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総合政策学部・2018年

総合政策2018(添削まとめ)いろは塾(夏期講習)2019

はじめに

いろは塾(夏期講習)4日目!SFC小論文の本領発揮!みたいな問題です。もちろん、計算問題は面倒なんですが、「必要なことはそこではなく、問題発見・解決だ」ということが伝わる問題でした。(なお点数が低い方は計算で撃沈したようでございます。)

※注:今回の演習では、あらかじめ「ほしいひと」は計算の答えをお渡ししました。単に計算で終わったら演習時間がもったいないからです。(それなのに、やっぱり計算でダウンした人もいました笑)

得点分布

SFC総合政策学部2018年度添削結果解答例表


いろは塾の過去問添削ではいつもこの表を作っています。みなさまの順位表です。「順位」に関しては、「今回の参加者データ」から計算しているのでそこまで参考になるものではないですが。ただ概ねの傾向はわかります。この問題の場合は、

諸数値
平均   : 88.5
標準偏差 : 33.8
#     : 11

これはあくまで体感的な数字ですが、標準偏差はだいたい20〜30の間におさまることが多いです。だからこの数字はちょっと高めです。難しい問題の場合は、こういう傾向になることはよくあります。

計算結果の意味を考える

この問題は、「計算結果の意味」を考える。これさえできれば解けます。

現に、設問の構造はとてもシンプルです。設問間のつながりも「現実世界と数値の意味をつなげる」ことができれば、すっと糸がほどけるように理解できます。(講義で解説したら、「あ…確かに」というため息をついていた人もしました。)直前までこの問題は取り扱いませんが、夏期講習の講義動画は、まだご覧いただけますのでお申し込みください。

計算結果は間違えても気にしない

もちろん、「正しい計算」をするにこしたことはないですし、「正しい計算結果」の方がこの問題は解きやすいかもしれません。(でも「正しい計算」をすると、1位がA・B・C・D・Eとバラけちゃうんですよね…。)

ただし、「論じる」ことを重視しているはずなので、1つや2つ計算ミスをしても問題自体は、かなり高得点がとれるように作られています(と、信じています)。だから、思い切って出てきた答えに基づいて解けばいいと思います。

資料を参考にする時には引用元を明示する

先日「なぜSFC小論文で「引用」をオススメしないのか?」というエントリーを書きました。このエントリーを読んでいただければ、だいたいの理屈はわかると思います。

資料を参考にした場合には「資料3より」とか「資料4では」のような書き方をして、元に参考にした資料を明示した方が無難です。もちろん、単にアイディアを思いついただけ、なら引用元は明示しなくていいですけれどもね。その資料のアイディアを直接的に使う場合は引用元を明示してください。そして、自分の意見と他人の意見の差がわかるようにまとめるのが一番良いでしょう。

得点が低い人の傾向

得点が低い人は、

1:設問を理解できていない。
2:資料文を理解できていない

の両方の特徴があります。「設問が理解」できなければ、正しく書くことも、正しく資料を読むポイントをおさえることもできません。そして、「間違った設問理解」のまま、資料を読んで、外したポイントの該当箇所を読み取って、その内容を答案に書く(ただし、設問を理解してないので、ここでも間違った内容を書きます。)このような二重三重の遭難をします。また「設問を読めてるつもり」になってる方も多いです。自己採点だとかなり点数が高いのに、私が採点すると低くなっちゃうんですよね。それは「設問を正しく理解していないから」です。

分布グラフ

SFC総合政策学部2018年度添削結果解答例グラフ

最後に、分布グラフです。今回も2山できていますね。122点(Bさん)と133点(Aさん)の方は、「この問題で解くべき内容」をしっかり理解していました。(時間が足りずに、問4が埋まっていなかったのが残念。)他の方でも100点以上の方は、問3はイマイチでも、問4の点数がよい傾向にありました。この辺は発想力の差かもしれませんね。

どういう対策をすべきか、なんとなくイメージがつきましたでしょうか。さて、明日は金曜日の講義の分を更新します。それでは!

2018年度総合:党首選におけるルールを選ぶ価値観について

どういう党首がふさわしいか、というよりは、どのルールで党首選を行ったときに、より平等に国民の意見が反映されやすいのか、という観点で答案をつくったのですが、それだとダメですか?
(コメント欄に管理者のみ表示としてご質問をいただきました。)

ご回答:全く問題ありません。

上の内容で、ぜんぜん問題ありません。これって言葉を変えると「より平等に国民の意見が反映される党首を選出できる」という価値観の設定を行なっていることになるので。

全く問題ないですよ。

2018年度総合政策学部小論文 解答速報

解答速報(概要)

今年も、模範解答は作成しないことにしました。問1はともかく問2以降は、バラエティに富んだ解答が考えうるからです。そのかわり、2018年度総合政策学部の問題をもとに採点基準を作成しました(あくまでこういう見方をすれば、この小論文でこういう適性や能力が問える、という基準です。)問題発見・解決の枠組、それに対応したSFCにおいて問われる適性を横に記載しています。ぜひ、試しに採点して見てくださいね。

なお、私の採点は多少低めに採点されるらしいので、採点結果もそれをふまえてみてくださいね。

実際の採点は2名で行なっていると想定

しょうろんでは、実際の採点は2名で行なっていると想定しています。もともとSFCはオープンキャンパスなどで小論文は同じ答案を複数人で採点していると公言しています。だから、2名以上で採点していることは間違いありません。また、試験までの残り時間やSFCの教官などのリソースを加味すると、同じ答案を二人の先生が採点するという方式であれば、1答案あたり8分の採点時間をかけられます。これぐらいの時間があれば、採点基準ををきちんと吟味しながら採点できます。また、答案用紙にも2つ採点欄らしき枠があり、採点を2人で行なっている傍証だと考えています。(ちなみに同じ答案を4人で見たら1答案あたり4分、同じ答案を8人で見たら 1答案あたり2分しか見る時間はありません。)


なお、今回のこの採点基準では、答案を2人でチェックできないため(答案は受験生の頭の中にしかないため)、1人で採点することを想定して作成しています。

では、いざ採点!

1:以下の採点基準を参考にして、18点満点の素点を計算する

以下の採点基準を参考にして、素点を計算しましょう。なお、各チェック項目は0点・1点・2点のうちのどれかになります。小数点以下はなしです。
問題発見解決能力適性記号チェック項目素点
問1問題
発見
数的
判断力
A計算結果は正しいか。(正答数が1つ以下…0点、2つ・3つ…1点、4つ…2点)
 決選投票付き多数決:DABCE
 逐次消去法    :CEDBA
 ペアごとの多数決 :ABCDE
 順位評点法    :BACDE
(  )点
/2点
問2問題
構造化
論理力
構想力
B問1の計算結果を基に、各ルール間の共通点や相違点を見つけ出してグループ化の基準を定め、グループに分類できたか(単に二つのグループに分けているのであれば1点、三つ以上のグループに分けていれば2点)(  )点
/2点
表現力Cベン図やツリー図などを用い、問2のグループとそのグループ化の基準の両方が明確に図示されているか。(1点にするか、2点にするかはフィーリングで決めてOK)(  )点
/2点
問3問題
発見
自主的な
思考力
D「党首選のあるべき姿」を踏まえ(+1点)た上で、「どのような選び方が望ましいか」を記載(+1点)しているか。(  )点
/2点
論理力E資料1〜6に記載されている内容を考慮して(引用されていなくとも、「へんな結果」などを加味していればよい)、ルール間の順位付けを行なえているか。(1点にするか、2点にするかはフィーリングで決めてOK)(  )点
/2点
数的
判断力
F各ルールの計算方法と、現実世界での順位決定方法の関係性を意識した答案となっているか。(1点にするか、2点にするかはフィーリングで決めてOK)(  )点
/2点
構想力G問3で作成した相対的な順位は、問2のグループから見て、不自然な点はないか。(1点にするか、2点にするかはフィーリングで決めてOK)(  )点
/2点
問4問題発見発想力Hあなたの過去の知識や経験から、複数人で共同で順位を決定する場面を選び(+1点)、その順位付けルールを、設問や資料1〜6に合わせて整理し(+1点)、両方を答案に記載できているか。(  )点
/2点
自主的な
思考力
Iあなたが「興味深い」と感じた理由について「その事例におけるあるべき価値判断基準」(+1点)と「複数人での順位付けルール」(+1点)の2点に整理して記載できているか。(  )点
/2点
補足 B:論理力
本来「数」で判断するべきではないのですが、採点しやすいようにグループの数を基準に判断しています(3つ以上の方が、問3で利用しやすい)。もちろん、グループ分けする判断基準を明記していないのに、単にグループに分けている場合は加点しません。
補足 D:自主的な思考力とF:数的判断力
例えば「単純多数決」は2位以下を全く無視する計算方法です。1位だけを党首選に用いているため、一番多くの人がトップにふさわしいと思っている人が選ばれることになります。一方で、「順位評点法」は1位から5位までを全て考慮します。この場合は、「より他の人と比べてよいと思われることが多い人」が選ばれやすくなります。単純多数決では、一部の人に熱狂的に愛されている癖のある人が党首になる可能性もあります。一方で、順位評点法はナンバーワンでなくとも多くの人に好かれている人が高い順位となる傾向にあります。一部の熱狂的な人に愛される人には敵も多いです。一方で、安定的に好かれるナンバー2は敵が少ないため、そうした点を考えると敵が少ない人をトップにしたほうがいいかもしれません。このように計算方法によって選ばれる人の「好かれ方」が異なってくるわけ(ここまでがF:数的判断力)です。
 では、「党首」というのは、「一部の熱狂的な人にトップと思われている人」か「トップではないものの、多くの人から支持を受けている人」のどちらがいいのでしょうか。これは、「どういう人」を「党首」として選びたいのかを自分で決めなければ確定しません。つまり「望ましい党首」とはどういう人かを事前に決めてから(D:自主的な思考力)、それにふさわしいルールを選ばなければいけないのです。ここは明確に価値基準を定める部分ですね。
補足 E:論理力
すでに説明したF:数的判断力に関して、試験前の「自分の知識」のみで深い分析をするのは難しいです。だから、事前にルールに関する資料を読んで、ルールの知識を持たなければいけません。それが資料1〜6です。これらの資料に書いてある内容がある程度意識されていればOK。全く意識せずに、持論を展開しているだけであれば、この項目は0点です。資料1〜6の内容を全て意識できていることが望ましいですが。資料も多いので、全部は無理な方が多いでしょう。
補足 G:構想力
問2で作成したグループ分けと、今回の相対的な順位には関係があるはずです。この関係性が全く無視されていたら、この項目は点数がつきません。(たとえば、Eが高順位かAが高順位かによって、問2のグループ分けを行ったとします。そして、Dで定めた価値観が「もっとも多くの人からトップであってほしいと思われている人が党首にふさわしい」であれば、当然Eを高順位として評価するルールの相対的順位が上がるはずです。)
補足 H:発想力
「社会的選択の分析枠組み」という言葉で困ってしまった方が多いと思います。実際に、設問文でも資料文でも細かく定義されていません。しかし、設問と資料文全体を読めば、「個人の選好」と「その個人から構成される集団の選好」の間で矛盾や違和感を感じる事例について述べていることがわかります。だからここでも同じような事例を選べばいいのです。分析可能であるためには、少なくとも「集団の選好」の計算ルール(あるいは計算基準)に言及されている必要があります。
補足 I:自主的な思考力
Hで示した事例が「興味深く」なるためには、「集団の選好」の決定がどのように行われるべきか、という理想が分かっており、なおかつ現在生じている「集団の選好」やその決定方法がその理想とずれている、あるいは、過去ずれていた必要があります。だから、その「理想」と「ルール」のずれを採点基準としました。もちろん、この問いはもう少し幅広く理解することも可能なので、採点基準をもう少し広い目線で理解することも可能だと思います。

2:素点から200点満点の得点に換算する。

以下の換算表を基にして、18点満点の素点から200点満点の得点に変換する。
素点得点
00
111
222
333
444
555
666
777
888
9100
10111
11122
12133
13144
14155
15166
16177
17188
18200
※過去3年間、得点開示で出てくる得点が全てほぼ11の倍数(実際には100でずれるけれども)となっているため、18段階のチェックシート方式で採点している、と推測され、それを反映した換算式としています。

終わりに

このチェックシートはまだ採点に用いたことがないため、少し難しめに作成されている可能性もあります。(他の年度の過去問ならば、演習の答案を用いてレベルの調整が可能です。)だから、この点数はあくまで参考程度にご利用ください。この得点は、本番試験の得点を模倣するためのものではなく、本番試験の問題から推測される適性や能力を問うためのポイントを幅広く抑えているかどうかを確認するための得点です。

もしよろしければ採点した結果を、ツイッターのDMやメール、コメント欄にご投稿いただけるとうれしいです。それらのデータを用いて、順位や偏差値などさらなる参考情報がわかるので。

それでは、みなさま、SFC入試お疲れ様でした。まだ、他の私学や国公立の入試が残っている人は、あと一息頑張ってくださいね。