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環境情報学部・2019年

環境情報2019(添削まとめ)いろは塾(夏期講習)2019

はじめに

いろは塾(夏期講習)最終日!環境情報2019年度です。合格体験記や試験当日の感想などで聞いてはいたものの「採点」するのは今回がはじめてでした。問題発見・解決の全てを問うことができるいい問題だと思います。

問2が意外と曲者な気がしました。

得点分布

SFC環境情報学部2019年度小論文添削結果表

終わった後の感想を聞いていたら、「いろはさんのチェックシート通りに採点してたら、点差なんてつかない」みたいな感想を聞いたんですが、しっかりと点差がつきましたね…。たぶん、単に解説だけを聞いても、差がわかりにくいかもしれません。

諸数値
平均   : 105.6
標準偏差 : 25.3
#     : 13

ほぼ本番試験に近い感じかな…と邪推

「観察しよう」

ひとことで言えば、これにつきます。

観察という行為もある意味で「論理実証的なアプローチ」であることには違いありません。だから、「観察」ができていない以上、その答案の点数は低くなります。

観察ではない例:鴨池のまわりに柵がないことが問題
観察である例:鴨池は斜面が急で転げ落ちる可能性があることが問題

もちろん、ひとことだけでなく、他の説明も足すことができますので、「ここに書いてある字面だけで判断する」ことはしません。でも、前者は「観察」ではないです。写真を見て自分の視覚が捉えたものではありません。勝手に「見えないものが見えている」んです。(これがどこまで減点されているかどうかはわかりませんが。)

大なり小なり、この手の「観察をしていない答案」が存在しました。しかも、タチが悪いのは、本人は指摘されるまで「観察」していないことに気づかないことです…。(えらそうに書いていますが、私も「もっとよくデータを見ろ」「ちゃんと観察して分析しろ」とよく怒られます…頭の中で、ひとつ答えが出たら、ついそこで観察をやめちゃうんですよね。)

白紙をうまく使えるようになろう

私は「文でも絵でもかまいません。」と書いてあれば、「絵を描くことがマスト」とは思いません(そういう教え方をする先生がいるのも事実ですが。)。「論理的にうまく文章が書けていれば、」よい点数になると思っています。一方で、「文章を構造化」できるようになれば、白紙を有効につかえるようになります。例えば、何かを述べる時に図を使えなくとも、表を描くだけで一気にわかりやすくなったりします。構造化をせずに、だらだら言いたいことを書き連ねた答案はかなり見づらかったです。自由に書けるのであれば、たとえ字だけでもかまいませんので、有効に項目を設定しましょう。

「お金」を根本に設定しないようにしよう

「観察の結果…、根本の原因はお金です。だから、お金をクラウドファンディングやよそから調達しよう。」みたいな解決策は全く本質をついていません。いったい「どこを観察した」のでしょうか。

確かに、「本来こうあってしかるべきものが、こうなっていないのは根本的にはお金がないからだ」と主張することは可能でしょう。けれども「お金がない状況」であっても、お金なしに問題を発見・解決するための糸口は「観察」にある場合が多いです。まずは、現状をしっかりと認識することです。この問題で問われているのはむしろそちらです。

観察すれば、ほんのちょっと解決策で状況が改善することもよくあります。きちんと「観察」することが問われている問題なので、お金がどうすれば都合がつくか、ということを考えるのは愚の骨頂です。きちんと「観察」しましょう。

得点が低い人の傾向

得点が低い人は、

1:設問を理解できていない。
2:資料文を理解できていない
3:適性が必要な部分が書けていない

という特徴があります。この3の特徴は、「1」に含まれるのですが、一部の「適性」に関する設問は人によって正答率がばらけます…単に設問を見るだけでなく、適性を意識した対策をすることで、こうした問題は少しずつ解きやすくなっていきます。

分布グラフ

SFC環境情報学部2019年度小論文添削結果グラフ
きれいにばらけていますね。本番もこんな感じだったと思います。また、同じアイディア(たとえば、階段にスロープがないとか。)であっても、書き方次第ではゼロ点担っている人もいるはずです。

とにかく、SFC小論文で大事なことは以下の2つです。

気をつけるべきこと
1:設問を読む
2:適性を確認する

をしっかり対処しましょう。

それでは!

2019年度 環境情報学部(小論文)雑感&採点基準(暫定版)

問1(素点4で、配点は44点)

広義には環境2012、環境2013、環境2015、環境2016などでも類問が出題されている。問1で9段階のうち3段階も使いたくないので、
・「身近なもの」と「それがなかったときにはどういう問題があったか」1点
 それがなかったときにはどういう問題があったかは、
 その「身近なもの」の使用者(ユーザー)を明示した上で、問題を記載するのがベター
・「それがどのように解決されたか」1点
 それが身近に普及している以上、「実現可能性」「利便性」の双方を兼ね備えているはずなので、両方揃って記載があって1点。(ただしそこまで細かくは読み取らないかも。)
ここまでで、2人の先生がみて、合計素点4点。

どのレベルが「身近」なのかは、特に採点基準になっていないか、と。(例えば、雪かきのスコップなんて、東京だと身近ではないが、北海道では身近。帰国子女にとっての身近も違うよね。)まぁ、あまりにも変なものは、採点されない可能性はありますが。

問2 (素点6、配点66点)

基本3つとも同じで、
 ・誰にとって、どういう悪いことが生じているか
 ・どこに着眼して「違和感」or「無意識」or「考えなし」なのか(「観察時に注意すること」が問題文に書かれているので明示したい。)
ぐらいが記載されていれば素点1点加点。2人の先生が見れば合計で3つの問題点があるので素点6点分。
 ・「表層的な問題ではなく、なるべく根本的な問題」に関しては、
   先生が「滑りやすい」といっているから「滑る」
   日曜日にはバスが奥まで行かないから不便。
 といったレベルの内容よりももう少し深く考えて欲しい、という意味かと思います。これもよほどひどいものでないかぎり減点はないとは思いますが。

問3(素点8、配点88)

まだ、この辺悩んでます。「誰にとっての問題がどのように」を採点基準に入れると問2と重複して、それが書けてるだけで素点4にも達するからです。それはいくらなんでもやりすぎ(だからこそ、問2固有の採点基準として問題発見時の着眼点が必要なわけですが)な気もしています。

・誰にとってのどのような問題か 素点1
・どのように解決されるか。
 ・利便性 素点1
 ・実現可能性(技術) 素点1
 ・実効性(実現可能でも効果がある程度なければ意味がないので。よく見る答案が「ビラなどの広報をする案」ですがこういうものは実効性に関しては点数をつけづらい。) 素点1
で、2人の採点者で素点8ぐらいかな、と。

今回は、自転車にのせた看板のように、実現可能性がキーポイントになるはず。

全体では、自主的な思考力、実行力、論理表現あたりが問われているかな、と思います。構想力や数的判断の要素は少なめ。創造発想で採点基準を作ってもいいんですが、問1や問3の内容を合理的にかければ、それは創造発想力の現れとみなしていいかな、と思います。

頭の中を整理しつつ書いているので、また後日修正を書けますが、7割ぐらいの割合で大ブレはしてなさそうです。(総合政策学部の小論文との補完性もありますし。)

補足

昨日、DMでご質問を受けたので、SFC小論文に関しては、

・受験者数と採点可能日数を考慮すると1答案あたり13〜14分ぐらいが添削にかけられる時間であること
・複数の採点者が答案をみていることを慶應がオープンキャンパスで公式に説明していること
・得点が11点刻み(古くは6点刻み)であることが多いこと

から、採点基準は18段階評価(古くは36段階評価)だと予想しています。

2人の先生が採点するならば、1人あたりの持ち点は9点。3人の先生が採点するならば持ち点は6点と予想しています。ホテルでテーブルに座り、同じ答案を多くの先生がぐるぐるみていく、という説もあるのですが、仮に6人の先生でみた場合、1答案あたりの採点時間が4分程度(隣の人に答案を渡したり、メモしたりする全ての時間を含めてですよ)しか取れないのでこれは非現実的かな、と思っています。

そんなわけで、このページでの採点基準は9つのポイントに対して、各先生1点ずつ持ち点があることを想定し、18段階評価としています。