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総合政策学部・2009年

ほんとのおまけ記事:2009年 環境情報学部小論文の「設問」読解

現在、ブロマガでは各年度の「設問」読解をしています。

こんな感じの内容をつらつらと書いています。興味があれば、試験前のチェックにどうぞ。あまりにも、設問を読めていない方が多いので、それ用に書いています。
問1
 1)あなたが横軸と縦軸のそれぞれの極にふさわしいと考える名称を、解答用紙の①-④に記入してください。
 2)自民党と民主党が掲げている政策をもとに、1)であなたが作った解答用紙の座標空間に、それぞれの政党の位置を、政党名とともに★印で示してください。
 3)そのような2つの軸を選んで座標空間を作った理由を、200字以内でまとめてください。

問2 
次の1)-4)の項目を考慮して、自民党と民主党のマニフェストを1200字以内で評価してください。
 1)目指すべき社会の姿
 2)目指すべき社会を実現するための具体的政策
 3)政策の実現性を支える根拠やデータ
 4)言及されていない重要政策
1)あなたがキーワードですね。この言葉が出たら「自分の意見を述べる」類いの出題となるのが普通。
横軸と縦軸のそれぞれの極にふさわしいと考える名称を、ここの「考える」は「考察する」とほぼ同義。「ふさわしい」は「形容詞」なので、これが「あなたの」と呼応している可能性大。実際に、「あなたがふさわしい名前を書け」というだけの問題ですしね。
解答用紙の①-④に記入してください。「記入してください」に深い意味はないです。「書け」と同義。
2)自民党と民主党が掲げている政策をもとに、「をもとに」は、「基づいて」と同義であり、資料に書いてあることからのみ判断して答案を作成する。
1)であなたが作った解答用紙の座標空間に、「あなたが」は「キーワード」ですね。つまり「座標軸」だけは、「あなたの自分の意見が入る」という主張です。
それぞれの政党の位置を、政党名とともに★印で示してください。ここは特段問題なし。☆の中は塗らなくても減点にならないと思います。例にしたがうのが一番ですけれどもね。
3)そのような2つの軸を選んで「そのような」は「既出」の内容を説明する語。これより前の部分に、述べたいことがあります。ここでは1)を指します。
座標空間を作った理由を、「理由」は小論文でよくあるパターンです。「そのような2つの軸」からこれは問1で「あなたが」作った軸を指すので、この理由は、資料からではなく、「あなたの頭の中にある理由」を書きます。
200字以内でまとめてください。この「まとめて」は、「(あなたの頭の中にある理由を)説明してください」と同じ意味です。
問2 次の1)-4)の項目を考慮して、ここの「考慮して」に深い意味はなく、次の4つを「考えて」と同義。
自民党と民主党のマニフェストを1200字以内で評価してください。この「評価してください。」は、注意すべき語。「資料に基づいて、評価してください」であれば、基本的に「自分の意見」は述べない。この問では、明示されていないが「資料に基づいて、評価してください」タイプ(後述)。但し、問1から類推して、「判断基準」については自分の意見を述べてもよいでしょう。
1)目指すべき社会の姿「べき」は、しばしば「価値観」を表す語。読解とは直接関係ないが、2011年総合政策学部の問題でしばしば「環境保全を行う日本がよい日本」であったり「教育改革を行う日本がよい日本」という答案が見受けられるが、それは避けた方がよい。この問いからも分かるように「目指すべき社会」と「それを実現するための具体的政策」は「分けて」考えるのがSFCの問題発見・問題解決のやりかたです。総合政策的アプローチで言えば、「問題」と「解決策」は別物である、というだけなのですが、しばしば混同する方が多いようです。
2)目指すべき社会を実現するための具体的政策「ため」は目的や目標を表す接続語であり、しばしば直前に「価値観」が入る。詳細は「2007年総合政策学部 資料3」を参照。「政策」は「解決策」とほぼ同義だが、しばしば「実行主体」が政府あるいは地方自治体に限定されることに注意
3)政策の実現性を支える根拠やデータ「実現性」は、総合政策的アプローチのうち「実行可能性の検討」を示す語。
4)言及されていない重要政策ここから(1)〜(3)まではマニフェストに言及されている政策であることを読み取り、「「資料に基づいて、評価してください」であれば、基本的に「自分の意見」は述べない。」で述べたような「自分の意見を述べないタイプの設問である」ことを読み取る。

今回は、現代文風の問題は割愛します。設問がそのままズバリですので。少しは設問読解に慣れてきましたでしょうか。
※過去、投稿した2年度では、ここに「現代文風の問題を示して、小論文の確認のための手助け」となるようにしています。

それでは。
過去2つ同様の解説をしています。1月のブロマガをお読みになっている方はどうぞ。
 ・おまけ記事:2012年 総合政策学部小論文の「設問」読解
 ・おまけ記事:2010年 環境情報学部小論文の「設問」読解

ご回答:2009年 総合政策 問2

このブログ内で、「当サイトからの出題」(問題の設定・構造化・解決策の検討のどれかを選択する問題)がありますが、「解答」以外に何か余計なことを書いてしまった場合、どれほど減点されてしまうでしょう?
たとえば・・・総合政策2009年の問題で、問2の1)で、ヒロさんの解答は「問題の設定」のみでしたが、私は、「問題の構造化」も含めて書いてしまいました。
また、2)は、解答では、「問題の構造化」と「解決策の検討」となっていますが、私は1)で構造化を行ってしまったため、2)では「解決策の検討」のみになってしまっています。
実際の試験ではこのようなミスは、どの程度点数に反映されてしまいますか?
実際の試験については、採点したことがないのでよく分かりません。総合政策2009年の問題ですので、
問2 次の1)〜4)の項目を考慮して、自民党と民主党のマニフェストを1200字以内で評価してください。
1)目指すべき社会の姿
2)目指すべき社会を実現するための具体的政策
3)政策の実現可能性を支える根拠やデータ
4)言及されていない重要政策
慶應義塾大学 総合政策学部 2009年小論文過去問より抜粋
という問題です。小論文の中で、区分を明確にして1)目指すべき社会の姿 について論じたのであれば、そこに「4)言及されていない重要政策」の内容を入れていれば、少なくとも論理的に正しい答案とは思ってもらえないと思います。ただし、それが減点対象になるかどうかは別です。論理的な答案を2時間という短時間で書くのは難しいからです。だから、そこで大きな減点をしてしまえば、そもそも9割の受験生に合格最低点をつけることはできません。その点から考えると、減点はあったとしても気にするほどではないでしょう。

それが「1)目指すべき社会の姿」の中に「問題の構造化=問題の原因」が入っていたら減点されるか、というとさらに微妙な問いになります。

「1)目指すべき社会の姿」について論じることを細かく分解すると、
 1:「目指すべき」の裏にある価値観の設定(何がよくて、何が悪いか)
 2:「目指すべき社会の姿」の説明(どのような社会か)
 3:現在の社会の姿が「目指すべき社会の姿」と乖離していることの説明
の3つとなります。

このうち3のステップは文章量の関係で省略することも考えられます。なぜならば、現在の「目指すべき社会」が実現していないことは明らかにわかることも多いからです。「目指すべき社会は医療費がゼロの社会です」と書いた場合、3のステップは書かなくても明らかでしょう。ところが「目指すべき社会は子供に優しい社会です」と書いた場合には、「今、子供に優しくない社会かどうか」について少し補足をしたほうがよいでしょう。内容が曖昧ですから。その補足の中に、「問題が生じる原因」が述べられていても、何の不思議もありません。だから、「3:」のうちの一つとして「問題の構造化」にかかる内容が書かれることは論理的に正しいですし、減点対象にはならないでしょう。ただし、それは文脈によっても変わりますから、全く突然に「問題の構造化」が書かれている場合、そこに「非論理性」を読み取る人もいるでしょう。そしてそれに「減点」をする人もいるかもしれません。

もっとも、問題文では特段「1)〜4)の内容を区分して議論すること」は求められていないので、少々違う内容が入ったとしてもそこまで大きな減点にならない、というのが私の予測であり希望です。

総合政策学部 2009年

さて、まず総合政策学部2009年の過去問からスタートします。
 ・かんたんな図を描かせるなど、出題形式がSFCらしい出題であること
 ・出題のバランスがとれている年度の問題であること
から、この問題を選びました。

さっそく設問を見ていきましょう。

問1
 1)あなたが横軸と縦軸のそれぞれの極にふさわしいと考える名称を、解答用紙の①-④に記入してください。
 2)自民党と民主党が掲げている政策をもとに、1)であなたが作った解答用紙の座標空間に、それぞれの政党の位置を、政党名とともに★印で示してください。
 3)そのような2つの軸を選んで座標空間を作った理由を、200字以内でまとめてください。

問2 
次の1)-4)の項目を考慮して、自民党と民主党のマニフェストを1200字以内で評価してください。
 1)目指すべき社会の姿
 2)目指すべき社会を実現するための具体的政策
 3)政策の実現性を支える根拠やデータ
 4)言及されていない重要政策

2009年総合政策学部 小論文より抜粋

はじめに、設問全体のテーマが「解決策」かどうかを確認する。
SFC小論文で必勝するコツは、テーマが「解決策」に関する問題かどうかを確認することです。これが出来れば、設問分析の大半は終わりです。テーマが「解決策」なら、確率100%で「問題の再設定」に関する出題になります。なぜならば、SFC小論文は適性テストだからです。SFCが小論文を通じて知りたいことは、「総合政策的アプローチ」をできる素地があるかどうか、ということだけです。SFCは、「問題の再設定」をその中心理念としているのだから当然です。

SFCらしい出題としてとりあげられる問題です。
 1.普段からニュースに慣れ親しんで、我が国の政治状況を整理しておく。
 2.それを出題形式に合わせて書く。
ぐらいが、よく知られたこの問題の対策方法でしょう。

でも、私はこの問題をこう教えます。
SFCは手を変え品を変えおんなじことをひたすら受験生に聞いてきます。ここは各政党の「価値観」を問う問題です。つまり「何をいいと思っていて、何を悪いと思っているか」。これさえ書ければ最低限はクリアです。総合政策的アプローチの根本である「価値観の設定」ができる適性があるか?と聞かれているわけです。だから、「価値観の設定」ができることを小論文の答案に示せばいいだけです。

SFC小論文は適性テストです。総合政策的アプローチの中で、この問題をつかって自分の適性をアピールするには、「価値観」をここでアピールした方がいいわけです。

問2は「総合政策的アプローチ」の総合問題です。


2009年総合政策学部 小論文より抜粋

1)は「問題の設定」 2)4)は「問題の構造化」と「解決策の検討」、3)は「解決策の検討」が問われています。

1)は問1の答えを使って解くのが一番やりやすいでしょう。自民党は「問1 縦軸」「問1 横軸」な社会を目指しているが、民主党は「問1 縦軸反対」「問2 横軸反対」な社会を目指している、ということを書けばOKです。

2)は問1で述べた理想像に向けた具体策を課題文に合わせて書けばOKです。だから、マニフェストと比較して漏れがあってもOKです。むしろ「理想社会」を実現できる「具体策」でなければならないのだから、「なぜ今は理想社会が実現していないのか」という「問題の構造化」を行い、そしてそれに合わせて「解決策」を提示する部分です。同じ「高齢化問題」でも、「市場未発達」を原因と考えるのか、「社会構造」を原因と考えるのか、により、「政策」は変わるわけですよね。そういう話を書けばいいわけです。

3)は「解決策の検討」。この「解決策」は実現できるの?ということがマニフェストで説明されているかどうかを確認すればOKです。書かれていないため、実現性に疑問が残る、等。

4)は「問題の構造化」と「解決策の検討」です。1)で述べた理想社会は、2)の政策だけで本当に達成できるの?という「効果の可能性」の検討がメインになります。

SFCの小論文は必ず「総合政策的アプローチ」に分解できます。

以上で述べたように、SFC小論文は「総合政策的アプローチ」の3ステップに必ず落とし込めます。それができることがSFCで学ぶ適性を示すことになります。

もし、SFCが本当に「日本の政策」を知っている受験生を合格させたい場合、受験科目に「政治経済」を入れた方が効率的に能力チェックできます。幅広い知識を知っていることが重要なのであれば、「センター入試」を採用してもいいでしょう。ICUみたいな入試方式をとるほうがいいかもしれません。ところがそうはなっていない。なぜならば、SFCが求めているものはそれではないからです。求めているのはたったひとつ、総合政策的アプローチだけです。