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環境情報学部・2014年

2014年 環境情報学部 小論文 〜設問読解〜

はじめに

設問の読解をどうするのか、というご質問をいただきましたので、それに関するエントリーを書いていこうと思います。小論文全体の解き方としては、ブロマガで解説していますので、その「設問の読解」バージョンと思ってご覧ください。解説は濃いめになっていますが、ブロマガよりは手順を簡略化してます。

ポイントは、設問文は「2回は読む」ということです。SFC小論文の設問は必ず小問間に関係性があります。だから、その関係性を意識しないと高得点は望めません。1回目に設問を読んでいく場合には、設問の全体が見えていないので、さらっと読んでいくのがポイントです。

以下、引用タグで括っている箇所の引用元は、2014年環境情報の設問文のため、引用元は省略します。ご了承ください。

1回目の読み

湘南藤沢キャンパス(SFC)開設25周年を記念して、シリーズ『地球と人間』が出版されることになり、その準備がはじまりました。

いろはの頭の中
はいはい。本の出版に関する出題ね。ポイントになるかもしれないから、25周年地球と人間にだけ線を引いとこう。

解説:設問中の数字やキーワードは重要になることが多いのでチェックしておきます。ちなみに、後から分かりますが、25周年へのチェックは無駄打ちになります。でも、いいんです。試験本番では「重要そうなところ」をしっかりチェックしておいて、いらなければ無視すればいいんですから。SFC小論文の解説なんて、綺麗すぎる解説がほとんどなんですから、このブログぐらいは泥臭く解説していきますね。
あなたは、高校生編集者として、このシリーズのうちの一冊の本を編集することになりました。 

いろはの頭の中
今回やるのは、本の編集なんだね。ということは、今回の「問題解決」は「本の編集」になりそうだよね。「問題解決」が主題になるときは、「問題の発見(問題の設定)」「実行可能性」「実効可能性」ぐらいがポイントになりそうかな。ま、いいや。読み進めたらわかるでしょ。「高校生編集者」は重要かもね。線を引いておこう。「一冊の本」は数字は入ってるけど、さすがにチェックしなくてもいいかな。

解説:私の頭の中、ということで、ここで既に「総合政策的アプローチ」を発揮してみました。実際は、この段階で発揮しなくても、全部の設問を読み終わってから考えてももちろんいいです。ただ、はやめはやめに予測を立てながら読んでいくと、取り掛かりやすいことが多いです。ブログ内でもよく書いていますが、「問題解決」が明示されているときは、「問題発見」について問われる可能性が8割です。その他は、実効可能性や実行可能性です。SFCの問題解決のポイントは、この「問題発見」にあります。國領先生は「問題発見が出来たら、問題解決はそこまで難しくない。」みたいなことを言ってますよね。割と、問題解決部分のみに注目しちゃって、原因の深堀に力を入れたり、解決策の有効性を論じるところに力を入れる書き方を勧める予備校講師さんや塾講師さんは多いみたいですが、アドミッションポリシーや総合政策学部2010年資料1や、総合政策学部2011設問文をよく読んで見た方がいいかもしれませんね。

はい、次いきましょう。
あなたが編集を任されたのは、異なる作者による文章を集めた本で、あらかじめ以下の【A】〜【I】の9つの文章が、収録される候補として選ばれています。

いろはの頭の中
やっぱり、「あなたが編集」がキーポイントになりそうだよね。それに資料文が9個あるんだね。「9個」というところには線を引いておこう。「あなたが」が問われているときは、「問題の発見」の中の「価値観」を書くことが問われることが多いよね。あとは、実行可能性かな。

解説:若干、頭の中が、説明的ですが(笑)。少し補足しておきます。

まず「君が」「あなたが」という条件がSFC小論文ではよく出題されます。これは、決して「アイデア型小論文」「センス型小論文」「大学の研究計画書作成目的の小論文」ではありません。こう考えると、どうしても「奇抜なアイデア」や「SFCでやっていることに囚われ過ぎた小論文」になってしまいます。

SFCの理念として「問題発見」が重要であるとともに、「問題解決」が重要にになります。でも、問題解決が重要ということは、「素晴らしい解決策を考える」ということではありません。むしろ「うだうだ言わずにやるんだよ。実行するんだよ。俺たちは。机の上だけの学問じゃねぇんだよ。」ということです。このことは「問題発見」の重要さ、と共に忘れてはいけません。「解決」を実際に行うという視点を絶対に忘れてはいけないのが、SFC小論文なんです。これは、「環境情報学」や「総合政策学」などのSFCの1年生が習う科目で、ひたすらに叩き込まれる根性です(笑)。SFCの授業をインターネットで見てみてください。皆さんの先輩がボロボロに言われるシーンを見ることができます。だから「絶対、そんなことできないじゃん。」という答案を書くのは、SFCの「問題解決」ではないんです。もちろん、設問の前提にもよりますが。それでも「実行する」という視点は絶対に忘れてはいけません。

はい、次。
ただし、ページの分量制限があるため、本に収録できるのは9つのうち6つの文章です。

いろはの頭の中「6つの文章」には線を引いておこう。ま、どうせ選ばされるんでしょ。

解説:あんまり、解説のいらない部分です。設問中の「数字」には注目するルールに基づいて、「数字」には線を引いておきましょう。先読みは心の中でやっておくといいかもしれませんね。特に、過去問の練習をしている間は、ね。「先読み」は、出題者の立場にたって考える、ということですから。
本は、あなたが書く「はじめに」という文章と、6つの文章で構成されます。

いろはの頭の中
「はじめに」はチェックすべきだから、下線を引いておくかな。私が書くんだよね。うん。

解説:ここも説明は要りませんよね。あ、ここで「6つの文章」にチェックするかどうかは、個人の自由です。もう既にチェックしてるしね。

この問題では、私はどうやら「はじめに」を書かされるんです。
あなたは、どの文章を選んで、どのような本を作りたいと思いますか?あなたなりの問題意識にもとづいて、本の構成を提案しましょう。

いろはの頭の中
やっぱり、今年は「あなた」の考えや問題意識を問われるんだね。そして、本の構成をするんだ。「問題意識」と「本の構成」はチェックかな。線を引いておこう。

解説:ここで設問の前提は終わりです。

ここで大事なポイントがあります。

私たちは、毎年毎年1500文字程度の小論文を書く、だけです。

このあたりで、この基本に戻る必要があります。どういうことか、というと、ですね。2013年の総合政策学部の設問を「ディベート力」が必要とか、2014年の環境情報学部の設問を「編集力」が必要とか、そういう説明をする予備校講師さんや塾講師さんや解説が多くて、受験生のみんなが混乱するからです。「だいたい、どーやったら、ディベート力や編集力が鍛えられるっつーねん。」無責任に「◯◯力」と言えばいいわけではありません。え?私たちがやることって、せいぜい合計1500文字程度の小論文を設問に合わせて書けばいいだけだよね、という基本に立ち返ってください。だって、科目名は「小論文」ですよ。「ディベート」でも「編集」でもないですから。不要なことで頭を混乱させないように。

たぶん、このあたりまで、設問を読んだら、「こんな新しいことしなきゃいけないの?こんなパターン見たことない」とドキドキする人はいます。いて当然です。だけど、所詮やることは小論文を書くことですから。無責任にビジネスの概念を持ち込んだりすべきじゃないんです。もちろん、役に立つなら使っちゃえばいいんですけれどもね。

はい、じゃぁ、ここで大事な一息を入れてあげて、「本の編集」という内容で混乱している他の受験生をさしおいて、私たちは「小論文をはじめましょう。」「小論文をはじめるのも悪くない。」(零崎じゃないんだから。
問題1
まず、【A】〜【I】の文章に、それぞれ小見出し(短いタイトル)をつけてください。

いろはの頭の中
まずは、タイトルをつけるわけね。各文章に。文章9個分。まともにやったら、絶対に時間かかるよね。

解説:一回目の読みでは、設問は軽く読みます。間違っても、ここで「全部のタイトルをまともにつけよう」なんて思ってはいけません。あまり、先の展開を考慮に入れた解説をここですると、1回目の読みと、2回目の読みにわけて、なおかつ恥ずかしい私の頭の中身をさらけだしている意味がないので、後半にゆずります。ポイントは「私たちは、SFC小論文で合格点をとるのが目標であることを忘れないことです。
問題2 あなたなりの考えにもとづいて、本に収録する文章を6つ選んでください。なお、どの文章を選ぶかについては、採点の対象とはなりません。あなたの発想で、自由に選んでください。 
⑴選ばなかった3つの文章のアルファベットを記入してください。 
⑵3つの文章を選ばなかった理由を、300字以内でまとめてください。 

いろはの頭の中予想通り、6つを選ぶ問題だよね。ここでは大事だから、「6つ」に線を引いておこうかな。何を選ぶかは採点対象にならないんだから気軽にね。解答用紙には「選ばなかった」「3つ」を書くんだから、ここは線を引いておく。それに「選ばなかった理由」を「300字以内」で書くんだから、ここも線を引いておく。

解説:1回目の読みでは、淡々と設問の条件を読み取っていく方がいいと思います。内容をかんがえるのはあとからでOK。どこぞの講師が、「選んだ理由」ではなくて「選ばなかった理由」を書かせる問題であることを特筆してましたが、その程度の変化でビビるような勉強方法はしないでください。「選ぶ理由」を書く練習をしてたのに、「選ばなかった理由」の問題が出ちゃった。あたしの練習してないところが出ちゃったよ。なんて、考えるのはおバカさんのやることです。だって、「◯◯の理由」を答えるのは、小論文の基本の基本です。SFC小論文というよりは、小論文の基本です。


問題3あなたは、「はじめに」という文章を書いて、選ばれた6つの文章を通じて読者に感じ取って欲しいことを伝える必要があります。
 
編集者としてのあなたの考えを紹介しながら、この本の読者に伝えたいことを、1000字以内でまとめてください。

いろはの頭の中「読者に伝えたいこと」と「1000字以内」は線をひいておく。「あなたの考え」「まとめる」も念のためひいておこうかな。

解説: 淡々と設問の条件を読み取っていきましょう。文章の最後を読むことは結構重要です。「まとめる」だから、「あなたの考え」を整理して書く必要はありますね。

ちなみに、実際の本番試験の後に、「はじめに」を書いたら落ちる説、が出てましたが、ちゃんとそういう人も合格してましたからね(笑)。上の設問の引用でも再現しましたが、上の一文と、下の一文の間に改行があるため、「1000字以内でまとめる」=「はじめに」とは読めないんです。もし、改行がなければ、文脈から「1000文字以内でまとめる」=「はじめに」と確実に読めるのですが。だから、その意味で、「はじめに」を書くのは厳密には間違いかもしれません。でも、「はじめに」を書くことも「まとめる」の内容に含まれるので、別に「はじめに」を書いてもいいわけです。設問の条件「読者に伝えたいこと」さえ書いていれば。

同じく、試験後の掲示板で「謝辞は書く必要があるのか」という意見が出ていましたが、書いたら普通は採点対象になりません。だって「読者に伝えたいこと」ではなくて、「周囲の人たちに感謝したいこと」ですから。伝えたい対象が違います。しいていえば、「もう少しお付き合いいただけると嬉しいです。」的な謝辞(ちなみに、これはビブリア古書堂の事件手帖6巻のあとがきからの引用。)は、読者向けなのですが、こういう謝辞を書かない「はじめに」もありますし、「謝辞の有無」は採点対象になりません。ということは、「謝辞がない」方が言いたいことをたくさん書けるので、得点はあがります。

上でも書きましたが、SFC小論文を「ディベート力」や「編集力」が必要となるものだ、とか思っていると、「ねぇねぇ、作家さん、はじめにには、謝辞を入れましょうよ。」と提案するのが「編集さん」なので、必要そうに思えるのです。だけど、私たちは「小論文を書く」んです。だから、「謝辞が云々」考えている暇はないんです。「小論文を書こうよ。」
問題4 
あなたが編集する本に、タイトルをつけてください。次々と刊行される予定の、シリーズ『地球と人間』にふくまれる1冊として、魅力的なタイトルを考えてください。字数は、記号をふくめて25文字までとします。

いろはの頭の中
「タイトル」「地球と人間」「魅力的」「25文字」は線を引いておこうかな。「地球と人間」との関係性は採点基準になるよね。「魅力的な」はどうなんだろうね。

解説: ここも淡々と、設問の前提にチェックをしておきましょう。「魅力的な」という部分には、疑問が残ります。何が魅力的か、なんて人によって判断基準が違いますしね。「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」(鉤括弧なしで21文字)というタイトルの小説を読みたいと思うかは、あなたが「ジョン」なのか「非ジョン」なのかによって違います(Twitter見てない方ごめんなさい)。っていうか、こういうタイトルを魅力的だと思う奴は、青春ブタ野郎じゃなくて、ただのブタ野郎だっつーの。

何を言いたいかというと、何が魅力的か、というのは人によって違うので、私はそんなに気にしない、ということです。だから、私は、こういう場合は、無味乾燥なタイトルになることを避けるものの、そんなに「魅力的」という言葉にはこだわりません

1回目の読みの終わりに

ここまできたら、ちょっと全体を振り返ってみます。ここ、超重要です。特に、2014年は設問が多いので、こういう振り返りをしないと、設問をどう解くかのめどが立ちません。

いろはの頭の中
今年の設問は大問4つかぁ。単純に割ると、200÷4=50で一問あたり50点だよね。でも、大問2と大問3が同じ配点なんてありえないよね。だって300文字vs1000文字だよ。3倍以上じゃん。それに、大問4も50点も配点ないよ。大問1は9個のタイトルに対して、大問4はタイトル1つでしょ?いくらなんでも同じってことはないんじゃない?

大問1は1文章あたり5点としたら、全部で45点でしょ?それってありえないよね。せいぜい1文章3点でしょ。とすると、大問1にかけられる時間はせいぜい200点中、27点分でしょ?全体の15%もないんだから、せいぜい15分?1問あたり、2分も悩めないじゃん。まともにやるの無理じゃない?

解説:受験生のレベル(失礼)も考えずに、解説を作る人は、9個の文章を全てまともに読んで、言いたいことを抽象して、タイトルをつける、みたいに教えますが、ぶっちゃけむりでしょ?それに、効率が悪いんですよ。点数なんて27点分しかないんだから。だから、大問1はタイトル付には時間をかけないのが正解だと思います。適当に書く。それっぽいものを埋めておけば、0点ということはなく、1点か2点はもらえるから、それで満足しようよ。全部を3点のタイトルにする時間なんてないよ。だって、明らかに1000文字書く問題3の方が配点高いじゃん。という感じです。

一旦、1回目の読みをしたあとは、全体の時間配分や得点戦略を考えましょう。特に、2014年度環境情報みたいな設問の場合は、その効果が大きいです。私たちの目的は、合格であり、満点ではありません。満点をとるような解答や解説、戦略はスーパーマンにやらせておきましょう。だって、私たちみたいな普通人には無理だし、私たちのライバルじゃないから。こっちは泥臭く、賢く、手際よく、ポイントを絞って、合格点を稼いでいきましょう

2回目の読み

湘南藤沢キャンパス(SFC)開設25周年を記念して、シリーズ『地球と人間』が出版されることになり、その準備がはじまりました。あなたは、高校生編集者として、このシリーズのうちの一冊の本を編集することになりました。 

いろはの頭の中
うん。やっぱり、「地球と人間」という言葉は大事だったね。25周年は、おそらく関係なさそう。「高校生編集者」が必要かどうかは資料文を読まないとわからないかな。

解説:1回目の読みでは、設問の設定は、割としっかり目に見ましたが、2回目の読みでは、設問の設定はさらさらと読みます。この後には「資料文を読む」作業が控えているので、「どう読むか」を意識して読んでいきます。また、設定の確認漏れがないかも、今一度確認します。

ちなみに、「高校生編集者」という設定は、資料文を読んでもあまり生きてきませんので、無視して大丈夫です。
あなたが編集を任されたのは、異なる作者による文章を集めた本で、あらかじめ以下の【A】〜【I】の9つの文章が、収録される候補として選ばれています。ただし、ページの分量制限があるため、本に収録できるのは9つのうち6つの文章です。本は、あなたが書く「はじめに」という文章と、6つの文章で構成されます。 

いろはの頭の中要するに、9個の文章のうち、6個を選んで、私が言いたいことを伝えればいいのね。だから、使いやすい6つを選べばいいか。

解説:ここもさらさらと。特に2014年は設問の設定はそんなに複雑ではないので気にしなくて大丈夫です。

6個の文章を選ぶつもりで読めばOK。
あなたは、どの文章を選んで、どのような本を作りたいと思いますか?あなたなりの問題意識にもとづいて、本の構成を提案しましょう。
 

いろはの頭の中がんばりまーす。

解説:はいはい。ここもさらさらと。

一応、文章を読む方針として「選んだ6個の文章で何を伝えたいかを探す」という読む方針は立ちます。結局、「あなたなりの」だから、「自分の土俵に引きずり込んでOK」なんです。だから、これから読む9個の文章をどう調理しようかと思って読むのがよさそうです。
問題1
まず、【A】〜【I】の文章に、それぞれ小見出し(短いタイトル)をつけてください。 

いろはの頭の中この設問には、絶対に時間を使い過ぎないこと。何か答えを書いておけばOK。

解説:文章を読みながら、「タイトルを書く」必要はあります。けれども、しっかりと中身をかんがえなくても、関係がありそうなタイトルを書いていればOK。満点はとれないかもしれないけれども、時間切れで問題2、問題3ができない悲劇は避けるべきです。
問題2 あなたなりの考えにもとづいて、本に収録する文章を6つ選んでください。なお、どの文章を選ぶかについては、採点の対象とはなりません。あなたの発想で、自由に選んでください。 
⑴選ばなかった3つの文章のアルファベットを記入してください。 
⑵3つの文章を選ばなかった理由を、300字以内でまとめてください。

いろはの頭の中この設問って、実はかんたんだよね。問題3で「読者に何を伝えたいか」を決めた後は、その内容とどこがずれているか、を選ばなかった文章毎に決めればいいんだから。資料文を読まなくても構成ができちゃうよね。それにただの300文字の問題だから、問題3とずれないことをしっかり書いておけば、それでいいよ。こんな感じかな。

私の本では読者に◯◯を伝えたい。
資料文?では、…という点で◯◯とずれているので選ばない。
資料文?では、…という点で◯◯とずれているので選ばない。
資料文?では、…という点で◯◯とずれているので選ばない。

このポイントが構成の基本でしょ?

解説:設問によっては、資料文を読まずに構成ができる問題があります。この問題もそうです。語尾や書き出しは、確定せずに、こういう論理構成だけでも決めておくとずいぶん楽になります。また、配点を意識しながら、解き方の方針を決めるのも重要ポイントです。結局、この問いで何点稼ぐつもりなのか、を考えると時間配分はやりやすくなります。
問題3
あなたは、「はじめに」という文章を書いて、選ばれた6つの文章を通じて読者に感じ取って欲しいことを伝える必要があります。
 
編集者としてのあなたの考えを紹介しながら、この本の読者に伝えたいことを、1000字以内でまとめてください。

いろはの頭の中ここが一番のキーポイントだから、総合政策的アプローチにしたがって、しっかりと考えよう。
まず、「本の編集」はこの問題では「解決策」。そして、ここで書くのは「読者に伝えたいこと」。「本の編集」という解決策ができることは、「読者を知らない状態を知る状態に変化させること」。ということは、この「問題の発見」は「◯◯を知らないことが悪いことだから、◯◯を知ってもらうことがよいこと。」になる。今回は、資料A〜Iによって◯◯はある程度決まった内容になってしまわざるを得ない。だから、「◯◯」を知らないことが悪いことである、という価値観についてしっかりと文章に書くことが「問題の発見」になる。「◯◯を知らないことがダメだ」と言える「価値観」を意識しながら資料を読んでいこう。あ、そうそう。地球と人間に関係ある内容にしなきゃね。

あとは、「本の編集」が解決策なら、自分が選んだ文章で本当に「読者に伝えたいこと」が伝わるかどうか「実効可能性」の検討をする必要もあるかな。今回、わたしは「本の編集」ができるから、「実行可能性」は検討しなくてもOK。それに、副作用は「誤解を与える」が副作用だよね。それはちょっと気にしておくかな。

解説:1000文字の超重要部分です。今回は「本の編集」という「解決策」は揺るぎないし、「本の編集はできる」ので実行可能性もあります。だから、その他の部分をかけばOKです。

発想の仕方自体は上で説明しましたので、補足をいくつか。この段階では、構成は決まりませんが、大きく2つの構成ぐらいは思い浮かびます。

1つめは、「読者に◯◯を伝えたい(ここまでは解決策の中身)。なぜならば、読者に△△してほしいからだ(問題の発見。理由に見えるけれども、実際は「価値観の設定」をしている。)」と書くパターン。

2つ目は、「読者に◯◯を伝えたい(ここまでは解決策の中身)。なぜならば、読者に△△してほしいからだ(問題の発見。理由に見えるけれども、実際は「価値観の設定」をしている。)。まず、資料Aでは、…。資料Bでは…。資料C、Dを通じて、…。(具体的な解決策の中身を通じて、「実効可能性の検討」をしている。)」と書くパターン。ちなみに、うまくいけば、「まず、資料Aでは、…。資料Bでは…。資料C、Dを通じて、…。但し、このままでは、◻︎◻︎という誤解を与える可能性があるため、資料E、資料Fから、…の部分を補足する。(具体的な解決策の中身を通じて、「実効可能性の検討」をしている。また、「誤解」という副作用を防ぐ方法についても書く)」

どちらにするかは、資料の読解次第です。この段階では決められません。それに、どちらで書いても合格するための最低点はクリアできるでしょう。強いて言えば、SFCの問題発見・解決のプロセスをより多く含んでいる2つ目の方が「わたしは、問題発見・解決に対する素地があるよ。」とアピールできるので、点数は高くなるかもしれません。ただし、「問題の発見」の内容をおろそかにしたまま、2つ目のような書き方をしても意味がないので、「問題の発見」の内容で「800文字書ける」なら、1つ目の方が点数はたかくなります。

だから、この段階では内容は決まりません。但し、資料の構成はあらあら決まってるので読解の手助けにはなるでしょう。
問題4 
あなたが編集する本に、タイトルをつけてください。次々と刊行される予定の、シリーズ『地球と人間』にふくまれる1冊として、魅力的なタイトルを考えてください。字数は、記号をふくめて25文字までとします。

いろはの頭の中
ここは、結局「読者に伝えたいこと」を一言で言えればいいよね。問題3の内容が決まったら、暫定タイトルをきめておいて、書いておいて最後にもう一回ここにもどってこようかな。いくらなんでも最高20点程度だろうから、問題3の内容と合う内容で「地球と人間」に関係するようにタイトルをかけば、半分の10点ぐらいは稼げるはず。時間があまれば、のこりの10点のうちの何点かを稼ぐために、無味乾燥ではないタイトルを考えようかな。

解説:最後のこの部分は読解に関係ありません。だから、解き方の方針を決めておきます。わたしならば、得点配分を考えて力の入れ具合を決めます。

今回はタイトルつけ問題なので、完全にできなくて、0点にしちゃうのはおしいです。だって、問題3の内容をうまく要約できていれば、1点はつくはずですから。だから、そこそこのものを書いておいて、「魅力的な」という条件は最後に考えて点数を積み重ねることにします。結構、こういう地道な努力は重要です。

ここまできたら、設問読解は終わりです。資料文を読んで、「あなたなり」を書くところに進んでください。

終わりに

赤本や予備校などの解説を見ているとなかなか興味深いです。「編集力」「ディベート力」、「ビジネス力」、「フレームワーク力」を高めたり、「SFCのみならず慶應7学部分全部」の過去問を解けと言ったり、SFC教授の本を読め、と言ったり、「小論文を学ぶ」を読んだら「今年はこの手で攻めてきたか。」と分かるとかね。無理っしょ(笑)。受験生をなんだと思ってるんだ。

もちろん、小論文の練習として、こうしたものをやることは、全く無意味だとは思いませんし、「資料文の読解速度」は「知っていることが増えるほど速くなる」という事実はあります。だから、完全に否定はしません。でも、ね。うん。

いくつか、解答例を書いている本やブログは知っているので、そういうものを見たい人はがんばってネット検索をしてみてください。だけどね、きっと設問を解いている間の、頭の働きを覗いてみることもきっと大事だと思うんですよ。

ちょっとだけ宣伝です。ブロマガ2013年11月号〜2014年2月号では、「設問の読解」だけではなく、120分の試験時間フルについて、こうした頭の働きや方法論を書いています。もし、このエントリーが「すごく役に立つ」と思った方は、各月1,000fc2ポイント(1,000円)なのでぜひ読んでみてください。(fc2ポイントは、男子ならば他にも使い道がある、って、去年誰かが言ってました。エ◯動画に埋もれて氏ね。)。11月号、12月号を読んであわなければ止めた方がいいかも。それに、このエントリーが合わない人は読まない人がいいと思います。いただいたお金はだいたいしょうろんの運営費に回しているので(本代と通信費なんですけどね。)、よろしければ読んでみてください。

それでは。

#解答例は、気が向いたら、ブロマガにします。が、あてにしないでください。

2014年 環境情報学部・小論文 解説(追加)

資料文を読んだ結果、多少考え方が変わったので少し補記します。速報と書いていることが異なりますがあしからず。

問題文

湘南藤沢キャンパス(SFC)開設25周年を記念して、シリーズ『地球と人間』が出版されることになり、その準備がはじまりました。あなたは、高校生編集者として、このシリーズのうちの一冊の本を編集することになりました。
あなたが編集を任されたのは、異なる作者による文章を集めた本で、あらかじめ以下の【A】〜【I】の9つの文章が、収録される候補として選ばれています。ただし、ページの分量制限があるため、本に収録できるのは9つのうち6つの文章です。本は、あなたが書く「はじめに」という文章と、6つの文章で構成されます。
あなたは、どの文章を選んで、どのような本を作りたいと思いますか?あなたなりの問題意識にもとづいて、本の構成を提案しましょう。

問題1
まず、【A】〜【I】の文章に、それぞれ小見出し(短いタイトル)をつけてください。

問題2
あなたなりの考えにもとづいて、本に収録する文章を6つ選んでください。なお、どの文章を選ぶかについては、採点の対象とはなりません。あなたの発想で、自由に選んでください。
⑴選ばなかった3つの文章のアルファベットを記入してください。
⑵3つの文章を選ばなかった理由を、300字以内でまとめてください。

問題3
あなたは、「はじめに」という文章を書いて、選ばれた6つの文章を通じて読者に感じ取って欲しいことを伝える必要があります。
編集者としてのあなたの考えを紹介しながら、この本の読者に伝えたいことを、1000字以内でまとめてください。

問題4
あなたが編集する本に、タイトルをつけてください。次々と刊行される予定の、シリーズ『地球と人間』にふくまれる1冊として、魅力的なタイトルを考えてください。字数は、記号をふくめて25文字までとします。 2014年 環境情報学部小論文 問題文より抜粋(当ブログコメント欄にご投稿いただいたもの)

1:テーマ「本の編集」は「解決策である」

「あなたは、どの文章を選んで、どのような本を作りたいと思いますか?あなたなりの問題意識にもとづいて、本の構成を提案しましょう。 」

今回の設問の場合は「本を編集する」がテーマであり、このテーマは死人テストをパスするのでこれは明らかに解決策。だから、これをきっかけにして、考えていきます。解決策がテーマの場合は、「問題の再設定」が問われることも念頭においてください。「解決策の決定」については「問1 見出しの作成」「問2 資料の選択」「問3 「はじめに」の作成」「問4 本のタイトル」という4つの出題として、設問になっています。「実行可能性」は、この出題の場合、明らかに本は編集できるので問われていなさそうです。「副作用」はおもいつけば書けばいいと思います(本の内容が偏っている場合、それを正す言葉とか。)。ということで問われるのはほぼ「実効可能性」のみ。「目的」と「イイタイコト」がずれていると、ずれ度合いに応じて減点幅が大きくなるでしょう。なお、「問1」のタイトルを「問3」で使用しなければ「即減点」などという狭量なことはないでしょう。本のはじめにだって「第1章では、〜」「第2章では、〜」と章番号のみで書かれることはよくあります。そういった点からも資料B、資料Dなどという書き方をしたら、即減点ということはないでしょう。但し、問1の見出しは「本全体での位置づけ」を考えながらつけた人の方が点数が高いと思います(次項ご参照)。

上の太字部分でも強調したように、「あなたなりの問題意識」を書くことが求められているので、それは「問2」および「問3」で書くのが自然でしょう(「問1」や「問4」にももちろん関係します。)。ここで「あなたなりの問題意識」については、シリーズ『地球と人間』の中の一冊の本という形式なので、少なくともその問題意識と『地球と人間』の関係性については、問2あるいは問3で触れたいところ。ちなみに、私は「地球と人間」というテーマにこだわらず、「地球」だけを問題意識の対象としてもいいし、「人間」だけを問題意識の対象にしてもいいと思います。シリーズ『地球と人間』というシリーズが「人間1」「人間2」「人間3」「地球1」「地球2」「地球3」という形で出版されるのは極めて自然なので。したがって、よほどのテーマ設定でない限り、「地球と人間」というテーマとの関係性さえ、問2か問3で述べている限りは、そのテーマ選択での減点はないと思います。毎度のことながら、「斬新なテーマ」は求められていないでしょう。別箇所で引用しましたが、
人は訓練によって「情報」の量を増やすことができる。ひとつは自明性の領域を懐疑と自己批判によって削減することによって。もうひとつは異質性の領域に対して自己の受容生を拡大することによって。
東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ(遥洋子)
にある通り、「当たり前」を「当たり前ではない」と見なして再び考えることが「新しい」を考えることにつながります。だから、高校生から見て「一見新しそうなテーマ」を書くことは求められていないでしょう。基本が好きな先生はたくさんいますよ。むしろ、新しいものばかり好きな先生はほとんどいないと思います。

但し、一番ポイントとなるのは、やはり問題意識です。読者に対して「何を期待して」「どういう内容を伝えるか」の「何を期待して」つまり「本の目的」=「問題意識」については、問3(あるいは問2)に書いていなければ、減点はやむ終えないと思います。したがって、「はじめに」については、

「はじめに」の構成例
○本書の目的
 ・どういったことを問題意識として
 ・どんな読者に
 ・どのようなことをしてもらう目的とするのか
○「地球と人間」シリーズ内での位置づけ
○本書を通じて伝えたいこと
○本書の構成

ぐらいで書ければよいと思います。赤字部分は次をご参照。

補足「はじめに」を完璧に書くかどうか

問題3
あなたは、「はじめに」という文章を書いて、選ばれた6つの文章を通じて読者に感じ取って欲しいことを伝える必要があります。
編集者としてのあなたの考えを紹介しながら、この本の読者に伝えたいことを、1000字以内でまとめてください。
ここは相当揉めそうなので、しっかり補足しておきます。

まず、結論から。

「はじめに」形式で書いても「はじめに」形式でなくともどちらでもOK。

問題文の「あなたは、「はじめに」という文章を書いて、選ばれた6つの文章を通じて、読者に感じ取って欲しいことを伝える必要があります。 」ここまでを読むと設問で「はじめに」を「書いて、伝える必要があります。」とあるので、「はじめに」を最後まで書くことを指示しているように見えます。その後ろの部分は、接続語を省略しているので、「書いて、伝える必要がある内容」の同格と見なして「はじめにを書く」の「言い換え」と考えます。すると「編集者としてのあなたの考えを紹介しながら、この本の読者に伝えたいことを、1000字以内でまとめてください。」=「はじめにを全て書く」と読めます。これが読み方のひとつめ。

もうひとつは間の段落を意識して「切る方法」。「あなたは、「はじめに」という文章を書いて、選ばれた6つの文章を通じて読者に感じ取って欲しいことを伝える必要があります。 」ここまでは「設問の前提」と考えます。「必要があります。」が多少きつい表現なんですが、それは無視。ここで「段落」があるので「意味が一旦切れた」と考えます。すると、前の文章と一切つながりもなく、突然「編集者としてのあなたの考えを紹介しながら、この本の読者に伝えたいことを、1000字以内でまとめてください。」という別の問題が出てきます。だから、ただ単に「はじめに」の文章に書く内容と多少関係のある「編集者としてのあなたの考えを紹介しながら、この本の読者に伝えたいことを書く」という別の問題になります。これはいわゆる前の文の「選ばれた6つの文章を通じて読者に感じ取って欲しいことを伝える」と「編集者としてのあなたの考えを紹介しながら、この本の読者に伝えたいことを、1000字以内でまとめる」の間の関係性をかなりの程度まで断絶させて読む読み方です。

個人的には7−3で前者ですが、例えば、論理パズルゲームであれば、単に後ろの文章を読むだけのひっかけ設問として後者が存在し得ます(前の文章は一切無視)。よって、いずれにせよ、両方で読める。

前者で解いた場合には「はじめに」は完成します。後者で解いた場合には「はじめに」は完成しません。ただし、「編集者としてのあなたの考えを紹介しながら、この本の読者に伝えたいことを、1000字以内でまとめる」という手法で「はじめに」を全て書くこともできます。こうした「はじめに」は「後者」でありながら「完成形」でもある。そうなると、いずれにせよ、「完成」「ただのまとめる」という区分は無意味になります。だから、どちらで書いても減点はなし。

いずれにせよ、本来は「はじめに」を完成させる意図だったと思います。さすがに、そういった論理パズルを小論文の設問の途中で行わないのが普通ですし。もし、「はじめに」の「あらすじを書け」なら、接続語を入れて、そう読めるように書くはずですし。

ただし、注意しなければいけないのは、いずれにせよ、どちらにも読めるので採点の際には、「どちらでも読めること」を考慮に入れた採点基準となる。そうなると次の「2」は必ずしも必要なくなるので、問3にかかる2の部分は話半分に読んでください。なお、ここに関して「加点」があるかは不明。私はあると思っています。

2:本を「編集」し、「完成」させることから分かるコンピテンシー

ここからの部分が、解説として、特に付け加えたい部分です。これを読む前に、「システム」をお読みいただけるとより分かりやすいと思います。

今回は資料文を読んでいくと「全体」や「部分」のようなテーマに関係するものが、そこそこあります。A,B,Dあたりは確実にそうですよね。他の資料も、そういったテーマにかすったり、思い起こさせたりします。そして、設問全体を読めば、この「本」は「完全に完成する」ことが分かる、というのは、既に速報時点で、指摘している通りです。また、これは問1〜問4の順に「ボトムアップ的」に本を「編集」して最後は「完成」させる手順を示しているようにも見えます。受験生は文章を「編集」して、ある意味で「本」を完成させます。ここまでが出題意図。(決して資料文を「まとめる」のではない。)

ここで「完成させる本」を「全体」として見ると、「はじめに」や「6つの文章」は「部分」になります。さらに「地球と人間」シリーズから見ると、この「本」は「部分」です。それをつなぐジョイントとして、「問1:小見出し」や「問4:本のタイトル」があります。さらに普通の人の頭の中には、「本」というひな形は既にあるはずです。

ということは、この出題は「部分」と「全体」という視点を柔軟に切り替えて対象を見られるか、という適性を確認する出題ではないか、ということです。もちろん、設問を丹念に読んでいくと、「部分と全体」に気づかなくとも、かなりの精度で本を完成させる事はできます。全て設問に書いてますから。また、問題4の
問題4
あなたが編集する本に、タイトルをつけてください。次々と刊行される予定の、シリーズ『地球と人間』にふくまれる1冊として、魅力的なタイトルを考えてください。字数は、記号をふくめて25文字までとします。
というわざとらしい「限定」も気になります。さらに普通の高校3年生には「本」という形式のひな形が頭の中にあるので、設問を丹念に読み取り、「シリーズの中の、一冊の本を完成させる」という意識があれば、「部分」と「全体」をうまく考慮して、全体を完成させることはそんなに難しいことではないでしょう。

極言すれば、こうなります。単にまとめちゃう人の「はじめに」は

「○○○。
資料Aでは、こういいたい。
資料Bでは、こういいたい。
資料Cでは、こういいたい。 だから、全体ではこういうことです。」

という答案になります。でも、「本」という形式や資料文の多様性から見るに、本を編集する意識に立てた人は、

「○○○。
まず私は資料Aを通じて○○といった問題意識を提示したい。
こうした問題意識の背景には、資料Bに述べているような哲学が重要となる。
もちろん、資料Cのような哲学も忘れてはならない。
だから、全体ではこういうことです。」

と、各資料を本全体の中でイイタイことを、うまく伝えるように構成していく。こういったことが可能です。そして、ヒントは全て小論文の設問に書かれています。だから、これを読み取れていないのは、ある意味、単なる設問の読解不足です。

そうしてそうしたことをきちんと意識して答案を作れている受験生こそが、「地球環境の中の部分と全体を〜」などと文章を書く受験生より、「「部分」と「全体」という視点を柔軟に切り替えて対象を見られる」という適性を持っていることは明らかです。「小論文」を単に「自分の意見や資料をきれいにまとめる」と思っているだけのある種「頭のいい」受験生をふるい落とすための「差がつく」よい問題なのではないでしょうか。

「部分と全体」コンピテンシーを計れそうなポイント
・問1のうち選んだ資料は「本全体」を意識した見出しになっているか。
・問3で各資料文について、「本全体」の中での位置づけを示し、配置順序を示したか。
・問3で「地球と人間」というテーマとの関係を論じたか。
・問4で「地球と人間」との関係性を意識した表題付けとしたか。

他にもあると思いますが、こうしたポイントから「部分と全体コンピテンシー」を計っていると考えれば、偏差値や小論文模試の順位とSFCの合否結果の相関度合いが低いのもある程度説明できると思いませんか?

補記:高校生編集者という視点について

この部分に関してはいろいろ悩んだのですが、資料文を読んでみて「問題の設定」部分に関して、この視点を入れるのは難しい(なぜならば、この問題は資料文の選び方により、「あなたの問題意識」を書く事もできるし、「あなたがみたSFCの問題意識」も書く事もできるので、必ずしも高校生に視点を限定できないと思いました。)と思うので、その部分は不要な気がします。(浪人生がいるのが分かっているのに、「高校生編集者」と書いているのは、まだひっかかってるのですが。)
 但し、同一、全く同じ問題意識で全く同じ資料構成の小論文があったときに、「自分が高校生であることを意識して目的設定をした、あるいは、いいたいことをまとめた」ということが書かれた答案があれば、その答案の方が点数が高くなるのは確かです。なぜならば、「設問の条件をよりしっかりと満たしたことが分かる答案」だからです。こうした見方に加点がつくか、最後のどんぐりの背比べのときに参考にされるのかは分かりませんが、採点基準の中に入っている可能性は高いと思います。ただし、それに関して大幅加点や大幅減点はないと思います。あくまで「どちらがよいか」を考えた時に「軍配」があがるのです。

最後に

各予備校様と観点が違うのは、分かっているのですが、ご参考になれば。(各予備校様でも観点が分かれているので、必ずしも「差がつかない」と言い切れない気がします。念のため。)こうした点でまとめられてなければ、即不合格、といっているんじゃないですよ?念のため。

2014年 環境情報学部・小論文 解説(速報)

どこやらか外部流入がありますので、補足を。あくまでも「差がつきそうな視点」です。採点基準ではありません。

いろいろ考えた末に、「合格発表まで悶々とする人」がいる、のは分かりつつ、もう少し解説を書きます。ツイッターと掲示板を見ていると、「え?」という意見が多く、かなり戸惑っています。

しっかりと対策してきた受験生なら、最低限「気づいてもいいよね?」という点を中心にまとめていきます。これらの点ができいていない場合、「他の人と差がつく」と思います。「差がつかない」という意見を随所で見ましたが、これらの点にきちんと気づいて、まとめられているでしょうか?ご確認ください(なお、問題文については当ブログにご投稿いただいたものを利用しております。タイポなどは若干手直ししてございますが、原文とはことなる可能性があります。また資料文は掲示板などに投稿されているものや当ブログにご投稿いただいた概略を見ているのみです。資料文を見た後に、意見が真逆になる可能性もあることをご理解ください。)

問題文

湘南藤沢キャンパス(SFC)開設25周年を記念して、シリーズ『地球と人間』が出版されることになり、その準備がはじまりました。あなたは、高校生編集者として、このシリーズのうちの一冊の本を編集することになりました。
あなたが編集を任されたのは、異なる作者による文章を集めた本で、あらかじめ以下の【A】〜【I】の9つの文章が、収録される候補として選ばれています。ただし、ページの分量制限があるため、本に収録できるのは9つのうち6つの文章です。本は、あなたが書く「はじめに」という文章と、6つの文章で構成されます。
あなたは、どの文章を選んで、どのような本を作りたいと思いますか?あなたなりの問題意識にもとづいて、本の構成を提案しましょう。

問題1
まず、【A】〜【I】の文章に、それぞれ小見出し(短いタイトル)をつけてください。

問題2
あなたなりの考えにもとづいて、本に収録する文章を6つ選んでください。なお、どの文章を選ぶかについては、採点の対象とはなりません。あなたの発想で、自由に選んでください。
⑴選ばなかった3つの文章のアルファベットを記入してください。
⑵3つの文章を選ばなかった理由を、300字以内でまとめてください。

問題3
あなたは、「はじめに」という文章を書いて、選ばれた6つの文章を通じて読者に感じ取って欲しいことを伝える必要があります。
編集者としてのあなたの考えを紹介しながら、この本の読者に伝えたいことを、1000字以内でまとめてください。

問題4
あなたが編集する本に、タイトルをつけてください。次々と刊行される予定の、シリーズ『地球と人間』にふくまれる1冊として、魅力的なタイトルを考えてください。字数は、記号をふくめて25文字までとします。 2014年 環境情報学部小論文 問題文より抜粋(当ブログコメント欄にご投稿いただいたもの)

気づいてほしい点1 「本は解決策である」

これは、当ブログのコメント欄にご投稿いただいているのでお気づきの方も多いと思います。

「資料文を6個選んで、よさそうなものを6個えらんでまとめただけの文章」(よさそうなもの=環境情報学部や総合政策学部の「理念」に該当する文章などをさす。)をただ書くだけではお話になりません。なぜか?お分かりの方も多いと思います。「この本を出す目的が分からないから」です。

何度も繰り返しているように「解決策」は、「ある悪い状態にあるものを、ある良い状態に変える」ものです。目的も設定しないまま、よさそうなものをただ書くのではなく、「なぜこの本を出すのか」という目的がないと「何かを(本を通じて)伝える」という解決策が「解決策」ではなく、ただの「自己満足」になります。こうした「目的」などが定められていない答案は減点を覚悟してください。問題文の中でも、「あなたなりの問題意識」とあるので、これは問題発見・解決アプローチや総合政策的アプローチなどといった考え方を知らなくても、簡単にわかると思います。

差がつきそうな場所 1
・本を解決策として捉えることができずに、問題意識や目的意識が明確に定められていない答案とそうでない答案では差がつく。

気づいてほしい点2 「あなた」の視座は「高校生」にある

掲示板やツイッターなどで見ていると、ここに触れている意見を見た記憶がありません。冒頭にばっちり書いてありますね。
あなたは、高校生編集者として、このシリーズのうちの一冊の本を編集することになりました。
つまり、この編集は「高校生」の視点や価値観から行われるべきものであるのです。

こうした書き手の「立場を限定する出題」は、
さて、今は昼休みです。あなたはD組のスピーチライターです。
総合政策学部 2013年問題文より抜粋
このとき、制作者あるいは製作者の立場から、具体的な事例を考えて、そのための企画案を作成して、
環境情報学部 2009年問題文より抜粋
などがあり、実質のところ頻出問題です。さらには、「問題発見・解決アプローチ」では「どの立場に立つのか」という点は、問題発見・問題解決の基本です。何度も言いますが、2007年総合政策学部の資料1〜3や2010年総合政策学部の資料文1を確認してみてください。「ただの編集者」として「この問題を解くか」、「高校生編集者」として「この問題を解くか」で、「はじめに」の文章は「字面だけ」ではなく、変わってくるはずですし、変わってこなければおかしいです。(安易に思いつくものとして「25周年記念にあたり、高校生から大人に向けてのメッセージ、とか、あるいは高校生がSFCを選ぶ時の指針として」、などという「はじめに」を書く方法が考えられます。)

昼休み限定記事でも、「二人の総理の相違点について説明せよ」という設問があるとした場合に、「普通の人」の視点と、「姓名判断の占い師」の視点では解答が当然異なる、と書きました。もし「高校生編集者」の視点に立っていない答案とそうでない答案があった場合、明らかに「高校生編集者」の視点で編集された「はじめに」である方に軍配があがるでしょう。設問の条件ですからね。他大の小論文であっても、読み取れて当然の部分です。そうした出題の時に、単に「編集者視点」で書くよりは「高校生編集者ならではの本」という書き方をした方が、同じ内容であれば、点数はよくなると思います。「

差がつきそうな場所 2
・同じような内容のとき「ただの編集者視点」か「高校生編集者ならではの視点」かを比較すると、「高校生編集者視点」に軍配があがる。

(この部分は、資料文を読んで再検討するかもしれません。2/21 15:00追記)

ちなみに、ここまでは最低限本番で余裕で読みとりたいところ。

気づいてほしい点3:「編集」と「要約」は同義ではない

資料文を読んでいないから何とも言えませんが、SFのような文章があったようですね。

他にもいろいろあるみたいですが、「はじめに」の部分で本の構成として「まず未来の世界を想像してみよう。」と書いてSFの資料を入れる、とか、「私は「資料○」で述べたような意見に反対なのである。」などと書いて資料を入れるとか、単に「自分の賛成意見を並べる」だけではないのが「編集」のよいところです。これを「要約」と捉えると、「反対意見を入れる」や「比喩の資料を入れ込む」がしづらくなります。

さらにはこうした態度は問1にも受け継がれます。なぜならば、「問1」は
問題1
まず、【A】〜【I】の文章に、それぞれ小見出し(短いタイトル)をつけてください。
等からも想定されるように、選んだ6個の文章については、本の各章の見出しにも使えます。というよりも、おそらくはそうしたことを想定した「問題1」でしょう。だから、問1は単なる「資料のタイトルづけ」という国語の問題ではなく、全体の本の構成を決定しないと決まらないもっと幅広い全体的なものなのです。少なくとも、資料文の内容をまとめた国語のタイトル付けだと思っちゃう人の中には、本当に実力がある人はいなさそうです。こうしたところには、ちょっと気の利いた人なら気づくでしょう。もちろん、時間がない場合には、単なるタイトルづけに終わっても構わないですし、後から変更することも可能でしょう。問3中で、その「タイトル」を使って「はじめに」を書いた人も多いはずですが、そうした全体性を意識すると、よりよい「問1」になっているはずです。

採点基準として「本全体の中での位置づけ」と「問1」の関係性という基準は(おそらくは加点として)十分にあり得ると思います。

差がつきそうな場所 3
全体の「要約」ではなく全体の「編集」という視点を持った答案の方が点数が高い

気づいてほしい点4:この問題では「本は完成」する

この問題では「はじめに」を書いて資料を選んだら本が完全に完成します。隅から隅までの完成品です。だから、この「本」については自分の持っている問題意識と資料文が一致しないかぎり、自分の問題意識を入れ込むのはかなり困難です。「○○問題に興味がある」といった自由な設定はできません。だからこそ、「2」の「高校生編集者」という視点を入れないと、「問題意識」をうまく書けない人が出てくるでしょう。

そういった場合には、「本が完成する」といった意識を持てば、違った方針が立てられるかもしれません。

また問1で決めた「タイトル」を用い、「はじめに」の中で、資料を「読んでほしい順」に内容や位置づけを紹介すれば、単に「どの資料を選ぶか」という「本としては中途半端なもの」ではなく、「順番まで決まったしっかりした本」になります。

こうした「はじめに」の書き方の工夫でも、点数に差がつくでしょう。

差がつきそうな場所 4
問題文から、この問題では本全体が確定することを読み取り、資料の「選択」のみならず「並びの決定」など本としての完成品に近づけた方が点数が高い(でしょう)

終わりに

もちろん、こうした内容に触れていないだけで「即不合格」といいたいのではなく、「設問読解」をしっかりと重ねることで、他の人と差がつく答案になる、ということです。

それでは。

環境情報学部の試験情報を教えていただけると助かります。

2014年入試、おつかれさまでした。

いかがでしたでしょうか。
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2/20 17:00 追記

皆様、コメントありがとうございます。問題文を見た限りでは、当たり前ですが、
 問2 選ばなかった理由
 問3 「伝えたいこと」
がポイントになりそうです。

資料文の取捨選択については、
 1:問3に合わせて選ぶか(自分で選ぶタイプ)
 2:「明らかに、他の文章と一緒に入れると変」な文章を排除する(論理的に考えるタイプ)
かよくわかりません。問2から安直に考えると後者なんですが、資料取捨選択が採点基準に入っていないことから前者の可能性もありそうです。資料文を読めば、分かると思うので、がんばって資料文を探します。

なお、ふと思い出したのが、しょうろん模試の答案でした。「第0回しょうろん模試 フィードバック(るてい様)」(ブロマガ記事でごめんなさい)が、出題形式としては一番的中していた気もします(笑)。問われている目的は違うものの。

引き続き、コメントなどいただけると助かります。