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環境情報学部・2017年

環境情報2017(添削まとめ)いろは塾(夏期講習)2019

はじめに

いろは塾(夏期講習)7日目!2017年環境情報です。環境2015や環境2016とは少し雰囲気が変わりますが、基本は同じです。ただ強く問われる適性が一部変わりましたね。

得点分布

SFC環境情報学部2017年度小論文添削結果表

いろは塾の過去問添削ではいつもこの表を作っています。みなさまの順位表です。「順位」に関しては、「今回の参加者データ」から計算しているのでそこまで参考になるものではないですが。ただ概ねの傾向はわかります。この問題の場合は、

諸数値
平均   : 92.9
標準偏差 : 36.4
#     : 10

この問題の場合はだいたい想定通りにばらけました。

レベル別にきれいにばらける問題

この問題はレベル別に綺麗に答案が分かれます。

1:77点以下 全くわからなくて答案が埋まらない人
2:88点以上 (適性がないが)とりあえず答案が埋まる人
3:122点以上 (適性の一部があって)答案が埋まる人
4:166点以上 ばっちり適性がある人

今回は、1と2と3に綺麗に分かれました。

SFC小論文の問題には「わな」が含まれています。この「わな」は講義で説明したら「え?そんなこと当たり前じゃん。」と気づけます。でも、知らなければ、こんな感じできれいに山が分かれて試験としての意味を果たしてくれます。さらに恐ろしいことに、日頃からしっかり訓練しないと、この手の「わな」は何度でも引っかかります。

逆に、SFC小論文をはじめたばかりの人でも、全く何も引っかからずにスイスイ解けたりします。この「わな」をクリアするのがSFC小論文で高得点をとるためのコツです。

図の描き方

この年の問題は、「模式図」を描く問題が出ました。模式図を描く問題は、苦手な人はとても苦手ですよね。だけど、模式図が描ければ、理解がぐっと広がります。

今回は、概論を話した後、さっさと10分程度ですが、「ありうるパターンの模式図」をお見せしました。読み手にうまく伝わる絵を書けるようになればいいと思います。

設問を解く順番について

「先生、これ、問4から解いていいんですか?」

という質問をいただきました。

え?いいに決まってるじゃん。解きやすいところから解けばいいのに。確かに過去問の中には、設問の誘導にしっかりのった方が解きやすいものがあるのは事実です。だけど、全部が全部そうではありません。

解きやすい問いから解いたっていいんですよ。

得点が低い人の傾向

得点が低い人は、

1:設問を理解できていない。
2:資料文を理解できていない
3:適性が必要な部分が書けていない

という特徴があります。この3の特徴は、「1」に含まれるのですが、一部の「適性」に関する設問は人によって正答率がばらけます…単に設問を見るだけでなく、適性を意識した対策をすることで、こうした問題は少しずつ解きやすくなっていきます。

分布グラフ

SFC環境情報学部2017年度小論文添削結果グラフ

33点の山、88点の山、122点の山と3つの山があります。添削しながら、こんなにきれいに得点が分かれるなんて、「適性試験」ってほんとに怖い、って思いました。いずれにせよ、

気をつけるべきこと
1:設問を読む
2:適性を確認する

をしっかり対処しましょう。

それでは!

2017年度 環境情報学部小論文の添削をして

みなさま、あけましておめでとうございます。もちろん、「君の名は。」見てますよね。ツイッターでは、「君の縄。」とかとんでもないものがリツイートされてますが、受験生なんだから勉強してほしいものです。

環境情報学部 2017年度小論文 得点分布表

SFC小論文は「適性試験」であるを思いっきり体現した結果になりました。夏期講習を受けた方と、うまく適性にハマった人が高得点となりました。
今回受講者(人)本番予想(人)
22点以下00
3302
4407
55023
66064
770147
881305
1002425
1111512
1226504
1330403
1440263
1552138
166160
177021
18807
20001
なお、赤色セルが安全圏で、黄色セルが英語がよければ合格圏というイメージです。

得点分布表 グラフ

tensaku.png

得点分布からわかるSFC小論文対策

採点した結果ですが、

1:設問通りに書けていない人は点数が低い
2:みんな問3の「それがどのように課題解決・新発見につながるのか」を書けない
3:模式図は「練習すればポイント外さずに書けるのにもったいない

という感じ。順に説明しますね。

1:設問通りに書けていない人は点数が低い

 これは2014年度同様。設問で聞かれてることを答えましょう。勝手にITとか書かないで…無駄だから。

2:みんな問3の「それがどのように課題解決・新発見につながるのか」を書けない

 この問題において、「問題の実行力」を測る第1のポイントがここです。ブログを表面的にしか理解していない方は、「実行可能性」「実効可能性」「副作用の検討」のみに目が行きますが、むしろこういうところが「実行力」を測る重要な問です。それなのにみんな答えられてません…。

3:模式図は「練習すればポイント外さずに書けるのにもったいない

 模式図は、ポイントを押さえておけば、書く内容は限定的で、なおかつ、模式図があることで文章がわかりやすくなります。そういう模式図は、練習をすれば意外と簡単に描けるようになります。

それでは! いろは塾・直前講習 1/7と1/14はじっくりと教えられそうなのでぜひお申し込みください。

2017年度・環境情報学部小論文(速報)

 慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学部(以下SFC)で学ぶということは、既存の学問分野にこだわらず、異分野とされてるものを組み合わせて、全く新しい学問を生み出す可能性があるということです。あなたは自由に科目や研究会を組み合わせて履修することができます。
 SFCの学生に求められるのは、自分の関心を中心に他の分野を結びつけ、世界の課題を解決したり、新たな分野を切り開く能力です。研究会は、SFCの学びの中心です。一般的な大学の研究室やゼミに近いものですが、研究会の教員が教えることが学生の専門になるのではなく、学生が自由に研究会を組み合わせて自分の道を切り開いていくのが、望ましい研究会の履修方法です。
 このようなSFCの研究会のあり方を理解した上で、以下の4つの設問に答えなさい。

1.あなたが環境情報学部に入学してから、解決を試みようとする課題、あるいは発見しようとしていることについて、200字程度で説明しなさい。

2.あなたはいくつかの研究会の専門性を組み合わせ、課題解決、新発見に取り組むこととします。4ページ以降に、10の研究会の内容がそれぞれ紹介されています。これらのうち、4つの研究会を選んで履修してください。履修する研究会名を答えなさい。なお、必ず4つ選ぶこととします。

3.なぜその4つの研究会を履修しますか。また、4つの研究会をどのように履修し、あなたの目標を達成しますか。それがどのように課題解決・新発見につながるのか800字程度で説明しなさい。

4.3.で答えた内容を模式図に表しなさい。枠線内はどのように使っても構いません。文字を使って説明しても結構ですが、必ず図も使いなさい。

雑感

問題の論理構造は、ほとんど2014年環境情報の「本の編集」の問題と同じ。SFC内の研究テーマを自分なりに関係付けて図示するという点では、2007年・2008年環境情報も思い浮かべるような問題。問1で設定した「解決を試みようとする課題、あるいは発見しようとしていること」に対し、問2で選んだ研究会を活用していかにして取り組むか(解決するか)を問3で書いて、問4で描く問題。

説明文

 慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学部(以下SFC)で学ぶということは、既存の学問分野にこだわらず、異分野とされてるものを組み合わせて、全く新しい学問を生み出す可能性があるということです。あなたは自由に科目や研究会を組み合わせて履修することができます。
とにかく、きちんと設問を読むことを念頭におきましょう。出口先生の言葉で言えば、「個人言語」ですね。設問を読むと、

SFC=慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学部
SFCで学ぶということ=既存の学問分野にこだわらず、異分野とされてるものを組み合わせて、全く新しい学問を生み出す可能性があるということ

と設問文中で定義されています。このため、この問題では、今後、SFCに関して、この視点で見て行く必要があります。

次、
 SFCの学生に求められるのは、自分の関心を中心に他の分野を結びつけ、世界の課題を解決したり、新たな分野を切り開く能力です。研究会は、SFCの学びの中心です。一般的な大学の研究室やゼミに近いものですが、研究会の教員が教えることが学生の専門になるのではなく、学生が自由に研究会を組み合わせて自分の道を切り開いていくのが、望ましい研究会の履修方法です。
と書いてあるので、

SFC=慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学部
SFCで学ぶということ=既存の学問分野にこだわらず、異分野とされてるものを組み合わせて、全く新しい学問を生み出す可能性があるということ
SFCの学生に求められる(能力)=自分の関心を中心に他の分野を結びつけ、世界の課題を解決したり、新たな分野を切り開く能力
研究会=SFCの学びの中心。一般的な大学の研究室やゼミに近いもの。研究会の教員が教えることが学生の専門になるのではない。
望ましい研究会の履修法法=学生が自由に研究会を組み合わせて自分の道を切り開いていく

ぐらいまで読み取れます。「研究会」と「望ましい研究会の履修方法」は、別の定義のしかたもあるでしょうが、大勢に影響はないので割愛。
このようなSFCの研究会のあり方を理解した上で、以下の4つの設問に答えなさい。
ここがポイント。「SFCの研究会のあり方」は上で示した通りですと書き、この内容を理解した上で、4つの設問に答えます。

この時点で「環境情報学部」の設問なんだから、「環境情報学部」の研究会やテーマを中心にしなければいけない、という考えは文脈から排除されます。なぜならば、設問で要求されているのは「SFCの研究のあり方」≒「学生が自由に研究会を組み合わせて自分の道を切り開いていく」「自分の関心を中心に他の分野を結びつけ、世界の課題を解決したり、新たな分野を切り開く能力」を理解した上で、4つの設問に答える問題だから、です。「自由に」「他分野」と言っているのに、「環境情報学部」「総合政策学部」を区別して考えるのはおかしい(再度、後述します)。ちなみに、こう書くと「環境情報学部の研究会を中心に選んだ人は減点されるの?」という疑問が出たりしますが、「自由に」なのでそれもない。10個の研究会のうち4つを選ぶ=210通りの中であれば、どのパターンでも「得点のよいパターン」と「得点の悪いパターン」と得点差を出すことはないでしょう。

設問

問1

1.あなたが環境情報学部に入学してから、解決を試みようとする課題、あるいは発見しようとしていることについて、200字程度で説明しなさい
今年度の設問は(も)、1〜4まで密接につながっているので、単体で解説する意味はあまりないのですが、ここでは

・環境情報学部に入学してから解決を試みようとする課題
あるいは
・環境情報学部に入学してから発見しようとしていること

のいずれかを、200字程度で説明する必要があります。

問1で正しく問題発見をすべき、という意見も見ますし、ある意味で正しいんですが、書くべき内容(=課題)は、「問題解決」でも「発見」でもどっちでもいい。但し、この問1は取り組む課題の範囲を設定する、という意味で「問題発見(設定)」。これも、テーマによって減点されることはないでしょう。「自分の関心を中心に他の分野を結びつけ」とあるので。関心事さえ書いていればよい。もっとも出題者には、その「課題」が「自分の関心」かどうか、までを明確には計れないので、内容で減点されることはないと予想(もちろん、内容を200文字程度で伝わるように説明できなければ、減点の可能性はありますが。)

問2

2.あなたはいくつかの研究会の専門性を組み合わせ、課題解決、新発見に取り組むこととします。4ページ以降に、10の研究会の内容がそれぞれ紹介されています。これらのうち、4つの研究会を選んで履修してください。履修する研究会名を答えなさい。なお、必ず4つ選ぶこととします。
ここに関しても、問3を見ないと、あまり解説に意味がないですが「履修する研究会名」が4つ書いていればOK。(もちろん問3で用いる研究会とずれていたら減点の可能性はあるでしょうが。)

問3

3.なぜその4つの研究会を履修しますか。また、4つの研究会をどのように履修し、あなたの目標を達成しますか。それがどのように課題解決・新発見につながるのか800字程度で説明しなさい。
問3は書くべき内容が盛りだくさんなので、書く順番には工夫が必要かも。

・なぜその4つの研究会を履修するか。(4つの理由)
・4つの研究会をどのように履修し、(4つの「どのように履修するか」)
・あなたの目標の設定(問1に関係する「あなたの目標」は何か)
・どのようにあなたの目標を達成するか(「あなたの目標」を「4つの研究会の履修により」どのように達成するか)
・それがどのように課題解決・新発見につながるのか(「あなたの目標」がどのように課題解決・新発見に繋がるのか)

問3は、あまり厳密に書くと、イヤな気分になる人もいそうですが、素直に設問通りに読みます。
また、4つの研究会をどのように履修し、あなたの目標を達成しますか。それがどのように課題解決・新発見につながるのか
と書いているので、「4つの研究会の履修」は「目標達成」のためです。そして、「それ」がどのように「課題解決・新発見」につながるか、と言っているので、「それ」と「課題解決・新発見」は別。ここで指示語「それ」が「あなたの目標」ではなく「研究会」をさすのであれば「それら」と書くはずだし、そもそも「あなたの目標」という言葉を挟む必要はない。よって、「それ」は「あなたの目標」と読解。したがって、問3では上記11のポイントを800文字程度で説明する必要があります。2007年度の総合政策学部の資料でいうところの「手段・目的」型の「議論の本位」です。ただし、実際のところ、問1で書いた「課題」「発見しようとしていること」=「あなたの目標」として、問3の文章内で素直に読み取れるようになっていれば、問3で「あなたの目標」が明示的に設定されていなくても、問題はない、あるいは、減点されていても些少、だと思います。

この手の問題を、私は「構成力」を見る問題として、よく解説します。(2013年度環境情報学部の身体知、2011年度総合政策学部の望ましい日本、2014年度環境情報学部の本の編集など。)これはいろは塾の前後期でも冬期講習でも直前講習でもファイナルでも説明しましたね(講義によって、システム力や創発力と言い換えるときもあります)。要は「異なる目的のものを組み合わせて、別の全体の目的を作り上げる能力」を確認する問題です。言い換えると、「異なる目的のもの」である「研究会」を組み合わせて、「全体の目的」である「あなたの目標」を実現する力があるかどうか確認するための問題と考えています。総合政策的アプローチでいうと、「解決策の設定」「実効可能性」「実行可能性」あたりですね。恐らく採点基準には、「構成力」という採点基準が絶対に入っているはず。あとは「実行できるかどうか」「効果がありそうかどうか」あたりで加点されるのではないでしょうか。

2014年度環境情報の「本の編集」の問題が、この問題に極めて類似したつくりになっていますね。SFCの問題発見・解決の構造としては「入れ子」になっているため、解きづらい問題だ、と解説している問題です。「対象とする問題領域」の中に「問題発見・解決」があり、実際に「それを解決するための枠組み」という問題発見・解決(この場合、解決ツールが「研究会」に限定されるために、問題発見を再度やり直さなければならないのです。)が別になっているのです。本で言えば、「本が対象としている問題領域」と「本の目的」は異なるということです。(本の内容が同じ「過労死問題の解決」であったとしても、その本の目的が「告発したいため」「若い人にしってほしい」「今苦しんでいる人に解決策を伝えたい」によって書かれるべき内容が異なるのです。ここにも過労死問題の発見・解決という問題発見と、本の問題発見・解決という入れ子関係が存在します。)

問4

4.3.で答えた内容を模式図に表しなさい。枠線内はどのように使っても構いません。文字を使って説明しても結構ですが、必ず図も使いなさい。
問3で「あなたの目標」をうまく設定できていないと、図を描く部分で苦しむかもしれませんね。問3の800字では、少し分量が足りないので、図示させて、もう少し問3の答案の意図を明確化する問題だと思います。

余談ですが、問3を単に図示するだけの問題といえばそうなんですが、これ割と多くの人がうまく描けません。差がつきやすい部分かもしれませんね。

残りは余談。

AO入試と一般入試

今年の小論文の問題はAO入試のように受験生の志望度ややりたいことや問題意識を問うことができる良問だ、という意見があったので、少し反論。まず慶應義塾大学自身はAO入試と一般入試の違いを以下のように分類しています。2011(平成23)年度 点検・評価報告書内に、「5.学生の受け入れ」という項目があります。

この中のp335に
AO 入試に関しては,すでにキャンパスの教育理念を理解している学生を選抜する入試
一般入試に関しては, 単なる知識力や得点の高さを競う学科試験ではなく,英語あるいは数学の学科試験と発想の豊かさ、論理思考能力的表現力等を見る小論文とを組み合わせ,受験生の総合的な能力 により合否を判定している。
という記載があり、慶應義塾大学内ではAO入試と一般入試をこのように区分しています。(明確に「一般入試」は「すでにキャンパスの教育理念を理解している学生を選抜する目的はない」とまでは明示されていないし、全ての入試は「本学部の教育理念を理解する学生を選抜するために」行うこととも同時に書かれていますが、少なくともそういった様々な入試形態の中でも「色分け」をしているのは事実でしょう。)

もし、本当に「すでにキャンパスの教育理念を理解している学生を選抜」したいのであれば、2007年度の環境情報学部や2008年度の環境情報学部のような問題を出題すればよいです。何も研究会を10個に限定する必要はありません。その意味でいえば、解決策が各研究会に限定されない分、まだ環境情報学部の2015年度や2016年度小論文の方が、まだ「すでにキャンパスの教育理念を理解している学生を選抜し易い」入試だと言えるのではないでしょうか。

よって、今年の入試を私はAO入試的と見るのではなく、研究会を題材に「構成力」を中心に「発想の豊かさ、論理思考能力的表現力等を見る」問題だと考えています。ただし、今年は題材がSFCの研究会であったため、SFCでやりたいことをある程度考えていた人の方が「解きやすかった」「発想しやすかった」というのは事実だと思います。(この辺、いろは塾ファイナル等では「問題意識・動機」はピラミッドをかけあがるためのはしご、として表現しました。)

ネット上では「全員をAO入試にしたいから、これは問題意識を問う問題だ」という意見もありましたが、マンパワーの問題さえ解決すれば、法律的には2月にAO入試を実施することもできますので、一般入試にAO入試と同じ特性を持たせる必要はないのではないか、と個人的には思っています。あと「独創性」や「独自性」のある答案が合格し易い、という意見を目にしますが、厳密には間違いだと思っています。「独創性」や「独自性」のある答案に関しては、通常「具体的」に書かれることが多く、この問題でいえば、「構成力の有無」を測りやすい答案になることが多いのです。私は、SFCの先生は、設問に応じて書かれた受験生の答案をみて、「○○力」を測る、という手法をとっていると考えているので、設問に応じた具体性から答案を判断せざるを得ない、と考えています。だからしばしば「具体的に」書かれる「独創性」や「独自性」のある答案は高得点になるのではないか、と。

環境情報学部と総合政策学部の違い

だいぶん下火になってきましたが、研究会の選び方自体が環境情報学部的か、総合政策学的かどうか、ということについての意見も見るので補足します。

多くの人がご存知の通り、私は環境情報学部と総合政策学部に関して出題内容のテーマ性以外の差を設けることに反対する立場です。
SFCの中で、環境情報学部はおもに「人と地球」のことを考え、その間に入ることは総合政策学部が考えるという役割分担をしています。とはいえ入学すると共通の授業がとれますし、科学的・論理的な思考を重視する点は共通しています。大まかに分けると環境情報は理系っぽく、総合政策は政策っぽい感じなのですが、これは大した違いではありません。
慶應義塾大学 総合政策学部/環境情報学部2016年度入試について 教科「情報」による入試への挑戦と期待 ~「情報」は「未来を創っていく人材を育てる科目」 村井 純 慶應義塾大学環境情報学部長
と、環境情報学部長自体が、両学部の役割分担を大した違いではありません、と述べています。

また、別の対談を、ちょっと長いですが、引用します。
内藤:
SFCの教員内で、「総合と環境が双子の学部である」ということは了解されているのですが、双子だけど「同じ」なのか、双子だけど「違う」のかということについては、意見はばらついています。僕は個人的に違うと思っています。

総合と環境は、先生の顔ぶれを見ても全然違います。さらに、その上で境界領域でどちらにも足をつってこんでいる教員も多い。ただ皆さん自分の立ち位置はしっかりわかっていると思います。自分がどちらの学部に大きく足を突っ込んでいるかははっきりしている。総合9で環境1の人は環境情報学部の教員とは言えませんからね。

このように、本質的に分かれている両学部を、カリキュラムも分けて違いを出す必要はありません。カリキュラムを変えたから変わるというのは非常に薄っぺらいと思いますし。

—SFC(の教員や学生)を説明するときには、総合と環境の二本柱と両学部のバランスで説明することしかできないわけであり、本質的に両学部は分かれているということですね。

内藤:
総合と環境の片方だけにいる人もいれば、両足を突っ込んでいる人も確かにいる。ということは、総合と環境は違うものなんだけど、それはゼロかイチの違いではなくて、アナログ(連続的)な違いなんですよ。白と黒を混ぜて、みんなで灰色になろうと謳っているわけではなく、白い場所も黒色や灰色の場所もあっていい。混じりようがない二つのものが衝突し続けているのが良いんですよ。

SFCは文理融合という一つのゴールを目指しているわけではなく、常に新しい領域を開拓し続けていくのが使命だから、一つの学部にしてはいけないんじゃないでしょうか。

— 「総合」と「環境」という異質な二つのものが衝突し続け、そこから生まれるダイナミズムこそが、SFCから新しいものが生まれ続けるために必要なのかもしれませんね。
【14学則特集】座談会 「研究会/アスペクト」 クラス制 両学部の必修同一化 14学則の特徴【第2部】
まず、ここから分かるように、「双子だけど「同じ」なのか、双子だけど「違う」のかということについては、意見はばらついています」と書いてあり、そもそも教員内でも意見がバラバラなのに、それを無理矢理分けて、大学入試で問うことはまずありえないでしょう。
さらには、両側にまたがっている先生もいるようです。こういう状況で、

「環境6:総合4」の環境情報学部の先生3人と純粋な環境情報学部の先生1人を選んだ場合

と、

純粋な総合政策学部の先生1人と純粋な環境情報学部の先生3人を選んだ場合

を、どのように点数化して差別化するのでしょうか。前者は「総合」の割合は多いが、全員が環境情報の先生です。一方で、後者は、1人総合の先生がいますが、総合の割合は少ないです。さて、この違いをどう評価しますか?ということを考えると、選んだ研究会において、環境情報学部らしさ、総合政策学部らしさを判定するのは不可能に近いでしょう。

さいごに

個別の小論文に対する意見はお答えかねます。直接お教えした人には「一文が書かれていないこと」がどれほど読み手の読解に影響するのか、という体験を常にしていただいています。再現答案程度では、到底、良し悪しは計れないし、間違った判断をしかねないからです。

合格発表まで、もう少しなので落ち着いて待ちましょう。ちなみに、去年、監視カメラくんは合格しましたよw。急いで書きましたので分かりづらいところなどあるかと思います。ご質問などあれば、Twitter @IrohaForComか、ブログのコメント欄にでもどうぞご記入ください。