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2012年03月

問題の「構造化」とは?:総合政策的アプローチの理解を深める

「問題」とは?:総合政策的アプローチの理解を深めるに引き続き、総合政策的アプローチの理解を深めるための、応用的な定義を続けたいと思います。

問題の構造化:順方向の定義

『問題の構造化』の定義
現状に影響を与えている他の事実及びその相互関係

です。「現状」は前回定義したように、

現状…問題が対象とする事実

ですので、価値観の含まれていない「事実」です。これと、また別の「事実」との相互関係を考えることが問題の構造化です。

例:最近勉強できてないなぁ。

最近、勉強できてないなぁ。どうしてだろう。この間買った本が読みかけで気になるのが原因かな。それとも、来週の模試のことを気にし過ぎているのが原因かな。この間の模試が悪かったのが原因かな。集中力が欠けているのかな。

これを「問題の構造化」としてしっかり書くと、例えば

現状:勉強時間が想定より少ない。
事実1:この間買った本が読みかけである。
事実2:来週に模擬試験がある。
事実3:前回の模試の結果、志望校がD判定だった。
相互関係1:「本が読みかけ」であり、気が散ってしまう。
相互関係2:前回の模試が悪かったことが気になってしまい、次回の模試を恐れている。
相互関係3:「気が散ったり」「恐れ」から「集中力が欠けてしまう」
相互関係4:集中力が欠けているため、思い通りに勉強が進まない。

という感じに書けます。この「問題の構造化」のプロセスは、人によって違う結果になって当たり前ですし、答えはありません。作ってみたものが「もっともらしい」ならば、それで全部OKです。その人の現状に当てはまってさえいれば。

現状:勉強時間が想定より少ない。
事実:恋してしまった。
相互関係:「恋」のため集中できない。

でもかまいません。小論文の場合、出題されている資料文にもよります。2010年の出題であれば、資料文に記載された主要な事実を網羅して相互関係づけることが重要となります。けれども「新しい生活用品」のようなテーマであれば「恋してしまった」レベルの「問題の構造化」は許されると思います。「叫び装置」が許されるのですから。このあたりは設問から探っていくしかありません。

問題の構造化:逆方向の定義

『問題の構造化』の定義
解決策が影響を与える事実と現状間の相互関係

です。順方向であれば、何を解決策としていいのかが分からないため、たくさんの現状に関係する事実を網羅する必要がありますが、解決策は「問題の設定」「問題の構造化」が終わったあとのフェーズですので、ある程度関係する事実を絞ったあとになります。だから「解決策」に焦点をあてれば自然とその事実の範囲は狭まります。

解決策は事実にしか影響を与えられない。

解決策は「事実」にしか影響を与えられません。相互関係は複数の事実間の影響関係ですから「事実」が決まらないと相互関係は決まりません。(学問的にはこの単純化はいまいちですが、小論文の場合はこの思いきりをしたほうが分かりやすくなります。)これを念頭に置くと解決策とは、「既存の事実を変える」「新しい事実を付け加える」のどちらかしかありえないのですが、この辺の話はまた次回。

例:最近勉強できてないなぁ。

「解決策:①この間買った本を読む。②最近の自分の学習内容の習熟度を確認する。

①は簡単です。事実1が「本を読み終わる」に変わるため、「相互関係1」や「相互関係3」の一部はなくなります。代わりに「勉強時間が2時間減る」という事実4が加わります。②は多少やっかいですね。「前回の模試が悪い」という事実はとんでもない誤採点や答案取り違えがないかぎり変わりようがありません。だから、「それ以降の学習状況を自分で再認する」という事実を追加します。そうすることで、「相互関係2」が「前回の模試は悪かったものの、以降の成長は確認できるため、次回の模試は期待できる」に変わるかもしれません。

もうお気づきだと思いますが、

実行可能性…事実を変えることが可能か、事実を追加することが可能か
実効可能性…相互関係が期待通りに変わるか
副作用の検討…予期せぬ事実が発生しないか(予期せぬ相互関係が発生した結果、を含む)

に対応します。逆方向に考える場合、「問題の構造化」は「解決策の検討」と同義です。