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2012年05月

王道「幅広い知識を身につける」を断罪するための3つの理由

私がこのブログを作るきっかけとなったことのひとつに、多くのサイトやブログで説明されている「SFC小論文で合格点をとるために、最も重要なことは幅広い知識を身につけることである。」という主張に納得がいかない、という理由があります。私はこれに大反対です。少なくとも「最も重要なこと」ではありませんし、合格のために必須でもありません。強いて言うのならば、「資料をはやく読むためには、幅広い知識が不可欠です。」ぐらいだと思っています。ここでは、なぜそれが言えるのかの3つの理由を説明したいと思います。

合格者の大半は深い知識を持っているわけではありません

SFCに入学した人でないと分からないかもしれませんが、深い知識を持って入学してくる人は本当に限られます。ほんの一握りと言ってもいいかもしれません。大半は普通の高校生レベルです。「AO入試や推薦入試で入学した人が多いからなんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、特に入試の方式に限らず、小論文の資料文の内容をしっかり説明できることができる学生なんてほとんどいません。つまりは、「知識が合格の為に必須」というのは真っ赤なウソなのです。知識がなくても合格している人が大勢いるのですから

同じことは、授業を見ても分かります。インターネット上のブログや、予備校の先生が参考図書の一覧を見せて、「これを読んで理解すれば受かる」などと言っています。ところが、このリストにある本のうちいくらかは授業の教科書や参考図書になったりします。アフォーダンス等は「どうしてSFCの先生たちは、こんなにアフォーダンスが好きなの?」というぐらい必ず参考図書に上がります。合格必須知識なのであれば、参考図書に挙げる必要はありませんし、授業でアフォーダンスの話をする必要はありません。だから、明らかにSFCの先生は、入学時にアフォーダンスを知っている必要はないと思っているんです。

SFC過去問をカバーできるほど、広い知識を身につけるには莫大な時間がかかります


「知識」のみでSFC小論文に勝負を挑もうと思うと、莫大な知識が必要となります。アフォーダンス?オートポイエーシス?シャノン・ウィーバーの情報理論?サイバネティクス?おまけに身体知?(2013年入試後に追記してます。)まともに理解しようと思うと、この5つのテーマだけで、数年かかります。アフォーダンスは専門家の間でも誤解が生じるほど難しい概念ですし、オートポイエーシスは「体感」しないと分からないと言われています。シャノン・ウィーバーの情報理論は数学をしっかり分からないと理解もできません。対数が出てきただけで、全く理解ができないSFC生もたくさんいます。こういうものを「身につける」のは無理ですし無駄です。

資料文のみを見て、SFC小論文を「大学院レベル」という人もいますし、資料文のみであれば「大学院レベル」といっても過言ではありません。ただし、出題レベルが「大学院レベル」なわけではありません。本番で資料を読んで利用できるぐらいの常識があれば充分です。大学院生を目指す必要はありません。

そもそもSFCはマニアックなところをついてきます


 過去問でも出題された「アフォーダンス」の概念は受験生をどきっとさせます。これを見ると、「近代科学哲学」をしっかり勉強しなければならない気になります。詳細はここでは割愛しますが、SFCの過去問で出てきた「アフォーダンス」は、ギブソンという生物学者が提唱した「アフォーダンス」概念ではなく、それをある意味誤用してしまったノーマンの「アフォーダンス」概念です。「数学的帰納法は、帰納法ではなく演繹法である」(関連記事:「帰納」と「演繹」(と、「アブダクション」)というのと同じぐらいのズレがあります。ところが、このノーマンの「アフォーダンス」はここ10年間でも2回出題されています。誤用したアフォーダンス概念を何度も出題しているわけです。

他にもいろいろあります。過去問の資料文の「オートポイエーシスシステム」も出題文だけを見れば「自己組織化システム」と区別がつきません。出題文の筆者の誤用や誤解かもしれませんし、分かっていて省略したのかもしれません。社会システムをオートポイエーシス・システムとして説明するのは、現代の社会学の流れのうちの一つですから。他の年度でも、教育学の資料文で、「デューイ」と「カント」が出題されています。その中で、「デューイ」の文章はデューイの功績に見合った出題文ですが、「カント」の出題文は、カンティアンか教育学に造詣が深い人でないと、絶対に事前に勉強しているわけがないところから引用しています。

SFCの出題文はそもそもマニアック過ぎて、全範囲をカバーすること自体不可能です。同じ概念でも端っこの方をついてくるため、変に概念を機械的に暗記学習することは逆に害悪になるかもしれません。

*****

という理由で、私はSFC小論文を「知識必須」と考えることには反対です。もちろん、持っていた方がいい知識もあるし、「損をしない」こともあります。ただし、知識は必須ではないので、知識に対してはもっと気楽に構えてもいいと思うのです。

では、「何が大事なの?」と言われたら、このブログで説明している「総合政策的アプローチ」が一番大事です、とちゃっかり宣伝してしまいます。

1ページで把握する「総合政策的アプローチ」

はじめに

「総合政策的アプローチ」は一種の「フレームワーク思考」です。詳細は、総合政策的アプローチに必須な哲学「フレームワーク思考」の利用に譲りますが、端的に言えば「総合政策的アプローチ」とは「問題に対して効果的に取り組むための切り口のひとつ」です。したがって、

・「総合政策的アプローチ」の「内容」を理解する。
・「総合政策的アプローチ」を実際の問題解決に使用する。

ことがSFC小論文で合格点を取るために重要となります。このエントリーには、「総合政策的アプローチ」のエッセンスを全て詰め込みました。

・毎日の復習に使うもよし。
・模試や入試前日に読むのもよし。
・ここだけ読んでこのブログを立ち去るもよし。
・トイレ・玄関に貼るもよし、下敷きに入れるもよし。

これを読んで、興味を持った方やもう少し理解したい、と思った方は、それぞれの関連ページに進んでください。

SFC小論文に合格するために重要な「信念」

重要な信念
・「SFC小論文」は、「SFCで活躍できる適性があるかどうかを確認する適性テスト」です。
・「SFC小論文」は、大学の出題に合わせて「適性がある」ことを示せばOKです。
・「SFCで活躍できる適性」とは「SFC固有の問題解決に対する取り組み方になじめるか」という適性です。
・「総合政策的アプローチ」は、「SFC特有の問題解決に対する取り組み方」を、「小論文用にまとめたフレームワーク」です。

総合政策的アプローチ

総合政策的アプローチ
1.問題の再設定
①価値観を設定する。
②①に基づいて、現在が「悪い状態」であることを示す。

【出題頻度】「要」の部分であり、両学部とも頻出です。
1.問題の再設定:3ページで理解する総合政策的アプローチ

2.問題の構造化
③1.で設定した問題が生じている要因を分析する。

【出題頻度】この部分のみ単独で出題されることはありません。
2.問題の構造化:3ページで理解する総合政策的アプローチ

3.解決策の検討
④1.で設定した問題に対する解決策を決定する。
⑤実効可能生の検討:④の解決策が「実際に効果があるかどうか」を検証する
 ※2.のステップで分析した原因に対する解決策となっているかどうかを検証する。
⑥実行可能性の検討:④の解決策が「実行」できるかどうかを検証
⑦副作用の検討:④の解決策に「副作用」「実行した場合に困ること」がないかどうかを検証

【出題頻度】出題頻度は2番目に高いです。環境情報学部は、こちらが出題されることの方が多い。
3.解決策の検討:3ページで理解する総合政策的アプローチ

「情報」を理解したいなら

環境情報学の小論文で失敗したくない人にオススメです。総合政策をメインで考えている方は、気になればどうぞぐらいの本です。

SFC、特に環境情報学部の小論文において、「情報」という考え方を理解するのは一苦労です。

ついインターネットやコンピューターの考え方に惑わされて「情報」の本質を見失うからです。

言葉は重要ではないのですが、SFCの課題文に出てきてもおかしくはない部分なので、固有名詞を含めて書いてみます。まず、長らく情報学は「シャノン・ウィーバーの情報観」を中心に据えていました。シャノン・ウィーバーの情報観を誤解を恐れずにすぱっと書いてしまうと、「メッセージをいかにしてロスなく受け手の手元まで届けるか」を重視する情報観です。だから、当然インターネットやコンピューターにおける情報伝達としては、いかに「速く」「正確に」伝えるか、ということが主眼になってきました。

一方、SFCで重視する「情報」とは、「メッセージを受け取った主体がいかにして問題解決行動に結び付けるか」を主眼におく情報観の立場をとります。ミクロ経済学において、「情報」は、「情報を受けとったことによって次にとる行動が変わるかどうか」で「価値あるかどうか」を判断します。SFCでの「情報」はこの観点に近い情報と思えばよいです。

「メッセージ」を受け取ることで、「行動」が変われば、それが「情報」。そうならなければ、それはSFCでの「情報」と思わない方が端的には理解しやすいでしょう。

「測る」という小論文が出たことがありますが、「いかに測れないものを測るか」というテーマに挑戦する人が多い。こういうひとはほとんど落とされてもいいとおもってます。重要なのは、「何をするために何を測るか」、測った情報をどう使うか、です。但し、測るというテーマには数値化あるいは比較可能性という別のテーマがあるので、そこも一緒に考えなければならないのでちょっと面倒な問題でしたが。いずれにせよ、SFCでの情報の本質をとらえていた方がとっくみやすい問題でした。

そういう「情報」について、コテコテ書いた本が、「わたしが情報について語るなら」です。本当は同じ著者の「知の編集工学」を読んだ方が深く理解できるのですが、かなりオーバーワーク気味になるので前者で十分です。すでに入学した方には後者を読んでほしいです。浪人生で後者読んでもいいですけど、「理系」も「文系」も関係なくバカスカ話が進む割に、筆者自体が頭が良すぎていろいろ論理展開を飛ばすので、「濃い実例」が読める分ちょっと受験勉強にはつらい。前者は基本的には子供向けなので読みやすいです。読みやすい前者を読んだ後に後者を読むと愕然とすると思います。前者で書いてあることを何も分かってなかった、と。

#SFC合格するために理解すべき本質は、「情報」をいかによい「問題解決行動」に結びつけるか、ということだけなんですけどね。一行で書くと分かりやすいんですが、これを小論文に生かすには実例をしっかり分かっていた方がいいわけです。

Q:「日本の論点」は読んだほうがいいですか。

Q:多くのサイトやブログで「日本の論点」を読むことを薦めています。読んだ方がいいでしょうか。
A:合格に不可欠な本だとは思いませんが、特にニュースを見ない人は読んだ方がいいです。
 SFC小論文は、「人文・社会に関する幅広い知識」「サイエンス・テクノロジーに関する幅広い知識」を求める試験だ、という意見が多い気がします。個人的には、これは「誤解」だと確信しています。
 幅広い知識を有する人がほしければ、「センター入試」「ICU形式の入試」「政経を試験科目に入れる」「課題図書指定入試(法政大学のある学部で採用してますね)」などを行った方がよほど試験の効率がいいはずです。「日本の論点」や「現代用語の基礎知識」を課題図書にして入試をやれば、「幅広い知識」を暗記した学生がたくさん集まります。でも、SFCはその形式の試験にはしません。SFCがほしいのは、幅広い知識を有する学生ではないからです。
 これに対する反論として、「過去問研究をすると、テーマ性のある幅広い範囲の資料文が出ている」というものがあります。SFCは「問題解決を中心理念として、問題解決の手法として既存の個別科学の知見を用いる」んだから、「個別科学の知見」が広範囲に広がるのは当然なのです。
(設問文より抜粋)最後の資料6は、あるものの探求を目的とする「認識科学」とあるべきものの探求を目的とする「設計科学」からなる新しい学術の体系を論じています。総合政策学はいうまでもなく設計科学で、その核心は価値を作り出し、合理的に実現することにあります。

(資料文6より抜粋)一方、設計は人間のためのものであるから、設計科学の対象は人工物システムである。人工物システムは人間の全体性を現しており、領域に細分化された認識科学とは異なって分野を横断する統合を強く志向する。すなわち、認識科学を縦糸とすれば、設計科学はそれらを結びつける横糸である。
総合政策学部2011より抜粋
と、資料文でも述べられている通り、「幅広い知識」という「縦糸」を結びつける「横糸」としての「設計科学」がSFCの理念です。そんな学部で「横糸」を持つ人材を集めようとするかどうか、少し考えれば分かることです。「総合政策学」を反映した縦糸である「総合政策的アプローチ」のほうが単に横糸としての「知識」を身につける方法よりもSFC小論文には有効なのです。

ただし「知識」があると便利なこともたくさんあります。
 ・「知っている内容」は読む時間が速くなる。
 ・試験本番で「知っている内容」が出ると「あせり」が少なくなる。
 ・たまたま「知識」の内容が「総合政策的アプローチ」の形式になっていれば点数が高くなる。
 ・「アイデア」や「思いつき」は知っていることが多いほど思いつきやすい。
etcです。これはSFC小論文の本質ではないものの重要なことです。だから、「知識」を身につけることが「不要」だとまではいいませんが、「本質」だとはどうしてもいえません。
 もし「日本の論点」を読むのであれば、「総合政策的アプローチ」をつかって読んでみてください。すると、知識もSFC用に使える知識になります。

「知識がある」ことが合格の邪魔をする可能性も否定できません

SFC(環境情報、総合政策双方)の小論文は、受験生がSFCで勉強する為の素地を備えているかどうかを確認する適性テストであり、その適性とは「問題解決」に係る基礎があるかどうかです。だから、SFC小論文は、必ず「問題」又は「解決策」を主軸とした問題を出します。

出題形式は様々です。身近な問題解決や社会問題の解決まで色々です。

このうち、「身近な問題解決」は取り組みがある意味簡単です。
少なくとも、「総合政策アプローチ」にしたがった答案を書けばよいのですから。

ところが、「社会問題の解決」は少し難しい部分があります。なぜならば、ある程度の予備知識が合った方が問題を理解しやすい一方、あまりにも知識がありすぎると知識を羅列した答案しか書けなくなるからです。

SFC小論文では「問題解決」を中心とした小論文を書けばよいのですから、「問題」を明らかにさえできるだけの知識があれば十分です。事前の知識がなくても通常の場合、出題文に記載されています。この出題文にちりばめられた「問題」が「問題たるゆえん」をきちんと書けば、深い知識がなくとも合格できます。

同じ正しい知識に基づいていても「問題」を「問題」として抽出できていないと、SFC小論文では点数が低くなります。どういう価値観に立って、現状を「悪い」と考えるのか、ということを明記する必要があるということです。

知識があれば、もちろんまぐれ合格はしやすくなります。
ただし、せっかくなら確実合格をねらったほうがよいはずです。

英語リーディングの秘密

基礎英文法問題精講でStep3が終わったら、着手したい本です。この本に着手せずに、基礎英文問題精講に着手してもいいのですが、この本に着手した方がその後の成長力が違います。

勉強のしかた

基本的に、この本は目次に合わせて順番にじっくりやっていけばいいです。

10日ぐらいでしっかり終わらせたい参考書です。

英語リーディング教本との違い

この本は有名な「英語リーディング教本」を書いた薬袋善郎さんの本です。出版年でいくと、「英語リーディングの秘密」の方が早く出版されており、この本の演習書の位置づけであるのが「英語リーディング教本」です。

大学受験生にとって重要なのは、両方の本の差でしょうから、両方の本の差について説明しましょう。



差1:「句」の表現方法が違う。「英語リーディング教本」は「副詞」だろうと「副詞句」だろうと同じ「ad」で表記しますが、この本では「ad」と「adp」で区別します。ある程度細かく分けた方が習得しやすい人向けです。
差2:読み物形式であること。「英語リーディングの秘密」の方が読み物として良く出来ているため、章毎に勉強しやすいです。
差3:内容は「英語リーディング教本」の方が詳しい。「英語リーディングの秘密」では例題の形でしか出ていない内容が、「英語リーディング教本」ではまとめられています。

「英語リーディング教本」「英語リーディングの秘密」どちらを使うか

私のオススメは「英語リーディングの秘密」です。特に、中身を順序よく学習したい方には、「英語リーディングの秘密」が向いています。

一方で、マラソン的に同じ問題をひたすらやることが得意な人には、「英語リーディング教本」がオススメです。「どちらがよい」というよりは、「自分に合った本」を選んでください。

受験生に影響のあるあたりはこのへんです。

それでは、このエントリーはまた更新します。

小論文の自己採点はこうやろう

小論文で一番困るのは「自己採点」です。どのサイトでも、小論文は「他の人に見てもらうべし」ということが書かれています。ちなみに、私も同意見です。

が、そんなことを言っても、周囲にそんな人がいない場合は仕方がありません。
そういう時はどうするか?「自己採点」しかありません。

~自己採点方法~

1.自分がその小論文で言いたいことをもう一度紙に抜き出します。

小論文とは「言いたいこと」を伝えるのが最大の目的です。
ということは、あなたの小論文には必ず「言いたいこと」=「主張」があります。
自己採点の第一段階として、その「主張」を今一度紙に抜き出しましょう。
これがすらすらできない場合、「主張」があいまいになっています。

2.自分が書いた小論文について、接続語にチェックを入れます。

小論文では、「言いたいこと=主張」を「論理」という技術を使って伝える必要があります。
文章は一文ではあくまで「単なる主張」あるいは「命題」です。
文章が二文になってはじめて文章は「論理」を形作ります。
このとき、この二文の間をつなぐものが「接続語」です。
逆にいえば、「接続語」が(正しく)使われていることが、
文章が論理的である証明になります。

したがって、自己採点の第二ステップとして、「接続語」に着目しましょう。
もし、接続語があれば、その前後の文章のつながりが正しいかチェックをします。
使っている接続語に違和感があれば、よい接続語を選び直します。
接続語がない場合、何かふさわしい接続語がないかどうか探します。

3.接続語の流れを追って行くと、自分の言いたいこと=主張にたどりつくかどうか を確認する。

文章の最初から終わりまで、接続語を追っていくと、
きちんと「主張」にたどりつけるかどうかを考えてみます。
意外にたどりついていないことの方が多いです。
だからこそ、1ステップ目で「主張」を意識しないと、
文章が正しく書けているかどうかが分からないのです。

*

毎回、こういう自己採点のステップを踏んでいけば少しづつよい文章が書けるようになります。
(そうはいっても、そこそこ上級者向けになってしまうのですが…。)