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Ⅸ 慶應SFC情報入試

SFC情報入試(2017年入試version)

まとめ

最新情報

・情報入試関連の話題は河合塾のサイトに非常にたくさんのっています。
 慶應義塾大 新「情報」入試特集
・特に上記サイトの「慶應義塾大学SFC 2016年情報入試を振り返って 合格者座談会」は非常に有益だと思います。

とても参考になるサイト

キミのミライ発見(高校教員向け) 特に 慶應義塾大 新「情報」入試特集
情報入試研究会
慶應SFC公式サイト:ニュース

情報入試まとめ:ダイジェスト版

SFCで情報入試が導入される

【2016年度入試】
数学あるいは外国語あるいは数学および外国語あるいは情報
※情報-社会と情報・情報の科学の2科目に範囲から出題
→過去問は河合塾のサイト「慶應義塾大学SFC 2016年情報入試問題解説」等でご覧になれます。

注意
Yahoo知恵袋などで、SFCの数学の科目からプログラミングの単元がなくなったため、「SFC入試では情報がなくなった」と回答している人が居ます。真っ赤なウソですのでご注意ください。

慶應義塾大学SFC 2016年情報入試を振り返って 合格者座談会

慶應義塾大学SFC 2016年情報入試を振り返って 合格者座談会という記事がかなり有益です。情報入試の話どころから、小論文の話まで出て来ていて、非常におもしろかったです。

Vol.2 入試対策2~SFCの「情報」参考試験と、情報入試模試は必須は、タイトル通りの内容で今後の勉強の指針を与えてくれますし、Vol.3 入試問題を振り返って~意外と簡単だった情報入試の問題では他大学の過去問を使った場合の目安を教えてくれます。Vol.4 SFCの小論文対策に関して言えば、私としては反対の意見が多いのですが、(例えば、総合政策と環境情報の違いはあくまでテーマのみ。2011年環境情報と2015年総合政策の問題はかなり類似しているし、2014年総合政策学部の大問3と2009年環境情報学部の大問2などは、非常によく似ているし、あえて分けて対策する必要はない。テーマに関しては、村井純先生が言う通り、「理系っぽい」「政策っぽい」という違いはあると思います。)、これもすごく参考になると思います。

参考となる問題

SFCの情報入試の参考になりそうな問題は以下の通り。
一般入試「情報」参考試験(2015年7月30日実施)の問題等の公開および実施結果について
一般入試「情報」参考試験(2014年7月30日実施)の問題等の公開および実施結果について
大学情報入試全国模擬試験
明治大学情報コミュニケーション学部一般入試B方式
センター試験 情報関係基礎
駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部 グローバル・メディア学科

情報入試導入の背景が分かる記事

インターネット上で読めるSFC情報入試の背景が分かる記事は、以下の通り。
1:教科「情報」による入試への挑戦と期待~「情報」は「未来を創っていく人材を育てる科目」
2:あなたにとって、「情報」は、入試科目ですか?
3:慶応が「IT入試」を導入する深い事情

SFCの情報入試導入について:詳細

2016年度入試から、学科入試に「情報」が含まれることが決定しました。慶應義塾大学のウェブサイトでは以下のように公開されています。
【2016年度入試】
数学あるいは外国語あるいは数学および外国語あるいは情報
 「数学」あるいは「外国語」あるいは「数学および外国語」あるいは「情報」の4つの中から1つを選択(いずれも同一試験時間内実施)

  (中略)

 情報-社会と情報・情報の科学
小論文
慶應義塾大学総合政策学部および環境情報学部 一般入学試験における教科・科目等の変更について(予告)
リンク先の表記が分かりにくいので、必要な情報だけまとめますね。

2016年度(2016年2月実施予定入試)から、SFCは学科「情報」+小論文で受けられるようになります。試験時間は、「数学」「英語」「英語及び数学」と同じ(120分)です。

「社会と情報」「情報の科学」とは?

上の説明の中に、「社会と情報」「情報の科学」という見慣れない言葉があります。

「社会と情報」「情報の科学」は学校教育法施行規則第八十三条及びその別表第三にて定められています。
第八十三条 高等学校の教育課程は,別表第三に定める各教科に属する科目,総合的な学習の時間
及び特別活動によつて編成するものとする。

別表3抜粋 情報...社会と情報、情報の科学
学校教育法施行規則(昭和二十二年五月二十三日文部省令第十一号)
つまり、

教科「情報」
科目「社会と情報」「情報の科学」

という構成です。そして教科「情報」、科目「社会と情報」および科目「情報の科学」のそれぞれについて「高等学校学習指導要領」において「目標」が定められています。
第10節 情 報
第1款 目 標
情報及び情報技術を活用するための知識と技能を習得させ,情報に関する科学的な見方や考え方
を養うとともに,社会の中で情報及び情報技術が果たしている役割や影響を理解させ,社会の情報
化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てる。

第2款 各 科 目
第1 社会と情報
1目標
情報の特徴と情報化が社会に及ぼす影響を理解させ,情報機器や情報通信ネットワークなど
を適切に活用して情報を収集,処理,表現するとともに効果的にコミュニケーションを行う能
力を養い,情報社会に積極的に参画する態度を育てる。

(中略)

第2 情報の科学
1目標
情報社会を支える情報技術の役割や影響を理解させるとともに,情報と情報技術を問題の発
見と解決に効果的に活用するための科学的な考え方を習得させ,情報社会の発展に主体的に寄
与する能力と態度を育てる。
高等学校学習指導要領
なお、内容の引用はここではしませんが、この「指導要領」を実務で用いる際の解説である「高等学校学習指導要領解説 情報編」という解説もあります。

「社会と情報」「情報の科学」とは、学校基本法施行規則に基づく科目名です。つまり、SFCの新しい学科試験に入る「情報」も基本的にこの範囲から出題されるのです。

一般入試「情報」参考試験(2014年7月30日実施)について

SFC入試の教科としての「情報入試」は、過去「参考試験」が実施されています。一般入試「情報」参考試験(2014年7月30日実施)の問題等の公開および実施結果についてに参考試験3回分、実質本番試験1回分の問題と解答が開示されています。

一般入試「情報」参考試験(2015年7月30日実施)について

同じく一般入試「情報」参考試験(2015年7月30日実施)が実施されています。

今のところ、SFCで実施されている「公式」の「情報」の参考試験はこの2つのみです。

あなたにとって、「情報」は、入試科目ですか?

こうした新しい入試導入課程は、単純に「横並び」に見ても理解しづらいのですが、これを縦に見ることができる論文が「あなたにとって、「情報」は、入試科目ですか?」です。早稲田大学の辰己 丈夫氏が書いた2013年PC Conferenceの論文集に掲載されている論文であり、高校生であっても比較的読みやすい論文です。この中に記載されている
慶應義塾大学環境情報学部の村井純学部長が、「新学習指導要領では、数学でプログラミングに関する内容を聞くことができなくなってしまうので、2016 年度の大学入試では、SFC では「情報」を入試科目に入れることを検討している。」という発言があり、スケジュール案(表2)が示された。
表 2:スケジュール案
2016.2 情報入試
2015.5 試行テスト#3
2014.5 試行テスト#2
2013.5 試行テスト#1
2012.9 試作問題
また、村井から、「他大学も、同様に活動できるように、研究・検討をする必要がある」という発言があった。
あなたにとって、「情報」は、入試科目ですか?
これは「高校教科「情報」シンポジウム2011秋」における発言であり、その後の「高校教科「情報」シンポジウム2013秋」での村井先生の発言も加味すると、「新学習指導要領では、数学でプログラミングに関する内容を聞くことができなくなってしまうので、」という意図は少し後退しているようにみえます。いずれにせよ、「高校教科「情報」シンポジウム2011秋」「高校教科「情報」シンポジウム2013秋」での発言内容を総合すると、SFCの情報入試のサンプル問題として、「試行テスト」が行われていることになります。この試行テストを行っているのは、任意団体である「情報入試研究会」です。

情報入試研究会

情報入試研究会 発起人
植原 啓介 慶應義塾大学
角田 博保 電気通信大学
筧 捷彦 早稲田大学
久野 靖 筑波大学
辰己 丈夫 早稲田大学
中野 由章 神戸市立科学技術高等学校
中山 泰一 電気通信大准教授
村井 純 慶應義塾大学

この情報入試研究会の発起人に所属機関を足してみました(インターネット情報であるため、最新のものかどうかは不明)。太字は、慶應義塾大学という表記になっていますが、共に環境情報学部の教員です。(さすがに高校生でも村井先生は知っているとは思いますが。)

この「情報入試研究会」は、あなたにとって、「情報」は、入試科目ですか?内の記載からも分かるように、SFCの「情報」入試の「試行テスト」としても機能しています。

この試行テストは、大学情報入試全国模擬試験という名前で過去既に3回実施されています。第4回は2016年2月-3月の実施が確定しています。(この第4回試験は個人受験ならば、2016年2月27日(土)の実施が確定されています。一方で団体受験の場合は、2016年2月13日(土)〜3月13日(日)に実施されます。団体受験をした学生が、SFC入試本番で大いに得するようなことがないように望みます。問題はおそらく回収されるのでしょうが。)

この過去3回の試験問題は、大学情報入試全国模擬試験にアクセスすれば見ることができます。これもSFCの情報入試の参考にすることができるでしょう。

またこの研究会の内容も大いに参考になります。

その他 参考になる問題

センター入試 情報関係基礎

言わずと知れたセンター試験の問題。SFCの英語や数学の問題はセンター試験より難しく、センター試験の問題は「解けて当たり前」です。まだ過去問の少ないSFCの情報入試ですから、こういった問題に慣れておくことで自信をもっておきましょう。これより古い問題は、「検索:センター試験 解説 過去問 情報などでいいサイトが見つかるかもしれません。

明治大学情報コミュニケーション学部 一般選抜入学試験への「B方式」。一部では、SFCの情報入試は、この明治大学情報コミュニケーション学部の入試を意識しているとも言われています(ソース未確認)。「情報」入試は大学からのメッセージ ~明治大学情報コミュニケーション学部 2013年度「情報科」入試を実施してに明治大学の過去問がありますので、こちらもしっかり参考にしておきましょう。

その他の大学の過去問(キミのミライ発見)


河合塾のキミのミライ発見の中に各大学の情報入試の過去問を集めたページがあります。これも参考になるはずです。

高校教科「情報」シンポジウム2013秋の村井純教授発言を探る

高校教科「情報」シンポジウム2013秋(以下、ジョーシン13秋)の村井純教授の講演は、情報入試を探るのに、かなり役に立ちます。

まずこの講演で村井先生は2つの「余計なこと」を述べます。

・数独について「真面目に勉強してきたことの意味がなくなってしまうような入試問題はいかがなものか」という意見をきちんと受け止めていること
・教育方針として「地球の未来を築く人材を育てる」という方針を示し、「未来創造塾」では寮を作り、新しく作る寮では、言語能力、デジタルスキル、計量分析の基礎力強化に取り組みたいこと

です。これは、もちろん「余計なこと」と受け止めるべきではないですよね。この講演に必要な大事な「前振り」です。

その後「つまり通信・コンピュータが大好きなメンバーが、現在のSFCのリーダーを務めています。」ということを述べてから、SFCの現在の入試制度を説明し、サイエンスのできる学生がほしい、ということを述べます。ここは重要な部分なので、そのまま引用します。
ここが将来心配なところですが、科学・数学といったところが強い人でないと、地球全体の問題は解けないんじゃないかと思います。だから、SFCの学生にはそういったバイアスを多少かけていきたい、という想いも背景の1つにあります。「数学」と言わなくてもいいのですが、サイエンスにきちんと向かい合える子に来てほしい。こういう希望があるわけです。

これまで「数学」の中の選択問題で、プログラミングを入れていたのですが、これが今回の数学の学習指導要領の中から追い出されてしまったことが、入試科目の改訂を検討する一つのきっかけになっています。2015年度の入試は、数学の中に数値計算とコンピュータを入れてはいけない新課程になっているのですが、「2015年だけは、申し訳ないけど数学のほうにこれらを入れます」ということで、2015年は今まで通りの入試をします。そして新課程の情報履修者が卒業する2016年度に、入試科目に「情報」を入れます。
「数学」に強い学生がほしいけれども、プログラムから追い出されてしまったので、入試科目「情報」を入れると言っている、つまりは「情報」はこの文脈の中では、ある意味「サイエンス」の代わりを果たしています。ここは、ポイントとして覚えておいていいと思います。

慶応が「IT入試」を導入する深い事情

慶応が「IT入試」を導入する深い事情という東洋経済オンラインの記事があります。偏差値についての話が印象的だったので、少し感想を書いてみます。

偏差値について

情報はすごくできるけど、数学も国語も全然できない子どもが受験すると仮定してみましょう。もし合格した場合、この子の全体的な偏差値は低いわけです。そうすると、ものすごい偏差値の低い子が合格したということになり、SFC自体が偏差値の低い大学として、レッテルを張られてしまう可能性があるでしょう。
この部分が気になりました。
・こういう子は、実際に存在するのか。
・こういう子が「偏差値が低い」という情報はどのようにして「レッテル」が張られるまで広まるのか。
・こういう子は、小論文でパスするのか。

また、SFCは学科試験に関しては、英語あるいは数学の成績をあげればパスできますので、「今更こんなレッテルが張られるのか」という気がします。困るのは、「情報」で好成績をあげ、なおかつ、「小論文」でも好成績をあげるような生徒が、これまでの「英語ー小論文」「数学ー小論文」「英数ー小論文」で選抜した生徒よりもSFCでは活躍できない可能性がある、ということです。こちらの方が深刻ではないか、と思います。
一方で、慶應の先生方の間では逆の話も出ました。つまり、情報の科目を入れることで、偏差値を上に押し上げるのではないかという懸念です。
私は個人的には「こちら」の説を信じます。「情報入試」で合格する学生がたとえ少数でも存在する以上は、その分は英語・数学・英数受験組から削る必要が出てきます。だから、必然的に英語・数学・英数で合格する人の数は減ります。仮に450人が正規合格としてうち45人(10%分)を情報入試に回すと仮定すると、英語・数学・英数は補欠3ランク分(補欠D〜F分)は難しくなります。これは、偏差値を少しぐらいは動かす可能性もありますよね。仮に補欠ランク1つにつき、1点の差分だとすると3点分は難しくなるということですから。

実際には、「ふたをあけてみないとわからない」というのが入試であり、実社会であるため、所詮は推論には過ぎないのですが。ただ「情報入試」で入学する生徒が(統計的に分かるほど)有意な水準でレベルが低ければ、SFCも何らかの対策をするでしょうから、あんまり気にし過ぎてもしかたがないとは思います。

終わりに。

SFCに確実合格したい人へ。

少なくとも2016年度入試では、SFCに「確実に合格したい」と思っている受験生には、「英語」「数学」「英数」のどれかでの受験をオススメします。もちろん、ふたをあけてみれば、情報入試の内容がものすごく簡単でラッキー、という可能性もありますが、学科試験は対策が確立されているので、学科として対策した方が断然効率はいいはずです。数学や英語から逃げない方が結果的には合格確率は高いと思います。

けれども「絶対、英語も数学もムリムリ。蕁麻疹が出る。」という人や「ワンチャンやってみよう」という人は、情報入試で受ける価値はあると思います。(とはいえ、SFCの参考問題を見ていると数学はできないとダメそうですけれどもね。)

情報処理学会(情報処理教育委員会)・情報入試研究会協力 対策動画 ミスiD2015 近藤那央さん出演

河合塾が色仕掛けに出た!!(違います)。

ざっと視聴してみたんですが、説明の中で「英語や数学に比べると、情報の方が対策時間が少ない」という意見がありましたが、これには個人的には反対です。近藤那央さんが「情報入試は1回目だからワンチャンあり」のような感じで補足されていましたが(この補足自体、原稿に書かれていたのかもしれませんが)、逆に「何が出るか」がわからないのでワンチャンあり、だけど、確実合格を狙うのは厳しいんじゃないかな、と。さらにいうと2014年の参考試験から2015年の参考試験にかけて問題の難易度が上がっている、という発言もあったので、難易度は参考試験からさらに難しくなる可能性もあるかもしれません。この動画を見て対策をしよう、というレベルの人には正直オススメしません。

個人的には、いまの1年生や2年生が「情報入試」を受けようと思いたった時に、ちょっと見てみよう、という動画かな、と思います。

SFC情報入試まとめ

まとめ

最新情報

・河合塾のサイトに、情報処理学会(情報処理教育委員会)・情報入試研究会協力 対策動画 ミスiD2015 近藤那央さん出演がまとめられています。
・河合塾のサイトに、次世代の教科『情報』と情報入試 高校教科「情報」シンポジウム2015春in関西 帰ってきたジョーシンうめきたの内容がまとめられています(2015/8/1)
SFCオープンキャンパス2015にて一般入試「情報」参考試験が実施される予定です。オープンキャンパス申し込みは7/6(月) 10時からスタート!!(2015/6/28)
・「情報」を受験する受験生は、「数学」との選択制とすることができ、試験本番に選ぶことができます(「2016年度一般入学試験の概要」が公表されました!
帰ってきたジョーシンうめきた(高校教科「情報」シンポジウム2015春 in 関西)togetterまとめが公開されています(2015/5/24)。
高校でSFCの情報参考試験をトライアルした結果が公開されています。

とても参考になるサイト

キミのミライ発見(高校教員向け)
情報入試研究会
慶應SFC公式サイト:ニュース

情報入試まとめ:ダイジェスト版

SFCで情報入試が導入される

【2016年度入試】
数学あるいは外国語あるいは数学および外国語あるいは情報
※情報-社会と情報・情報の科学の2科目に範囲から出題
→詳細は、慶應義塾大学総合政策学部および環境情報学部 一般入学試験における教科・科目等の変更について(予告)をご参照ください。

また2016年度一般入学試験の概要もご参照ください。

参考となる問題

SFCの情報入試の参考になりそうな問題は以下の通り。
一般入試「情報」参考試験(2015年7月30日実施)の問題等の公開および実施結果について
一般入試「情報」参考試験(2014年7月30日実施)の問題等の公開および実施結果について
大学情報入試全国模擬試験
明治大学情報コミュニケーション学部一般入試B方式
センター試験 情報関係基礎
駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部 グローバル・メディア学科

情報入試導入の背景が分かる記事

インターネット上で読めるSFC情報入試の背景が分かる記事は、以下の通り。
1:教科「情報」による入試への挑戦と期待~「情報」は「未来を創っていく人材を育てる科目」
2:あなたにとって、「情報」は、入試科目ですか?
3:慶応が「IT入試」を導入する深い事情

SFCの情報入試導入について:詳細

2016年度入試から、学科入試に「情報」が含まれることが決定しました。慶應義塾大学のウェブサイトでは以下のように公開されています。
【2016年度入試】
数学あるいは外国語あるいは数学および外国語あるいは情報
 「数学」あるいは「外国語」あるいは「数学および外国語」あるいは「情報」の4つの中から1つを選択(いずれも同一試験時間内実施)

  (中略)

 情報-社会と情報・情報の科学
小論文
慶應義塾大学総合政策学部および環境情報学部 一般入学試験における教科・科目等の変更について(予告)
リンク先の表記が分かりにくいので、必要な情報だけまとめますね。

2016年度(2016年2月実施予定入試)から、SFCは学科「情報」+小論文で受けられるようになります。試験時間は、「数学」「英語」「英語及び数学」と同じ(120分)です。

「社会と情報」「情報の科学」とは?

上の説明の中に、「社会と情報」「情報の科学」という見慣れない言葉があります。

「社会と情報」「情報の科学」は学校教育法施行規則第八十三条及びその別表第三にて定められています。
第八十三条 高等学校の教育課程は,別表第三に定める各教科に属する科目,総合的な学習の時間
及び特別活動によつて編成するものとする。

別表3抜粋 情報...社会と情報、情報の科学
学校教育法施行規則(昭和二十二年五月二十三日文部省令第十一号)
つまり、

教科「情報」
科目「社会と情報」「情報の科学」

という構成です。そして教科「情報」、科目「社会と情報」および科目「情報の科学」のそれぞれについて「高等学校学習指導要領」において「目標」が定められています。
第10節 情 報
第1款 目 標
情報及び情報技術を活用するための知識と技能を習得させ,情報に関する科学的な見方や考え方
を養うとともに,社会の中で情報及び情報技術が果たしている役割や影響を理解させ,社会の情報
化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てる。

第2款 各 科 目
第1 社会と情報
1目標
情報の特徴と情報化が社会に及ぼす影響を理解させ,情報機器や情報通信ネットワークなど
を適切に活用して情報を収集,処理,表現するとともに効果的にコミュニケーションを行う能
力を養い,情報社会に積極的に参画する態度を育てる。

(中略)

第2 情報の科学
1目標
情報社会を支える情報技術の役割や影響を理解させるとともに,情報と情報技術を問題の発
見と解決に効果的に活用するための科学的な考え方を習得させ,情報社会の発展に主体的に寄
与する能力と態度を育てる。
高等学校学習指導要領
なお、内容の引用はここではしませんが、この「指導要領」を実務で用いる際の解説である「高等学校学習指導要領解説 情報編」という解説もあります。

「社会と情報」「情報の科学」とは、学校基本法施行規則に基づく科目名です。つまり、SFCの新しい学科試験に入る「情報」も基本的にこの範囲から出題されるのです。

一般入試「情報」参考試験(2014年7月30日実施)について

SFC入試の教科としての「情報入試」は、過去「参考試験」が実施されています。一般入試「情報」参考試験(2014年7月30日実施)の問題等の公開および実施結果についてに参考試験3回分、実質本番試験1回分の問題と解答が開示されています。

一般入試「情報」参考試験(2015年7月30日実施)について

同じく一般入試「情報」参考試験(2015年7月30日実施)が実施されています。

今のところ、SFCで実施されている「公式」の「情報」の参考試験はこの2つのみです。

あなたにとって、「情報」は、入試科目ですか?

こうした新しい入試導入課程は、単純に「横並び」に見ても理解しづらいのですが、これを縦に見ることができる論文が「あなたにとって、「情報」は、入試科目ですか?」です。早稲田大学の辰己 丈夫氏が書いた2013年PC Conferenceの論文集に掲載されている論文であり、高校生であっても比較的読みやすい論文です。この中に記載されている
慶應義塾大学環境情報学部の村井純学部長が、「新学習指導要領では、数学でプログラミングに関する内容を聞くことができなくなってしまうので、2016 年度の大学入試では、SFC では「情報」を入試科目に入れることを検討している。」という発言があり、スケジュール案(表2)が示された。
表 2:スケジュール案
2016.2 情報入試
2015.5 試行テスト#3
2014.5 試行テスト#2
2013.5 試行テスト#1
2012.9 試作問題
また、村井から、「他大学も、同様に活動できるように、研究・検討をする必要がある」という発言があった。
あなたにとって、「情報」は、入試科目ですか?
これは「高校教科「情報」シンポジウム2011秋」における発言であり、その後の「高校教科「情報」シンポジウム2013秋」での村井先生の発言も加味すると、「新学習指導要領では、数学でプログラミングに関する内容を聞くことができなくなってしまうので、」という意図は少し後退しているようにみえます。いずれにせよ、「高校教科「情報」シンポジウム2011秋」「高校教科「情報」シンポジウム2013秋」での発言内容を総合すると、SFCの情報入試のサンプル問題として、「試行テスト」が行われていることになります。この試行テストを行っているのは、任意団体である「情報入試研究会」です。

情報入試研究会

情報入試研究会 発起人
植原 啓介 慶應義塾大学
角田 博保 電気通信大学
筧 捷彦 早稲田大学
久野 靖 筑波大学
辰己 丈夫 早稲田大学
中野 由章 神戸市立科学技術高等学校
中山 泰一 電気通信大准教授
村井 純 慶應義塾大学

この情報入試研究会の発起人に所属機関を足してみました(インターネット情報であるため、最新のものかどうかは不明)。太字は、慶應義塾大学という表記になっていますが、共に環境情報学部の教員です。(さすがに高校生でも村井先生は知っているとは思いますが。)

この「情報入試研究会」は、あなたにとって、「情報」は、入試科目ですか?内の記載からも分かるように、SFCの「情報」入試の「試行テスト」としても機能しています。

この試行テストは、大学情報入試全国模擬試験という名前で過去既に3回実施されています。第4回は2016年2月-3月の実施が確定しています。(この第4回試験は個人受験ならば、2016年2月27日(土)の実施が確定されています。一方で団体受験の場合は、2016年2月13日(土)〜3月13日(日)に実施されます。団体受験をした学生が、SFC入試本番で大いに得するようなことがないように望みます。問題はおそらく回収されるのでしょうが。)

この過去3回の試験問題は、大学情報入試全国模擬試験にアクセスすれば見ることができます。これもSFCの情報入試の参考にすることができるでしょう。

またこの研究会の内容も大いに参考になります。

その他 参考になる問題

センター入試 情報関係基礎

言わずと知れたセンター試験の問題。SFCの英語や数学の問題はセンター試験より難しく、センター試験の問題は「解けて当たり前」です。まだ過去問の少ないSFCの情報入試ですから、こういった問題に慣れておくことで自信をもっておきましょう。これより古い問題は、「検索:センター試験 解説 過去問 情報などでいいサイトが見つかるかもしれません。

明治大学情報コミュニケーション学部 一般選抜入学試験への「B方式」。一部では、SFCの情報入試は、この明治大学情報コミュニケーション学部の入試を意識しているとも言われています(ソース未確認)。「情報」入試は大学からのメッセージ ~明治大学情報コミュニケーション学部 2013年度「情報科」入試を実施してに明治大学の過去問がありますので、こちらもしっかり参考にしておきましょう。

その他の大学の過去問(キミのミライ発見)


河合塾のキミのミライ発見の中に各大学の情報入試の過去問を集めたページがあります。これも参考になるはずです。

高校教科「情報」シンポジウム2013秋の村井純教授発言を探る

高校教科「情報」シンポジウム2013秋(以下、ジョーシン13秋)の村井純教授の講演は、情報入試を探るのに、かなり役に立ちます。

まずこの講演で村井先生は2つの「余計なこと」を述べます。

・数独について「真面目に勉強してきたことの意味がなくなってしまうような入試問題はいかがなものか」という意見をきちんと受け止めていること
・教育方針として「地球の未来を築く人材を育てる」という方針を示し、「未来創造塾」では寮を作り、新しく作る寮では、言語能力、デジタルスキル、計量分析の基礎力強化に取り組みたいこと

です。これは、もちろん「余計なこと」と受け止めるべきではないですよね。この講演に必要な大事な「前振り」です。

その後「つまり通信・コンピュータが大好きなメンバーが、現在のSFCのリーダーを務めています。」ということを述べてから、SFCの現在の入試制度を説明し、サイエンスのできる学生がほしい、ということを述べます。ここは重要な部分なので、そのまま引用します。
ここが将来心配なところですが、科学・数学といったところが強い人でないと、地球全体の問題は解けないんじゃないかと思います。だから、SFCの学生にはそういったバイアスを多少かけていきたい、という想いも背景の1つにあります。「数学」と言わなくてもいいのですが、サイエンスにきちんと向かい合える子に来てほしい。こういう希望があるわけです。

これまで「数学」の中の選択問題で、プログラミングを入れていたのですが、これが今回の数学の学習指導要領の中から追い出されてしまったことが、入試科目の改訂を検討する一つのきっかけになっています。2015年度の入試は、数学の中に数値計算とコンピュータを入れてはいけない新課程になっているのですが、「2015年だけは、申し訳ないけど数学のほうにこれらを入れます」ということで、2015年は今まで通りの入試をします。そして新課程の情報履修者が卒業する2016年度に、入試科目に「情報」を入れます。
「数学」に強い学生がほしいけれども、プログラムから追い出されてしまったので、入試科目「情報」を入れると言っている、つまりは「情報」はこの文脈の中では、ある意味「サイエンス」の代わりを果たしています。ここは、ポイントとして覚えておいていいと思います。

慶応が「IT入試」を導入する深い事情

慶応が「IT入試」を導入する深い事情という東洋経済オンラインの記事があります。偏差値についての話が印象的だったので、少し感想を書いてみます。

偏差値について

情報はすごくできるけど、数学も国語も全然できない子どもが受験すると仮定してみましょう。もし合格した場合、この子の全体的な偏差値は低いわけです。そうすると、ものすごい偏差値の低い子が合格したということになり、SFC自体が偏差値の低い大学として、レッテルを張られてしまう可能性があるでしょう。
この部分が気になりました。
・こういう子は、実際に存在するのか。
・こういう子が「偏差値が低い」という情報はどのようにして「レッテル」が張られるまで広まるのか。
・こういう子は、小論文でパスするのか。

また、SFCは学科試験に関しては、英語あるいは数学の成績をあげればパスできますので、「今更こんなレッテルが張られるのか」という気がします。困るのは、「情報」で好成績をあげ、なおかつ、「小論文」でも好成績をあげるような生徒が、これまでの「英語ー小論文」「数学ー小論文」「英数ー小論文」で選抜した生徒よりもSFCでは活躍できない可能性がある、ということです。こちらの方が深刻ではないか、と思います。
一方で、慶應の先生方の間では逆の話も出ました。つまり、情報の科目を入れることで、偏差値を上に押し上げるのではないかという懸念です。
私は個人的には「こちら」の説を信じます。「情報入試」で合格する学生がたとえ少数でも存在する以上は、その分は英語・数学・英数受験組から削る必要が出てきます。だから、必然的に英語・数学・英数で合格する人の数は減ります。仮に450人が正規合格としてうち45人(10%分)を情報入試に回すと仮定すると、英語・数学・英数は補欠3ランク分(補欠D〜F分)は難しくなります。これは、偏差値を少しぐらいは動かす可能性もありますよね。仮に補欠ランク1つにつき、1点の差分だとすると3点分は難しくなるということですから。

実際には、「ふたをあけてみないとわからない」というのが入試であり、実社会であるため、所詮は推論には過ぎないのですが。ただ「情報入試」で入学する生徒が(統計的に分かるほど)有意な水準でレベルが低ければ、SFCも何らかの対策をするでしょうから、あんまり気にし過ぎてもしかたがないとは思います。

終わりに。

SFCに確実合格したい人へ。

少なくとも2016年度入試では、SFCに「確実に合格したい」と思っている受験生には、「英語」「数学」「英数」のどれかでの受験をオススメします。もちろん、ふたをあけてみれば、情報入試の内容がものすごく簡単でラッキー、という可能性もありますが、学科試験は対策が確立されているので、学科として対策した方が断然効率はいいはずです。数学や英語から逃げない方が結果的には合格確率は高いと思います。

けれども「絶対、英語も数学もムリムリ。蕁麻疹が出る。」という人や「ワンチャンやってみよう」という人は、情報入試で受ける価値はあると思います。(とはいえ、SFCの参考問題を見ていると数学はできないとダメそうですけれどもね。)

情報処理学会(情報処理教育委員会)・情報入試研究会協力 対策動画 ミスiD2015 近藤那央さん出演

河合塾が色仕掛けに出た!!(違います)。

ざっと視聴してみたんですが、説明の中で「英語や数学に比べると、情報の方が対策時間が少ない」という意見がありましたが、これには個人的には反対です。近藤那央さんが「情報入試は1回目だからワンチャンあり」のような感じで補足されていましたが(この補足自体、原稿に書かれていたのかもしれませんが)、逆に「何が出るか」がわからないのでワンチャンあり、だけど、確実合格を狙うのは厳しいんじゃないかな、と。さらにいうと2014年の参考試験から2015年の参考試験にかけて問題の難易度が上がっている、という発言もあったので、難易度は参考試験からさらに難しくなる可能性もあるかもしれません。この動画を見て対策をしよう、というレベルの人には正直オススメしません。

個人的には、いまの1年生や2年生が「情報入試」を受けようと思いたった時に、ちょっと見てみよう、という動画かな、と思います。

SFC情報入試・参考問題一覧!!

SFCの情報入試の勉強に使える問題を、独断で優先度順に並べてみました。情報入試の勉強の参考にご利用ください。

第1優先:SFC公式

SFCでは一般入試の「情報」の参考試験をオープンキャンパスで過去2回実施しました。

2015年 一般入試「情報」参考試験(2015年7月30日実施)の問題等の公開および実施結果について
2014年 一般入試「情報」参考試験(2014年7月30日実施)の問題等の公開および実施結果について

この参考試験に関する情報は、SFC公式サイト以外にも、河合塾の高校教員向けサイト「キミのミライ発見」で公開されています。

2016年度慶應新入試、「情報」の問題案公開へ ~変わる大学入試を示す「論理的思考力も問う情報入試」 村井純先生からの「メッセージ」と柏陽高校での試行公開

「柏陽高校での試行」についての記事です。
 ・SFC村井純先生からのメッセージ
 ・神奈川県立柏陽高等学校 間辺広樹先生からのメッセージ
 ・問題解説
という構成になっています。

高校教科「情報」シンポジウム2015春 慶應義塾大学SFC一般入試『情報』参考試験

こちらは、ジョーシンと呼ばれる学会の発表をまとめたものです。SFCの植原啓介先生が、得点率の低かった問題などについて述べています。

第2優先:情報入試研究会>大学情報入試全国模擬試験

情報入試研究会>資料内に情報入試研究会の実施した大学情報入試全国模擬試験の過去問があります。SFC公式模試の次に重要な問題です。
 ・試作入試問題 #001 (2013/04/14訂正版)
 ・第1回問題(2013/05/18実施, #002)
 ・第2回問題(2014/02/22実施, #003)
 ・第3回問題(2015/02/21実施, #004)

あなたにとって、「情報」は、入試科目ですか?

早稲田大学 辰己 丈夫先生(現放送大学)の2013 PC Conferenceでの原稿内のp222 6情報入試研究会に、この情報入試研究会について記載があり、情報入試研究会がSFCの情報入試の参考にされていることが記載されています。(平たくいうと「へい、SFCでは情報入試をやるぜ。でもその前にトライアルを何回かするぜ。お前らも一緒にやらね?」というトーンで学会発足という感じでしょうか。)

だから、この情報入試研究会の問題もSFCの入試の参考として活用されていると考えられるため、最低限できるようになっておく方がいいでしょう。ちなみにこちらも「キミのミライ発見」に参考記事が記載されています。

第1回

実施報告および解説(植原啓介先生 慶應義塾大学環境情報学部准教授)
実施結果の分析と問題の講評(奥村晴彦先生 三重大学教育学部教授)

第2回

第2回大学情報入試全国模擬試験団体受験報告 水野修治先生(愛知県立高校)
第2回大学情報入試全国模擬試験解説 辰己丈夫先生(放送大学)

第3回

第3回大学情報入試全国模擬試験問題解説 佐久間拓也先生(文教大学)
第3回大学情報入試全国模擬試験実施結果 谷 聖一先生(日本大学)

第3優先:明治大学情報コミュニケーション学部 「情報科」入試

いわゆる「難関大」の中で、SFCに先んじて情報入試を導入した明治大学の問題も、SFCの入試問題以外に重要な手がかりになると考えられます。
「情報」入試は大学からのメッセージ ~明治大学情報コミュニケーション学部 2013年度「情報科」入試を実施して

その他

センター試験

センター試験では、過去から「情報関係基礎」という科目が実施されています。センター試験は、良質な問題が多いので、センター試験の問題の中から、SFCの情報入試に出題されそうな問題を選んでやるのもよいと思います。

【公式サイト】独立行政法人 大学入試センター>過去のデータ>過去3年間分の試験問題
【個人サイト】センター情報研究室(平成19年度から平成25年度まで)

その他大学の情報入試

駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部 グローバル・メディア学科は、2014年度までは数学の問題の一部として、2015年度からは入試の科目として情報入試を導入しているようです。その他は、河合塾が作成しているサイトがあります。情報入試問題検索サイトです。「教員用」となっており、受験生からは見つけづらくなっていますが、きれいにまとまっているので、すごく参考になるはずです。

ITパスポート試験

実際に問題に取り組んだ方によると、SFC入試はITパスポート試験に似ている、と言われます。ITパスポートは世の中にたくさん参考書が出ています。
SFCの参考問題等に取り組んだあとに、こうした参考書に掲載されている問題のうち、傾向が似ている問題を解いてみるのもよいかもしれません。