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論理表現・読解力

SFC小論文で図表を描くことについて:常に描くのはキケン!

はじめに!

ようやく夏期講習用の添削資料全部準備したよ〜♫(印刷とても大変でした。)

 さて、2019年度環境情報学部は夏期講習ではじめて取り扱うので、ちょっと細かめにチェックシートを作成していました。そして、試験後に「図や絵は描いた方がいいの?」という質問をいただいたのを思い出しました。毎年、よくいただくご質問ですので、それにお答えしようと思います。

設問での出され方について

解答欄3に具体的に自由な形式で記述してください。

解答はすべて文章で記述してもかまいませんし、絵と文章を組み合わせて記述してもかまいません。
環境情報学部2019年度 小論文 問3より抜粋
こういう問題の場合、どうすればいいですか?という話。こういう問題の場合、悩みますよね。「図や絵を描かなきゃ減点されるの?」とか…。

お答えは単純です。

答え1
 どっちでもいいです。だって、「どっちでもいい」って設問文に書いているし。

予備校などでは、「絶対に描いた方がいい」と言われるみたいですが…。

言い換えれば、「絵や図を描いているか、描いていないか」ただそれだけで加点される、減点される、ということは決してないです。なぜならば、論文において、図表は必要なものしか描かなくてよいからです。いや、必要な図表を描くべき、と書いた方がいいですね。いつも言っていますが、大学の先生は「論文のプロ」です。大学の先生は「査読」と言って、他人の論文のチェックを行います。その時のチェックに当然、「図表」も入ってきます。よい資料はないかな…と思ってみたら、研究論文の書き方(2) 査読者の本音なんてのが見つかりました。九州大学の先生で、バイオ分野の資料ですが、「大学の先生」という点でいうとほぼ同じです(というか、SFCでもバイオ分野はありますし、この九州大学の先生が査読する可能性もありますしね。)
 最初に手を付けたことは様々な図表の中,重要と思われるいくつかを残し,後は全部捨てたことである.タイトルやシンボルがゴチャゴチャと記入されていた図やグラフを最初から描き直した.図表をスッキリさせた結果,これに追随するかのように,原文をスッキリした文章に直すことができた.
研究論文の書き方(2) 査読者の本音
もはや、言わずもがな…ですね。こういう文章をみていると、大学の先生は「無意味な図表」を嫌うことがわかります。だから、自由に書け、という形式の場合に、図表を必ず入れる、という方針にすると、逆に表現力のなさを示すことになるのです。

大学の先生は「その図表に意味があるか」をチェックするのです。単に図や絵が描いてあることを評価するものではありません。

先ほどの答えをもう少し洗練します。

答え2
自分の言いたいことをうまく伝えるために必要な場合のみ図表を描く

図表を描くのが「必要な場合」とは?

次に出てくるとしたらこの質問ですね。ほぼ同語反復に近いですが、

図にすることでより伝わりやすくなる場合

です。ここは演習をした方がわかりやすいのですが、講義ではないので割愛します。一応、説明だけにしておきますが、

・文章にすると複雑になりすぎる場合
・図を描かないと伝わりにくい場合

の2箇所のみです。(夏期講習などで、該当箇所に当たれば演習を通じてご説明しています。)こういう場合には、図表が必要となります。
 だから、最終的には、

答え3
自分の言いたいことをうまく伝えるために必要な場合のみ図表を描く
必要な場合とは、
・文章にすると複雑になりすぎる場合
・図を描かないと伝わりにくい場合

という感じです。

練習の時はできるだけ図表を描こう

ここまでをまとめると、受験生は、

1:図表を描く必要がある場合を見分ける
2:情報が伝わりやすいように図表を描く練習をする

の2つの練習をする必要があることになります。

この「1」の練習は、講義を受けてもらい、かつ、読解力をあげてもらうしか方法がないですが、「2」の練習はとても簡単です。

どんな場合でも、図表にする練習をする

です。図表に描きづらいものでも、図表にする練習を行うことで、表現力がアップするからです。だから、「練習」の際は、どんどん図表を描いていきましょう。(「1」の見分ける練習をするのも忘れずにね!)

おまけ:解答用紙の裏面を使用するのは…よく設問を読んでから。

ちょっとネットで気になる表現をみたので、補足しておきます。「文字数に制限がないなら解答用紙の裏まで書いてもよい」という意見です。元の文章を厳密に読むと、誤った内容ではないのですが、あたかも「文字数に制限がない場合は、裏まで書いてもよい」と伝わりそうな書き方だったので気になりました。

小論文では通常「解答欄」が指定されます。そして、その解答欄を「はみ出ること」は許されません。いくら文字数の指定がなくても、です。文字数の指定はなくとも解答欄の指定はなされるのが普通です。(これは又聞きですし、SFCではなく、慶應他学部の話として聞きましたが、小論文を採点する際に、「解答欄外」の内容をみないようにするため、それを隠す「枠」をあてがった上で採点するらしいです。「設問指示」を満たさない書き方をするのはNGなのに、外側に書く人があとを立たないんでしょうね…。)

ちなみに、逆に言えば、(責任はとりませんが、)設問指示を満たしていれば、なんでもありだと思っています。あまりにも毎年「今年の小論文は特殊だった。」と言われるので、 なんてツイートをときどきしています。割とみんなほとんど信じてくれなくて、毎年流されちゃうんですけれどもね…。

ところがですよ…、今年のSFCの「芸術と科学」という授業のの最終課題は…

慶應義塾大学の出席票を用いて、芸術作品を作成して提出する

でした。「設問の条件さえ満たしていれば、」こういう発想はありだと思います。

夏期講習……あと少し席がありますのでよろしければご参加ください!

いろは塾(夏期講習)小論文

ということで、最後は宣伝です。図表が必要な場合と、そうでない場合に関しても講義を行います。

2019/8/19(月)〜23(金)、2019/8/26(月)〜30(金)で小論文の夏期講習を実施します。まだ若干席が残っておりますので、ご興味がある方はこの機会にご参加ください。詳細は、「いろは塾(夏期講習)SFC小論文 8月19日〜8月23日/8月26日〜30日」をご覧ください。

また、遠方の方や通うのはちょっと…という方は動画での講義もご案内しております。動画講義を受講してから添削(別途:有料)をご依頼いただくこともできますので、ぜひご検討ください。動画講義の詳細は、いろは塾・夏期講習(動画講義)のお申込みについてをご覧ください。

SFC小論文と論点について

論点を問われる問題が苦手…

(1)資料①を読むと「日本の針路」を考え、また各組の違いを比較する上で重要な論点がいくつもあることに気づきます(第1問の「観点」も論点の例です)。特に重要と思われる論点について各組の違いを分析しましょう。その上でD組の主張を補強しながら他組を批判してください。なお資料①からの引用や要約は必要かつ最小限にとどめてください。
総合政策学部2013年度 小論文(第3問)より抜粋
問題1
 資料1〜5の内容を参考に、各資料に共通する論点、立場の異なる論点、あなたが重要と考える論点などを挙げつつ、グローバリゼーションが世界の政治・経済にもたらしている変化について論じてください。
総合政策学部2012年度 小論文 問題1より抜粋
問1:まず「少子化」(A)、あるいは「格差社会」(B)、どちらかのテーマを選択し、選択したテーマの記号(AあるいはB)を、解答欄冒頭に与えられたカッコ内に記しなさい。
次に選択したテーマを論ずる3つの文章の内容を分析し、当該テーマを論ずる際の「議論の本位」は何か、また「議論の本位」を定めたうえで(あるいは定めるために)、検討すべき主たる「議論の箇条」は何か、あなたの考えを1000字以内で記しなさい。
なお「議論の箇条」を、「争点」あるいは「論点」と読みかえてもかまいません。
総合政策学部2010年度 小論文 問題1より抜粋
出題文に「論点」と書かれている問題は過去にいくつも出題されています。そして、こういう問題は、けっこう苦手としている方が多いです。今回は「論点」についての話題です。

閑話休題:論点を理解するためには読んでね笑

「論点とは何か」がわからない方はまずはこのエントリー「男子目線でサクサク体得する「論点」講座」を読んでください。中にかなりわかりやすく書いていますので。

余談ですが、この質問をしてきたジョン様はついにSFCの4年生になられてしまいましたね。時の立つのははやい…。さて、元に戻します。

「論点」を操る力を身につけよう

過去問をやっていて、このあたりの問題を苦手にしている方は多いです。ただし、注意をしてほしいのは、『出題する側のSFCは「論点」と明示している年にのみ、論点を問うているわけではありません』ということです。実際に、この手の問題が苦手な方はまず間違い無く、環境情報2014年度や総合政策2017年度の問題(他にもいろいろあります)も苦手です。この辺りの年度の問題は、「論点を用いた思考」を求められるからです。だから、重要なのは、表現上「論点」と書いている年度の問題のみに着目するのではなく、「論点思考」を理解し身につけることです。

「論点」というものの正体に関しては、つまり「論点」に関する知識としては、「男子目線でサクサク体得する「論点」講座」に記載されている内容を理解すれば十分です。

一方で、こうした問題を解く力はそれだけでは身につきません。この文章中でも「論点思考」「論点を操る力」などと書いていますが、「これが論点力だ!」「これこそが論点思考力だ!というスキルを伝達して身につけるだけではよい答案には結びつきません。例えば、総合政策2013年度の問題では「論点思考力」に加えて「読解力」がないと答えることはできません。確かに、表面的に「論点を捉える問題」として分類するとなんとなく安心できる気にはなります。けれども、実際のところ、そう分類した対策したとしても身に付くものはほんのちょっとです。なぜならば、論点という風に分類した瞬間に、論点にのみ着目し、他の適性は切り捨ててしまうからです。

だから、こうした問題を解けるようになるためには、

・適性を意識しながら過去問に取り組むこと
・適性を意識しながら答案を作成すること

が必要となります。つまりは、論点を絡めた適性を意識しながら実際に総合的に問題に取り組む必要があるのです。

もしまとめるとするならば

論点に関して、もしまとめるとするならば、

論点に関して身につけておくべきこと
1:論点を資料(グラフ含む)や文章から読み取る力
2:論点を自分で定める力
3:論点に基づいて自分の文章を構成する力

の3つが必要です。

いろは塾でよくやる話題(実際には「指標」の問題で用いる例です)をここに書いてみます。ちょっと自分で考えてみてくださいね。(自分で考える人が少ないですし、すぐに答えをみて納得したり、あるいは、納得しなかったりして中途半端にしか理解できない人が多いので、この手の例をブログの中に書くのはあまり好きではないんですけれどもね。)

おいしい肉まんを考える時の論点って何ですか?

閑話休題:アクション・ラーニングについて

いろは塾では、だいたい講義の20%〜50%はこの手のワークを入れようと工夫しています。(伝達する知識が多い時は、一方的な座学になるけれどもね。)そうしないと覚えられないからです。先日、アクション・ラーニングの形式で進められた大学院の説明会に参加したのですが、やっぱり覚えやすさや印象に残りやすさ、理解の度合いが違いました。またこうすることで知識だけではなく、「適性に関する力」が身につきます。応用力のある方であれば、これを自分でやってみたあとに、例えば「自分の英語学習の論点は?」みたいに問題設定をして私に話しかけてくださいます(主にツイッターで)。そうやっているうちに、適性に関する力が身につき、合格に近づいていきます。

さて肉まん問題を再開!

考えてみましたか?いろいろありますよね。よく出てくるものは「肉の多さ」「味の濃さ」「薄い皮の部分」「アツアツ」「外の部分と中の部分の比率」「肉汁の量」etc 講義ではもっといろんな例があがります。

これを「考え出す力」が「2:論点を自分で定める力」です。そして、「3」にも少し関わりますが、思いついた論点のうち、現実的な数の論点をピックアップする力も「2:論点を自分で定める力」に入ります。ひょっとしたら、予備校や他の塾の整理だとこの「論点を自分で定める力」を「発想力」と呼んでいるかもしれません。けれどもこうした内容を発想力と単純に整理するのは危険です。特別なアイディアを思いつくべきだ、と誤解される可能性があるからです。また発想力と呼んだ瞬間に「現実的なものを選ぶ」という意識が希薄になります。

少し話題がそれました。さて、もし肉まん評論家4人の文章が並んでいたとしたら、それは2013年の総合政策の問題ですし、5人の文章が並んでいたら、それは2012年の総合政策の問題です。その文章から「論点」を読み取ってあげる必要があるはずです。たぶん、肉まん評論家の文章はやたら詩的に書かれていてある筆者と別の筆者が同じ「肉汁」に着目しているのに、表現が全く別のものになっていることでしょう。そうした複数の文章を並べてみて、「論点」という目の付け所を読み取るのが、「1:論点を資料(グラフ含む)や文章から読み取る力」ですね。

そして、もちろん「1:論点を資料(グラフ含む)や文章から読み取る力」「2:論点を自分で定める力」を身につけていたとしても、「3:論点に基づいて自分の文章を構成する力」がなければ答案を適切に記載することはできません。最終的に、「複数の人の文章から肉まんの美味しさを抽出する」ことができたとしても、自分の言葉で文章に整理しなければならないですしね。それが「3」になります。

重ねていうと、「論点」という表現をつかっていなかったとしても、この「1〜3」のポイントはかなりの頻度で問われています。誤解を恐れずにいえば「毎年」問われています。だからこそ、こうしたポイントを過去問を通じてしっかり勉強してほしいな、と思います。夏期講習でもこうした話題は扱うので、ぜひいろは塾(夏期講習)でお会いしましょう!

最後の閑話休題

ちなみに、はじめに挙げたタイプの問題が弱い方は「1」と「2」が弱い(あるいは両方)ことが多いです。「1」は多分に読解力にも依存しますので読解力を鍛えることが重要になります。「2」は多分に実行力に依存するので実行力を鍛えることが重要になります。「3」は表現に負うところが多いので、表現力を鍛える必要があります。(ここまでくると、「論点」だけではダメだ、というのがご理解いただけるのではないでしょうか。)

それでは〜♫

文章をしっかり読むためのポイント:ピカ・スジ・イキ

いろは塾に通っている方&夏期講習にご参加いただく方は、Google Classroom上に、実演動画をあげたのでみてくださいね。

他人の文章を評価するのは難しい

文章を評価していると、ついついあるときは論理に偏りすぎた見方をしたり、アイディアのみを重視してしまったりするので、なかなかバランスがよい見方をするのは難しいです。これは、他人の文章を評価するときだけではなく、自分の文章を評価するときにも同様の事が言えます。

同時に、いくつかのポイントを意識しながら文章を読んで、それを軸にして、推敲なりブラッシュアップをしなければいけないので、うまく意識を分散させるのは難しいのです。

ピカ・スジ・イキを意識する

元は、日本の発明王と呼ばれたドクター中松氏の言葉です。

これを文章を読むときの練習に適用すると、自分の読解力がどんどん上がっていき、他の人の文章を読むときにも幅広い視野で読めるようになれます。

ピカ:新しいポイント
スジ:論理的なポイント
イキ:イケてるポイント

他人の文章を読みながら、自分が「ピカ」「スジ」「イキ」だと思うところを探す訓練をしましょう。

総合政策2019年度でも多角的なもののみかたを求められました。多角的に見る経験というのは体験しないと難しいです。ぜひ、ピカ・スジ・イキという3つの角度から文章を読む練習をして、読解力や推敲力をブラッシュアップしてくださいね。

最後に

いろは塾(夏期講習)SFC小論文はあと1席分はご参加いただけます。ご興味のある方はぜひお申し込みください。なお、夏期講習の詳細は、いろは塾(夏期講習)SFC小論文 8月19日〜8月23日/8月26日〜30日をご覧ください。いきなり申し込むのが怖い方はどうぞご面談をお申し込みください。強引な勧誘がなくて驚かれます。(いろは塾のよいところなどは熱を入れてしゃべりますけれどもね。「その場で申し込みたい」という方には、「まずは一晩考えてみて」みたいなことを言ったりもします笑。)

Twitter:@IrohaForCom
Email:kadoya0168[at]gmail.com
※メールの場合は、[at]を@に変更してください。
に、
 1:お名前
 2:メールアドレス
を記載の上、お申し込みください。

それでは!

読解力がない人に共通する傾向ってこんな感じかな…。

基本的に、いろは塾は「おたすけ寺」みたいなものなので、去年別の予備校で小論文を習っていた、という方が非常に多いです。(そうじゃないのって現役生ぐらいだと思う)。

どの方もその予備校でのやりかたをよく学ばれているのですが、一方でそれの使い方が誤っていることが多いです。それは大元の読解力と構成力が身についていないからだと思います。

読解力は、身につけるのにけっこう骨が折れます。子どものころからたくさん本を読んでいるならばいいのですが、そうでなければ、短期間で促成栽培的に教える必要があるからです。

気になったところをいくつかお伝えしますね。

接続詞に気づけない

文章中の接続詞は文脈を捉える大きなヒントになります。そして「しかし」という逆接の接続詞の意味を知らない人はいないのですが、これに毎回気づける人となると数少なくなります。

接続語には必ず線をひいて確認する癖をつけましょう。(いろは塾では、折をみて、宿題の文章の接続関係を説明します。(全部の文章でこれをやると、必ず眠くて寝ちゃうからです笑)夏期講習でも、特に設問文についてこれをやります。

接続関係に気づけない

接続詞がなくとも、文章には論理の波があるので必ず、接続関係を意識すれば、明らかな論理構造がたくさんあります。こうした論理構造に気づけない人が多いです。こういう論理構造ってあまり現代文の参考書にのっていなかったりするので、(いや、のっているけれども、それをそれとして意識して演習できるかどうかが読者に委ねられている)けっこう演習不足になってたりします。

筆者の言いたいことを固定的に捉えてしまう

例えば、「抽象」と「具体」があれば、「抽象」が言いたいことであることが多いです。

【例】ポイ捨てはダメだ。
【例】電車の中でお年寄りに席を譲る
【主張】マナーを守ろう

と、こんな感じです。ところが、

【事実】屋久島でのポイ捨てが増加している
【抽象】マナーは守らなければならない。
【主張】マナーを守って屋久島の自然を守ろう

という場合に、「マナーは守らなければならない」部分を「主張」と読み違える人がいます。だいたいこの場合は、「抽象ー具体のうち、抽象が重要である」という部分を絶対視していることが多いです。

文章は、文脈の中でとらえるもので、主張もさまざまです。固定的にとらえないようにしましょう。

読解力を身につける方法

読解力を身につける方法は、

1:多読(年単位)
2:読解力を身につけている人の真似をする
3:文章を読みながら自分で意識していく

のうち、どれかです。上から順に効果が高いです。しかし、大学受験の範囲において、「多読」は現実的ではないですから、「2」か「3」が現実的になります。

「1:多読」の傾向が強い人ほど、「3:文章を読みながら自分で意識していく」の方法のみで成功する確率が高いと思います。「3」の方が参考書でも十分対応できるので比較的安価です。一方で、うまく行く確率が低くなります。ぜひ、あまりうまく学べていない人は、周囲の読解力を身につけている人の真似をしてみましょう。(これを講義に組み込んでいる先生が増えるといいんですけどね。)

それでは。

読解力と知識について:SFC小論文

読解力と知識の関係

文章読解の際には、当然「知識」があったほうが「論理的に読みやすく」なります。なぜかというと、その分野における「よくある構成」を知っていることになるからです。

特定の分野では、特定の分野に固有の論の展開のさせかたがあります。通常、それを知っていれば、その分野の内容を理解するための思考力や認知リソースが節約されます。

万能ではない「知識」

一方で、こうした「知識的よくある構成」は、しばしば誤読のもとにもなります。なぜならば、筆者がその「よくある構成」にしたがって書いている保証はどこにもないからです。筆者が「ある分野に固有の書き方をしている」という前提が成立する場合には、「よくある構成」にしたがっている可能性が高いです。「可能性が高い」というのは、筆者の文章が仮に「ある分野に固有の文章」であったとしても、その文章をその分野に固有の書き方に合わせる必然性はどこにもないからです。例えば、経済学の文章であれば、家計と企業と政府に着目することが多いです。しかし、この枠組みに沿う必然性はどこにもありません。また、経済学の文章であれば、企業は利潤を最大化するように行動するのが前提であり常識ですが、筆者が書くその文章においてその前提や常識が常に成立する保証はありません。下手に、自分の頭の知識どおりに読んでいたら(=実際は筆者の意図を掴んでいない)いつのまにか筆者の主張につながる論理からはずれている、というのはよくあることです。

つまり「知識」は、論理的に読むことを助けてくれる武器にもなれば、文脈という道から飛び出す無駄なアクセルにもなるのです。

汎用的な構成は「知識」によらない

一方で、「主張ー詳述」「主張ー理由」などの「基本的構成」はどんな文章でもだいたい成立します。その「詳述」や「理由」のパターンが、領域固有になることはあるにしても。だから、まずはこの基本的構成をしっかりと学ぶべきなのです。だからこそ、まずは「読解力≒論理力」を鍛えながら、徐々に持ち前の論理力でコントロールできるだけの知識を身につけていくべきなのです。

ps,ルサンチマンやアウフヘーベンなど現代文的基礎用語は辞書的レベルの話なのでちゃんと覚えてね。

現代文用語集は比較的なんでもいいとは思います。苦手な人あるいはもう1ランク上に行きたい人は書店にいって、自分にあった用語集を探しましょう。

読解力の学び方:(SFC)小論文での読解力向上

ツイッターでご質問を受けたので解答します。

はじめに

究極的には、読解力向上のよい方法は、

1:多読する
2:適切に教えられる人に学び、その方法を自分でもやってみる(イメージ1:3の割合)

です。「1の多読する」は、期間は1年以上かかるものと思ってください。多読したのに読解力が上がりません、という方もいらっしゃいますが、イメージ数百冊ぐらいのオーダーだと思ってください。

読解力について

日本語でも、英語でも、文章には「つながり」があり、その「つながり」をおって読むことを「論理的に読む」といいます。読解力のベースはこの「論理的に読む」作業によって培われます。

この「つながり」をどのように意識するか、が勝負になるわけです。

補足

ここで用いられた「論じ方」の典型例は「定義」です。「論理的に読む」という言葉を、筆者が「定義」したわけです。筆者は、自分の言いたいことをわかりやすく伝えるために言葉を定義するので、こうした定義に気づくことが重要です。出口先生は、これを「個人言語」と読んでいますね。

「つながり」について

「つながり」に関しては、「目に見えるつながり」と「目に見えないつながり」があります。「目に見えるつながり」は「接続語」「指示語」であり、「目に見えないつながり」は「よくある構成」「フレームワーク」などです。「論理的に読む」には、この両者を使いこなせるようになる必要があります。

補足

論理的に読める人は、多かれ少なかれ、ここまでの文章を読んで、

つながりを意識
・目に見えるつながり…接続語・指示語など
・目に見えないつながり…よくある構成、フレームワークなど

という図式を頭の中に浮かべられたと思います。この文章はツイッター上で書いた文章のため、かなり簡潔にわかりやすく書いたものですが、実際の現代文でも、どんな複雑な文章でもこうした図式(=関係性)を常に意識しながら読むことが重要です。

「目に見えるつながり」

「接続語」の学習に関しては「接続語を知る」「接続語に気づく」「接続語に沿って読む」の三段階があります。「指示語」の学習に関しては「指示語に気づく」「指示語の内容を掴みながら読む」の二段階があります(「指示語を知る」必要もあるのですが、常識的に身につけているはずなので割愛します。「こうした」という言葉が「何を指すか」を知らなくても、「何かを指す」という作用をしている、ということは通常経験的にわかっているはずです。)

補足

このうち「接続語に気づく」「指示語の内容を掴みながら読む」は独学ではやりにくい内容です(当然、独学でできる人もいます。)効率的に学習するためには、「正解」とともに読んでいくのがよいのですが、「正解」が作られていない文章が多いので、必然的に「正解について語れる人」とともに学習する方が効率的なのです。接続語や指示語の働きなどは、現代文の参考書などに書いてあるのでそれさえマスターすれば十分です。(「接続語を知る」に該当します。)あと、まぁ、SFC小論文には、少し独特の論理的特徴があるので、それは講義で紹介しています。

「目に見えないつながり」

続いて「目に見えないつながり」は、「よくある構成」や「フレームワーク」です。接続語や指示語を使っていなくても、現在・過去・未来のような構成(フレームワーク)にのっとった文章はよく存在します。これらの種類は無限にあるので基本をおさえたあとはいくつもの文章で慣れていくのが一般的です。基本はいくつもありますが、「主張ー詳述」と「主張ー理由」、出口のA-A'-A''を身につけるだけで格段に理解度は上がります。

補足

基本的に、ここの内容は現代文でも説明されています。最低限、現代文の内容を身につければ十分です。

ただし、いわゆる「構成」的なものって、1つの文章の中で、とらえかたがいくつもあるので、その柔軟性については、書籍では説明しづらいため、それについて触れているものは少ないです。かろうじてあげるとすれば「目次」を読むことはそれを理解する練習になります。

終わりに

こうした基礎を意識しながら、生の日本語にあたっていく、というのが「論理力向上」の不可欠なプロセスです。

このための方法としては概ね3パターンあります。「現代文の問題を解く」「論理を明示した文章を読む」「論理的な文章の論理を論理力が高い人と一緒に掴んでいく」です。こうしたプロセスを経て論理力は向上し、読解力が上がっていきます。

特にSFC小論文では、図や表を含めた読解力(リテラシー、ニューメラシー)が求められます。これらの能力は総合的に学習していくしかないので、文章を読む中でしっかり身につけましょう。

論理的に読むこと、書くこと、考えること

はじめに

つい最近、ツイッターやメールでいくつかやりとりをしながら考えていることを書きます。

最近、やりとりした内容は、
「現代文のための読解講座」のような講座を開いてほしい。
いろは塾 夏期講習、2日間しか参加できないけれども、それでもいいですか。
みたい内容です。

必要なのは「読解テクニック」ではない。

論理的に読むためのテクニックはたくさんありますし、参考書もたくさん出ています。また、私も講義で似た内容を説明します。例えば、

・筆者は「いいたいこと」を形を変えて繰り返す(出口他)
・「なるほど…しかし、〜。」の「しかし、〜。」に主張(板野他)
・接続詞に着目(石黒他)

いろんな参考書にいろいろな重要なことが書かれています。そして、それは個々には正しく、個々にはそれぞれ真実です。

私は猫が好きだ。猫を好きな理由は3つある。なぜならば、…(延々数10頁、猫が好きであることを述べ続ける。)
 なお、これらは全て嘘である。

という文章があった場合、論理的に読めば「筆者は猫が好きではない」が正しいのです。(これを、ツンデレとして解釈すれば、違う意味になるけれども。)この場合、「接続詞」や「言いたいことを繰り返す」テクニックに着目すれば、当然筆者は「猫が好きだ」になります。けれども、これは読解間違いとなります。もちろん、「筆者が最後に書いた部分が結論である」という読解のテクニックを使えば、その文章を「私は猫が好きではない」と読み取ることは可能です。しかし、常に「筆者が最後に書いた部分が結論である」というテクニックが正しいわけではありません(これはみなさん経験していることでしょう。)

最終的には

筆者が結論をどのように筋道立てているかに着目して筆者の言いたいことを読解する

しかないのです。テクニックはテクニックであり、部分としては正しいのですが、全体的にはそうでないことは十分にありえます。そういう個々のテクニックは参考書にたくさん載っています。

おそらく読解力をつけるとしたら、やるべきことは、そうしたテクニックを駆使しながら、筆者が言いたい結論を読み解いていくことです。知識がほしいならば、上で書いた3つの知識で現代文の問題はかなりの割合で高得点がとれるようになります。

論理的思考を学ぶためには

2ヶ月近く前に読んだ東大の中原先生の文章がかなり示唆的でした。
1.論理的思考は、「必要性」にかられなければ教えられない
2.論理的思考は、「素材なし」では教えられない
3.論理的思考は、「論理的思考させるなか」でしか教えられない
4.論理的思考は、「フィードバックなし」では教えられない
ロジカルシンキング(論理的思考)を「鍛える」ための4つのポイント!?
細かな内容はリンク先で説明していますので割愛します。ここで、私が言いたいことは、論理力を鍛えるのに必要なのは「その正誤」ではなく、「論理という手続きを使って思考しようとすること」である、ということです。すでに昨年の講義や今年の講義の中でもいくつかのテクニックを教えてきました。そして、それはある意味で論理思考の中心的考え方でもあります。けれども、同時にそれを使おうとしなければ絶対に論理的思考は身につかない、ということです。論理的思考は、本人が身に付けたい・必要だ!と心からと思っていないと身につきません。また、「論理的思考」を手を変え形を変え試してみる必要がありますし、またそれに対する意見を受ける必要があります。

講義はもちろん大事なフィードバックの場でもあるし、論理的思考の素材でもあります。けれども、どれだけよい素材があっても、本人にモチベーションがなければ、そして自分で論理思考をしてみようとしなければ、身につきません。まずは、自分が論理的考え方を受け入れる準備があるかどうか確認してみてください。

どうしても一つ選ぶとすれば…「ワンワードで考える」

論理的思考を身につける一番よい方法は、どうしても1つ選ぶとすれば、「ワンワード」で考えることです。自分の周りの出来事を「一言で言うと」とまとめていくことです。去年、これを教えた子が、急に論理的読解力が伸びました。

正確にいえば、「読解力が伸びた」と思う子に「何をやったか」と聞いたら、「いろはさんがいつも「ワンワードで考えて。」と言っているので、それをひたすらやってみた」という答えでした。講義では同じ内容を教えているので、私が大事だと言っていることを、きちんとやれた人、の成績が上がったということになります。

読解力は論理的思考に他なりません。ぜひ、私の講義を受ける前に、もう一度、自分の論理的考え方を確認してみませんか。

「読解力の向上」と「要約力」について

Twitterやメールなどでよく質問されるので。

読解力の向上

重要なこと
1:接続詞から論理の流れを意識すること
2:よくある論理構成を意識すること
3:既有知識を少しずつ増やしていくこと

「読解力の向上」は、なかなか罪深い問題です。少なくとも「読解」が頭脳の中でどのように処理されているか、については学説はいくつかあるものの科学的には定まっていないようで、このため「読解力向上」の万能な方法は確立されていない、というのが実体。但し、作成されたアウトプットなどを見ると、それなりに共通した「論理的読解の出来不出来」について優劣をつけることができます。

読解力の向上は、基本的には現代文の参考書に準拠すれば十分か、と。ものすごくオススメしているものはないものの、質問されたらご紹介しているのは、以下のような参考書です。

「癖づけ」の重要性

「いろはさん、なぜそんなに読解できるんですか?」と時々質問されます。講義でも「解説されたら分かるけれども、そんな風には自分では読めない」、と。これに対しては「演習するしかない」というのが、お答えに近いです。例えば、球技に共通して言われることは「ボールをよく見て。」です。たった8文字。けれども、小学校から野球少年だった人も、少年サッカーをやってた人も、中学・高校と部活動をやっていた人も、たったこれだけのことを、いったいどれだけ注意されてきたでしょうか。もちろん、練習のさなかに、先輩やコーチの何気ないひとことで(「ほら、いまだ」とか「ピッチャーの手をよく見ろ」とか)、突然「ボールをよく見て。」ができるようになることもあります。けれども、万人に共通するこういった「何気ないひとこと」はありません。つまり、こういったことを教える「論理的な言葉」というのはそれほど多くはないのです。

現代文の読解でいうと、「つまり、」というのは、「これまでの内容を短く要約する接続語」だから、この接続語が出て来たら、「つまり、」以前のどこからどこまでが、「つまり」以後のどこからどこまでに対応しているのかを読み取る、ということを知識として知ることが第一段階。これは現代文の参考書に書いてあります。続いて、どんな文章を読んでも「つまり、」という接続語に気づいたら、上で書いたような頭の働きを律儀に行う、ということが第二段階になります。第一段階が、「ボールをよくみて」と言われることに対応して、第二段階が、「実際にボールをよくみること」に対応します。この第二段階の「癖づけ」ができない段階で、いろんな参考書を探し回る人が非常に多いです。けれども、基本的には現代文の参考書には同じようなことしか書いていません。だから、第一段階をどれだけやったとしても、あまり意味はありません。もちろん、先輩やコーチの何気ないひとこと(「ほら、いまだ」とか「ピッチャーの手をよく見ろ」とか)に対応するような形で、ある参考書の言葉で開眼することもあります。けれども、それはどの参考書がよい、という優劣ではなく、どちらかといえば、第二段階をやり続ける過程で自分に合った言葉に出会えた、ということを意味しています。

接続詞や論理構成(主張+例etc)は、ある程度よく使うパターンがあるので、まずはそのよく使うパターンに出会ったら、律儀に「第一段階」ができるようにひたすら第二段階の練習をし続けて癖をつけるしかありません(もちろん、この「癖付」をある程度機械的にできるようにした参考書もある。板野の参考書はそのタイプ。)この癖づけには時間がかかるので、取りかかるのは早ければ早いほどいいです。そして大多数の癖づけと同じように、最初に「意識」→「無意識」→「意識」→「無意識」を繰り返すのが重要となります。この過程を無視して、コンスタントに読解できるようになるのは、難しいと個人的には思っています。

要約力

こちらは、基本的には「読解力」がつかないと、どうしようもありません。資料をそのまま要約する場合には、基本的には

A:筆者のイイタイコト
B:それを導くための理由付

の二つを読み取り、設問の字数に合わせて、「A」だけなのか、「A+B」を調整して書くのがよい方法。元の資料の構成によっては、

A→B
B→A
A1→B1→A2→B2

などいろいろあります。これを資料の論理構成順に書いてもよし、わかりやすく順番を変えてもよし、です。

出題意図を加味した要約

この辺りまでは、多くの予備校で教える部分。ここから先が、SFC小論文の特徴でもあり、しょうろん(あるいは「いろは塾」)でしっかり教えたいと思っているところです。

SFCの要約は「筆者の論理通りに要約する」ものではありません。もちろん、設問によっては筆者の論理通りに要約することもありますが、全ては設問ありきです。いちばん分かりやすいのが総合政策学部2015の要約。
資料1〜7は、意思決定を行う際に、データを収集し分析することの利点およびその難しさと限界について述べています。
総合政策学部2015 問1 設問文より
と書いています。この資料の中で、資料5は2010年に書かれた猪瀬直樹の『昭和16年夏の敗戦』という本からの引用ですが、著者の猪瀬直樹さんが2015年総合政策学部の小論文で「データを収集し分析することの利点およびその難しさと限界」を述べることを想定して、この本を書いたと思いますか?そんなわけないですよね。だから、この本に関して「筆者の論理」に従うのではなく、「出題者が読み取った内容を中心にして」要約をする必要があるのです。これを無視して、単なる資料の要約に留まっている模範解答がときどきあるので、これには注意。筆者の論理ではなく、あくまで出題者が読み取った内容を中心に要約することとなります。

このときには、論理的な読解以外に「ポイントを絞った読解」も求められるので注意が必要です。

終わりに

ということで、最近受けたご質問に関するエントリーでした。

みなさん、勉強頑張ってくださいね。

資料文を速く読むための、接続詞勉強法

資料文を速く読むための、接続詞勉強法

SFC小論文の資料文を読むのに時間がかかる方のうち、何割かの方は確実に「接続詞から文脈を捉える力」が不足しています。また、こうした方は、小論文を書くことも苦手とすることが多いです。

「しょうろん」では、これらの力は「現代文」に属する力である、と考えるため、網羅的にお伝えすることはしません。ただし、通常の高校や予備校の授業ではあまり扱わないため、ここでは網羅的にというよりは、どちらかといえば、練習方法をお伝えすることを着眼点として、「接続詞勉強法」をお伝えしたいと思います。

基本学習方法
1:指定する接続語を文章中から見つけて、チェックをします。
2:その接続語を見つけたら「基本的な働き」にしたがって、接続詞の前後の文章の相互関係を確かめます。

この基本学習については、ひとつの接続詞について最低でも20回程度は行いたいものです。

接続詞は、文章の流れ=文脈を規定するものです。接続詞を有効活用するためには、

1:接続詞に気づく力
2:接続詞から前後関係を見抜く力
3:複数の文章から前後関係を抽出する力

を身につける必要があります。このうち、2が一番習得しやすく、1が次に習得しやすいものです。なお、3が一番習得しにくいものです。
これらをしっかり身につけるためには、

1:丹念に「基本学習方法」を繰り返す
2:接続詞がない文章間、あるいは、段落間の関係を意識し続ける

必要があります。

それでは、早速ひとつやってみましょう。

要約の接続詞「つまり」
「A。つまり、B。」の場合、
(1)A=B
(2)Bは、Aをまとめる傾向にある。

こうした職能者は、クライアントの要求を誠実に履行するという義務を負うと同時に、クライアントの要求を履行することが、かつての職人のように、狭い範囲の影響圏しか持たない時代とは違って、産業のような、一般の社会の成員に対して、広く影響を及ぼす状況が生まれてきたので、公共の福利を侵害したり、損傷を与えたりすることがないか、という点でも、義務と責任を負うことになる。つまり彼らは二重の社会的責任を考えなければならない立場に立つのである。(環境情報学部2011年資料文より抜粋)
例えば、この資料文ですが、「こうした職能者は、〜負うことになる。」という長い内容Aを、短い内容B「彼らは二重の社会的責任を考えなければならない立場に立つのである。」にまとめている。したがって、A=Bが成立しているのだ。また、Aの内容よりも、Bの内容の方がコンパクトにまとまっている。これが「接続詞 つまり」の特徴なのです。逆にいえば、接続詞「つまり」を読み取れるようになる、ということは、

1:文章中から「つまり」を見つけ出すこと
2:文章からAとBを選び取ること
3:BがAのまとめとなっていることを確認すること

の3つができるようになることです。

もう一つ、こちらは短めの例を挙げてみます。
ただ、大切な点を付け加えて置くと、技術に関しては、このような状況にあっても、必ず、その外部に、技術やその成果を「買って」くれる利用者、つまりクライアントがあったことだ。(環境情報学部2011年資料文より抜粋)
簡単ですね。「つまり」はすぐにみつかりますね。内容Aは、「つまり」の前の部分を見て、「技術やその成果を「買って」くれる利用者」ですね。内容Bは、「クライアント」です。そして、内容Bは内容Aを一言で表した「まとめ」になっています。

こうした読解を最低20個ぐらいの文章についてやってみると、文章の読解が早くなってきます。