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NG勉強法

SFC小論文で、問題発見・解決を闇雲に記述すべきではないことを理解しよう

はじめに

今年度は年中こんなご質問をいただきます。

もし、今年も2018年度環境情報学部のような物語を書く問題が出たらどう対処していいかわからない。

おそらく去年の試験会場での衝撃がよほど大きかったものと思われます。(「2018年度総合政策学部のような計算問題が出たらどうしよう」というご質問もいただくのですが、「出る可能性は高いので、あきらめて少しでも計算に慣れるなどして対策しましょう」がお答えです。)

一方で、2018年度環境情報学部の問題は、単なる2014年環境情報「本の編集」の類題でした。だから、問題の構造さえ理解していれば、作成するものが、本の「はじめに」であるか、「物語」であるか、の違いがあるだけで、同じ問題だったわけです。

問題形式にだまされて、焦らないようにしましょう。

問題発見力の発揮のしかたを間違えないようにしよう

ツイッターにも書いたのですが、SFCの過去問において「問題発見を求められるパターン」は大別して、

1:「SFCの問題発見」に合わせて書けていればなんでもOKな問題
2:問題発見の方法が設問文や資料文で指示されていてそれに沿って書くべき問題
3:問題発見について直接的に書かなくてもよいが、設問文や資料文に設定がなされているパターン

の3パターンあります。(もっと細かく分かれているのですが、それは講義で過去問解説のときに適宜説明しています。)最近、直前期なので、ご見学や面談・ご相談などを受けるのですが、この3パターンを分けずに、「問題発見・問題解決」をただ書いている答案が多いです。たぶん、予備校や塾で

SFCの問題発見・解決はこんなものだから、それを書こう

と習って、それを書いているんだと思います。

しかし、実際の小論文は、
入学志願者の能力・適性等を多角的に判定するため、学部等の特性に応じ、小論文を課し、また、面接や討論等を活用することが望ましい。
平成31年度大学入学者選抜実施要項について(通知)
とある通り、「入学志願者の能力・適性等を多角的に判定する」という目的を達成しなければならないため、単に問題発見・解決について書いてあるものが加点されるわけがないのです。

適性を把握するための科学的方法として「質問紙法」というものがある

では、どのように入学志願者の能力・適性等を多角的に把握するか、というと、幅広く用いられているものの一つに「文章作成法(SCT)」があります。(例えば、慶應義塾大学では昭和42年からSCT(文章完成法テスト)セミナーを開催されています。)このように、文章を用いて、相手の適性を把握する標準化された方法は過去から存在しているのです。

また、2013年度環境情報学部の資料8を見てみましょう。
質問紙法 質問紙法は、知識や能力を客観的に測定するための重要な方法である。質問紙法には、実践知を支える知能や性格を測る標準化された心理テストや、実践知に関わる知識、態度や行動を測るために構成された質問紙がある。回答方式には、筆答式の多肢選択式のものや記述式のものがある。中でも、仕事の場における典型的なケースをあげて問題解決を求める質問紙法は、行動観察法に比べて、小さな時間的コストで、多くの人数のデータを収集でき、結果を計量的に検討できる利点がある。
環境情報学部 2013年度「身体知」資料8から引用。なお、下線による強調は当ブログで追加。
とあります。文章完成法(SCT)もこうした質問紙法のひとつです。

科学的に相手の適性を測りたければ、こうした質問紙法を活かした小論文を出題すればいいだけなのです。

質問紙法をベースとした小論文について

質問紙法をベースとした小論文には(自由連想法をのぞき)、基本的に

1:ある一定の行動を引き出すことを前提とした文章(刺激)を設問文内に埋め込む
2:受験生はその刺激に応じて、反応として小論文を書く
3:採点者は刺激に合わせて「適切な反応をした受験生」を「適性がある」と判断し、採点する

という特徴があります。

一方で、小論文を通常の個別学力検査に類似したものだと判断して、以下のように考える予備校や受験生が多いようです

1:受験生の知識・動機・創造力を確認するための設問を作成する
2:受験生は設問に合わせて知識や動機を書いたり、創造力を発揮して思いついた答案を書く
3:採点者は書かれた知識の正誤や動機の良し悪しや創造性の有無を判断し採点する

SFCの小論文に対して、予備校の小論文講座があまり役に立たない、と言われているのは、こうした質問紙法の特徴を反映した講義になっていないからでしょう。(企業での採用などに目を向けたり、人材評価の現場に携わっていれば、ある程度かんたんにわかることなのですが、予備校や塾はあくまで予備校や塾であり、そういう経験をしている人が極端に少ないので、知識としては知っていてもうまく活用できないのだ、と推測します。)

出題者側は様々なパターンで出題できる

質問紙法のルールとして、

ある一定の反応を引き出し得る「刺激」が入っていればよい

ので、それさえ守っていれば、出題パターンはかなりたくさん作れます。

だから、SFC小論文の対策としては、

パターン対応

では絶対にうまくいかないのです。実際には、

1:(よく出る出題パターンは)「刺激」とセットで書き方を工夫する
2:設問を「刺激」として理解し、その裏に必要な適性を把握する
3:設問に答えることを通して、適性を磨く

というような対策が有効です。もちろん、過去問にはなんども出題されている出題パターンがあるので、そのパターンを把握していれば、ある程度は対応できるのでしょうが、2018年度の環境情報の小論文のようなものが出題されると、対応できない人も多いです。

それは「適性」を把握することをしていないからです。また、適性というのを発揮するのにある程度の訓練が必要です。簡単な例をあげましょう。

刺激:自分が電車で席に座っている時に目の前におじいさんがきた
測りたい適性:優しさ
のぞむべき反応:席を譲る

これに関して「理解」することは、ものすごく簡単です。ただし、実際に実行するには少し勇気が入ります(私も時々し損ねます。)だけど、やさしい人は躊躇できずに、すっとこれができます。

適性を持つことと、適性を発揮できること、は違うのです。ここは私も講義で教えながら歯がゆく思うことなのですが、「適性(=優しさ)」を論理的に伝えるのは簡単ですし、「刺激」を説明しそのパターンの説明をすることも簡単です。しかし、「のぞむべき反応」に関しては、本人次第でもあり、また本人がそのつもりでもうまくできていないこともあります(時々いますよね、「電車の中で無言で席を譲る人」。お年寄りはどうすればいいか悩んでぼーっとしてしまい、その席が空いたままなんて経験ありませんか?)。

「電車で席を譲る」行為に関しては、本当に優しい人以外は、「場数」が必須となります。

SFC小論文も同じです。「刺激」と「適性」を把握した上で「反応」を何度も返して、その反応ののぞましさを理解できる人にチェックしてもらう必要があります。それが、小論文の演習であったり、リライトなのです。

終わりに

2018年度環境情報のような問題に対してどう対抗するか、それに関して、もっともよいものは

適性そのものを骨の髄まで身につける

ということになります。そうすれば、どのように出題されても、合格点を叩きだせますから。

一方で、適性を身につけることは、「電車で席を譲ることを身につける」ぐらいには難しいのです。だからこそ、

1:(よく出る出題パターンは)「刺激」とセットで書き方を工夫する
2:設問を「刺激」として理解し、その裏に必要な適性を把握する
3:設問に答えることを通して、適性を磨く

これを根気よく丁寧にやっていく必要があります。

今からならまだ向上の余地はあると思いますので、一生懸命適性を意識しながら身につけていきましょう!それでは。

SFC入試は「2教科入試」だからこそ難しい!

よく語られる「SFC入試は簡単か・難しいか」という議論の中であまり語られないことがあるので補足しておきます。

それは「SFCは2教科入試だからこそ確実に合格するのが難しい」という点です。これは逆から考えると「SFCは2教科入試だからこそまぐれ合格も多い」ということにもつながります。

試験は水物です。本番試験では何が出るか分かりませんし、何が起こるかも分かりません。2教科入試のSFCでは特にそれが顕著です。
 まず4教科入試の国立大学を例にとって考えてみましょう。理系ならば、国語・英語・数学・理科ですし、文系ならば、国語・英語・数学・社会となることが多いですよね。当たり前のことですが、だいたい同じぐらいの偏差値の人でも「得意教科」や「得意分野」は異なります。これは当たり前のことです。だから、国語は得意分野が出たけれども、数学は苦手分野が出た、ということはよくあり得ることです。こういった「ブレ」は受ける科目の数が多ければ多いほど小さくなります。4教科全てにおいて「苦手な問題ばかり出る」ということは、確率的には小さい確率です。仮に、50%の確率で苦手分野が出るとしても、全ての科目で苦手分野が出る確率は約6%です。普通は4教科のうちのどれかは得意分野が出て、どれかは苦手分野が出るなどして、試験問題との相性は平均化されます。だから、科目が多ければ多いほど、その受験生の実際の成績が合否に如実に反映されます。
 次に2教科入試のSFCを考えてみましょう。学科試験と小論文試験しかありません。先ほどと同じ条件で計算すると、全ての科目で「苦手な問題が出る」確率はちょうど25%です。「両方の科目で得意分野が出る」確率も25%です。つまりは、「不得意分野が出て不合格となる確率も25%ありますし、両方とも得意分野が出て合格する確率も25%あります。これは4教科出題される国立大学と比較すると実に4倍の差があります。つまり、SFCは「科目間の分散」があまり効かない入試なのです。平たく言えば、国立大学よりもSFCの方が「一発勝負」の傾向が大きいわけです。だからこそ、本来の実力に応じた結果が出ずに不合格となる人も多ければ、本来の実力よりも高めの結果が出て合格となる人も多いわけです。ばらつきの度合いが大きい入試となります。

 けれども、だからこそSFCでは「確実に合格するため」には、「苦手分野」が出たとしても「合格水準」の点数をとるように勉強をしておかなければなりません。「受験した結果、まぐれでもなんでもいいから合格する」という裾野は、SFCの方が慶應の他学部よりも当然広くなります。一方で「確実に合格するための実力」という点では「慶應の他学部よりも高い実力」を持たなければいけない、というのもまた事実なのです。滑り止め組や挑戦組は、「まぐれ合格」であってもかまわないですが、本命組は「まぐれ合格」ではなく、「確実合格」を狙う勉強方法をしなければなりません。そうなると、「高い能力」が必要となり、苦手分野が出ても、少々体調が悪くても、合格最低点がとれるだけの勉強をする必要があります。

ところが「SFC対策は簡単だよ」と言っている人たちの中には、この点を全く無視して、「SFCに合格した自分がやってきた勉強法」が「SFC合格のための勉強法」だ、と錯覚する人たちもいます。「偏差値40からこの4つだけをしっかり勉強すればSFCに合格できる」「2週間の対策でSFCに受かることができる」などは、ニュース性はあるものの、その人が次の年SFCを受けたら、合格できるかどうかは分かりません。こうした人たちの勉強法は、「まぐれ合格」の範囲にはひっかかるものの、確実合格の範囲にひっかかる勉強法ではありません。

入試まで時間の余裕があった頃は、こうした勉強法に惑わされることはなかったかもしれませんが、直前になり「気弱」になってくるとこうした勉強がちらほらと視界に入ります。「SFCなんて楽勝だよ」なんていう意見に惑わされるかもしれません。けれども、「科目間の分散」ということを考えると、SFCは間違いなく「確実合格」しづらい大学なのです。

ニュースは確率的に低いからこそ、ニュースになるのです。「確実に合格する実力があった確実合格組」は、わざわざ「ここだけやればSFCは受かる」「2週間勉強すればSFCは受かる」なんて言いません。確実に合格するために実力を磨いてきているのですから。一方で、本来ならば合格確率が低いにも関わらず、まぐれ合格してしまった場合には、それはニュースになります。だから、そういった人たちの勉強方法こそ、世に出る訳です。ネットなんかは特にそういう性質がありますよね。みんな楽したいですから「ここだけやれば受かる」「2週間の勉強で受かる」に飛びつきがちになります。そうすると、ますます確実合格は遠ざかります。

本命組は、こういったことを忘れずに、確実合格を狙っていただければ、と思います。まぐれ合格組がとった勉強法による合格なんて、「まぐれ」の産物でしかないわけですから。「確実合格組」の勉強法を選んだ場合と「まぐれ合格組」の勉強法を選んだ場合で、「まぐれ」が起こる確率は変わりありません。一方で、「確実合格組」の勉強法をとった方が、「確実に合格する確率」はあがります。「確実に合格したい本命組」が、まぐれ合格した「まぐれ合格勉強法」を真似れば「確実に合格する確率」は下がります。

本命組が自信をもって、「確実に合格する地道な勉強法」を選んで勉強してください。その方がきっとよい結果になりますよ。

本気で合格したいならば、ちゃんと小論文の対策はしましょう。

このエントリーをまとめると...
SFCは小論文も採点しているから、ちゃんと小論文の対策をしましょう。

SFC小論文の採点基準は公表されていない

SFC小論文の採点基準は公表されていません。せいぜいアドミッションポリシーや入試要項に記載されている「発想、論理的構成、表現などの総合的能力を問う。」という文章だけです。もちろん、しょうろんブログを書いている私も本当のところは知りません。詳しくはしらないですが、少なくとも入学者選抜実施要項等に基づき、「SFC小論文は、SFCで活躍できる素質を確認するための適性検査」と主張しています。このブログもこの考え方を中心にして構築しています。

だからこそ、飛び交う噂

一方、実際のところは、SFC小論文の採点基準について、みんなが知らないからこそ、いろいろな噂が飛び交っています。ネット上でも、「SFC生だけれども」「関係者に聞いたんだけれども」という言葉を添えて、噂が色々と書かれています。ひどいものになると「小論文は見ていない」という意見まであります。けれども、どちらにせよ「小論文は勉強なしでよい」という意見は間違いです。なぜならば、

少なくとも「真面目に勉強した方が合格確率は高くなる」ということは真理

だからです。

確かに答案の正誤が明らかな学科試験に比べると、小論文は「無駄な努力」になる可能性が高いことは認めます。けれども、SFCは学科試験のみ満点では受かりません。たとえ満点でも落ちる可能性があります。

だから、「小論文」も勉強をした方が合格確率が上がります。

これは当たり前の事実です。

ランダム5

例えば、ICU入試でまことしやかに語られている都市伝説に「ランダム5」というものがあります。「不合格者(あるいは下位5%)の中からランダムに5人を合格させ追跡調査をする」というものです。これに関しては関係者以外ほんとうのことは分からないことですが、一つだけ明らかなことがあります。

「真面目に勉強した方がICUに合格する確率は高い」ということです。「ランダム5」という制度があるとうなかろうと。

SFC小論文は採点基準がよく分かりません。だから「小論文のアイデア重視で5人」「英語or数学の上位5%のうち、小論文の出来が悪い5人選ぶ」などという合格基準がある可能性もあります。それは外部からはわかりません。

けれども、ICUと同様に言えることがあります。

「小論文に真面目に取り組んだ方が合格確率は高い」

という事実です。なぜなら、多くの人は、普通に小論文を書いて合格しているからです。確かにネットの噂や合格者の体験談の中に小論文の出来が悪かったという言葉があるのは事実です。謙遜なのかもしれないし、事実かもしれません。けれども、多くの合格者が少なくとも小論文はそれなりに書けているようにも思えます。だから、噂には惑わされず、しっかりと本質を見抜いて勉強をすることが、合格の近道だと思います。

もちろんSFCにもICUのランダム5のような合格のさせかたがあるかもしれません。そこから導出される教訓は、

当日は休まずに試験を受けた方がいい

ということだけでしょう。



夏休みが終わって、涼しくなってくると、少しずつ不安になってくると思います。けれども、「噂」は所詮「噂」です。自分をしっかり持って、まわりに振り回されず自分のペースで勉強しましょう。「本番で、合格点をとれば合格する」んです。今の点数で合否は決まりません。今の点数が平均より低ければ、その分がんばればよいだけです。

SFC小論文で「知識」がメインにならない理由

SFC小論文は、課題文に細かな専門用語が問われることがあるため、「知識を身につける」ことを勧める人が数多くいます。予備校講師であっても、「課題図書」を作って、「これを読め」という人がいます。とんでもないことだと思っています。例えば、アフォーダンスやオートポイエーシスについて、過去問で出題されたため、授業で詳しく教えたり、課題図書に挙げる先生もいます。実にとんでもないことです。

予備校教師は恐らくは「アフォーダンスはギブソンという生物学者が提示した考え方で…」等と教えるのですが、「SFCの過去問で出てくるアフォーダンスデザインとギブソンの提唱したアフォーダンス概念とは大きく違うこと」を教えません(「教えられない」の方が正確だと思います)。そしてそれを教えないでも、SFC小論文は理解できてしまうし、合格点がとれてしまいます。オートポイエーシスも同様です。過去の出題文中の定義も曖昧で、オートポイエーシス概念なのか、自己組織化概念なのか、よく分からない状態で話が進んでいきます。また、ルーマンについて触れないで、世論の理論を展開していきます。サブシステムという言葉を平気で説明せずに使用していきます。そういう課題文に対して、予備校教師は、にわか勉強で手に入れた河本氏の「第三世代システム理論」の知識等で語るため、なかなか的を射た説明になりません。それなのに、合格する人はたくさんいます。

要はアフォーダンスもオートポイエーシスも知識としては合格するのに必要ないんです。当たり前です。そもそもアフォーダンスも、オートポイエーシスも、それぞれSFCの授業の中で教えています。大学で習うことを受験生が事前に理解する必要はありません。受験生にそれができていることを期待しているのであれば、授業の中ではそれを教えずに、もっと高度な授業を展開すればいいはずです。それをしないのはなぜか。別に入学者がそれを知識として持ってる必要はないからです。

本を読むことや知識を身につけることでSFC小論文の合格率が上がる、それは否定しません。けれども、知識の幅を広めることがSFC合格の秘訣である、とか、知識を身につけることで合格できる、というのはまやかしだと思います。あえて言うと、「効率は悪いけれども、合格率をそこそこ上げることができて、どの受験生でも対応しやすい対策」は「知識を身につけること」です。それならば否定しません。

でも、「SFC小論文の本質は何か?」と言われたら、それは「問題解決型思考」です。「単なる知識」ではありません。「問題」を設定して、その「解決策」を導き出す一連のプロセスを習得することです。それさえ、わかっていれば、例えば小論文でAHPが出てもたじろがないわけです。(AHPについて、Googleで検索してみてください。SFCっぽいですよ…。知識として必要ないと思いますが、課題文には使いやすいでしょう。)

「知識」を身につけろ、というアドバイスにはぜひご注意を…。

「とりあえず書け!!とにかく書け!!」というアドバイスには要注意。

小論文は高校の授業でもあまりやらないため、勉強方法が決められない人も多いようです。そこで出てくるのは、「とりあえず書け!!」「とにかく書け!!」というアドバイスです。このアドバイスには要注意です。

「文章を書くのが好き」という人以外には、このアドバイスは時に有効です。なぜならば、200文字の文章を書くのに時間がどれくらいかかるか分からないぐらいのレベルの人は「とにかく書くペースをつかむ必要があるから」です。こういう人には「『あ』を200回書け」や「今思っていることを書け。『書くことないよー。』でもいいから思ってることで、原稿用紙を200文字埋めろ。」というアドバイスは非常に有効です。

もちろん、このアドバイスが幸運にも有効である期間は短いです。毎日書いたなら、せいぜい二週間ぐらいでしょうか。それくらいの期間、小論文を書いたら、次のステップに移る必要があります。

次のステップでは「とにかく書く」「とりあえず書く」は通用しません。次は、「論理的に書く」必要があります。ところが、「知識を書くこと」と「論理的に書くこと」の区別がついていない人が多く、「とにかく書く」「とりあえず書く」の後に、「日本の論点を読む」に重点を置く等の暴挙に出る人もいます。これが無駄だ、とは言いませんが、ルールは簡単なものの習得に時間がかかる「論理的に書く」は知識の習得よりも優先すべきです。

つまり比較的短期的な「とにかく書く」「とりあえず書く」期間のあとに、「論理的に書く」という比較的長いステップが待っているのです。この「論理的に書く」ステップに早くたどりつくことが上達の一歩です。

不合格のための「SFCホームページを熟読入門」!!

インターネット上のブログや予備校の合格体験記などで、よく「SFCのホームページをよく読んで傾向をつかみました。」等と書いています。これは大間違いだと思います。

確かに、どんな形式の問題が出るかが分からないSFCの小論文に対する苦心の策として産み出された方法だと思いますし、効果が全くないか、というと、少しぐらいはあるでしょう。なぜならば、試験問題はSFCの先生が作りますし、うまくいけば試験作成を担当した先生のページが記憶に残っているかもしれません。

しかし、なんといっても効率が悪いでしょう。ただでさえ、勉強で時間がない受験生が、仮に第一志望であったとしても、それこそ百人近くいるSFCの先生のホームページを見るのは単なる時間の無駄です。

SFC小論文は、あくまでも「適性試験」です。「何がSFCの適性なのか」を理解して、それを答案にうまく落とし込む準備をしたほうがよほど効率がいいです。たとえ、どんなタイプの問題が出たとしても、答案に埋め込むものの本質はそんなに変わらないのですから。

ただし、SFCのホームページを熟読していい場合があります。それは、「SFCを志望校にするかどうかを決めるとき」です。慶應という名前だけで、SFCを選べば意味のない4年間を過ごすことになると思います。また「なんでもできる」というSFCですが、例えば理論物理や材料化学等は担当できる教官がほとんどいません。もちろん、その研究をしたいと思ったらできるでしょうが、指導教官がいないため、かなり非効率でしょう。工学部等にいったほうがマシです。ミスマッチが起こらないようにあらかじめホームページやパンフレットを熟読しましょう。