろいろと憶測が飛び交っているSFC入試ですが、環境情報学部学部長の村井純氏が「情報教育」のためのサイトに寄せた文章がおもしろかったのでご紹介します。勉強の気休めにどうぞ。「慶應義塾大学 総合政策学部/環境情報学部2016年度入試について 教科「情報」による入試への挑戦と期待 ~「情報」は「未来を創っていく人材を育てる科目」村井 純 慶應義塾大学環境情報学部長

以下、これを読みながら、私が考えたことです。SFC入試について、公式に学内の人間が書いているものはなかなかないので貴重な文章だと思います。まず着目したのは、
小論文について見ると、総合政策学部では政策的な問題、環境情報学部では理系っぽい問題が出てきます。2012年度の環境情報学部の小論文のテーマはデザインで、今年(2013年度)は身体知に関する問題でした。
 上記リンク先より抜粋。強調は当ブログにて追加。
学部長が、小論文のテーマについて言及しているのは、とてもユニークです。これまで、予備校の先生などがテーマについて色々述べてきていますが、これは公式の分類と言ってもいいと思います。目新しさは特段ないですが、特に、

総合政策学部…政策的な問題
環境情報学部…理系っぽい問題

という対比がいいですね。

総合政策学部…文系っぽい問題
環境情報学部…理系っぽい問題

とわざわざ書いていないところが。もちろん、正しく文章を読むと、過去の傾向を示したものなので、「未来についてもこれが当てはまる」と明言した文章ではありません。けれども、こういった傾向は、やっぱりSFCの中で問題作成のときに意識している、とぐらいまでは言ってしまってもよいか、と思います。

続いてここも非常におもしろいです。
環境情報学部の、小論文の合格最低点を見ると、「数学および外国語」を選択した受験生は100点、「数学」選択生は78点、「外国語」選択生は122点です。つまり、同じ小論文の問題を解いているのですが、小論文のでき具合に関しては、数学選択生は、英語選択生よりできが悪いのですが、合格するようになっています。またもう一つの傾向は、この20年間を見ていると、全体に数学の力が落ちてきているような気がします。
 上記リンク先より抜粋。
これも採点基準を明言したものとしておもしろいです。

文構造上は証拠もありませんが、「同じ小論文の問題を解いているのですが、小論文のでき具合に関しては、数学選択生は、英語選択生よりできが悪いのですが、合格するようになっている」「この20年間を見ていると、全体に数学の力が落ちてきているような気がします。」という発言を組み合わせて、「数学の採点基準」と「小論文の採点基準」はどこかで重複している、と考えることもできると思います。あるいは「数学力」のある学生がほしい等の理由から「数学」の得点は英語の得点より「重み付け」されている、と考えることも可能です。採点がしやすいのは後者ですし、前者の場合、いわゆる「足切り」をどこでするか、が複雑になる、という問題がありますので、採用されているのは後者でしょう。これは後段のこの文章からも裏付けられます。
ここが将来心配なところですが、科学・数学といったところが強い人でないと、地球全体の問題は解けないんじゃないかと思います。だから、SFCの学生にはそういったバイアスを多少かけていきたい、という想いも背景の1つにあります。「数学」と言わなくてもいいのですが、サイエンスにきちんと向かい合える子に来てほしい。こういう希望があるわけです。
 上記リンク先より抜粋。

いずれにせよ、合格決定までのどこかのプロセスで、「科目間の重み付け」があることは恐らくは確実であり、現在はその重みは「数学」にある、ということは確かでしょう。と、なると「数学が得意な受験生」は「数学を組み入れた入試形式」で受けた方が、やっかいな「小論文」による得点の変動を極小化できる、というメリットがあるようですね。

同時に、
「情報」入試の定員などは設けていないので、どうなるかがこれからの勝負です。たくさんの人に受けていただかなければなりません。本当にほしい学生、優秀な学生を取るための試験なのに、外国語や数学で受験した子よりも小論文の点が低いということになっては嬉しくありません。
 上記リンク先より抜粋。
というところから、現在の入試でも、恐らくは「英語」「数学」「英語及び数学」間の「定員」は試験が終わるまでは決まっていない、と見ることが自然でしょう。ということは、上で話をした得点の重み付けは「定員の変動」という形で行われている、と考えるべきでしょうね。要するに数学受験生の方が定員の枠が多い、ということです。



これは、予備校講師も考えそうですし、2013年の環境情報学部の類問になるでしょうが、「あなたが学部長なら、どんな「情報」の入試問題を出すか、という小論文は作ったら楽しそうです。

1日に勉強する分量を決めよう

夏休みも近づき、勉強計画について、悩む人も多いと思います。

計画に関しては、いろんなやりかたがあり、一概に「この方法がよい」とは言えません。(例えば、私は1日を分単位で計画していますが、たいていの人は気持ち悪いと思うでしょう笑)。ただ、最低限この辺は意識してほしいなぁ、というのはあります。

1:1日の勉強量は前日か朝のうちに決めよう。

マニャーナの法則という大流行りした仕事術があります。

これもいろんな形で説明できるのですが、とにかく「今日やること」を決めて、追加の仕事は全部明日以降に回そう、という考え方です。勉強に関しても、先に「今日やる量」にふたをしてしまいましょう。「どうせ、割り込みは入る」んです。予想からずれるんです。だから、まず先に勉強量を決めてしまいましょう。

なお、予想通りできなかったからといって落ち込まないようにしましょう。

2:先の予想はほどほどに。

実際のところ、しっかり勉強している限りにおいて、線形予想(1日100問やるので、1か月3000問できるみたいな予想)をはるかに超えて伸びることが普通です。せいぜい、いまの実力で有効な予想は1~2か月程度先ぐらいです。今から、入試直前までの勉強計画予想をするよりも、やるべき範囲だけ固めておいて、自分のできることの範囲をふやしていきましょう。そこを土台にして、その先1週間ぐらいの予想を立てるぐらいがいでしょう。

3:記録をしっかりとろう

・勉強時間
・解いた問題数
・正答数
・ページ数 etc

切り口はいろいろありますが、毎日記録をしっかりとりましょう。正しい記録は、よい計画を立てるのに不可欠です。自分の勉強をブラッシュアップするための記録をしっかり立てましょう。

それでは!

SFC合格に向けての計画について

最近、いろは塾の生徒や、面談でお会いした方から、「計画の立て方」を質問され、一緒に計画を立てたりします。

話をしていると、こういう思い込みに気づきます

世の中にはSFCに合格する「完璧な計画」があり、その「完璧な計画」にしたがって学習すればSFCに合格できる。

という思い込みです。

もちろん、SFC合格までに、中学の教科書しか終わらなければ、おそらくはSFCに合格する確率は低いはずなので、その意味でこの考え方が大きく間違っているとは思いません。

一方で計画を一緒に立てた人からはだいたい「計画どおりに終わらなかった」という意見をよく聞きます。そして、その「計画が終わらなかった」という事実に対して、

・私はもうだめだ。これではSFCに合格しない。

と傷ついて、せっかくのチャンスを棒に振ってしまう人がいます。

そういう人たちは、

2種類の計画
1:長期の目安を立てる計画
2:「今日」「今週」何をするかの計画

を区別できていません。

長期の目安を立てる計画

どの参考書をいつまでに終わらせるか、という長期の目安です。この目安は、勉強していくうちにしたがって、どんどん変わっていきます。私は、大人の資格試験の勉強計画を立てるお手伝いもしますが、東大京大卒など難関大を合格している人ほどこの長期計画を変更することに抵抗がありません。受験生を教えていると必ず受ける「慶應大学なのに、この参考書をやらないことは不安です」という質問が出てこないのです。なぜならば、「長期計画」はある時点からみた長期の目標であり、短期計画をこなしたあとの自分からみたらその目標が変わっているのは当然だから、です。

この「長期の目安を立てる計画」はだいたい月1回ぐらい(どれだけ頻度高くても週に1回ぐらい)変えればそれで十分です。

「今日」「今週」何をするかの計画

多くの人の場合、1日は24時間しかありません。(いや、25時間ある人はいないでしょう。)「今日」「今週」何をするかの計画は、その24時間で「何をどれだけやるか」という目安です。これは、

・長期目標からの逆算
・今日使えるリソース

の両方から立てます。1ヶ月で200問の問題集を終わらせたいのであれば1日6.67問解く必要があります。その6.67問を決めるのが「今日」「今週」何をするかの計画です。この計画は「今週は美容院にいく」(土曜日美容院にいく時間の勉強分を他の曜日に振り分ける)などのリソースの問題を加味できます。そうやって短期間の実行可能な計画を積み上げていくのです。

人は成長する

「実行可能な計画」を毎日、毎週積み上げていくと、必然的に成績は伸びていきます。したがって、「今日」「今週」何をするかの計画の分量も変わっていきます。結果として、長期の計画も変わってきます。この絶えざる循環が「合格のための重要な計画の立て方」なのですが、だいたい人は「長期の目安を立てる計画」で立てたものを「絶対的なもの」として取り扱い、そして破綻していくのです。この絶えざる循環をケアできるためにはせめて週に1回はアプローチする必要があるのです。

人はさぼりがちである

ただし、「長期の目安を絶対的なものにする」というのにいい側面もあります。1日5時間しか勉強していない人に、根性でたくさん勉強させることができる効果です。さぼりがちの人にとってはこの計画はマストだ!とするのは非常によい結果をもたらすこともあります。

必要があれば、面談などで計画の立て方のご相談にものっていますので、どうぞご相談ください。それでは。

学科対策に関して、赤本をいつから使いはじめるべきか?

質問箱でご質問を受けましたので、お答えいたします。

まとめ

赤本を用いるタイミングは2回
・夏休み頃(2年度分程度)
・それ以降で偏差値65を超えたとき

夏休み頃には傾向と実力を確認するために過去問を解く

特に現役生は、SFCの過去問を解いたことがないと思います。SFCの問題傾向を掴むために、夏休み頃には過去問を一旦解いてしまいましょう。

このときには、

・時間をきっちり測る
・採点をする

というルールでやりましょう。どんな点数が出ても気にしてはいけません。これは、彼我兵力差を測るフェーズです。傾向と自分の実力を確認しましょう。

それ以後は、偏差値65を超えるまでは過去問を解かない

SFCの問題は英語・数学ともに偏差値65以上(目安です)ないのであれば、実戦形式で解くのは無駄です。だから、偏差値65を超えるまでは解かなくていいです。

もし、偏差値65を超えたら、両学部分赤本1冊分はさっさとマスターしてしまいましょう。

・赤本2冊分
(総合政策・環境情報)をマスターする
・時間はそこまで気にしない
・どの問題も解答根拠がわかるまで繰り返す

というルールで過去問を解きましょう。偏差値65を超えたらなるはやで赤本に着手してしまってかまいません。「実力試し」ということで直前まで取っておく人がいますが時間の無駄です。できるだけ早く解いてしまいましょう。入試は周囲との勝負です。周囲の「本気勢」は赤本を少なくとも5年度分は解いてきているので、最新の赤本の範囲内で覚えていない単語や用法(数学の場合は類題)が出てきた場合には、それだけでハンディキャップを背負います。できるだけ早く5年分解いてしまいましょう。

偏差値65を超えない場合

SFCの問題は、英語・数学ともにきちんと実力があれば、それなりに解けます。だから、偏差値65を超えていれば、過去問を解いていなくても、合格のチャンスは「ぐっ」と上がります。逆に、偏差値65を超えていない人は、試験直前まで怖がらずに、一般の参考書を使い続けましょう。もちろん問題傾向に慣れるために、過去問を2、3問やっておく必要はあるでしょうが、それ以上は不要です。きちんとした英語力向上のための学習をしていれば合格にはきちんと近づけます。単純比較はできませんが、

偏差値62+過去問なし>偏差値60+過去問5年度分完璧

であれば、前者の方が合格率が高くなるでしょう。

昨年、相談を受けていた中にこんな方がいらっしゃいました。

偏差値50未満なのに過去問の答えを10年分完璧に覚えている人

いくら過去問を10年度分9割を超えていても、元の英語力がなければ、単に答えの記号を丸暗記しているだけです。答えを丸暗記しても当然合格するわけがありません。

直前に赤本を解いて焦りまくる人

この人は実際は合格したのですが、直前期は過去問を解くたびに、ツイッターで得点を報告してきて、6割を下回った、ツイッターのあの人よりも低い点数だった、と騒いでいました。直前期の点数で一喜一憂してもしかたがないのです。どしりと構えられるようできるだけ早く終わらせましょう。

過去問は過去問

過去問は、重要な指標のひとつですが、それでも合格に必要不可欠なものではありません。変に焦らず、じっくりと実力をつけていきましょう。

それでは。

入学試験開示は「2018年5月8日」まで

GWにかまけてて、これ忘れちゃダメですよ!

「入学試験成績の開示」について

慶應義塾大学では、毎年不合格者のみ「入学試験成績」の開示を行っています。

詳しくは、慶応義塾大学の公式ページにあるHOME > 一般入試 入学試験成績の開示についてをご覧下さい。以下に、一部重要そうな内容を抜粋します。

入学試験成績の開示
開示対象者 一般入学試験不合格者
※補欠者のうち入学許可を受けた者は対象外です。
申請期間
2018年4月9日(月)~5月8日(火) ※申請期間外のものは受け付けません。
開示申請にかかる費用
郵送料 1学部につき372円
※1回の申請につき支払手数料400円が別途必要です。
例)1回の申請で2学部申請した場合:1,144円(744円(郵送料)+ 400円(支払手数料))。

申請を希望される方は、下記のURLよりマイページにログインし、マイページの「成績開示申請」から必要事項の登録を行い、申請にかかる費用を画面の指示に従いお支払いください。支払いはコンビニエンスストア、ATMもしくはネットバンキングの利用が可能です。費用の支払いをもって、申請が完了となります。郵送する書類等はありません。支払いの際に「取扱明細書」等を受け取った場合も郵送は不要です。支払い後の申請の取下げはできません。
【マイページログイン画面URL】
https://exam-entry-sp.52school.com/keio/mypage/login

設問文から資料文の位置づけを読み取ってください!

某所で、こんな感じの発言を見たので、もしかしたら私が書いた内容かもしれないので少し補足しておきます。

気になった内容

SFCは資料文が多すぎるので、設問をちゃんと読んで、文章の構成を考えてから、必要な資料だけを読むべきだ。もしそうならば、 文章の構成って、どれくらい時間をかければよいのか。
という内容でした。

一部、私が書いたことやふだん私が言っていることと似ているのですが、本質的な部分がずれているかもしれないので補足しておきます。ひとつの私の意見だと思って読んでください。

設問文と資料文について

SFC小論文では、しばしば資料の位置づけが設問文に書かれています。つまり資料同士の対比や類似性、順序などが設問文で明確に書かれています。だからこそ、資料文を読むときは、設問文に書いてある対比関係や類似関係を意識しながら資料文を読んでいく必要があります。

同様に、設問中に、資料から読み取るべきポイントが書いてあることもありますし、設問を見ていると、そのうちのどのポイントを「より重視して書くか」の推測がつく場合があります。その場合には、「何を重視するか」ということを、設問文から読み取って資料の読み方の角度や濃淡をかえる必要があります。

特に「資料が多過ぎてタイムオーバーになる人」にとって、こうした優先順位づけは役に立ちます。もちろん、読むのが早くて優先順位づけしなくてもいい人は、普通に解いてもよいとは思っています(設問の解き方は自由)。ただ、まぁ、設問にヒント満載だから、設問はしっかり読んでから、資料にとりかかったほうがいいと思っています。(そこで、どこまで構成を練るのかは正直その人次第。本来、「構成」を事前に練る行為は、あとから「これを追加したほうがよい」ということが出てきたときにも役に立つので、事前に「構成」を練ることは重要だとは思っています。)

ちょっとした例

例えば、環境情報学部2016年度では、問1の前に
まずは頭を柔らかくしてください。
と書いています。こういう問題の場合、それに関わる資料文を、そこまで深く読むことは求められず、さっさと必要なことだけ読み取って次の問題に行くべきです(そうでないとタイムオーバーになる)。

お願いです。合格するためには、小論文は何度もリライトしてください。

SFC小論文、いろんなタイプの人が合格しています。そのため、

Xが原因で合格した

とは、単純にはいえません。

しかし、多くの合格者は「同じ小論文を何度もリライト」している傾向にはあります。添削によって、内容を確認してもらうことも重要ですが、それよりもまずは「自分で何度も何度もリライト」してみてください。

今から受験して短期間で合格するためには、それが一番重要だと思います。

SFC小論文の実況中継(その2)

4:「アドミッション・ポリシー」を読み解いていく。

先生続いて、慶應SFCのアドミッションポリシーを一緒に読み解いていきたいと思います。
総合政策学部は「実践知」を理念とし、「問題発見・解決」に拘る学生を求めます。問題を発見・分析し、解決の処方箋を作り実行するプロセスを主体的に体験し、社会で現実問題の解決に活躍する事を期待します。従って入学試験の重要な判定基準は、自主的な思考力、発想力、構想力、実行力の有無です。「SFCでこんな事に取り組み学びたい」という問題意識に基づいて、自らの手で未来を拓く力を磨く意欲ある学生を求めます。

慶應義塾大学 HOME > 学部案内 > 学部案内 > 各学部における3つの方針
ひとつの学問分野にとらわれることなく幅広い視野を持ち、地球的規模で問題発見・解決できる創造者でありリーダーを目指そうとする学生を歓迎します。環境情報学部の理念や研究内容をよく理解した上で、「SFCでこんなことをやってみたい」という問題意識を持って入学してくれることを願っています。SFCの教育環境や先端プロジェクトなどあらゆるリソースを積極的に活用し、「自らの手で未来を拓く力を磨いてほしい」と期待しています。

慶應義塾大学 HOME > 学部案内 > 学部案内 > 各学部における3つの方針
Aくん両学部とも、内容は異なるものの、「問題発見・解決」を軸にしているように見えますよね。
Bさんうん。両方とも書いていることもすごく似ているよね。問題発見・解決もそうだけど「「SFCでこんな事に取り組み学びたい」という問題意識」なんていう部分も両学部ほとんど共通してますよね。
先生ふたりとも、目のつけどころがとてもよいですね。両方の資料に共通しているところをきちんと読み取ろうとしています。このアドミッションポリシーを読解するときに、両学部の共通点に目を向けるのはとても重要です。

でも、それだと、あくまで「分析の結果、」としか言うことができないので、もう少ししっかりと論じていきたいと思います。このアドミッションポリシーに関しては、ありがたいことにSFCの先生方が情報入試の際に、論じてくださっています。例えば、「高校教科「情報」シンポジウム2015春 慶應義塾大学SFC一般入試『情報』参考試験」の中で、慶應義塾大学環境情報学部の植原啓介先生は両学部のアドミッションポリシーを比較して
SFCのアドミッションポリシーは、基本的に上記のスライドのようになっています。要は、問題を発見・分析し、解決できる学生を育てたい、ということです。現在、高校の教科において問題発見・問題解決ということに直接的に言及しているのは教科「情報」だけでして、その意味でも情報を導入するのは私達の求める学生像に合っていると考えています。

高校教科「情報」シンポジウム2015春 慶應義塾大学SFC一般入試『情報』参考試験
先生これを見ると、AくんやBさんだけでなく、SFCの先生も両学部のアドミッションポリシーのもっとも重要なところは「問題を発見・分析し、解決できる学生」というところである、と思っていることがわかります。
Aくんぼく、SFCの先生と同じ考え方ができているってことですか?
Bさんただのまぐれだと思うから調子にのらないように。。
先生まぁまぁ。ケンカしないでね。

他の資料も引用してみましょうか。
総合政策学部のアドミッションポリシーには、「問題発見・解決に拘る学生を求めます」と書いてあります。環境情報学部の方にも「地球規模で問題を発見・解決できる創造者でありリーダーを目指そうとする学生を歓迎します」と書かれていますので、そのような力を問える入試を行わなければいけません。総合政策学部の方は、さらに入学試験の判定基準について触れていて、「自主的な思考力、発想力、創造力、実行力の有無」を問うことになっています。

高校教科「情報」シンポジウム2014春in関西「ジョーシンうめきた」 情報化社会を担う次世代のために~SFCの場合 慶應義塾大学環境情報学部 准教授 植原啓介先生
先生こんな風にもっと詳しく書かれています。結局、両学部とも問おうとしていることは共通しているんです。そして、さらにいえば、総合政策学部に関しては「自主的な思考力、発想力、創造力、実行力の有無」というチェック基準も明示されています。ここ、ものすごく重要ですよ。
Aくんだから、SFCは問題発見・解決が重要だ、って言われるんですね。
Bさんアドミッションポリシーを比較するだけでは、ここまでSFCの先生が「問題発見・解決」を重要視している、ということがわからないですよね。こうやって、SFCの先生が言っていることをふまえて読んでいかないと。
先生そうだよね。こういうSFCの先生の発言をふまえずに、アドミッションポリシーを理解しようとすると、表面的な理解に留まってしまうよね。SFCは問題発見・解決という考え方を重視している、それは「情報」という科目が学習指導要領で「問題発見・解決」について言及しているから、情報入試を導入する(もちろん、ここまで短絡的ではないですが)というぐらいなレベルまで重視している、ということだから、まずここを押さえておかなければなりません。

5:じゃあ、環境情報と総合政策の違いって?

Aくん先生、ここまでのところで、わからないことがあります。総合政策学部と環境情報学部の違いって何ですか?
Bさん確かに、これだと両学部ほとんど同じように思えてきます。
先生そうだよね。両学部の違いを議論するのはなかなか難しいよね。しかも、いろんなことが言われていて、何が本当かがわからないよね。

最初に結論を言っておくと、「両学部の小論文の違いについて、SFCの先生が外部に発表したということは先生が知る限りない」です。ただし、「ヒントとなることは、たくさん散らばっています」というのも本当です。

まず最初に議論を整理するために、「観点」を提示しておくね。インターネットや一般に言われる「SFC両学部の違い」という話題に関して言えば、「両学部の学部としての違い」と「両学部の小論文の違い」を分けて考えることが重要だ、ということです。

「両学部の違い」に関しては、2つほどヒントになるものをインターネット上から引用します。
SFCの中で、環境情報学部はおもに「人と地球」のことを考え、その間に入ることは総合政策学部が考えるという役割分担をしています。とはいえ入学すると共通の授業がとれますし、科学的・論理的な思考を重視する点は共通しています。大まかに分けると環境情報は理系っぽく、総合政策は政策っぽい感じなのですが、これは大した違いではありません。

慶應義塾大学 総合政策学部/環境情報学部2016年度入試について 教科「情報」による入試への挑戦と期待 ~「情報」は「未来を創っていく人材を育てる科目」 村井 純 慶應義塾大学環境情報学部長
二つの学部である必要性は? 「双子」である意味
内藤:
 SFCの教員内で、「総合と環境が双子の学部である」ということは了解されているのですが、双子だけど「同じ」なのか、双子だけど「違う」のかということについては、意見はばらついています。僕は個人的に違うと思っています。
 総合と環境は、先生の顔ぶれを見ても全然違います。さらに、その上で境界領域でどちらにも足をつってこんでいる教員も多い。ただ皆さん自分の立ち位置はしっかりわかっていると思います。自分がどちらの学部に大きく足を突っ込んでいるかははっきりしている。総合9で環境1の人は環境情報学部の教員とは言えませんからね。
 このように、本質的に分かれている両学部を、カリキュラムも分けて違いを出す必要はありません。カリキュラムを変えたから変わるというのは非常に薄っぺらいと思いますし。
【14学則特集】座談会 「研究会/アスペクト」 クラス制 両学部の必修同一化 14学則の特徴【第2部】
Aくんこれ、両方ともSFCの先生の発言ですよね。言っていることはすごく似ているのに、全く真逆のことを言っているようにも思えます。上の、村井純先生は、両学部の違いを「大したことはない」といっているし、一方で内藤先生は両学部を「本質的に違うものだ」と言っています。
Bさん先生によって意見が違うんじゃ、その違いを試験に出されても、受験生は対応できませんよね。
先生Bさん、いいところを突いていますね。まさしくその通りです。学内で両学部の違いに対して統一見解がない以上、SFCとしても「双子」以上の違いは出せなくて、「本質的に同じ」「本質的に違う」ということに関して、大学受験という試験に反映するのは不可能なんです。少なくとも先生は、「大学入試問題レベルでは、両学部の本質的な性質の区別」はなされない、と考えています。そうしないと、先生によって言っていることが異なる、ということになるので公平に試験を採点することができません。これでは、大学入試として成り立たないですから。
Aくんじゃあ、SFC小論文に「双子としての違い」はあるんですか?
先生あると思っています。上で村井先生が「大まかに分けると環境情報は理系っぽく、総合政策は政策っぽい感じなのですが、これは大した違いではありません」と言っていますよね。

試験や大学受験に関して言及した箇所が、それぞれあります。それを引用しますね。
小論文について見ると、総合政策学部では政策的な問題、環境情報学部では理系っぽい問題が出てきます。2012年度の環境情報学部の小論文のテーマはデザインで、今年(2013年度)は身体知に関する問題でした。

慶應義塾大学 総合政策学部/環境情報学部2016年度入試について 教科「情報」による入試への挑戦と期待 ~「情報」は「未来を創っていく人材を育てる科目」 村井 純 慶應義塾大学環境情報学部長
内藤: 07学則のときは、両学部の差を打ち出そうとしました。学生から見て、総合と環境で差がないように見えるという話でしたが、受験産業の中ではSFCは両学部とも文系の棚に入れられてしまうんです。しかし、環境情報学部は理系的なマインドを持った学生を求めているので、そうした状況で両学部の差をアピールしたかった。
【14学則特集】座談会 「研究会/アスペクト」 クラス制 両学部の必修同一化 14学則の特徴【第2部】
Aくんこの2つを見ていると、大学入試に関しては、総合政策学部は文系・環境情報学部は理系というわけかたをしていて、入試もそういうわけかたで作られていそうですね。
Bさん理系マインドを持った人を、優先させて合格させる傾向はありそうですね。
先生そうかもしれませんね。

ただ、本質的なところで、両学部の差をつけることはないので、あくまでテーマ的なものやマインド的なものにすぎないでしょうね。

6:両学部の入試は実は一緒に行なっています。

先生そうそう。そもそも、環境情報学部と総合政策学部に関しては、入試の作成などは一緒に行なっていますからね。
Aくんえ?違う学部なのにですか?
Bさん二つとも違う学部なのに、一緒に行うって、それって文学部と商学部の入試を一緒に作ってるようなものですよね。
先生うん。まさしくその通りだよ。これに関しては、村井純先生が明確に答えているしね。
入試の話に入りましょう。こちらが2つの学部のアドミッションポリシーです。書いてあることは学部毎に当然異なりますが、入試は一緒に行っています。

慶應義塾大学 総合政策学部/環境情報学部2016年度入試について 教科「情報」による入試への挑戦と期待 ~「情報」は「未来を創っていく人材を育てる科目」 村井 純 慶應義塾大学環境情報学部長
Aくんあ、ほんとだ。「アドミッションポリシーは違うのに、一緒に行なっている」って書いてある。ということは、入試に関しては、本質的な根っこは同じと思った方がよさそうですね。
Bさんそもそも学部が違うのに、わざわざ両学部が一緒に入試を行う、ってのはものすごく意図的なものを感じます。
先生うん。SFCには、総合政策学部と環境情報学部に加え、大学院の2学部1大学院で合同で設定している「合同教員会議」、「合同運営委員会」があり、その下に一般入試「学部 AO 入試委員会」「大学院 GAO 入試委員会」「一般入試委員会」の3つを置く体制になっているんだよ。そして、「学生の入学選抜から卒業後の進路に至る全ての過程(Input-Process-Output)」を検討するIPO委員会(これも、「合同教員会議」、「合同運営委員会」の下にあるよ。)もSFC全体で入試を見ていく役割を果たしているんだ。

学部どころか大学院も含めて、合同で入試に関わろう、という体制なんだよね。もちろん「理系」と「文系」、「理系っぽい」「政策的」という分野の違いはあるけれども、根本は同じになるように学内の体制も確立されているんだね。

To be continued...

今回はここまでにします。いずれ、読みやすい形に変えるかもしれませんが、いまのところこんな感じで…。

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SFC小論文の実況中継(その1)

先生 こんにちは。
Aくん こんにちは。
Bさん こんにちは。
先生 今日からしばらくの間、SFC小論文について、説明しますね。このブログの内容も、少しずつ古くなってきていますし、また多くの人が勘違いしている部分も増えているので、こういう実況中継方式で、SFC小論文について説明したいと思います。日に日にコンテンツを増やしていく予定なので、よろしくお願いします。
AくんBさん よろしくお願いします。

1:小論文という科目は高校課程に存在しない

先生早速、多くの人が勘違いしているこのポイントから説明しますね。「小論文という科目は高校課程には存在しません。」
Aくん意味がわかりません。だって、世の中にたくさん小論文の参考書は出ているし、大学入試でも小論文って出題されますよね?
Bさん確かに普段勉強している主要科目の中には「小論文」という授業はありませんけれども…。
先生もう少し、厳密に話をしますね。高校の学習課程は、「高等学校学習指導要領」に基づいていることは知っていますか?
Aくんその言葉、聞いたことあります。
Bさん私もあります。高校で習う内容はそれに基づいているんですよね。よく大学入試などで、「指導要領の範囲外の問題だ」なんて言葉を聞いたりします。
先生では、その「高等学校学習指導要領」の中に「小論文」という内容は書いてあるでしょうか?ないでしょうか?
Aくんもしかして、この流れだと、「小論文」という言葉は書いてないんですか?
先生「流れ」で考えないように。リンク先をクリックして調べればでてきますからね。

実際には、「小論文」という言葉は1つしか出てきません。
Bさんなんだ…出てくるんじゃないですか…。そりゃ、ありますよね。
先生うん。英語のところにね。
Aくんえ?じゃあ、関係ないじゃん。
先生SFC小論文は基本的には「日本語」で書かれているよね。もちろん、総合政策学部2015や環境情報学部2017などのように説明や資料文に英語が出てくることはあるけれども、基本の言語は「日本語」です。だから、少なくとも、高校の学習指導要領に出てくる「小論文」と「SFC小論文」は全く関係ないんです。

こういうことは、高校の先生の中でも、知ってる先生とそうじゃない先生がいますけれども、小論文で受験するからにはしっかりと押さえておきましょう。

2:では「小論文」という受験科目はいったい何なのか?

Bさんそうすると、大学受験の「小論文」っていったい何なのか全くわからなくなってきました。高校の学習指導要領には書かれていないのに、それに基づいて私たちの入試の成績が決められる…。とても不安です。
先生うん。そうだよね。その気持ちはすごくよくわかるよ。でも、だからこそ、まずはSFC小論文という敵についてしっかりと知る必要があるんだ。そして、もうしばらくは法律を中心に考えていこうか。慶應義塾大学がいくら有名大学だろうと、法律を破って、入試をしているわけじゃないからね。
Aくんなるほど…。それはそうですよね。
先生毎年の大学入試は、「大学入学者選抜実施要項」という法令通知に基づいて行われています。みんなが受験するのは、平成30年だから「平成30年度大学入学者選抜実施要項について(通知)」を見ればいいよね。
Bさん先生、この法令通知って、けっこう内容細かくないですか? 試験期日まで細かく書いてますよ。
1 各大学で実施する一般入試及び専門学科・総合学科卒業生入試における学力検査の期日並びにアドミッション・オフィス入試及び推薦入試において学力検査を課す場合の期日については、次により適宜定める。
(1) 試 験 期 日 平成30年2月1日から4月15日までの間
平成30年度大学入学者選抜実施要項について(通知)
Aくん大学入試って、そんなに細かいところまで法律で決められているんですね。
先生できるだけ受験生にとってフェアなものになるように工夫されているよね。注目したいのはこの条文だよ。
第6 学力検査等
1 個別学力検査
(1) 各大学が実施する学力検査(以下、「個別学力検査」という。)は、高等学校学習指導要領(平成21年文部科学省告示第38号。以下、「学習指導要領」という。)に準拠し、高等学校教育の正常な発展の障害とならないよう十分留意しつつ、適切な方法により実施する。
平成30年度大学入学者選抜実施要項について(通知)

Aくんやっぱり学力検査って、学習指導要領に基づいているんですね。だから、Bさんが言っていたように、毎年「範囲外」の出題が問題になるんですね。あれれ、…おかしいぞ…。
Bさんねぇ。コナンくんやめて。
Aくんごめんなさい…。

学習指導要領内に「小論文」という記載は「英語」にしかない。それなのに、「小論文」という日本語の受験科目がある。この通知によれば、学力検査は「学習指導要領」に基づく必要があるんだよね。矛盾しない?
Bさん本当だね。なんか変だよね。
先生あっれっれー、おっかしいぞー…。
Bさん先生もやめて。ってか、辞めて。
先生Bさん、冷たい…。

もう少し幅広く条文を読んでみようか。条文の構成がわかるように不要なところを略すよ。何に気づくかな。
第6 学力検査等
1 個別学力検査(中略)
2 大学入試センター試験の利用(中略)
3 小論文、面接、実技検査等の活用
 (1) 小論文及び面接等
 入学志願者の能力・適性等を多角的に判定するため、学部等の特性に応じ、小論文を課し、また、面接や討論等を活用することが望ましい。
 (2) 実技検査
 主として実技による授業を行う美術、工芸、音楽、体育等に関する学部等(教員養成学部にあっては主専攻)においては、学力検査のほか、実技に関する検査を課すことが望ましい。
4 資格・検定試験等の成績の活用(中略)
平成30年度大学入学者選抜実施要項について(通知)
Aくんえ?「小論文」って「科目」ではなくて、「センター利用」や「外部試験の利用」に近いものなんですか?
Bさん1〜4で並列に並んでいるからそうだよね。そうか、こういう風に決められていたら、「1 個別学力検査」と「3 小論文、面接、実技検査等の活用」は全く関係がないから、「小論文」は「学習指導要領」とも全く関係ないんだね。
Aくん今まで「小論文」って高校で習った何かを書くものなんだって思ってた…。
Bさん私も…。
先生「謎は全て解けた」かな。
Bさんうざい。
先生「小論文」というのは、大学入試における「学力検査等」のうちのひとつであって、「学習指導要領」とは直接関係がない、つまりは高校で習うこととは直接関係のないものなんだ。

もう一回大事なところだけ引用するね。
第6 学力検査等
3 小論文、面接、実技検査等の活用
 (1) 小論文及び面接等
 入学志願者の能力・適性等を多角的に判定するため、学部等の特性に応じ、小論文を課し、また、面接や討論等を活用することが望ましい。
平成30年度大学入学者選抜実施要項について(通知)
Bさん小論文って、「学力の確認」ではなく「入学志願者の能力・適性等を多角的に判定するため、」のもので「学部等の特性に応じる」ものなんですね…。だから、高校で習った内容ではなくてもかまわないんだ。
Aくんつまり、小論文は大学の学部毎に対策が異なるべき、ってこと?
Bさんそうならざるを得ないよね。「学部等の特性に応じ」る必要があるんだし。

よくSFC小論文は難しい難しい、って聞くけど、SFCだけではなく、他の大学・学部の小論文も、その学部学科に合わせたものじゃなきゃダメなんだね。

3:「入学志願者の能力・適性等を多角的に判定するため、学部等の特性に応じ」って何だろう

Aくんでも、「学部等の特性に応じ」と言われても困るよね。オープンキャンパスなどに行けなかった人はどうするんだろう。それに1回のオープンキャンパスだけで全てがわかるわけじゃないし。
Bさんほんとだよね。もう少し、しっかり決めていてほしいよね。
先生うん。きっと、AくんとBさん以外にもそう思っている人は多いと思うよ。実際、平成30年度大学入学者選抜実施要項について(通知)は、それをもっと厳密に定めているよ。

まだ法律の世界にいるけれども、もう少しだから我慢してね。
第1 基本方針
大学入学者選抜は、各大学(短期大学を含む。以下同じ。)が、それぞれの教育理念に基づき、生徒が高等学校段階までに身に付けた力を、大学において発展・向上させ、社会へ送り出すという大学教育の一貫したプロセスを前提として、各大学が、卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)や教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)を踏まえ定める入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)に基づき、大学への入口段階で入学者に求める力を多面的・総合的に評価することを役割とするものである。
※平成29年4月1日より、全ての大学において、上記三つの方針策定及び公表が義務付けられている(学校教育法施行規則第165条の2)。

(中略)

能力・意欲・適性等の判定に当たっては、入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)に基づき、学力を構成する特に重要な以下の三つの要素のそれぞれを適切に把握するよう十分留意する。その際、入学後の教育との関連を十分に踏まえた上で、入試方法の多様化、評価尺度の多元化に努める。なお、高等学校の学科ごとの特性にも配慮する。
平成30年度大学入学者選抜実施要項について(通知)
先生ここに書いてあるように、評価の基準は「アドミッションポリシー」に記載されているんだよ。

昨年までは各大学が任意で作っていたけれども、今年の4月からは義務づけになったので、慶應に限らずどの大学もアドミッションポリシーを公開してるよ。もっとも、慶應は前からアドミッションポリシーを公開してるけどね。
Aくんつまり、アドミッションポリシーにこそ、「入学志願者の能力・適性等」や、「学部等の特性」が書かれているはずなんですね。
Bさんはやく、アドミッションポリシーを読んでみたくなりました。
先生では、次は、アドミッションポリシーを読んでいきましょう。

To be continued...

今回はここまでにします。いずれ、読みやすい形に変えるかもしれませんが、いまのところこんな感じで…。

先生・Aくん・Bさんのお名前やイラストを募集中です。

あと、こんな感じのSFC小論文講義に興味がある方は、いろは塾(後期)にご参加ください。知識に関してはブログの内容と重複があるので、実践重視の講義にしています。ご興味のある方は、

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までどうぞ!(※メールは[at]を@に置き換えてください。)