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2012年02月

「解決策」とは?:総合政策的アプローチの理解を深める

さて「問題」及びその「構造化」について順方向・逆方向から説明してきました。「解決策」は、順方向と逆方向の定義をあまり厳しく分ける必要はありません。

『解決策』の定義
「現状」を「目標」に変えるために行う行動

順方向で考える場合は、「現状」を「目標」に変えるために行う行動の一覧から実現可能な有限個の行動を選びます。逆方向の場合は、実現可能な有限個の行動が事前に与えられていることになります。その点で違いはあるものの、定義を変えるほど大きな違いではありません。

解決策は「事実」を変える

「解決策」は必ず「現状」つまり「事実」を変えることで問題を解決します。SFC小論文、というか、オリジナリティの観点でよく陥りがちな失敗を避けるため、これは意識しておいてください。つまり、「解釈」を変えることは「問題解決」ではない、とするという立場です。例をあげてみましょう。

志望校に落ちた友人に対して「その学校は君に合ってなかったんだよ」と慰める。

という行動ですが、これは行動する主体である「あなた」にとっては「解決策」です。「自分に合った大学に行けないことで落ち込んでいる」という事実を、「自分に合わない大学には行く必要がないと認識する」という事実に変更するからです。ところが、これは本人にとっては「解決策」ではありません。「落ちた」という現実は変わらないわけですから。本人にとっては「問題の再設定」を行ったことになります。つまり、「価値観」、物差しを変えただけです。

普通の人と異なる価値観を差し挟むことを「オリジナリティ」と考えて、そこをがんばる人がいますが、それ自体は所詮解決策を考えていることにはならず、「問題の再設定」をやりなおしているだけです。オリジナリティのある価値観は世間の反対をやればいいわけですから、比較的思いつきやすいです。つまりは、陥りやすい罠ということになります。「認識を変える」解決策は乱用しない方が無難です。

解決策の種類

解決策は「現状の変更」ですから、大別して2つしか方法はありません。

解決策の種類
・既存の事実を変更(削除も含む)する。
・新しい事実を追加する。

前者は、既存の事実そのものを変更することで「現在の悪い状況」を「良い状況」に変えます。後者は、新しい事実を追加することで全体として「よい状況」に変えます。これは比較的分かりやすいので例をあげるに留めます。

例1:体育の後で、汗をかいたため、汗臭い
・既存の事実を変更する=シャワーで汗を流す、タオルを吹く
・新しい事実を追加する=デオドラントを使う

例2:やばい。太ってしまった。
・既存の事実を変更する=ダイエットをする
・新しい事実を追加する=ちょっとゆったりめの服を買う

どちらかというと後者の方がよくない気がしてしまいますけどね。

例3:風邪を引いた
・既存の事実を変更する=ゆっくり休息をとる(ウイルスを退治する)
・新しい事実を追加する=せき止めの薬をのむ

風邪の特効薬は、今のところ存在しないので、新しい事実を追加する方法が主流となります。これは問題の設定次第で、「せきがひどい」を問題にすれば、「咳止めの薬を飲む」は「既存の事実を変更する」になります。この区別をつけることが重要なわけでなく、こういう区別から考えることで幅広い考え方ができる、ということです。

「解決策」は全てを含む

「解決策」は総合政策的アプローチの観点で考えると、「問題」も「構造化」の双方を含んでいます。「問題」と「構造化」は「順方向」の場合、スタート時点では「解決策」を含みません。正確には、「問題」は「構造化」と「解決策」を含まず、「構造化」は「解決策」を含みません。

一方で「逆方向」の場合、「問題」も「構造化」も共に「解決策」を含んだ定義となります。これは、「解決策」が「問題」と「構造化」を含んでいるためです。総合政策的アプローチの練習を順方向で行うのは、逆方向で行うよりも難しい行為です。スタート時点で「構造化」も「解決策」もない「問題」を考えるよりは、「逆方向」から考えた方が練習はやりやすいです。出題は、「順方向」「逆方向」問わず出題されるので、どちらか片方しかできないのは考えものですが、練習は「逆方向」からスタートした方がいいかもしれません。