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環境情報学部・2012年

環境情報2012(添削まとめ)いろは塾(後期)小論文

はじめに

環境情報2012年度の添削結果です。こちらは、いろは塾(後期)小論文の第2回にご提出いただいた内容です。第1回に、大枠の解説をして、自宅で解いてきていただいたものです。

ちなみに、環境情報2012はとてもいい問題だと思います。総合政策2016や総合政策2017の問題に並ぶSFC小論文の難しさとシンプルさを兼ね備えた良問です。

得点分布

SFC環境情報学部2012年度小論文添削結果表
順位が3位以上の人が講義で説明した内容をしっかりと理解していた人です。ポイントをしっかりと押さえた答案となっています。ポイントの一部を外した方の答案は111点近辺に集中していますね。第1回の講義に参加していなかった人と、寝ぼけてた人の得点が66点近辺です。

諸数値
平均   : 112.7
標準偏差 : 33.7
#     : 11

得点分布は平均がやや高め(前回講義で説明したので当然ですが)で、理解度によってばらつきが出ました。

ユーザーの体験

これは過去からブログに書いていますが、2012年度環境情報の問題はとにかく「ユーザーの体験」を計画することが鍵となります。高得点の3人は、きちんとそれができていました。逆に中ぐらいの得点の方は、ユーザーの体験の計画があいまいな傾向にあります。

問題1があることで、つい欠点潰しの問題解決をしたくなるのですが、資料文を読めば、新しいデザインのキーワードとして「体験の計画」があるのは明らかです。

ナラティブ・アプローチ

ナラティブ・アプローチという「物語性からアプローチする問題解決手法」は、かなり前からあるのですが、まだあまり広まっていません。特に「科学的思考」が広まりつつある現代では、主観や感情は排除されたり、無視されたりしがちです。しかし、実際には様々な分野で「物語性」が活用されています。

例えば、ターミナルケア。死にゆく方をケアする際に、「客観的科学」の力は限定的です。看護する側は、「客観的科学」ではなく、「共にその場を生きる」という主観的で能動的な体験なしに、死にゆく方をケアすることはできません。SFCの過去問では環境2012や環境2018など体験性を重視した問題も出題されます。ぜひ、そうしたナラティブな考え方にも目を向けましょう。

文章のまとめ方

これは、後期第3回の講義で実施した内容なのですが、「他人が書いた小論文の中から必要な内容を読み取る」ということをすると、その方の文章の良し悪しがすぐにわかります。うまく書けていない人の文章は、小論文を読んでも、設問で問われていることが書かれていないのです。ぜひ、ご自分でやってみてください。

得点が低い人の傾向

得点が低い人は、

1:設問を理解できていない。
2:資料文を理解できていない
3:適性が必要な部分が書けていない

という特徴があります。この3の特徴は、「1」に含まれるのですが、一部の「適性」に関する設問は人によって正答率がばらけます…単に設問を見るだけでなく、適性を意識した対策をすることで、こうした問題は少しずつ解きやすくなっていきます。

分布グラフ

SFC環境情報学部2012年度小論文添削結果グラフ
いびつなグラフです。講義をしてから、小論文を書くとこんな感じになることが多いです。111点以上の人は本来の得点から見て、+33点から+55点ぐらいは講義によって上乗せされているはずです。あとは、リライトをして、さらに完成度の高い答案を目指してください。

とにかく、SFC小論文で大事なことは以下の2つです。

気をつけるべきこと
1:設問を読む
2:適性を確認する

をしっかり対処しましょう。

それでは!

【添削】環境情報学部・2012年(しろたんさま、再投稿)

「前回から時間かけたのに、え?この程度のレベル?内容これなの?猫かわいい、と、失恋して傷ついた自分を描写したいがための文章?」としか言えないレベルです。

添削をする前に、ねとらぼの記事をご紹介します。「カインズホーム、掃除向けマジックハンドを「コタツから出なくてもリモコンが取れる」と紹介変えたら売上2倍に」という記事です。まずは、読んでみてください。(タイトルから想像できますが 笑)。

資料文の中で「ケリーはただ叫びたかった」と同じで、「(購入者は)ただコタツから出なくてもリモコンをとりたかった」のです。もちろん、もとの「掃除向けマジックハンド」は「洗濯機と壁のすき間に落ちた服をつかむ」ニーズを満たす洗濯小物として消費者のニーズをとらえようとしたんだと思います。けれども、そのニーズよりも、「ただコタツから出なくてもリモコンをとりたかった」という体験を満たすツールとして考えた方がこの商品は多くの人に受け入れられたのです。間に入った人は問題解決のひとつとして「ある体験」を計画して「名前」の形で提示しただけです。(もちろんね、売れた理由は、価格帯だとか、他にもいろいろあると思いますよ。)

この小論文を読んでしろたんさまがいったい何の体験をしたかったのかが、全く読み取れません。
理由は大きく二つあります。

・問題1と問題2の内容があまりにも離れ過ぎている。
・問題2の内容について体験のデザインが全くといっていいほどできていない。

前半の部分が「猫愛」と「振られたかわいそうな自分」を語ることに使われ過ぎていて、結局何の体験を説明したいのかがわかりません。「体験」の内容は何でもかまいませんが、一方でこの年の小論文という「ひとかたまり」で一つの「言いたいテーマ」を語るべきなので、その内容もその「言いたいテーマ」を支える内容を書くべきです。SFCの先生は、「あぁ、この人、振られたんだ。かわいそうに。」と思って合格させてくれるわけではありませんよ。

2つ目は体験の提示が出来ていないこと(ある意味では出来ているんですけど)。

「このアプリを用いることで、いま現在の猫の様子がわかるので、安心することができる。」と書いてあるので、一応「体験のデザイン」が出来ているように見えます。でも、この小論文を読んでいるとただ単に防犯カメラ機能をつけたスマホの使い道を探しただけにも見えますし、書いてある内容から「この人、本当に猫好きなの?」と思ってしまう記述もあったり(なぜ「飼い主が安心するためだけに、「エサ」を置くの?健康に悪いんじゃないの?だって、カメラにうつらなかったらエサを振りかざして猫ちゃん呼ぶんでしょ?そういう子供の育て方がよくないのと同じように猫にも優しくないんじゃないかしら。)、「いや、それだけ猫ちゃん好きなら、手元で状況を確認したら、しばらく見蕩れて勉強に集中できないんじゃないの?」とか思ってしまいます。

例えば、私ならこんな感じで考えます。(問題1の文脈を無視)
「猫ちゃんについて安心したい!!」→普段同じ部屋にいるとき、「猫ちゃんがてきとーにそのへんをかけまわっているときや、猫ちゃんが寝ているときは気にならない。」「でも、猫ちゃんが何かにぶつかって大きな音がした時とか、普段と違う鳴き声でニャギャニャギャないているときにはすごく気になる」→私は『ただ、自分が部屋にいないときにでも、大きな音がしたらそれをキャッチして猫ちゃんの状況を確かめたいんだ』→「自分が留守中に何か大きな音がした場合には、スマホにすぐにメールを送ってくれて、大きな音がした後の数分間(あるいは猫ちゃんが画面にうつるまで)の動画もその後から送ってくれる」

とかね。

元の文章だと前半の「癒される」と「安心」がかけ離れていて、何の体験をしたいのかがわからなくなってしまいます。

文章自体は、そこまで変なところはないので、及第点だと思います。ただSFC小論文は「SFCの問題発見・解決」に対する適性を示すものなので、「体験のデザイン」のように、「何が価値観であるか」が明示されている問題に対してこのレベルの答案しか書けないようでは合格はおぼつかないと思いますよ。検索ワードで遊んでる暇があったら勉強して下さい。それでは。
環境情報学部・2012年(再投稿)

問題1
 私の印象に残っている生活用品は、スマホの写真アプリである。
 これは、撮影した写真や動画を保存して、閲覧・編集できるアプリである。私の場合、このアプリのおかげで、家で飼っている猫の写真や動画を保存し、見て楽しむことができるようになった。
 私はかつてこのような体験をしたことがある。そのころ私は、好きな人にふられていて、ものすごく落ち込んでいた。とてもつらかったので、「うちの猫の動画でも見て、落ち着こう」と思い立った。私はスマホを取り出し、写真アプリをひらいて、猫の動画を再生した。そこには、私の足元に駆け寄ってきて「ニャー」と鳴いたり、小さな身体をすりすりさせて甘えてきたり、ころころ転がるボールを夢中になって追いかけたり、私の膝の上で気持ち良さそうにお昼寝をしている猫のすがたが写し出されていた。私は、まるで猫が目の前にいて、私を慰めてくれるように感じた。私はそのすがたを見てとても癒され、元気になれたのだった。
 これは、私が普段から猫の動画を撮りためていたために、できた体験なのだと考えられる。そのため、猫がいまここにいなくても、その姿に癒されることができたのである。

問題2
 私が提案する生活用品は、LIVE機能付きカメラアプリである。
 これは、LIVE機能を用いて、遠隔地の今現在の様子を見ることができるアプリである。付属のカメラがついており、スマホとネット回線を通してつながっている。このカメラを部屋の隅に置いておくだけで、部屋を留守にしているあいだでも、手元のスマホから、猫の様子をリアルタイムで見ることができるようになる。
 このアプリを用いることで、いま現在の猫の様子がわかるので、安心することができる。そもそも猫の飼い主は、いつどこにいても、猫の様子を気にかけているものである。しかし実際には、仕事や学校で外出しなければならないし、なかなか猫と一緒にはいられない。飼い主にとっては、部屋を離れるというのは不安だし、仕事や勉強にも集中できない。そこで、このLIVE機能付きカメラアプリが役に立つ。スマホを取り出すだけで猫の様子がわかるので、安心することができ、仕事や勉強にも集中することができる。時には、猫がまるで自分の手の内にいて、自分に話しかけているような錯覚を覚えるだろう。それは飼い主にとてつもない喜びを与えてくれる。
 欠点としては、カメラを設置したからといって、必ずしも猫がカメラに映り込むわけではないということが挙げられる。しかし、カメラに猫じゃらしを取り付けたり、目の前にエサを置いたりすれば、猫が寄ってきて、カメラに映り込むだろうと考える。このような生活用品を私は提案する。
#ついでにいうと、このひと、検索サイトから「いろは やさしくない SFC」とか「しょうろんババア」「いろは 子供っぽい SFC」「しょうろんいろは 貧乳」とか相応に気持ち悪い検索ワードでアクセスしてくるので、なんというか、端的にいうと、気持ち悪い。飼ってる猫に好きな人とか振られた人の名前とかつけそう。

【添削】環境情報学部・2012年(ミニデニさま)

管理人以外非表示でご投稿いただいたのでお名前は適当につけました。手持ちのレシートに書いてあった言葉ではありません。たぶん。

第1問
私がこれまで印象的な関わりを持った生活用品は犬のリードひもである。これはかたほうが犬の首輪に装着できるようになっており、もう片方が輪になっていてそれを犬の飼い主が持つことができるつくりになっている。それゆえに犬と飼い主が離れることなく安全に散歩できるものである。
私の家には三匹の犬がいてどれもミニチュアダックスフンドという犬の犬種で小型犬である。私が小学三年生の時初めて三匹の犬の散歩を一人で行った。そこで使用したのが犬のリード紐である。幼い私は犬が離れていくのが怖かったので輪に手を通した上にその紐をぐるぐると手首に巻いて出発した。はじめはスムーズに散歩をすることができた。しかし、三匹の犬が他の飼い主の犬を見つけると興奮して一斉にその犬に走っていった。いくら小型犬とはいえ三匹の引く力は相当のものであった。私は突然のことで身動きできず、その力は私の手首にぐるぐると巻いたリード紐だけにかかり手首をきつく締め上げ、私は痛みを感じた。リード紐は固く、また細いものであったがためにそのいきなりの犬の引っ張る力によってよく手に食い込み痛みが鋭かったのである。(477字)

第2問
私が経験した痛みは例え大人が普通にリード紐を握っていたとしても犬に引っ張られる力によって手に食い込み痛みを発生させると思われる。
そこで、私は突然の犬の引っ張る力が発生しても握っている手に痛みを与えないリード紐を開発したい。
第一の原因としてリード紐の構成物質が固いことがあげられる。これは単に柔らかいものにするだけでは耐久性が損なわれ本来の目的から外れてしまう。よって私は従来のリード紐のまわりに柔らかいクッションの役割をするものを取り付けることを考える。このクッションの役割をするものはリュックの肩への負担を軽減させるために付いているものを使えば充分実現可能である。また、犬はリード紐を噛みつきたがる習性があるので柔らかいまわりの部分は犬に噛みちぎられる可能性がある。よって犬の近くの首輪に装着する部分の付近にはつけないことが重要である。これらのことにより従来の耐久性を備えつつ犬からの引っ張られる力が及んでも従来のものよりリード紐が食い込むことによる痛みは軽減することができる。
次に第二の原因としてリード紐が細いことによって握っている手にくいこみやすいことだ。リード紐すべての幅を広くすると、犬と飼い主との間に垂れている部分のリード紐が床に擦れやすくなり、柔らかい部分であると特に壊れてしまう可能性がある。そこで握る輪の部分だけのリード紐の幅を広くすることでその問題を解決できる。すると従来のリード紐より幅が広くなったことで犬からの引っ張りの力が及んでも力が分散され食い込みにくくなり痛みが減少される。
以上の二つを兼ね備えたリード紐をわたしは開発したい。

総評

概ね、【添削】環境情報学部・2012年(しろたんさま)と同じ感想を持ちました。テーマの設定方法としては、ちょこっとだけ、しろたんさまよりもよいです。けれども、問2の書き出しがよくないので、問1のよい部分が活かしきれていないと思います。2012年 環境情報学部 解答例&推敲例の後半の「SFCの求める「デザイン」とは?」を読んでみてくださいね。

 論理的な読みやすさは、これぐらいでいいと思います。2点だけ。

「ひも」「紐」の表記のゆれなどは読んでいて少し気になりましたが、たぶん減点はされません。ただ、少し読みづらいです。この答案の中心的なキーワードは「リード紐」ですよね。だから、「リード紐」の表記の方法が「リード紐」か「リードひも」で統一されていないと、文章の読み手は「リード紐」と「リードひも」の表記の差に何らか本質的な差があるのではないか、と思いながら読むことになります。文章中に、表記のゆれが出てくることを100%避けるのは難しいですが、せめて文章中のキーワードに関しては注意したいところ、です。

問2の後半部分は「理由」や「言い訳」がたくさん書かれ過ぎていて「新しいリード紐ってどんなの?」を読み取るのに苦労しました。「私は従来のリード紐のまわりに柔らかいクッションの役割をするものを取り付けることを考える。」「そこで握る輪の部分だけのリード紐の幅を広くすることでその問題を解決できる。」が「新しいリード紐」のデザインなのだから、これを先に書いた方が分かりやすいです。「原因」が二つ書いてあって、それに対する対応策が書かれているという点では論理的なのですが、この問題の場合は、採点する人は「新しいデザインはどんなの?」と思って読むので、そちらを先に書いた方がわかりやすいと思います。これは、どちらを先に書くべきか、は設問によって変わります。この問題は「デザイン」を先に書いた方が、自然に読めます。

何をアピールするか

SFC小論文とは
1:「SFCで学ぶために必要な適性」の有無を確認する試験
2:特に問題発見・解決力に対する適性を出題文に即して示すことが最重要
3:よって問題発見・解決を中心に適性を身につけ、出題に即してそれを示す練習が不可欠

というのは、この「しょうろんブログ」の根底にある考え方です。

各年度のSFC小論文の出題は、小論文の書き手(=受験生)が「SFCで学ぶために必要な適性」を持っているかどうかを確認したいがゆえに問題を出題します。逆に、小論文の書き手(=受験生)は「SFCで学ぶために必要な適性」を持っている、ということをアピールするように書くべきなのです。アピールと言っても、「私は問題発見・解決ができるんだもん><。。」と答案に書くことに意味はありません。どれだけ答案に「SFCの問題発見・解決を知っている」と書いたって、そんなのは面接で「私は高校で、部活でみんなのまとめ役だったので、リーダーシップを身につけています。」とアピールするのと対して変わりありません。答案に「問題発見・解決ができる!!」と書いても意味がないのです。(同じ意味で、ITやSNSについて書く事も「無意味」だと思っています。)

先に悪い例から述べてみましょう。

もし、人が何の予備知識もないまま、「問題発見しろ」と言われたら、おそらくは「欠点」を探すと思います。私もそうするかもしれません。一方で、SFCでいう「問題発見」は「欠点探し」ではありません。ただし、世の中多くの人に「問題点を探せ」といえば、欠点探しをするでしょう。

「問題発見」というと、みんなだいたい「欠点」探しをしてしまいます。私だってしてしまうかもしれません。

そして、もし、「答案」の内容が「あたかも欠点探しっぽくなっている」ならば、この人は「SFCの問題発見について理解していないんじゃないかな。」と判断されてしまいます。SFCの問題発見(=問題設定)とは、これから対象を評価するための枠組みを定めることをさしますから。2007年総合政策学部の資料文で書いてあることが一番分かりやすいのですが、もし城の城壁があったとします。城壁は「城を守る側からすれば解決策、城を攻撃する側から見れば問題」なのです。問題発見・解決をする人は、自分がまず「城を守る側」なのか「城を攻撃する側」なのかをしっかり定める(対象を評価する枠組みを定める)必要があるのです。あんまり物事を考えずに、なんとなく「俺は城を攻撃する側だから、あの城壁を壊そうぜ。」と決めてはいけないのです。

逆にいえば、答案が「SFCの問題発見・解決」を理解している人が書く答案になってる必要があります。

2012年の環境情報学部の小論文は資料文中に「SFCの問題発見(=対象を評価するための枠組みを決める)」のヒントが書かれています。「彼女が特別なのは、平均的な消費者ではないからだ。そもそも平均的な消費者など、世の中にはほとんど存在しない。」「真のパーソナル・コンピューティング・デバイスは、その定義から言って、大量生産できるものではなく、大勢の人のためにカスタマイズできる物でもない。個人的に設計するしかないのだ。」「デザインは、単に製品の外観を整えることではなく、ユーザーが必要としている体験を計画し、技術開発に方向性を与え、製品を通じたサービスのあり方全般を考える手段となった。」などなど。

つまり「自分という枠組みから見て『良い生活用品』を決める」ことが求められています。これが「SFCの問題発見」です。であれば、小論文の中にも「SFCの問題発見を理解して、それに基づいて私は行動したぜ」ということを示してあげる必要があります。

ご投稿いただいた小論文のいいところは、実は問1でこれが「明確」になされていることです。
それゆえに犬と飼い主が離れることなく安全に散歩できるものである。
この部分です。そして、問2も含めて、この考えが貫かれています(少なくとも、そのように読めます。)

資料文では「ケリーはただ叫びたかった」というのが「枠組みの設定(「叫ぶ」という体験がしたい!!)」です。これをご投稿いただいた小論文に合わせれば「『ただ犬と離れることなく安全に散歩する』という体験がしたい」という枠組みの設定になっているのです。

「私は問題発見・問題解決ができます」と本文中に書いてもしかたがないので、SFCがもとめている「問題発見・問題解決の方法で、私は問題解決できるよ。その例がこの小論文だよ。」とアピールするのです。

問2の書き出しがよくない理由

ここまで来たら、問2がよくない理由も簡単ですね。一応、再度引用してみます。
第2問
私が経験した痛みは例え大人が普通にリード紐を握っていたとしても犬に引っ張られる力によって手に食い込み痛みを発生させると思われる。
この文章だけを読むと、「あれ?この人って『欠点』から問題解決をしようとするSFCの問題発見・解決の方法じゃない方法で、問題解決をしようとしてるよね?」と思えませんか?

かろうじて問1で設定したテーマが、「ただ犬と離れることなく安全に散歩する」であったので、「確かに『痛い』と安全ではないよね」と思いながら読むので、テーマの一貫性はあるように感じます。(これは「読み手の推測力」に依存しているので、あまりよくないですけれどもね。)けれども、同時にこの文章を読みながら、「あれ?この人、SFCの問題発見向きの人だと思ったけど、問1の部分はただのまぐれ?」と感じてしまうのです。
問題2 問題1で挙げた生活用品は、もしかすると秋岡芳夫が指摘していた様々な制限の中から生まれたものかもしれません。あなたが今後、その生活用品の開発にたずさわるとしたら、どのように作るでしょうか。あなたが問題1で説明したものを体験してからも、ものづくりの状況はどんどん変わっています。1~4の資料を見ながら、どんなことができるようになるかを考え、問題1で挙げた生活用品の改良案、またはそれに代わる新しい生活用品を700字以内で提案してください。
必要であれば解答欄右側の四角の中に図や絵を描いて説明の補助としてください。
という設問です。

だから、たとえば

私は飼い主も犬も安全に散歩を楽しめる首輪を開発したい。問1で述べたように、これまでの首輪は「犬の飛び出しを防ぐ」という点では、犬が安全に散歩を楽しめる首輪だ。けれども、「飼い主が「ぐいっ」とひっぱられて痛い思いをする」という点で、飼い主も一緒に安全に散歩を楽しめる首輪ではない。犬と飼い主共に散歩を楽しめる新しい首輪を私は開発する。

みたいに書いてあれば、答案の印象は全然違うと思います。

最後に

もう一度、同じテーマで書き直してもいいですし、次の問題を解いてみてもいいと思います。あと、Ⅱ 適性を学ぶは、もう一度読んで頂いた方がいいと思います。それでは〜♪。

【添削】環境情報学部・2012年(しろたんさま)

しろたん様、こんにちは。前回は「これ」でしたよね。
環境情報学部・2012年
問題1
 私がこれまでに印象的な関わりを持った生活用品は、〈猫のエサ入れ〉である。
 それは直径20㎝ほどの大きさで、富士山型をしており、中が半円状にくり抜いてある。ここにエサを入れ、猫に供することで、エサを簡単に与えることができる。
 私はこのエサ入れに関して、以下のような体験をした。私の家では1匹の猫を飼っている。ある時、日帰り旅行のため、部屋を丸一日開けることになった。うちの猫は日中2〜3回ほど食事を取るので、いつもより多めにエサを入れておいた。さて旅行から帰ってみると、エサは半分ほどしか減っていない。猫は部屋の隅で、お腹を空かしていた。エサを見て気づいた。1〜2回ほど食べた後で、エサが腐ってしまったため、食べられなくなったのだ。
 おそらく、口が開いているというエサ入れの形状のために、エサが長いあいだ空気に触れてしまい、劣化してしまったのだと考えられる。ところが、うちの猫は新鮮なエサしか食べないのである。普通のエサ入れは、その場でエサを与える時には重宝できる。だが、この日のように、留守のあいだでも、まとまった量のエサを、新鮮なまま猫に与えるためには、普通のエサ入れでは物足りないのである。(498字)

問題2
 私が提案する生活用品は、〈ふた付きのエサ入れ〉である。
 この製品は、てっぺんがふたで覆われていて、足元には、小さなペダルが取り付けられてある。このペダルを踏むと、ふたがぱかっと開くようになっている。普段はふたは閉じられているが、猫がエサ入れに近づくと、ペダルを踏むので、ふたが開く。猫が食べたいだけのエサを食べ終え、エサ入れから離れると、足もペダルから離れるので、ふたが閉まる。ペダルの付いたくず入れを思い出してもらうとわかりやすいだろう。あれも、足元のペダルを踏むことでふたが開くが、それと同じ仕組みである。
 この製品を使用することの利点は2つある。1つは、猫がいつでも、新鮮なエサを食べられるようになるということである。ふた付きで、猫が開けるとき以外は常に密封されており、ある程度の鮮度を保てるからである。
 2つ目は、保存期間が長くなるので、1度にまとまった量のエサを入れられることである。これにより、何度もエサを入れ替える手間が省ける。飼い主がしばらく部屋を留守にしていても、エサの心配をする必要がなくなるのだ。
 この製品は前述のくず入れ同様に、エサ入れに穴を開け、ふたとペダルを取り付け、金属を通すだけで、容易に出来上がる。欠点としては、ふたが一方向にしか開かないことが挙げられる。これでは猫が戸惑うだろう。しかし、ペダルにまたたびを撒くなどして、猫にふたの開く方向を覚えさせればよいと考える。
 このような生活用品を私は提案する。(620字)

ねこかわいい。

それはともかくボーダーか、周りの人次第で合格できるぐらいの点数(115点〜120点/200点)だと思います。

2012年 環境情報学部 解答例&推敲例の後半部分にある「SFCの求める「デザイン」とは?」を読んでみてください。
所要時間:2h
コメント:前回は、厳しくも暖かいご講評をして頂き、ありがとうございました。
さて、2回目の答案を作成したので、添削して頂けたらと思います。その際には、具体的な予想点数と、参照すべきしょうろんのページや、参考書等を書き添えてくれるとありがたいです。
また、この製品は猫のためのものですが、問題文の〈生活用品〉に該当するのかどうか、お伺いしたいです。
では、添削のほど、よろしくお願いいたします。
読んでいただきたいエントリーは上で書いた通りです。あと、この年の小論文に関しては、他の人のものも色々添削しているので読んでみてくださいね。

参考書というよりは、まずこの問題の資料文をしっかりと読んでみてください。いろいろと発見があると思いますよ。

で、何が体験したかったの?

「体験の計画」が明確になされていないところ。

この年の小論文は「体験の計画」がテーマになっています(過去に他の方の添削でも同じことを書いているので読んでみてください。)また「多くの人に受けるもの」ではなく「ある一人の人=あなたにとって大事なもの」を計画することが求められています。

資料文では、書いてあります。「ケリーは叫びたかった」のです。だから「叫ぶ」という体験ができるものを計画した。

書いていただいたもとの小論文のどこにも「しろたんさんは、いったん何が体験したかったのか?」が書かれていないのです。わたしならば「家に帰ったら、うちの猫がちゃんとおいしいご飯を食べられたところを見て安心している」という体験がしたいです。だから、「ふたつきエサ入れ」を開発するんです。

そこが曖昧になっています。「エサを入れる手間が省けてラッキー」という2つ目のメリットが書かれていることで、この人は本当に「体験の計画」をしたのかどうかが読み手にはわからなくなってしまっています。

困った体験があって、それがもう一回起こらないようにするにはどうしたらいいかな。ふたつきにすればいいんだ。そうすればこんないい事の他に、こういういい事もあるな。

という発想方法と、

困った体験があった。私が本当に体験したいことは「これ」なんだ。この体験ができるような生活用品はなんだろう。そうだ、ふたつきのエサ入れにしよう。

という発想方法は違います。

この年の小論文では、後者が求められているので、後者の方法でやった、ということを分かりやすく書いた方がいいです。

「体験の計画」で出来ること

「うちの猫ちゃんのエサが腐っちゃったけどどうしよう。」という「問題のみ」に目を向けると、「ふたつきエサ入れ」「保冷剤(冷蔵庫)付きエサ入れ」「防腐剤付きエサ入れ」のようなアイデアしか出てきません。

これを「私はうちの猫ちゃんがちゃんとご飯を食べられるようにして安心したい」という自分の体験を計画してしまえば、他にも「ビデオ付きエサ入れ」とか「スマホ連動エサ入れ」とかいうアイデアが出てきます。時間になったら(あるいは、ユーザーが遠隔地からボタンを押したら)、エサが自動的に出てきて、それを食べにきた猫の動画や写真を飼い主に送ってくれる生活用品みたいなアイデアも考えつきます。

ということで、この小論文は、全般に設問で問われている事はほとんど書かれているので、ボーダーぐらい。但し「本当に体験の計画をしたか」がわかりづらいので、その分大幅減点しています。「明らかに体験の計画をしていない。」とも言えないですし。だから、他の人がもっとしっかり「体験の計画をしたよ」ということを書いていれば、そういう人たちに負けます。

もし、自分が「体験の計画」という出題の意図が読み取れていなければ、ゼロ点だったんだ、と思って、もう一度資料文をよく読んでみてください。そこまではたどり着いていたのであれば、のこりは表現の問題なので、それをうまく答案にのせるようなものを考えてみて下さい。ほんの一工夫で(生活用品の名前を「私がいなくても安心えさ入れ」にするだけでも、ずいぶん変わると思います)、与える印象は変わると思います。

#この問題「自分の体験」と「猫の体験」の両方で作ってみるとおもしろいと思いますよ。

ちなみに、「生活用品」は実質なんでもいいです。ダメな生活用品なんてないと思います。もちろん、猫のエサ入れでもOKです。

それでは。

【添削】環境情報学部・2012年(粉さま)

コメントに非公開でご投稿いただきました。お名前だけ、ちょこっとだけ変えさせていただきました。

内容が汚い、とか全然気にしませんよ。
環境情報学部 2012年
問題1

 私が、印象的な関わりを持った生活用品は、ティッシュぺーパーである。これは、鼻をかんだり、こぼした飲み物を拭いたりとタオルで拭くには抵抗のあるちょっとした汚れや水分を拭き取る使い捨ての生活用品である。
 私は、鼻炎になりやすく、くしゃみが止まらないことがよくある。そのとき、鼻水や唾が回りに飛び散らないように、口や鼻を何かで押さえたくなる。しかし、手やタオルで押さえてしまうと、それらが汚くなることに抵抗があったので、使い捨てできるティッシュペーパーを用いた。ところが、ティッシュペーパーで口や鼻を押さえると、鼻水や唾がティッシュペーパーを貫いて、結局手についてしまい、不快な思いをした。
 この体験は、ティッシュペーパーがあまりに柔らかいために起きたと考えられる。本来は、水分や汚れを拭き取るために用いるため、柔らかくても問題ではない。むしろ、鼻をかむときには、柔らかくないと、鼻を痛める可能性さえある。しかし、私の鼻炎による連続的なくしゃみの勢いに耐えるには、柔らかすぎたのだ。

問題2

 私は、周りに飛ばすことなく、手を汚すことなく、くしゃみをして、そして、汚いものをすぐに捨ててしまいたいと思う。この一連のプロセスを行えるような生活用品を考える。
 まず、このプロセスのために使い捨てであることは欠かせない。次に、周りに飛ばすことなく、かつ、自分の手を汚さないように、口や鼻をおさえられるものである必要がある。問題1で述べた私の体験では、ティッシュペーパーは柔らかいために、くしゃみの勢いに耐えられず、破けてしまい手が汚れてしまった。だから、それに耐えられる程度の硬さが求められる。しかし、さらに、鼻についた鼻水を拭くとき、柔らかいもので拭かなければ、鼻を痛めてしまうため、柔らかさも必要である。
 そこで、私が提案する生活用品は、1枚の中に硬い面と柔らかい面の両面を含むティッシュペーパーである。これを剛柔ティッシュと名付ける。これを用いれば、前に述べたプロセスを完璧に行うことができる。たとえば、私が鼻炎で、くしゃみが止まらない場面を想定する。まず、くしゃみをするとき、剛柔ティッシュの硬い面を両手で持ち、口や鼻を押さえる。十分に硬いため、破けることなく、しっかりと鼻水や唾を受け止められる。次に、持つ部分を柔らかい面に変えて、鼻についた鼻水を拭き取る。私のような頻繁にくしゃみをする人でも、鼻が痛むことはない。そして、その使い終えた剛柔ティッシュをゴミ箱に捨てて終了である。
 剛柔ティッシュは、私のくしゃみのときに望むプロセスを実現する生活用品である。
ちょっと時間がないので、後日書き直しますかもしれませんが、パラパラと。

全般的には、これぐらいかけてたら、単体では合格点に達していると思います。あとは周囲のライバル次第です。

問1はほとんど満点に近いと思います。ケリーが叫びたかったのと同様に粉さんは鼻をかみたかった。ただそれだけですが、それこそが価値観の設定です。一部わかりづらいと思うところもありますが、許容範囲内。接続語も、これぐらいしつこくつかっちゃっても問題ないと思います。(一部わかりづらい理由は、主に一文が長いから、です。でも、論理構成がしっかりしているので、ちゃんと読めますよ。一文を短くしたり、主語述語を明確にすることも文章を書くためには重要ですが、論理構成がしっかりしている方が重要です。)

問2は、一カ所、本当にわかりづらい箇所があります。
十分に硬いため、破けることなく、しっかりと鼻水や唾を受け止められる。次に、持つ部分を柔らかい面に変えて、鼻についた鼻水を拭き取る。私のような頻繁にくしゃみをする人でも、鼻が痛むことはない。
手で持つ部分を柔らかい面にしたら、鼻側に来るのは硬い面なので、鼻痛くなっちゃうんじゃ?と思いました。(ちょっと自分でティッシュを持って想像してみてください。)

このあたりは多少工夫の必要がありかと思います。(たぶんどんな場合でも、硬い側を持って使うんじゃないかな?)ただやりたいことはわかるので、いいかな、って気もします。まわり次第。(補足:コメント欄を読んで意味がわかりました。おそらく粉さんの文章では「面」と書いてあるのが、ミスリーディング(表面・裏面と勘違いする)なんだと思います。絵を描きつつ「正方形の真ん中に境界線を引いて、一方の長方形の部分が柔らかく、もう一方の長方形が硬いティッシュ」などと書けば誤解しないと思います。「面」ではなく「部分」や「場所」という言葉に書き換えた方が分かりやすいですよ。)

ちなみに、わたしは「2枚くっついているティッシュの1枚をナイロン製にする」というアイデアをおもいつきました。片側がナイロンなら、くしゃみなどで破れる事もないし、鼻をかむときも柔らかくかめますし。もちろん、ナイロン側で鼻をかんじゃダメですよ。

論理構成も、これはこれで一つの正解だと思いますが、個人的には先に「剛柔ティッシュ」を書いた方がわかりやすいと思います。最後の1文は、なくても、あってもいいかな。練習のときには書かなくてもいいと思います。

問題2でも価値観の設定をしてもいいか

コメント:2か月位前?にブロマガを購読した者です。ブログの内容を参考にして書いたつもりなのですが、いかがでしょうか?問題1で価値観の設定をしたのに、問題2でも加えて価値観の設定をしてしまったのですが、これはまずいでしょうか?汚い内容なので一応非表示でコメントしますが、いろはさんの判断で公開してもかまいません。
添削よろしくお願いします。
これに関しては、一義的には「Yes」です。ただこの答案では、問題2ではほとんど「価値観の設定」をしていません。唯一言えば、1文目の
「私は、周りに飛ばすことなく、手を汚すことなく、くしゃみをして、そして、汚いものをすぐに捨ててしまいたいと思う。」
部分でしょうが、これは「価値観の設定」というよりは、わかりやすいように問題1の内容を繰り返しただけです。それはもちろんOKです。

中段の
まず、このプロセスのために使い捨てであることは欠かせない。次に、周りに飛ばすことなく、かつ、自分の手を汚さないように、口や鼻をおさえられるものである必要がある。問題1で述べた私の体験では、ティッシュペーパーは柔らかいために、くしゃみの勢いに耐えられず、破けてしまい手が汚れてしまった。だから、それに耐えられる程度の硬さが求められる。しかし、さらに、鼻についた鼻水を拭くとき、柔らかいもので拭かなければ、鼻を痛めてしまうため、柔らかさも必要である。
は、価値観の設定というよりは「解決策の検討」もしくは「問題の構造化(原因の検討)」です。これはこれできちんと成立しています。

この調子で、しっかりと小論文を書き進めていってくださいね。

補足:「先に「剛柔ティッシュ」を書く」とはどういうことか。

問題2は、
第1段落は 問題の再設定
第2段落は 問題の構造化
第3段落は 解決策の検討 を意識して書きました。
剛柔ティッシュを先に書くということは、解決策の検討から書くということでしょうか?
コメント欄にご投稿いただいたので、補足です。

この問題の設問は、
問題2 問題1で挙げた生活用品は、もしかすると秋岡芳夫が指摘していた様々な制限の中から生まれたものかもしれません。あなたが今後、その生活用品の開発にたずさわるとしたら、どのように作るでしょうか。あなたが問題1で説明したものを体験してからも、ものづくりの状況はどんどん変わっています。1~4の資料を見ながら、どんなことができるようになるかを考え、問題1で挙げた生活用品の改良案、またはそれに代わる新しい生活用品を700字以内で提案してください。
必要であれば解答欄右側の四角の中に図や絵を描いて説明の補助としてください。
です。そして、小論文の基本は、

設問に答える

です。この設問は、ひとことで言えば、生活用品の改良案、またはそれに代わる新しい生活用品を700字以内で提案してください。です。そして、この設問にひとことで答えようとすれば
私が提案するのは「剛柔ティッシュ」だ。
などになるでしょう。つきつめれば、この20文字足らずの言葉が「この設問の答え」であり、これを書くことが「設問に答える」なのです。だから、先にこの文章を書いた方が、読み手である採点者は、この文章を理解しやすくなります。

そして、
私が提案するのは「剛柔ティッシュ」だ。
私は、周りに飛ばすことなく、手を汚すことなく、くしゃみをして、そして、汚いものをすぐに捨ててしまいたいと考え、この生活用品を提案する。
と「価値観の設定」(この場合「提案の理由」と考えてもいいです。)を次に続けるのも一つの書き方のパターンです。

あるいは、
私が提案するのは「剛柔ティッシュ」だ。「剛柔ティッシュ」とは「1枚の中に硬い面と柔らかい面の両面を含むティッシュペーパー」である。
と書いても構いません。(これは「提案の詳述」と考えてもいいです。)この構成をどう決めるかは筆者の自由です。

ただ「設問で問われていることに答える」というのが「小論文の基本」なので、「一番最初に設問に対する答えをダイレクトに書いた方がわかりやすい」と、個人的には思っています。もちろん、この小論文は700文字の字数があるので、レトリックとして「提案内容を秘密にしてあとから明らかにすることで内容を際立たせる」という手法を使ってもかまいません。(最初に「好きです。つきあってください。はじめて出会ったのは3年前で...」と書くラブレターと、「はじめて出会ったのは3年前でした。はじめは何とも思っていませんでした。(中略)。あなたのことが好きです。つきあってください。」と書くラブレターの違いみたいなの。)けれども、そういうレトリックを使うのは文章をうまく書けるならばつかえばいいだけのものですし、そもそもそのようなレトリックをつかわなくてもSFCには合格できますので、無理しなくてもいいと思っています。

「総合政策的アプローチ」の各ステップは、小論文を書く際に、「その順番に書く必要はない」ですし、「それを全て書く必要もありません」。何度も書いているのですが、誤解する人はけっこういます。「設問に答える」ことを目的に必要なステップを書いていけばいいだけなのです。

ツイッターでのご質問 環境情報学部2012年

いろはさんに質問があります。ブログは一通り読ませていただきました。その上で環境情報2012年の問題の添削を自分で行ってみたのですが、欠点と問題点を明確に区別できません。お時間のあるときにお返事頂けたら幸いです。
例えば、問1「Aイヤホン。B音楽を一人で聞くためのもの。C耳の小さい私にはインナーイヤー型もカナル型も窮屈感があり、センター試験では集中できなかった。Dユーザーの平均的な耳の形に合わせてつくられているため、耳の小さな人には違和感や窮屈感を与える」
それを踏まえて、問2「自分の耳の形に合わせて使えるようなイヤホンを提案。具体的には回転させると耳挿入部のシリコンの大きさを調節できるボタンをつける」という感じで書きました。
おかしな文になっていますね。すみません( ◞‸◟ )このように書いた場合、①欠点ではなく問題点として良いのか、②縦の糸の紡ぎ方として合っているか、の2点について教えていただきたいです。
というご質問をいただきました。

①のご質問の意味が、少し分かりづらいのですが、ちょっとこの解答案に対して質問をしてみたいと思います。

それでさ?あなたはどんな体験がしたかったの?

この小論文のポイントはここに集約されます。言い換えれば、この小論文を読んで「あ、この人はこんな体験がしたかったんだ。だから、こんな生活用品がほしいと思ったんだな。」ということが読み取れることができれば、この小論文では合格点がとれたようなものです。

ある「生活用品」を使っていたら不便な点を感じるのはよくあることです。いま私はiPad Airをつかってこのエントリーを書いています。キーボードが小さくて不便です。肩が凝ります。

あぁ、もう少しキーボードが大きければよかったのに。そうだ。問題解決しよう。キーボードが大きくなればいいんだ。



これがSFCでやってはいけない問題解決です。なぜならば、「問題」を発見していないからです。キーボードが大きくなったら、問題が解決できるのでしょうか。ひょっとしたら、キーボードで打つ、という行為が悪いのかもしれませんし、画面の角度かもしれません。私がスタイルが良いから、違う原因で肩が凝るのかもしれません。違う原因で肩が凝るのかもしれません。くすん。

私はただ「肩が凝らないように、しょうろんのエントリーを書く」という体験がしたいだけなんだ。

これが「問題発見」(の、ひとつ)の方法です。この場合は「これがよい」というものを一つ定めました。何が「よい」ことで、何が「わるい」ことなのかを、しっかり今一度定める。今回の場合は設問で「ユーザーにとって望ましい体験」が「よいこと」ですと定められています。だから、小論文内でもまず「ユーザーにとって望ましい体験」を設定する必要があります。

それを定めた上で、それを実現する生活用品を定めればいいんです。だから、実はこの「生活用品」のアイデア自体はそんなに問われていません。問われているのは、「どんなユーザーにとって望ましい体験を設定したのか」です。

さて、元の文章をみるかぎり私には
 ・センター試験で集中したい
 ・音楽を一人で聞きたい
 ・耳に違和感や窮屈感を感じたくない。
ぐらいの3つの「ユーザーにとっての望ましい体験」を読み取ってしまいました。逆に言えば、この答案では「問題発見」ができていません。冒頭に戻ります。

それでさ?あなたはどんな体験がしたかったの?



例えば、センター試験で集中したい、のであれば、イヤホンではなくても、スピーカーでいいかもしれませんね。そこから連想して、机の上に個人用スピーカーを置く、という生活用品でもいいです。骨伝導イヤホンもいいかもしれません。手の甲につければ音が聞こえる、とかね。あるいは、個人の机をブースで区切り集中できるようにするポータブルブース、とかね。あるいは、イヤホンじゃなくて、ヘッドホンにしちゃえばいいわけです。いろんなアイデアがでてきます。

これを「大きさがイマイチ」という欠点では探しからスタートすると、「よい大きさにしよう」しか思いつきません。違うんです。だって、わたしは「ただセンター試験で集中したかった」だけなんです。イヤホンの機械の大きさなんてどうでもいいんです。

これが、SFCの問題発見・解決です。2012年環境情報学部の設問の場合は、資料文中で「問題発見」の方法が「体験の計画」として定められているので、その意味では比較的楽な問題ではあります。ただ、そういう年の場合は、国語力のある人が、割とよい成績を残しやすいので注意が必要ですね。

最後に、「縦の糸」の話ですが、解説がこれだけスラスラ書けるのは、書いている答案が論理的だから、です。論理的でない答案では、スラスラと解説は書けません。むしろ「これを書いた人は何がいいたいんだろう」ということを考えるのに一苦労します。そういう点では論理的に書けていると思いますよ。

それでは。

【添削】環境情報・2012年(どんぐり様)

まずは足き切りを逃れるために必要なことをご教授いただけたらありがたいです
設問を読んでください。そして、設問に合わせて答案を書いてください。それが最低限。
<問1>
私がこれまでに印象的名関わりを持った生活用品として「スタットレスタイヤを」挙げる。これは、自動車が積雪路や凍結路などを走行するために開発されたスノータイヤの一種である。私が小学校の頃、始めて両親が購入してきた。初めはノーマルタイヤとの違いが分らなかった。ある日、両親の車で家族と買い物に行く途中、路面が凍結してるにもかかわらず車はすぐに停車した。その際、両親にスタットレスタイヤの効果を聞いて驚いたのを覚えている。スタットレスタイヤは路面との接触部分に段差をつけることによって、凍結路での停止を可能にする。その一方で、雨天での運転時には、ノーマルタイヤ以上に滑りやすくなる。また、タイヤのゴムの減りがノーマルタイプと物と比べ格段に早い。しかし、私の両親はもしスタットレスタイヤを装着した車が今よりも少なくなると、積雪路、凍結路が原因で起こる事故が多発すると言っていた。ただでさえ怖い上記の状態の道路での運転で、スタットレスタイヤを装着せずに走ると考えると、もはや運転ができなくなる。したがって私は今以上にコストダウンされた高性能で長期間使えるスタットレスタイヤが開発されることを願う。

<問2>
スッタットレスタイヤの後モデルとして「コストレスタイヤ」を提案する。コストレスタイヤには従来のスタットレスタイヤに比べて、溝幅を狭くし溝幅の数を増やす。更に溝を浅くすることによって空気抵抗を減らし、更ブレーキ力を上げている。また、ゴム質を従来の素材に比べ柔らかくなるものを使っている。これにより、タイヤそのものの凍結を軽減でき、なおかつパンクがしづらい作りとなっている。そのうえ、原料を東南アジアから低価格で輸入することにより、タイヤそのもののコストダウンに成功し、これにより、価格が高いため購入を先延ばしにせざるをえなかった人たちへ門戸を広げることに成功した。コストレスタイヤ開発の一番の勝因となったのは、大量に海外から素材を発注することにより、低価格で輸入できたことにある。これは主に加工機械の未熟さが原因で、工業製品に使える素材が限られていた60年代(資料1)と比べ現在は科学技術、工業技術の発展に伴って高性能の機械を製造できたことにある。また60年の高度経済成長期以降日本の技術者が海外へ派遣されることによって、タイヤを作る素材となるゴムの大量生産に成功したことも挙げられる。地球温暖化が進むにつれて冬季の気温が下がり、更にコストレスタイヤを使用する世帯が増えてくるだろう。私は1人でも多くの方に低価格で、高性能、長く使えるコストレスタイヤを開発し提供したい。
問1はまだマシ。問2は正直お話になりません。

問1は、

上の問題1の答案を読んで以下の問いに答えよ。
問1:筆者が「印象的な関わりを持った生活用品」とは何か。
問2:その生活用品はどのようなものであったか。
問3:筆者はその生活用品を通じてどのような体験をしたか。
問4:筆者はなぜ問3のような体験が得られたのか。
問5:筆者は「ただでさえ怖い上記の状態の道路での運転で、スタットレスタイヤを装着せずに走ると考えると、もはや運転ができなくなる。したがって私は今以上にコストダウンされた高性能で長期間使えるスタットレスタイヤが開発されることを願う。」という文章を問1〜問4のどれに該当するものとして、答案に書いているのか。番号を述べよ。またその判断は妥当か?

を解いていただければ、必要な文章と無駄な文章、文章の配分の善し悪しがわかるはずです。

問2は、資料2〜資料4を全く読めていませんので、それを読んで書き直してください。現状で資料2〜資料4を読んだ、と言うのであれば、2012年 環境情報学部 解答例&推敲例の「SFCの求める「デザイン」とは?」以降を読んで、それでも分からなければ質問してください。っていうか、資料2〜資料4は読んでないよね?

それでは。

【添削】環境情報・2012年(小論同盟様)

2012の小論を添削お願いいたします。
<問題1>
私がこれまでの人生において最も印象的な関わりを持った生活用品は乾燥付き洗濯機である。従来の洗濯機では「乾燥」の機能が付いていなかった為、ユーザーはその日の天候や気温を配慮しなければならなかった。しかし「乾燥」の機能が付いた洗濯機の発明以降、365日たとえどんな天候であれ以上のような問題点は解決された。私の両親が乾燥付き洗濯機を購入する以前は、自宅一階の和室が干した洗濯物で長時間に渡り溢れかえっていたことは多々あったし、洗濯物を乾かす為に点けた暖房のせいで、特に梅雨の季節に電気代が他の月に比べ上昇したことを鮮明に覚えている。確かに乾燥機付き洗濯機は従来の洗濯機に比べると、本体価格は「乾燥」の機能が付加された分値段も大体20パーセントほど高 くなっている。しかし時間はお金では買うことが出来ないことを考慮すれば20パーセントの本体価格の差異が大きいのか少ないのかは明らかである。共働きの家庭が増えていく現代社会において今後一層時間に対しての価値が再考されるだろう。なので私は乾燥機付き洗濯機は時間、機能、利便性において画期的な生活商品を挙げる。
<問題2>
問題1で述べた通り確かに全体的に見れば乾燥付き洗濯機は画期的な発明であり、多面にわたって多くの利点があるが、弱点が1つもないと言うことではない。例えば、洗濯機で乾燥した後に必然的に皺ができてしまうという点が挙げられる。これにより乾燥機付き洗濯機で乾燥できる衣服は特定の種類となり洗浄から乾燥への工程の間に皺になっても妥協できる衣類と出来ない衣類とを分ける労力が新たに必要とされる。そこで私が洗濯機の開発にたずさわるとしたら、皺なりにくい洗濯機を開発する。製造は単純で夏の炎天下の中で干してある洗濯物を想像してみれば易々とイメージが浮かぶだろう。この機は皺にしたくない特定のワイシャツや極めて薄い生地を使った衣類の為の乾燥機付き洗濯機である。これは独立した物と考えてほしい。通常であれば洗濯機に洗濯物を投げ込む→洗剤を投入→スタートボタン(開始)の工程あったが、この洗濯機は洗濯物を入れる工程が異なる。本体の中に常備してある数本の棒(回転可)に衣類を掛けて洗剤を入れてスタート。こうすることにより中で衣類はごちゃごちゃにならなくて済み、皺を最小限に抑えることが可能になる。このことはデザインは不特定多数の好みに合わせて平均レベルの質と造形でなされるべきとある資料1に類似するだろう。

総括

100点届かないと思ってください。

問1

さすがにこの問題の解説に飽きたので、現代文の問題を出しておきます。

上の問題1の答案を読んで以下の問いに答えよ。
問1:筆者が「印象的な関わりを持った生活用品」とは何か。
問2:その生活用品はどのようなものであったか。
問3:筆者はその生活用品を通じてどのような体験をしたか。
問4:筆者はなぜ問3のような体験が得られたのか。
問5:筆者は「しかし時間はお金では買うことが出来ないことを考慮すれば20パーセントの本体価格の差異が大きいのか少ないのかは明らかである。共働きの家庭が増えていく現代社会において今後一層時間に対しての価値が再考されるだろう。」という文章を問1〜問4のどれに該当するものとして、答案に書いているのか。番号を述べよ。またその判断は妥当か?

よい小論文とは、設問に合わせて書けている小論文です。だから、小論文の設問を現代文風に変更した場合、答案を見てその現代文風の設問に全て容易に答えられるはずです。(ブロマガの「特講第14課:超基本編 「小論文とは」と「横の糸:詳解」」を見て頂けると別の角度で同じことを書いています。)筆者ならなおさらのことです。では、この問題を解いてみてください。

ということで、教訓はまずは「設問をしっかり読んでください。」です。あと最後の文章のなので私は乾燥機付き洗濯機は時間、機能、利便性において画期的な生活商品を挙げる。 は、日本語でおK。

問2

これも設問の読解が甘過ぎます。問題2 問題1で挙げた生活用品は、もしかすると秋岡芳夫が指摘していた様々な制限の中から生まれたものかもしれません。あなたが今後、その生活用品の開発にたずさわるとしたら、どのように作るでしょうか。あなたが問題1で説明したものを体験してからも、ものづくりの状況はどんどん変わっています。1~4の資料を見ながら、どんなことができるようになるかを考え、問題1で挙げた生活用品の改良案、またはそれに代わる新しい生活用品を700字以内で提案してください。
必要であれば解答欄右側の四角の中に図や絵を描いて説明の補助としてください。
これが設問ですよね。ついでに、冒頭の文章も一部引用します。
資料2〜4は2006年から2011年に書かれたものなので、資料1との間には40年のギャップがあります。その間にものづくりの状況やデザイナーの役割は大きく変わりました。そのことを踏まえて次の質問に答えてください。
さて、答案の中の一文を引用してみます。このことはデザインは不特定多数の好みに合わせて平均レベルの質と造形でなされるべきとある資料1に類似するだろう。どうして、ものつくりの状況が大きく変わった資料2〜4から引用しないで、わざわざ資料1から引用しているのか。資料3では、
「彼女が特別なのは、平均的な消費者ではないからだ。そもそも平均的な消費者など、世の中にはほとんど存在しない。」
と書かれているのにも関わらず、「なぜ平均レベルの質と造形」という古い時代の考え方を持ち出し、答案の提案の根拠としているのか。大いなる謎です。単に資料1〜4が読解できていないようにしか見えません。資料の読解については、「2012年 環境情報学部 解答例&推敲例」の後半にまとめてあるので見ておいてください。



この時点で添削を止めたいぐらいなんですが、もう少し進めておきます。この問題は資料2〜4に沿ったデザインの方法で問題解決ができるか、という資質を問う問題です。「ユーザーが必要としている体験を計画し、技術開発に方向性を与え、製品を通じたサービスのあり方全般を考える手段」と資料4にありますので、これに沿った開発でなければなりません。したがって、「弱点をつぶすよ」という答案の場合(ましてや、資料1を根拠にしている場合)、この人は何も分かってないなぁ、と見た瞬間に落とされてもおかしくないです。

だから、この答案も「ユーザーが必要としている体験」を定義してデザインをはじめてあげるといいわけです。「これにより乾燥機付き洗濯機で乾燥できる衣服は特定の種類となり洗浄から乾燥への工程の間に皺になっても妥協できる衣類と出来ない衣類とを分ける労力が新たに必要とされる。」とご自分でお書きになっている通り、「洗った後も手間なく乾く」という体験がしたいわけです。「皺」に着目するのではなく。あるいは、「ボタンひとつで全て完了」とか「ドラムから取り出してすぐ着られる」とか、そういう「ユーザーが必要としている体験」に着目した方が、資料2〜4に沿った答案になります。何度も言っている通り、SFC小論文はSFCでの問題発見・解決に対する素地を確認する適性テストです。「弱点をつぶす」という発想をしたのではなく、「ユーザーが必要としている体験」を計画したように見えるように答案を書くべきです。だから、テーマも対象も解決策も全くこのままで構わないので「ユーザーが必要としている体験」を中心に書き直すことで、この答案はぐっとよくなります。

問題1で述べた通り確かに全体的に見れば乾燥付き洗濯機は画期的な発明であり、多面にわたって多くの利点があるが、弱点が1つもないと言うことではない。長い。弱点がある。でよい。例えば、洗濯機で乾燥した後に必然的に皺ができてしまうという点が挙げられる。このあたりは問題提起として書いてもよい。これにより乾燥機付き洗濯機で乾燥できる衣服は特定の種類となり洗浄から乾燥への工程の間に皺になっても妥協できる衣類と出来ない衣類とを分ける労力が新たに必要とされる。これもよい。現在の「行動」を示しているから。そこで私が洗濯機の開発にたずさわるとしたら、皺なりにくい洗濯機を開発する。ここを「どんな服でも気軽につっこめる」というユーザー体験などにすると非常にいいです。「皺」を入れるとしたら、「どんな服でも皺なく乾くという体験」みたいに書くといいのでは?製造は単純で夏の炎天下の中で干してある洗濯物を想像してみれば易々とイメージが浮かぶだろう。この文章は少し変です。何のイメージですか?これ?製造?この機は皺にしたくない特定のワイシャツや極めて薄い生地を使った衣類の為の乾燥機付き洗濯機である。まぁ、いいや。これは独立した物と考えてほしい。これは別の機械(=ギミック)を装着するということ?通常であれば洗濯機に洗濯物を投げ込む→洗剤を投入→スタートボタン(開始)の工程あったが、この洗濯機は洗濯物を入れる工程が異なる。まぁ、いいか、という感じ。本体の中に常備してある数本の棒(回転可)に衣類を掛けて洗剤を入れてスタート。どうでもいいけど、絶対に洋服がのびると思います。あと体現止めは基本はしないようにしてください。減点されないでしょうけれども、文章が幼く見えます。こうすることにより中で衣類はごちゃごちゃにならなくて済み、皺を最小限に抑えることが可能になる。若干、因果関係が分かりづらいが、問題はないと思います。体験の計画さえできていれば、よほど変なデザインをしない限り、減点にはならないと思います。SFCが確認したいのって、この「解決策(=デザイン)の正当性」よりも、「問題発見・解決」技術なので、その点で言えば「実行しやすい」「効果がありそう」ということを考えているという点で点数がつきます。このことはデザインは不特定多数の好みに合わせて平均レベルの質と造形でなされるべきとある資料1に類似するだろう。でも、これを見ただけで不合格を確信する文章です。理由は先述の通り。
時間は2時間10分です
これだけの分量が2時間10分なら、OKです。むしろ今のところは、2時間30分ぐらいかけてでも設問をしっかり読み取って、設問にあった答案を書き上げた方が後々の役にたちます。
英語は8割程度安定です。
途中でなぜ乾燥機付き洗濯機にしてしまったのかと後悔しながら何とか書き終えました。
今後小論文に使える時間は一日9-10時間です。添削してもらうのは初めてなので厳しい採点をお願いします。
上でも書いていますが、私は乾燥機付き洗濯機っていいと思いますよ。英語は実力を落とさないようにしておけば問題ないと思います。週に1度で構わないので本番のリハーサルみたいに試験時間と同じ時間帯に英語の勉強をしておくといいかもしれません。

とりあえず設問に合わせるように書く事を目標にしてください。それが苦手そうだというのであれば、ブロマガを読んでいただいたほうがいいかもしれません。私は、この答案を再度「設問に合わせて」「資料1〜4」をしっかり読んだ上で、書き直すと少し違った見方ができていいと思います。

それでは。

【添削】環境情報・2012年(ジョン様)

4つもあるんで、先に質問だけ答えてしまいます。

<3:解く時にどこでつまづいていると思うか>

・文字数がオーバーしてしまう
 上記の答案では、どこら辺を削れば良いのでしょうか…
まず、「本当に伝えたい事」を明確にしてください。それが足りていないと思います。
・時間が不足する(特に資料読み取り型の年度)
 時間配分としては、設問読解10分・資料読解20分・答案構想・構成30分・答案に書く60分、という感じにしているのですが答案構想・構成の時間が特にオーバーしがちです。
また、去年に解いたことがある問題でこれなので、初見の問題は更に時間が不足するかもしれません…。
本当に書くべき内容をきちんと設問から読み取れていないのだと思いますよ。だから、こんなに字数が増えちゃうんですよ。
・総政2012/環境2010年などの資料文読み取り型の問題の場合、総合政策的アプローチのフレームワークを用いた設問意図の把握が難しい、あやふやになりがちである。
設問自体の読解ができていないのだと思います。

<4:現代文の偏差値>

センター模試で偏差値60-65 / ギリギリラインのような気もしますが。時間がないので、とにかく「答案に何を書くか」をきっちり読みとることを心がけてください。

<5:学科(英語あるいは数学)の過去問を解いた手応え>

過去問で160/200点ほど
※去年の今の時期に一度解いたことがあります。
今回の代ゼミプレは100/200でした…
去年度の入試では、総合110/200 環境98/200でした。
去年の数字は無視しておいて、代ゼミプレの子の点数っていい方なんでしょうか?悪い方なんでしょうか?本番試験と難易度が違うのでよく分かりません。

結局、今年は過去問でどれだけ点数がとれるんでしょうか?過去問8割とプレ5割ではイメージがずいぶん違うのですが。学科試験の勉強時間が足りないならそちらもやってくださいね。

<6:現役、浪人、試験までに勉強できそうな時間(目安)>

1日平均13時間×28日=364時間
必死でがんばってください。体調だけは気をつけてください。
出来れば、各年度の答案の予想点数(もちろん主観的で大丈夫です)も出して頂けると大変嬉しいです。
こんなに字数オーバーしてるとさすがに点数をつけづらいです...。
どこが駄目で、どのエントリーを読み直すべきかもお時間がございましたら教えて頂ければ助かります。お忙しい所大変申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

「残りの短期間「超特急でSFC小論文を仕上げる方法!!」」か、ブロマガがまとまっていると思いますので、お読みになるのであれば、そちらをどうぞ。

全部を別々に見るのつらいのでまとめてみちゃいます。
・環境情報2012年
2時間5分
問1
 私が印象的な関わりを持った生活用品は、ツイッターというwebサービス及びそのアプリケーション(以下Tとする)である。これは、他人と情報を共有する際に時間や手間がかかるという問題を解決するものであった。
 次に、Tを通した体験について述べたいと思う。私はアニメ鑑賞が好きでありそれを日課としているのだが、次のような出来事があった。その日は、渡すが毎週欠かさず見ていたお気に入りのアニメの最終回の放映日であった。最終回を見終わった私の頭の中は、そのアニメに関する感情や考察で一杯であった。そこで私は、Tにそのアニメの感想や考察を投稿したのである。するとすぐに、私の感想に共感するメッセージや、考察に対する意見が寄せられたのである。加えて、そのアニメが好きな人と会話し、とても盛り上がることもできた。そして、私はとても満たされた気持ちになれたのである。
 この体験は、Tの特徴によって可能となった。それは、今の気持ちや感情・考えを素早く・手軽に多くの人々に伝え、共有できるという特徴である。ブログなどの従来のサービスは、伝えたい内容についての記事(そこそこ長めの文章)を考える必要があった。また、写真などを投稿したい場合は、写真を撮影してPCに取り込み、アップロードする必要もあった。これには時間と手間が必要であった。一方Tは、アプリの利用により、その場で撮った写真の素早い共有が可能である。また、一つの投稿の文字数が140字以下に制限されているので、長い文章を考える必要がなく、一言を投稿するだけで良い。Tによって、共有に必要な手間と時間が大幅に削減されたのである。(680/500)

問2
 私はTの改良案として、Tが利用できるメガネ型端末の開発を提案する。
 現在、最も素早いTの利用はスマートフォン向けのTのアプリを通したものである。しかし、これにはいくつかの欠点がある。まず、スマホをポケット等から取り出してアプリを起動し、投稿が完了するまでに数秒~数十秒必要であるという点である。つまり、「今この瞬間」を共有できないのである。次に、写真や動画を共有する際には事前に意図的に撮影する必要があり、そこにタイムラグが生じる点である。つまり、突発的な出来事の共有が困難なのである。最後に、スマホを取り出して画面を見ないと投稿への反応が確認できない点である。つまり、反応が届いてから確認するまでにタイムラグが発生してしまうのである。私は、「今この瞬間の気持ちや考え・情報を可能な限り素早く、手軽に多くの人々と共有すること」が重要であり、そうしたいと考えている。そしてそれは、上記のメガネによって可能となるのである。メガネはほとんど常に身につけることが可能なので、目的のために最適であると考える。このメガネには、小型カメラとマイク、レンズ型のモニター(非使用時には透明)、Tに接続するためのネットワーク機能が搭載されている。小型カメラは常に録画を行っており、任意の部分をキャプチャーし、写真として保存することもできる。これにより、突発的な出来事を含むあらゆる瞬間の共有が可能となる。また、マイクを利用し音声入力で文章を入力して、共有することが出来る。手での入力に比べて、投稿までのタイムラグを減らすことが出来るのである。また、レンズ型モニターにより、投稿への反応を素早く確認できる。反応が届いてから画面を見るまでのタイムラグを削減出来るのである。(740/700)
字数を除けばこれだけ書けてれば合格最低点+5点ぐらいはとれていると思います。どんだけ、SNS中毒なんですか?っていうツッコミはしたいですが。

まず字数が多い原因は単純です。あなたが何を答案に書けばよいかを分かっていないからです。例えば、「・あなたがそれを通じてどのような体験をしたか」を書けばいいだけにも関わらず、
私はアニメ鑑賞が好きでありそれを日課としているのだが、次のような出来事があった。その日は、渡すが毎週欠かさず見ていたお気に入りのアニメの最終回の放映日であった。最終回を見終わった私の頭の中は、そのアニメに関する感情や考察で一杯であった。
あなたがアニメ大好きなのか、重度のアニメオタクなのか、雑誌で連載を持つレベルの評論家なのか、そんなことは採点する側には全く関係ありません。採点する人が読みたいのは「体験」です。本来であれば、ここであなたがした体験は「Twitterでつぶやいたら、共感する人や一緒に意見を言い合う人が見つかった」と1行で済む内容ですよね。ただそれだけです。それ以外は、話に具体性を持たせるための飾りに過ぎないので、必要のないところは削りましょう。何を答えるか、といえばTwitterを通じた体験だけです。

他の方の答案をみていただくと、(A)〜(D)で回答すべきことを分けていますので、その(A)〜(D)に対する答えを各一行で準備してください。一行で答えられない場合は、そのアイデアが練られていないだけです。(ところで、このアニメってやっぱりまどマギですか?)まず、答えるべき骨を作ってあとから情報を足していってください。そうすればうまく行くはずです。(ブロマガでこのあたりは説明しています)

問2は、あなたのSNS依存度が心配になるぐらいには、よくできているので字数を削れば6割は届くと思います。削るのは「現在、最も素早いTの利用はスマートフォン向けのTのアプリを通したものである。しかし、これにはいくつかの欠点がある。まず、スマホをポケット等から取り出してアプリを起動し、投稿が完了するまでに数秒~数十秒必要であるという点である。つまり、「今この瞬間」を共有できないのである。次に、写真や動画を共有する際には事前に意図的に撮影する必要があり、そこにタイムラグが生じる点である。つまり、突発的な出来事の共有が困難なのである。最後に、スマホを取り出して画面を見ないと投稿への反応が確認できない点である。つまり、反応が届いてから確認するまでにタイムラグが発生してしまうのである。」です。ほぼ全部削ってしまってもよいです。あなたは「今この瞬間の気持ちや考え・情報を可能な限り素早く、手軽に多くの人々と共有すること」という素晴らしい体験のデザインをしたのですから、現行商品の説明は不要。もちろん、新しい生活用品のよさを強調するために説明するのも可。但し、削れない場所ではありません。

総合政策的アプローチとしては、このメガネが開発された瞬間にたぶんみんなTwitterしまくって事故や怪我をする副作用があると思いますので、それに対するケアを入れるともう少し答案がきれいになるかと思います。つまり、前の太字部分を全部消して「副作用」の話を書くと、「問題発見・解決力」があるなぁ、とより判断されやすくなります。あと、Google Glassでしょ?というツッコミもあると思います。

SNSはほどほどに。では。

【添削】環境情報・2012年(765様)

問1.
私が印象的な関わりを持った生活用品は、ノートである。
ノートは、デジタル化が進んだ現代においても、きわめて直観的に「書く」ことができるため。今も便利に使っている人が多い。私もその中の1人である。将来的には、デジタルなものでも、直感的に「書く」ことができるようになる可能性はある。しかし、少なくとも現在においては、デジタルなもので、直観的に書くことができるものは、私の主観では、存在しない。どの製品も、「書く」ときには、どうしても不自然さが残っている。
このように、デジタルなものよりも、直感的に「書く」ことができるノートであるが、欠点がある。それは、「探しにくさ」である。
私はいつも、目的のノートを探すのに苦労している。表紙に内容について書いていても、ノートの数が多いと、表紙を順に見ていくだけで、かなり苦労する。ノートを数十冊平らに置いておく、あるいは、本棚などに置いておくとなると、表紙を1つ1つ数十回見ることになるからだ。背表紙に、内容について書けばよいのだが、一般的なノートは、背表紙が細いから、文字を書いたシールを貼ったとしても、情報の量が少なすぎる。


問2.
私が今後ノートの開発に携わるとしたら、ノートとセットで「ノートに貼るシール」を販売する。それと、「ノート管理ソフトウェア」を開発して、販売または配布する。
ノーと購入者がそれらのものをどのように使うものであるか説明していく。
01.ノート購入者が、「ノート管理ソフトウェア」を、自分のPCなどにインストールする。
02.「ノーと管理ソフトウェア」を用いて、「バーコードのようなもの」をプリントする。
03.「ノート管理ソフトウェア」を用いて、「バーコードのようなもの」とノートの内容についての説明
を関連付ける。
04.「ノートに貼るシール」を、ノートの背表紙に貼る。(03.と04.は順番を逆にしても良い。)
このように準備することで、以下のように便利にノートを管理することができる。
A.目的のノートを探したいときは、「ノート管理ソフトウェア」をインストールしてありPCのそれと同期してあるスマートフォン(以下、単に「スマートフォン」とする。)のカメラ機能を使って、カメラをノートのたくさんあるところに向けると、検索ワードを含む情報に関連付けられたバーコードが光って目立つ。(図1参照)
B.それとは逆に、カメラ機能でカメラをノートに向けて、画面上に表示されているノートをタッチすると、そのノートの情報を表示することができる。(図2参照)
 以上のような「ノート管理ソフトウェア」と、「ノートに貼るシール」を提供することにより、ノートの短所である「探しにくさ」を、解決することができる。
問1.
私が印象的な関わりを持った生活用品は、ノートである(A)
ノートは、デジタル化が進んだ現代においても、きわめて直観的に「書く」ことができるため。今も便利に使っている人が多い。私もその中の1人である。(B、C)将来的には、デジタルなものでも、直感的に「書く」ことができるようになる可能性はある。(B)しかし、少なくとも現在においては、デジタルなもので、直観的に書くことができるものは、私の主観では、存在しない。(B)どの製品も、「書く」ときには、どうしても不自然さが残っている。 (B)
このように、デジタルなものよりも、直感的に「書く」ことができるノートであるが、欠点がある。(B)それは、「探しにくさ」である。 (B)
私はいつも、目的のノートを探すのに苦労している(C)。表紙に内容について書いていても、ノートの数が多いと、表紙を順に見ていくだけで、かなり苦労する(C)。ノートを数十冊平らに置いておく、あるいは、本棚などに置いておくとなると、表紙を1つ1つ数十回見ることになるからだ(C、D)。背表紙に、内容について書けばよいのだが、一般的なノートは、背表紙が細いから、文字を書いたシールを貼ったとしても、情報の量が少なすぎる(D)
純粋な体験が2行しかないです。記号に関しては、【添削】環境情報・2012年(アマチュア様)と同じにしています。

この問1は、(B)の中でも「デジタルと比較しての優位性」を強調しているところが不要だと思います。「デジタルでやればうまくいくよね」という意見に対する反論めいたものでしょうが、書くべきものって「印象的なこと」を書けばいいだけなので、他人からのツッコミなんか全く気にしなくていいんですよ。それを資料3が示しています。「ケリーは叫びたい衝動を解決したかった」「765様はノートめっちゃ便利だけど、探しにくいという問題」を解決したかった。ただそれだけです。そして、それを発見できただけで、765様としての「問題発見」は完了しています。まわりの人たちに対する言い訳は一切不要です。

小論文としては「ノートめっちゃ便利だけど探しにくくてうざいよ」という「体験」を設問に合わせて書けばよいだけです。それ以外は一切不要。

さて、問2の解説前に「SFCの求めるデザインとは?(リンク先後半部分)」を読んでみてください。

問2について

ということで、問2では、問1で書いた「印象的な体験」から「よい体験」を考えていくところです。

この問では「ノートを使う」という体験を計画することが全てです。だから、いったん理想の「ノートを使う」体験を考えるべきなんですよね。その体験の計画をしなければ、単なる「今の使いにくさ」の解決を行うアイデアになってしまいます。たとえば、この話なら、私ならこう考えます。理想のノート体験って、『ノートを書くときは「紙」、でも書いた内容を調べる時には、「○○を調べたい」と思ったら、そのページが頭に浮かんでくるか、印刷されてくる』って感じでしょうか。うーん、こんなノートがあったら最高です。けれども、このままでは実現可能性がなさそうです。ただし、「体験の計画」としては、少なくとも望ましい体験を、実現可能性を気にせずに考えるところからはじめるべきでしょう。総合政策的アプローチでも、「問題の設定」と「解決策の検討」は別になっていますよね。単に「解決策」の方ばかり目を向けていたら「実現可能ないいこと」しか思いつかないんです。だから、いったん理想の状況を考える。

さて思考をすすめてみましょう。要は入力インターフェースは紙で、検索インターフェースがデジタルがいいよね、なんて話なんです。莫大なデータから必要なデータを検索するのはデジタル装置のお得意範囲になります。みんな検索インターフェースをデジタルにするために、入力インターフェースを無理してデジタルにするから、使いづらいノートになるんです。入力インターフェースはノート。あとはこれをうまくデジタルにつなげてあげればいいだけです。理想はその作業を何もせずにやってくれること。でも、それはさすがに無理でしょうから。「紙」を大量にデータにしてくれそうなものを考えてみます。簡単です。コピー機ですね。例えば、家に帰って、iPhoneを充電するのと同じ要領でその日のノートをコピー機みたいな機械の上においておく。あとは機械が紙からガーっとデータを読み込んで終わり。ノートにはそのノートの固有番号とページを示す情報があれば使いやすいですよね。例えば、バーコードとかね。そして、読み込んだデータはクラウドにでも飛ばしておきます。あとは探しやすくするように、手持ちのパソコンやスマートフォンでそのノートに対するタグ付けでもしておきます。そうすれば調べたいことがあれば、端末で検索。スマートフォンでもパソコンでもインターネット経由でもいいですね。調べたい内容を入力すれば、タグを利用してそれについて書いてあるノートのページが画面に表示される。こっちの方が簡単でしょう?次の日にまたそのノートを持っていけばOK。(これあったらほしいなぁ。)

これが「よい」かどうかはともかくとして、「ご投稿いただいているアイデア」よりはよさそうだと思えません?「理想のノート」を「入力は紙に手書き、検索はデジタル」という体験を定義して、それに近づけるように生活用品のアイデアをまとめたからです。これを単に「探しにくいを解決しよう」と考えるから、ご投稿いただいたようなアイデアになっちゃうんじゃないでしょうか。

いただいた小論文も例えば「理想のノートに書いてあることを探す体験」を定義して、それを明確に書けばもう少し見栄えのいいものになるかもしれません。

よって、ご投稿いただいた文章自体の添削はいたしません。あしからず。もし、「体験を中心に考えた」のであれば、それが分かるように書き直した小論文をご投稿いただけると合わせてみてみますよ。

それでは。