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2011年01月

2010年 資料文1を読み込む 1

SFC小論文を習得するための知識は過去問に詰まっています。これは本当です。ただし、SFCが好きな出題分野の知識は過去問に蓄積されているから過去問をしっかり読もう、という意見には、半分賛成、半分反対です。「SFCが好きな出題分野の知識は過去問に蓄積されている」部分に関しては賛成です。しかし、SFC小論文は適性テストであって、知識テストではありません。だから、出題分野の知識を習得するために、SFC小論文の過去問を読みこむことは本質的ではありません。「SFC小論文の過去問を通して、総合政策学アプローチを習得する」のが本質です。その後、総合政策学アプローチを理解してからゆっくりとSFCが好きそうな出題分野をカバーしていけばよいのです。

では「総合政策学アプローチとは何か」を過去問から読み解いていきましょう。教材として一番よいのは、2010年資料文1です。やや論の展開の仕方が強引である部分もあるものの、全体としてSFCの思想がまとまっている上に、分かりやすい文章でもあります。
(なお、以降の引用箇所の著作権は各著作者にございます。)

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学生:(中略)。経済学、社会学、政治学と並ぶ「総合政策学」を専門にしようと思ってSFCに来たのですが、「総合政策」という意味がいま一つはっきりしないのが悩みです。
少し誤解を生じそうな部分なので注を入れますと、十分慣れるまでは、「総合政策学」と「他の学問」は全く質が異なる学問である、と理解したほうが誤解がなく読み進めます。だから、この部分は「総合政策学って何ですか?」という質問を学生が先生にしているシーンとして思い浮かべましょう。
先生:SFCの中心理念は何かと尋ねれば、問題発見・解決だという答えが返ってくるのは知っているよね。(中略)。もちろん、これまで多くの学問が人間社会に存在する何らかの問題を解決することを追求してきているのだけれども、その多くは個別の学問体系を発展させる中で、問題を解決できればよい、ということだったのではないかな。それに比べ、SFCは問題解決こそが中心だということで、問題発見・解決を前面に打ち出したことが、決定的に違うんだな。
ここも割り切ってとらえてしまいましょう。「総合政策学は問題解決を中心理念に置く学問である。」程度のざっくりとしたイメージをもってください。誤解を恐れずに言えば、「総合政策学とは、問題解決学のことである。」ぐらい極端な理解でもかまいません。ポイントを押さえずに理解するよりはずいぶんマシです。

これまでの経済学、社会学、政治学を含む多くの学問が「個別の学問体系を発展させる中で、問題を解決できればいい」と考え「問題解決は二の次」としてきた一方、総合政策学は「問題解決こそが中心」と考えてきたことです。つまりは、他の学問は「個別の学問体系が第一で、問題解決は副次的」「総合政策学は問題解決が第一で、学問体系は副次的」です。

ここも誤解を招く表現があります。文章中で「問題発見」「問題解決」という二つの言葉を出している部分です。「総合政策学は問題解決を中心理念に置く」というのが根本です。つまりは、「問題発見」は中心理念ではない、と思って下さい。より正確にいえば、「問題解決」のためには「問題発見が不可欠」だから、「問題解決」と「問題発見」を前面に打ち出しているのです。
先生:総合政策学は、政策問題を解決する学問だと言っていいと思うよ。…(中略)…。「総合政策」の「政策」は、いわゆる国の政策だけでなく、いろいろなレベルや主体の政策(戦略・方針)を含んだ概念なのだよ。…(中略)…。つまり、「総合政策」の政策の主体は、いわゆる行政(ガバメント)だけでなく、企業や市民団体などいろいろな人達を含んでいるということだ。主体が多様になると、それぞれの意思決定がバラバラにならないように調整する仕組み(意思決定の規律)が必要だね。

ここも単純化してしまいましょう。総合政策学の『政策』とは、『国や地方公共団体による解決策』を意味するのではなく、単に『問題解決策』という意味です。この理解で十分です。むしろ、社会や政治という枠組みから、総合政策学を考える事は間違いである、と思って下さい。

筆者が強調している論理と少し外れますが重要な点を強調しておきますと、「政策」を行う主体は「悪いと考えられる状態をよいと考えられる状態」に変化させるということです。言いかえれば、「政策」を設定する際には必ず「悪い状態」と「良い状態」を決める必要があります。

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一旦、このあたりではじめのまとめをしてしまいます。

 1.総合政策学は問題解決を中心理念に置く。
 2.問題解決を行うためには問題発見が不可欠である。
 3.政策は「あらゆる主体による解決策」を含む概念である


では、続きにいきましょう。