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総合政策学部・2015年

2015年度 総合政策学部小論文の添削をして

お正月気分が終わったと思えば、センター一色モードですね。

総合政策学部 2015年度小論文 得点分布表

指標を作る問題、苦手な人が多いですね。実際には、そんなに難しい指標を作ることが求められていないのに、わざわざ難しいのを作って自滅している人とかいますしね。
今回受講者(人)本番試験予想(人)ご参考
(英語合格最低点)
22点以下031-
33042-
44081-
550142-
662222-
771311194
880430183
1004442171
1111441160
1221394149
1332316138
1440226127
1551146116
166083105
17714394
18802183
20001271
なお、赤色セルが安全圏で、黄色セルが英語がよければ合格圏というイメージです。

得点分布表 グラフ

ss2015

得点分布からわかるSFC小論文対策

採点した結果ですが、

1:設問通りに書けていない人は点数が低い
2:指標が何を指しているのか、書いている本人がわかっていない
3:指標をインターネットか役所から集めようとする

という感じ。順に説明しますね。

1:設問通りに書けていない人は点数が低い

 必ずいます。問1で「限界」について書く人。聞いてないから。

2:指標が何を指しているのか、書いている本人がわかっていない

こういう場合、2パターンいらっしゃいます。小学校で習う比率や速さと距離の関係などがしっかりわかっていない人と、複雑な指標を作って自滅するパターン。前者は…小学校の計算ドリルをやるか、この手の問題はあきらめましょう。後者は、正確に書こうとするあまり、複雑に指標を作りすぎているパターン。予備校などの模範解答でも時々みます。設問を読めばわかる通り、複雑な指標は求められていないですし、そもそも指標は単純化のために作るものです。こうした実験計画を行うときに必ず習う「オッカムのカミソリ」とかご存知ない人多いですしね。

3:指標をインターネットか役所から集めようとする

 もちろん集めるデータや資料の特性によっては、インターネットや役所(自治体)etcはデータを集める元として、かなり有効です。しかし、Aはインターネットで集める。Aは役所で集めるetcと書いても、全く答えになっていないんですよ。そのAについて、算出元であるAはどう算出しているのか、それをわかっていないと。

全体的に「なんでもいいから設問に合わせて解いて」と言いたい答案が多いです。いろは塾・直前講習 1/7と1/14はじっくりと教えられそうなのでぜひお申し込みください。

【添削】にんじんさん 総合政策・2015

これっくらいの おべんとばこに
おにぎり おにぎり ちょいとつめて
きざみしょうがに ごましおふって
にんじんさん

ということで、はじめましてじゃないけど、にんじんさんはじめまして。

さくらんぼさん しいたけさん ごぼうさん
あなのあいた れんこんさん
すじのとおった ふき

結局、全部歌ってみた。
問1 資料3
データを用いることによって尺度の曖昧な言葉を使い思弁的な議論をする事を避けたり、物事を客観的に観察する事を可能にするという利点がある。一方、データが議論において見せかけ上の正確さを与えて、人々に誤った認識を与える可能性もある。このように人々がデータのみで物事を判断してしまうことを防ぐためにも数量を用いることがどの対象まで当てはめることができるのかを見定めなくてはならない事が難点である。

資料7
資料7において、データは現象の成り行きを示すために有効であるという利点を持っており、ある事象が起こる確率を示すためにも有効である。しかし、そのデータから得られる確率は必ずしも正確なものではなく、裁判などの証拠として使うには非常に不十分なものである。したがって、あらゆるデータを用い、またその事象が起こる因果関係についつ詳しく吟味していかなくてはならない。これがデータを用いる事の難点である。



問2
①⑴
②1日にある人が歩いた歩数=W
ある人のBMI値=B
健康的な1日の歩数=10000
最も病気にかかりにくいBMI値=22

健康率(%)= [W÷(|22-B|×10000)]×100
高い方が良い。


③人の健康率を示すにあたり、個人のBMIの把握と、それぞれが歩いた歩数の把握が必要となる。そこで、BMIのデータをインターネットやBMIの申告を求めるはがきを利用し収集する。これらの事を円滑に行うためには、政府や各自治体の協力が必要となる。
そして、そのデータの提出が確認された家庭、もしくは個人に自分の歩いた歩数を計測できるアプリをインストールしてもらう。スマートホンのようなデバイスのない家庭や個人には万歩計を配って計測してもらい、そのデータを提出してもらう。これらのデータから得られる健康率という指標を用いて医療費の適正化を行う。また歩数を増やすために自ら運動する事から生活習慣病の予防にもなる。

問3
問2で提案した健康率を用いて問題解決の意思決定を行う上で、この健康率の計測に人々が積極的に参加するのかどうかという問題が生じる。医療費の適正化には、できるだけ多くの人の健康率の計測への参加が必要となる。この健康率を相対的に考察することによって、各個人の医療費の決定が可能となるからだ。
そこで、これらの問題を解決するために、参加を促進させるキャンペーンなどを行う必要がある。例えば、この計測に参加した家庭には子供手当のように、健康率計測手当てのようなものを用意し給付を行う。
この指標を大規模なデータにするためには、このような人集めの限界の考慮が必要となる。
問1は、各予備校の答案でもご参考にしてください。

既にTwitterでもご指摘しているのですが、

ゼロで割っちゃダメ!

しかも一番大事なBMI22で。そしてなぜ%単位にしたのか分かりません(笑)

ちなみに、このテーマはけっこう面倒です。まず「医療費適正化計画」を知っている必要があること。概要はコトバンクさんから引用しますね。
医療費適正化計画
医療費の伸びを抑えるため国と都道府県が策定する医療費の抑制計画のこと。2006年の医療改革で導入が決まり、08年4月から5カ年計画が始まる。医療費の抑制は、(1)糖尿病など生活習慣病の予防を地域で進めて25%減らす、(2)病院の平均在院日数について全国平均(36日)と最短の長野県(27日)の差を半分に縮小する、などで行う。厚生労働省はこれにより長期的に6兆円の医療費の伸びが抑えられると試算している。計画は国が基本方針を示し、これを受けた都道府県が具体的な「適正化計画」をつくる。5年ごとに実績を評価し、目安となる目標が実現しなかった場合は、次の計画に反映させる。また、実績評価の結果、診療報酬について都道府県の特例を設けることもできる。
コトバンク>医療費適正化計画
細かいことを知りたい方は、厚生労働省のホームページをご確認ください。

お父さんが会社の健康診断で「メタボだよ」と診断された(特定健診・特定保健指導によるもの。通称メタボ検診。2008年より実施。)みたいな話を知っていれば、それはこうした医療費適正化計画とも紐づいています。

ワンワードでいうと「医療費減らそうよ計画」。そして、このために「何を計るか」という問題。これ結構めんどうですね。医療費を減らすためには、不要な通院を減らす(高齢者が時間をもてあまして通院することが問題になったりもしています)、という方法もあれば、医者の不正請求(余分な検査を行う)を減らす、という方法もあれば、メタボ予備軍をなくす、という方法もあります。方法はいろいろです。そして、その方法のために何を指標とするのか。

書いていただいた答案だと、こういった手段のうち「どういう手段をとりたいか」がイマイチはっきりしないので「それを計ってどうするの?」が分からないので「あれ?」となってしまいます。一票の格差ならばある程度分かりやすいのですが、このテーマの場合は、「どういう手段を用いるために何を計るか」を明確にしないと、「やりたいことが伝わらない」というのが難しい点。

書いていただいた算式は無理に指標をひとつにしたがために失敗していると思います。例えば、BMIが21.99999999999999の人が1歩歩くことの方が、BMIが21の人が100000歩歩くよりも健康という結果が出てしまいます。上で述べたように%単位にした意味もわかりませんしね。

指標をひとつにしようとせずに、「何を計ってどういう解決策を設定しよう」ということを素直に考えればよかったんだと思います。どういう解決策を設定しようの部分が
これらのデータから得られる健康率という指標を用いて医療費の適正化を行う。
としか書いていないので、この人はわかってないんだ感が満載。

BMIは体重と身長に基づくものなのでそれを基準にするためには「真値」が何なのかを決めるのは結構大変ですね。日中の体重変動は2kgはありますし。もし、医療費優遇や税金優遇を行うのであれば、死活問題になるでしょう。「歩く」に関しても2000歩走るのと2001歩歩くのでどちらが健康か、などという論点がありますしね。

こういうのをいくつか挙げていって、よさげなものを答案にしていきましょう。

さて、「医療費適正化」のために「何をやって」そのために「何を計りますか?」この問いに答えることからがスタートです。

【添削】あい様 総合政策学部・2015年

うーん。合格最低点、達さず。という感じでしょうか。問3だけ若干評価します、という感じ。80点中200点ぐらい。
問1
資料4
社会科学の各分野においての議論に、数量のデータをもちいることの利点は、命題が客観的に表現できることである。なぜなら、それによって、命題の真理を経済的に検証することが可能になる。また、命題の論理関係を明確に示すことも可能になる。しかし、数量のデータを持ち込むことは同時に議論に見せかけの正確さを与えて、人を誤らせる危険も秘めている。それは数量のデータを意思決定に持ち込む難しさである。

資料5
数字は客観的なものの象徴であり、主観的欲求を排除したものだと考えられている。そのおかげで議論の場では説得材料として、大きな力を持つ。それが議論の場にデータを持ち込む利点である。しかし、実際は数字の客観性というものは人間の主観を含むものである。
したがって、データがつじつま合わせに使われることもある。それはデータを使うことの難しさを示している。



問2


一人の投票の影響率(%)=1/P×100
P=ある選挙区内の投票に参加した20歳以上の人口。

単純に選挙区内の20歳以上の人口だけなら、戸籍を見るだけで数は調べられる。しかし、投票率が低下していることが問題となっている現在において、投票率の差は地域によってもばらつきがある。これを考慮抜入れて、今回は選挙権を持っている全人口から数字を出すことは控えた。
まず、一つの選挙区を選ぶ。次にその選挙区内に設置されている投票所に調査員を派遣する。ここでは、交通量調査と同じ方式で訪問した人の数をカウントする。以上がデータの収集方法である。


問3
まず、一票の影響率が選挙区によって違うという問題の原因として、第一に人口の都市部集中が考えられる。また、それは同時に地方の人口の減少も意味する。つまり、現在の日本は都市部に人が多く、地方に少ない状況である。
これを「選挙区の区切り改定」によって正すと、自然と都市部の選挙区が増え、逆に地方の選挙区は減る。したがって、多くの都市部の住民の意見を反映した国会議員が生まれることになる。逆に地方の意見は国会において弱くなる。つまり、「選挙区の区切り改定」によって、一票の影響率を等しくしたとき、新たに都市部と地方の国会における影響力の差という問題が生まれる可能性がある。
問1は予備校や赤本の答案を参考にどうぞ。あんまり大差ないですし。本番では両方合わせて20点分あるかないかだと思います。

問2

問2
以下のボックスに示された社会的課題は、データを収集・分析し、意思決定することより解決可能と考えられます。
(1)生活習慣病の予防や健康管理による医療費の適正化
(2)保育所の待機児童解消や男性の育児参加促進による子育て支援
(3)選挙区の区割り改定による一票の格差是正
(4)外国人観光客の誘致による雇用促進

このうち、あなたが最も関心のある課題を一つ選び、その番号を解答欄①に記入してください。そして、その問題の現状と課題を示すことができる定量的な指標を提案し、その指標の定義を解答欄②に記述してください。ここで定量的な指標は以下の例を参考にし、例に示された以外の指標を提案してください。
さらにその指標を表す上で必要なデータの収集方法を解答欄③に記述してください(300字)。
という問題です。「データの収集方法」については、
単純に選挙区内の20歳以上の人口だけなら、戸籍を見るだけで数は調べられる。しかし、投票率が低下していることが問題となっている現在において、投票率の差は地域によってもばらつきがある。これを考慮抜入れて、今回は選挙権を持っている全人口から数字を出すことは控えた。
まず、一つの選挙区を選ぶ。次にその選挙区内に設置されている投票所に調査員を派遣する。ここでは、交通量調査と同じ方式で訪問した人の数をカウントする。以上がデータの収集方法である。
に書かれています。ぱっとみて、太字部分は不要です。「データの収集方法」と直接関係ありません。提示する「データの収集方法」で、どうしてそういう方法をとるか、という「理由」を示した部分ですよね。小論文の読み手は、前半で書いている時点で「答案で書いててほしい内容はどこにあるの?」と迷ってしまうので。幸い、後ろに「データの収集方法」がわかるように書かれているので「ま、いいか」とは思うんですが。

但し、この答案には最大の欠点があります。これって要は「実投票数」を計りたい、ということですよね?だったら投票結果を待てばいいだけじゃん?○○さんは何票獲得という情報はいずれは開示されるのだから。なぜ、わざわざお金を払って交通量調査をするのかがわかりません。税金のムダ遣い。よって、問2自体の方法はあんまり評価できるとは言えません。

#どうでもいいですが、今なら20歳を18歳に引き下げて小論文を書きたいところ。そんなことで減点はされないだろうけれどもね。

問3

問3
問2で提案した指標を用いて問題解決のための意思決定を行う上で、どのような限界があると思うか、考えを述べてください。(300文字)
これの答案は、
問3
まず、一票の影響率が選挙区によって違うという問題の原因として、第一に人口の都市部集中が考えられる。また、それは同時に地方の人口の減少も意味する。つまり、現在の日本は都市部に人が多く、地方に少ない状況である。
これを「選挙区の区切り改定」によって正すと、自然と都市部の選挙区が増え、逆に地方の選挙区は減る。したがって、多くの都市部の住民の意見を反映した国会議員が生まれることになる。逆に地方の意見は国会において弱くなる。つまり、「選挙区の区切り改定」によって、一票の影響率を等しくしたとき、新たに都市部と地方の国会における影響力の差という問題が生まれる可能性がある。
ここは、「あり」といえば「あり」、「なし」といえば「なし」の部分です。

問2の答案が意味をなさないので、問3もイマイチなのですが、問2の指標を使った場合の問題点の一つとしては成立していると思います。ただし、できれば問1と関係づけたいところ。

例えば、資料4と関連づけて「その時点の有権者動向に基づくという点で客観的なデータとして用いることができるが、有権者動向が変わってしまったら使えない、という点で一種見せかけの正確さを与えてしまう。(高齢者率が増加している、や、若い人が増えているなど人口動態が変わっている地域では前回の投票率に基づく意思決定は、見せかけの正確さを与えてしまうので。)」というような答案の方がスマートであり、問題の趣旨にあっていると思います。

SFCの小論文は全ての小問はつながっていると思って解いて下さい。それでは。

#ちなみに、点数がつけられる、ということは「それなりに小論文としては読める」という点では評価できるという意味です。念のため。

2015年総合政策学部 小論文解答速報


皆様、総合政策学部の2015年入試お疲れ様でした。ツイッターでもいろいろ意見や感想が出ていましたが、まずは講評(雑感)から。

講評(雑感)

・「総合政策学部は知識や要約力が重視される」方針で対策してきた方にはつらそう。
・「算式を見るのもイヤ!」という人にもつらそう。
・資料を全部読むと時間が足りない人が大多数だと思う。
・ツイッターで書いた「SFCの理念は大事。ただし、理念に沿ってそのまま書いちゃダメ。SFCは設問を通じて、プチ問題発見・プチ問題解決をさせる。だから、問題発見・解決に対する「適性」を出題形式に合わせて示すこと。」はブログ内でも、もっと強調すればよかった。
・SFC小論文は「問題発見・解決に対する適性を確認する試験」という信念を信じてくれた人にはとっかかりやすい問題だと思う。

ツイッターや掲示板をざっとのぞいた感じだと、「算式を読むのつらい組」は意図が分かっていても解きづらかったみたいですね。一方で、そうでない人は、「問題発見・解決に対する適性を確認する試験」という考えでいれば解きやすかったみたいですね。(さっそくブログのコメント欄に書いてくださってる人もいますが…。明日もがんばってくださいね。そして、まだ合格してないんだから、油断しないでくださいね。)

設問解説

明日の環境情報学部の小論文でも役立てられるように書いていくので、全体の解説にはなりません。ご了承ください

その前に、このブログで何度も引用している國領先生のツイートを掲載しておきます
SFCは問題発見解決がスローガン。
問題「発見」という部分が大切で、何が問題なのかを特定できたら、たいていの問題の解決は近いのです。ちなみに、そもそも「問題」ってなんだろう?なんて問いに答えられる?
國領二郎教授Twitterより(現慶應義塾 常任理事、元総合政策学部長)
それでは、順番に見ていきたいと思います。
問1
資料1〜7は、意思決定を行う際に、データを収集し分析することの利点およびその難しさと限界について述べています。資料1〜7のなかから重要だと思う資料を2つ挙げて、データを用いることの利点およびその難しさを、それぞれ200字以内で要約し述べて下さい。
まず、SFC小論文は問1〜問3まで全てつながっています。だから、問1を読んだところで、すぐに問1に取り掛からないで、設問を全て読んでください。

本来であれば、二度読みしたときに気づく箇所ですが、今回は解説の都合上、先に太字にしておきます。「限界」という単語です。

そして、何度強調しすぎてもし過ぎることのない点ですが、小論文では必ず「設問に合わせて」解答してください。
資料1〜7のなかから重要だと思う資料を2つ挙げて、データを用いることの利点およびその難しさを、それぞれ200字以内で要約し述べて下さい。
と書いてあるのですから、

問1の構成
・「重要だと思う資料 2つ」
・データを用いることの利点およびその難しさ を
・200字以内で「要約」(=あなたの意見は問われていない)

この条件を満たす答案を書いてくださいね。

わたしの手元には解答用紙がないので厳密にはわからないんですが、2つの各資料につき「データを用いることの利点およびその難しさ」を200字ずつ述べる問題なのか、「2つの資料の内容」を要約して「データを用いることの利点200字」「その難しさ200字」を述べるのか、どちらだったんでしょうか。ちなみに、指定されていなければ、どちらで書いても、点数に差はないと思います。文章で見る限り、前者が7割だとは思っていますが、後者で書いたとしても間違いではなさそうです。

では、問2にすすみます。
問2
以下のボックスに示された社会的課題は、データを収集・分析し、意思決定することより解決可能と考えられます。
(1)生活習慣病の予防や健康管理による医療費の適正化
(2)保育所の待機児童解消や男性の育児参加促進による子育て支援
(3)選挙区の区割り改定による一票の格差是正
(4)外国人観光客の誘致による雇用促進

このうち、あなたが最も関心のある課題を一つ選び、その番号を解答欄①に記入してください。そして、その問題の現状と課題を示すことができる定量的な指標を提案し、その指標の定義を解答欄②に記述してください。ここで定量的な指標は以下の例を参考にし、例に示された以外の指標を提案してください。
 さらにその指標を表す上で必要なデータの収集方法を解答欄③に記述してください(300字)。
この設問が2015年のキーポイントです。

SFC小論文は「問題発見・解決に対する適性を確認する」ための試験です。そして、今年は、上であげる(1)〜(4)のうち、どれかの問題を「データを収集・分析し、意思決定すること」により解決してくれ、と書いていますので、ここが今年の設問のキモだと思って読んでいきましょう。

SFC小論文は、どのテーマを選ぼうが、どの資料を選ぼうが、その選択で減点となることはほとんどありません。だから、書きやすそうなものを選んでください。

さて、「その問題の現状と課題を示すことができる定量的な指標」を提案し、と書いていますので、この設問は「定量的な指標」を通じて「問題の現状と課題」を示す設問です。だから基本的には「問題発見」を行うことが問われています。なぜならば、SFCの問題発見・解決では「問題発見」が特に重要になるからです。

例を上げた方がよさそうですね。

「(1)生活習慣病の予防や健康管理による医療費の適正化」という問題に対して、あなたは「何に着目して」「どういう状態が悪く、どういう状態がよい」と思っているんですか?体脂肪、睡眠量、食事量、運動量いろいろあるよね。ひょっとしたら、病院に通う回数かもしれないけれどもね。あなたはいったいこのテーマに対して「何が良い状態と思っていて、何が悪い状態と思っているんだい?そして、それを指標の形で示してみてよ。

これがSFCの問題発見です。(SFCの問題発見の重要性については、総合政策学部2010年の資料文1と、総合政策学部2007年の資料文1〜3に記載されています。)

だから、この部分をしっかりと考えておけば、ほぼこの設問の重要なところは押さえられたようなものです。

ちょっと國領先生のツイッター発言をこの問題に合わせて改変してみましょう。

SFCは問題発見解決がスローガン。「(1)生活習慣病の予防や健康管理による医療費の適正化」という社会的課題は、「データを収集・分析し、意思決定することより解決可能」。
問題「発見」という部分が大切で、「(1)生活習慣病の予防や健康管理による医療費の適正化」の何が問題なのかを特定できたら、つまり、「(1)生活習慣病の予防や健康管理による医療費の適正化」の問題を特定するデータを収集・分析、意思決定できたら、「(1)生活習慣病の予防や健康管理による医療費の適正化」の解決は近いのです。ちなみに、そもそも「(1)生活習慣病の予防や健康管理による医療費の適正化」ってなんだろう?なんて問いに答えられる?
國領二郎教授Twitter発言を改変(現慶應義塾 常任理事、元総合政策学部長



つまり、この問は「あるテーマに対する問題を発見する」ことを目的とした解決策(=データの収集・分析、意思決定)に対する問題なのです。

したがって、この設問は「問題発見」に対する適性を確認する(そして「問題発見」を行うための「解決策の検討」についても適性を確認する)ための設問です。

そのポイントさえ分かっていれば、答案は何でもかまいません。たとえば、「(1)生活習慣病の予防や健康管理による医療費の適正化」をコントロールする原因(要因)を考えて、それを指標にする、とかね。

ちなみにこの問題は答え方として、「原因」あるいは「原因の原因」を追求して「原因」あるいは「原因の原因」を増減させる、という観点からコントロールする方法と、「新たな理想状態を定義して、その理想状態に近いかどうか」の、どちらかで解くと楽に考えられます。「どちらがよいか、どちらが悪いか」というのはありませんが、「原因」を書く方が発想はしやすい。但し、複数の要素の関係性を表現するのが難しい。「新たな理想状態」は、定義するのは簡単だけれども、「どうやって理想状態に近づけるのか」というイメージがわかりづらかったりするかもしれません。一長一短です。
問3
問2で提案した指標を用いて問題解決のための意思決定を行う上で、どのような限界があると思うか、考えを述べてください。(300文字)
ここで太字「限界」が再度出てきましたね。理由は簡単です。問1と問3はつながっているからです。問1で「資料1〜7のなかから重要だと思う資料を2つ挙げて、」と書いていますが、「何が重要なのか」というのは判断基準がないので、ここまで読まないと決められません。

つまり「「問2」のデータの収集・分析、意思決定を念頭に置いた上で、その「限界」について論じるために重要な資料は何ですか?」これが「問1」の設問であり、闇雲に資料を選んで書くものではありません。いったん、問3まで読んで「何が重要か」を判断する、それも「問題発見」に対する適性ですね。

だから、「問1」で選んだ資料にまとめられている内容が、「問3」の内容にも関係している必要があり、関係している方が点数が高いわけです。設問を必ず全て読んでから、小論文の構成を決定してくださいね。

まとめ

つまり、この小論文は、

・問2で尋ねられている「問題発見・解決」に対して適性をしめす。
・問3と問1の関係性を意識しながら、資料を選択し、問1は要約、問3は問1と関連付けて書く。

という二点が要求されていて、これらがしっかり書かれていたら、まずますの及第点になります。(当ブログの用語に慣れている方は、「問1:解決策の検討のうち、実行可能性の検討および実効可能性の検討(の準備) 問2:問題発見および解決策の設定 問3;解決策の検討のうち、実行可能性の検討および実効可能性の検討」を行っていると読んでください。ちなみに、「限界」という言葉から、「副作用の検討」に着目しても問題はありません。)

もう一度確認してほしいこのブログのエントリー

明日の環境情報学部の小論文に向けて、もう一度確認してほしい文章やエントリーを並べます。

まずはSFCの中心理念を理解しましょう。
先生:
SFCの中心理念は何かと尋ねれば、 問題発見・解決だという答えが返ってくる
のは知っているよね。 これはお隣の環境情報学部も同じだし、 大学院の理念にもつながっている。
慶應義塾大学 総合政策学部 小論文入試 2010年 資料文より抜粋
SFC小論文とは、この中心理念に合う適性のある学生かどうかを確認するための適性試験です。(ご参考:合格確率を5倍底上げする「SFC小論文 基礎の基礎」

そして「問題発見・解決」に対する適性を示すためのフレームワークとして「総合政策的アプローチ」という考え方をこのブログでは紹介しています。次のエントリーは昨年も合格体験記で何人もが「役に立った」といったエントリーです。

◯1ページで把握する「総合政策的アプローチ」

この内容を私がツイッターでまとめたものが、
「解決策」があれば必ず解決策が対象とする「問題」があるし、問題があれば問題を問題たらしめる「価値観」がある。問題発見・解決なんて畢竟それとその間の関係性を意識するだけのことです。
(いろは@しょうろん Twitterより引用)
です。

最後にもう一度、國領先生のツイートを再掲して終わりにしたいと思います。
SFCは問題発見解決がスローガン。
問題「発見」という部分が大切で、何が問題なのかを特定できたら、たいていの問題の解決は近いのです。ちなみに、そもそも「問題」ってなんだろう?なんて問いに答えられる?
國領二郎教授Twitterより(現慶應義塾 常任理事、元総合政策学部長)


***

それでは、明日の環境情報学部の試験もがんばってくださいね。

ps:試験会場で話題になっていたアルパカとファーファを持っていた人は、さっき私にツイッターで「合格体験記でこう書こうと思うんだけど」と相談してきました。ちょっと変わった人ですが、ちょっとかわいそうなところもあるので明日もやさしく見守ってあげてください。試験会場をぬいぐるみで埋め尽くしたいそうです。