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2012年06月

SFC小論文の字数と得点について

このエントリーは2017年度版(SFC小論文の字数と得点について 〜2017年度入試版〜)を作成しています。合わせてご確認ください。

はじめに:SFC小論文の字数

SFC小論文は2時間で1,200字〜1,800字の文章を書く必要があります。字数が多いため、毎年「時間不足」や「字数不足」になり不安になる人がたくさん出てきます。特に本番入試後には、毎年のように「字数が埋まっていない人は不合格!」「学科(英語or数学)が出来た人は字数が埋まっていれば合格!」という噂が流れます。

このエントリーでは「SFC小論文と字数」について説明したいと思います。

Q1:文字数8割〜9割での足切りは存在しますか?
Q2:「文字数が多いこと」に対する配点はありますか?
Q3:文字数が多い人の方が合格しやすいですか?

この3つの質問に対してお答えしたいと思います。

Q1:文字数8割〜9割での足切りは存在しますか?

いいえ。存在しないと思われます。

「文字数の足切り」とは、「規定も文字数に達しなければ、小論文を全く採点しない」という採点方法を指します。いくつかの大学では、そういった採点方法を採用しているところもあるようです。また、一般的な小論文の参考書には、字数×90%ぐらいは埋めなさいと書いてあります。だから「文字数が8割〜9割ないと即不合格になる。採点さえされない。」と主張する人がいます。

これに関しては「ほぼ確実にNo」と言えます。たとえば、2015年の合格体験記から集計した結果をみると字数が5割程度での合格者が存在します。また毎年字数が7割程度しか埋まっていなくとも合格する人もいます。

これは「小論文の字数が半分程度であっても採点されている」ということを示しています。実際には、3割しか埋まっていない場合は全く採点しないぐらいのルールはあるかもしれませんが、字数8〜9割での足切りは存在しないと言ってしまっていいと思います。

Q2:「文字数が多いこと」に対する配点はありますか?

99%ノー。字数による足切りがほとんど存在しないのですから、文字数そのものに対する得点もないはずです。

文字数そのものに対する得点とは、95%埋まっていたら+10点、98%埋まっていたら+15点などの採点方法を指します。SFCは2教科入試なのですから、字数に対して得点を付与して、質の悪い学生を取るような無駄はしないでしょう。それなら、知能テストを受けさせた方がましですから。考えられるとしたら、順位450番目近辺で2人のうちどちらか1人を落とす場合で、片方が60%しか埋まっていなくて、片方が90%埋まっている場合には、後者を合格させることはあるかもしれません。それは、おそらく何人もの先生が答案を読んで、それでも甲乙つけがたい、というようなレアケースなので気にする必要はありません。字数を気にして、変な答案を作るよりも、多少字数が足りていなくても、しっかりとした答案を作った方がSFCでは点数はよくなるでしょう。

Q3:文字数が多い人の方が合格しやすいですか?

わかりません。けれども、結果として、その傾向にあるかもしれません。小論文では、出題者が聞きたいことに対して解答する必要があります。出題者がその話に対して「どの程度の内容にまとめてほしいな」と提示してくれているのですから、指定字数に近いぐらい書いていた方が「出題者が聞きたいことに対する答えが書いてある可能性が高い」のです。

例えば、あなたが事故にあって救急車を呼んだとします。その時に救急隊員に「何分ぐらい前に事故にあいましたか」と尋ねられたら、シンプルに「5分前です」と答えればよく、それ以上の情報は救急隊員には不要のはずです。「家を出てしばらくしたら左から猛スピードで車がやってきて...。」と長々と話されても迷惑です。「もっと簡潔に!」と救急隊員に言われる可能性もあります。一方で、お見舞いにきた友達に「いつ事故にあったの?」と尋ねられて「3日前です」とシンプルに答えても、それでは十分ではありません。友達が知りたいのは、通常あなたの容態、事故の状況、深刻さなどでしょうから。こういう場合は、TPOに合わせて答えてあげればいいのです。

一方で、小論文で「1000字以内で」と書かれているということは、「だいたいどれぐらいの分量を知りたいな」とわざわざ指定してくれているのです。だから、SFC小論文の場合、この字数指定は、出題者からの「大いなるヒント」なのです。その証拠に出題者の設問意図にしたがって、構成を寝ると、だいたい字数制限の7割~9割あたりの字数まで埋まることが普通です。逆に言うと、構想を練る段階で、文字数の半分にも満たないような答案を作った段階で、その場合は何かが足りないわけです。「こんな答えになる」というイメージを出題者が提供してくれている、と字数制限を「出題者のヒント」と考えてください。

最後に:字数は気にしすぎるな

SFC小論文については、字数を気にしすぎる必要はないです。字数は「ヒント」なのだから、無視するのはよくありません。但し、得点の足かせになるものではありません。本番では、7割埋まっていれば合格は十分期待できます。練習で字数が足りないのは、出題文から構成をうまく組み立てられていないからです。字数は目安と割り切った方が合格しやすいです。

練習では、しっかり9割程度は埋める練習を!
本番では、7割程度しか埋まらなくても落ち込まない!十分に合格のチャンスあり!!

#他大では、字数が足りてなければ即アウトという大学や、字数自体に得点がある大学もあると思います。このエントリーは、あくまでSFCの小論文について、合格者の体験談等などから推測してまとめたものです。

3ページで理解する総合政策的アプローチ ①問題の設定

総合政策的アプローチ

SFC小論文は「総合政策的アプローチを行う素質があるかどうかを確認する適性テスト」です。「総合政策的アプローチとは、①問題の設定②問題の構造化③解決策の検討」の3ステップから構成される「問題解決のための思考法」です。

今回は、SFC小論文で最も重要な「①問題の設定」のステップについて説明します。

1.「机が狭い問題」を考えてみる
SFC小論文を学ぶために、もっとも基礎となる「机が狭い問題」について考えてみましょう。

Q:さて、「机が狭い」。あなたなら、どうしますか?
A:机を買う、借りる、作る、雑誌を使ってサブデスクを作る、我慢する

よくありそうな答えです。他にも無限に答えはあると思います。普段自分たちがやっている思考方法でもあります。

Q:で、「机が狭い」ってダメなことなの?

そもそも論の質問をしているように思えます。普段から日常生活で常にこういう会話をする人は、周囲の人に嫌われる可能性もあります。注意しましょう。でも、確かになぜ「机が狭い」と対策をしなければならないのか、と言われると明確な答えを出すのは難しいでしょう。
我々の頭の中では、「狭い」は「悪いこと」で、「広い」は「良いこと」という日常感覚的な物差しがあります。ただし、別に机が狭くたって、ひとりでご飯を食べる分には構いませんし、本を1冊置くぐらいならば、何も困ったりしません。

Q:机が狭い。新しい机を買いました。それで?机が広くなっていいことって何?

なんて困った質問をする人なんでしょう。なんとなく、細かくイヤな会話をした気分になりました。

Q:3日後のテストで合格点を取りたい。けれども、勉強するのには机が狭い。机が狭い。さて、どうしましょう。

Q:友達と一緒にクッキーを作りたい。けれども、クッキーを作るには机が狭い。さて、どうしましょう。

前者は「合格すること」がよいことで、後者は「友達と一緒にクッキーを作る」のがよいことです。

Q:机が狭い。新しい机を買いました。それで?机が広くなっていいことって何?
A:それは、勉強がしやすくなり、合格点がとりやすくなることです。
A:それは、友達とクッキーが作れるようになることです。

単に、「机が狭い」「広い」という話をしていたところから、一歩進んで、「合格できる」「友達とクッキーが作れる」という「よいこと」が達成できるようになりました。

2.「問題」の裏にある「価値観」を探す

普段、漠然と「問題」と思っていること(=「机が狭い」)は、実は表面的な問題であることが多いです。「なぜ「机が狭い」ことが問題なのか?」を突き詰めていくと、「合格できないから」「友達と遊べないから」という本当の根っこに行きつきます。この本当の根っこは、「○○がよい。△△が悪い」と表現できます。この「○○がよい。△△が悪い。」という物差しを「価値観」と呼びます。

「問題解決」における「問題」とは「現状が悪い状態であること」ですが、そもそも「悪いとは何か?」を決めないと、何が問題なのかも分かりません。何が「悪い」かは、人によっても違いますし、立場によっても違います。サッカーでキーパーの守りが弱いことは、自分のチームのキーパーの守りが弱ければ「試合に負ける」ので「悪い」、相手チームのキーパーの守りが弱いことは、自分のチームが「試合に勝てる」ので「良い」ことになります。

「今、誰の立場に立ってどういう状況を「良い」「悪い」と判断するのか?」を明確にしないと、「問題」について語るのではなく、単に「問題っぽいもの」について語ることになり、その後の解決策に結び付きません。

Q:(友達とクッキーが作りたいけれど)「机が狭い」。さて、どうしよう。
A:お父さんの部屋にある高級机を持ち込んでこよう。

「机が狭い」のみにこだわっていると、こういう変な解決策を思いつくことになります。お父さんの高級机で料理はできそうにないですよね。これでは、問題は解決していません。問題を本当に解決するためには、その後ろにある「価値観」を一緒に考えないといけないわけです。

逆に言うと、この「価値観」を探すことが、「本当の問題」を見つけることにつながります。

3.問題の設定

普段、自分たちが「問題」と思っているものは、「しっかりと「何がよいことで、何がわるいこと」なのかを定めないままの中途半端な問題っぽいもの」でしかありません。ところが、問題が根深いものであればあるほど、「何がよいことで何がわるいことなのか」という価値観を明確にしないと、自分が思っている「よい状態」になりません。SFC小論文では「あなたは価値観に立ち戻って問題を考えていますか。」ということが問われます。そうしなければ、本当の問題解決ができないからです。

つまり、問題の設定ステップでは、
   ① 「良い」「悪い」の基準(=価値観)を選択
   ②現在が「悪い」状態であることを提示
という2つができているか、または特に①ができているか、という適性の確認がされていることになります。

SFC小論文では、半分ほどの問題がここのフェーズを尋ねられています。なぜか?「価値観」に立ち戻るのが難しいからです。「机が狭い」のは「悪いこと」を当然と思ってしまうからです。そういう思考の人はSFCでは勉強できません。だから、そういう人は合格できません。

逆にいえば、この思考方法をマスターすると自然と合格に近付いて行くのです。

3ページで理解する総合政策的アプローチ ②問題の構造化

SFC小論文は「総合政策的アプローチを行う素質があるかどうかを確認する適性テスト」です。「総合政策的アプローチとは、①問題の設定②問題の構造化③解決策の検討」の3ステップから構成される「問題解決のための思考法」です。「思考法」だからこそ、普段から反射的にこれができるようになっていると、合格の可能性はぐんとあがります。

今回は、SFC小論文の過去問では、あまり表に出てこない2ステップ目を説明します。(近年では、2010年に出題されています。)

第1ステップで、問題を設定しました。では、すぐに解決策を考えますか。いいえ、ここでさらにもう1ステップ考える必要があります。「どうしてその問題が起こってるんですか?」という問題の原因を追及することです。なぜ、このステップが必要になるのか、考えてみましょう。

(例1)
問題:部屋が汚い。
解決策:掃除しよう。

ばっちりでしょうか。そう見えます。では、次の例をみてください。

(例2)
問題:部屋が汚い。
原因:弟が勝手に部屋に入ってきて、本棚の漫画を読み散らかす。
解決策:掃除しよう。

一文入れただけで、解決策が無意味になった気がしませんか。もちろん、部屋の掃除をする必要がありますが、それをし続けたところでイタチごっこです。

(例3)
問題:部屋が汚い。
原因:弟が勝手に部屋に入ってきて、本棚の漫画を読み散らかす。
解決策:部屋にかぎをかけよう

こう見ると解決した気がしますよね。このように、「問題」の「原因」を追究することによって、適切な解決策をとることができるのです。2ステップ目は「原因」が重要。これさえ押さえていれば十分です。



3ページで理解する総合政策的アプローチ ③解決策の検討

何度も書きます。しつこく書きます。SFC小論文は「総合政策的アプローチを行う素質があるかどうかを確認する適性テスト」です。「総合政策的アプローチとは、①問題の設定②問題の構造化③解決策の検討」の3ステップから構成される「問題を解決する方法を考えるための手順」です。つまりは、単にこの手順を覚えることに意味はなく、実際にこの手順を使ってみることで、自然とSFC小論文で高得点がとれるようになります。

最後は「③解決策の検討」です。①②のステップが正しくできていないと③がグダグダになったりします。

解決策の検討については、「A:実行可能性があるか」「B:実効可能性があるか」「C:副作用はあるか」の3角度から見ます。順に「その解決策をちゃんと行うことができますか?」「解決策はちゃんと効果がありますか?」「解決策を行うことで別の悪いことが起こりませんか。」という3確認をする必要がある、ということです。

(例1)
好きな人ができました。どうしても付き合いたいです。
 解決策1:告白しよう。
 解決策2:ドラえもんから惚れ薬をもらって飲ませよう。
 解決策3:監禁して「Yes」と言わせよう。

解決策1は、「実行」はできそうです。だから、「AはOK」。人によっては、「恥ずかしくてできないよ」という人もいるかもしれませんが、それを含めて実行可能性の検討です。「B:効果があるか」というと当然「振られる可能性」もあるので効果は保証はされません。「C:副作用」は、「うわさになっちゃう」「気まずくなる」ぐらいでしょうか。

解決策2は、「A:実行」が難しいです。いま、少なくとも「ドラえもん」はいませんから。(地球のどこかにはいるかもしれませんが。)逆に「B:効果」はすごく期待できそうです。「C:副作用」はあるかもしれませんし、倫理的な問題もありそうです。

解決策3は、「A:実行」は「解決策3」よりは可能性があるけれども、「解決策1」よりは難しいでしょう。「B:効果」は、「付き合えるかもしれないけれども…」ですね。「C:副作用」は…普通「犯罪」です。まぁ、万一両想いで相手がバイオレンス好きなら、「犯罪」にはなりませんけど。

ここで重要となるのは「実効可能性」です。「効果」があるかどうかは、「①問題の設定」「②問題の構造化」と密接に関係します。「ドラえもんから惚れ薬をもらう」解決策で得られる「つきあう」を「うそくさく感じてなんかイヤだ」と思うのは、「①問題の設定」で「つきあう=お互いが『自然な気持ち』で相手にひかれて交際すること が重要」という価値観を「心の中で自然に設定した」からです。「告白しよう」解決策は、「今つきあっていない状態で、その原因が『自分の気持ちを伝えていないから』である場合に有効な解決策」です。「振られちゃうかも」と考えるのは、「今つきあっていない状態の原因が『自分の気持ちを伝えていないから』ではない別の原因にあるから。」です。これは、「②問題の構造化」を心の中で自然にやっているからです。

つまり、「③解決策の検討」は、①②の手順をしっかりと実施しないと有効に機能しないのです。

*

この①~③のプロセスが自然にできること、がSFC合格への一番の早道です。

本気で合格したいならば、ちゃんと小論文の対策はしましょう。

このエントリーをまとめると...
SFCは小論文も採点しているから、ちゃんと小論文の対策をしましょう。

SFC小論文の採点基準は公表されていない

SFC小論文の採点基準は公表されていません。せいぜいアドミッションポリシーや入試要項に記載されている「発想、論理的構成、表現などの総合的能力を問う。」という文章だけです。もちろん、しょうろんブログを書いている私も本当のところは知りません。詳しくはしらないですが、少なくとも入学者選抜実施要項等に基づき、「SFC小論文は、SFCで活躍できる素質を確認するための適性検査」と主張しています。このブログもこの考え方を中心にして構築しています。

だからこそ、飛び交う噂

一方、実際のところは、SFC小論文の採点基準について、みんなが知らないからこそ、いろいろな噂が飛び交っています。ネット上でも、「SFC生だけれども」「関係者に聞いたんだけれども」という言葉を添えて、噂が色々と書かれています。ひどいものになると「小論文は見ていない」という意見まであります。けれども、どちらにせよ「小論文は勉強なしでよい」という意見は間違いです。なぜならば、

少なくとも「真面目に勉強した方が合格確率は高くなる」ということは真理

だからです。

確かに答案の正誤が明らかな学科試験に比べると、小論文は「無駄な努力」になる可能性が高いことは認めます。けれども、SFCは学科試験のみ満点では受かりません。たとえ満点でも落ちる可能性があります。

だから、「小論文」も勉強をした方が合格確率が上がります。

これは当たり前の事実です。

ランダム5

例えば、ICU入試でまことしやかに語られている都市伝説に「ランダム5」というものがあります。「不合格者(あるいは下位5%)の中からランダムに5人を合格させ追跡調査をする」というものです。これに関しては関係者以外ほんとうのことは分からないことですが、一つだけ明らかなことがあります。

「真面目に勉強した方がICUに合格する確率は高い」ということです。「ランダム5」という制度があるとうなかろうと。

SFC小論文は採点基準がよく分かりません。だから「小論文のアイデア重視で5人」「英語or数学の上位5%のうち、小論文の出来が悪い5人選ぶ」などという合格基準がある可能性もあります。それは外部からはわかりません。

けれども、ICUと同様に言えることがあります。

「小論文に真面目に取り組んだ方が合格確率は高い」

という事実です。なぜなら、多くの人は、普通に小論文を書いて合格しているからです。確かにネットの噂や合格者の体験談の中に小論文の出来が悪かったという言葉があるのは事実です。謙遜なのかもしれないし、事実かもしれません。けれども、多くの合格者が少なくとも小論文はそれなりに書けているようにも思えます。だから、噂には惑わされず、しっかりと本質を見抜いて勉強をすることが、合格の近道だと思います。

もちろんSFCにもICUのランダム5のような合格のさせかたがあるかもしれません。そこから導出される教訓は、

当日は休まずに試験を受けた方がいい

ということだけでしょう。



夏休みが終わって、涼しくなってくると、少しずつ不安になってくると思います。けれども、「噂」は所詮「噂」です。自分をしっかり持って、まわりに振り回されず自分のペースで勉強しましょう。「本番で、合格点をとれば合格する」んです。今の点数で合否は決まりません。今の点数が平均より低ければ、その分がんばればよいだけです。

3年度で分かるSFC小論文・2010年度総合政策学部①

2010年度総合政策学部の過去問を精読します。

学生:先生、 湘南藤沢キャンパス (SFC) の総合政策学部に入学して一年近くになりました。充実した大学生活を送っているのですが、この一年弱を振り返ってみて、これからどう勉強を続けていくべきか決断する時期にきています。 経済学、 社会学、 政治学と並ぶ 「総合政策学」 を専門にしようと思ってSFCに来たのですが、「総合政策」という意味がいま一つはっきりしないのが悩みです。別の大学に行った友人からは、「総合政策って一体何なの?」 つて聞かれて困ることがあるし。就職活動の時にも、 「あなたの専門は何?」 と質問されそうで心配です。
先生:そうか、では、僕自身の考えを簡単に述べようか。ただ、あくまでも個人的な見解だよ。
学生:なんらかのヒン トが得られれば良いので、 是非お願いします。
このあたりで、一旦切りましょう。精読すべきポイントがいくつかあります。
この一年弱を振り……時期にきています。 SFCでは他大のようにターニングポイントとなる象徴的なイベントはありません。東大では進振という「成績によるコース分け」があることは有名ですね。SFCでは「研究会所属」という通常二年次に実施されるターニングポイントがあることはあるのですが、方向性が決まっている学生では、1年次から研究会に所属する学生も相当数います。SFCでは、自分でターニングポイントを設定する必要があります。
経済学、 社会学、 政治学と並ぶ 「総合政策学」 を専門に この部分は誤解を招く表現なので注意しましょう。SFCの理念を理解する際に、「経済学」「社会学」「政治学」と「総合政策学」を並列にして理解すると後半で混乱します。ここでは、単に「この文章では学問分野として「総合政策学」について説明します。」という導入部分と思ってください。
就職活動の時にも、 「あなたの専門は何?」 と質問されそうで心配です。 就職活動の面接では、専門職でない場合、誰も正解なんて気にしません。「あなたの専門は?」と聞かれたら、相手に分かりやすく説明すれば正解でなくともいいんです。「ごちゃまぜ学部ですね。」と言って内定をもらう人もたくさんいます。

要はここまでは、導入部です。「総合政策学ってなんですか?」という問いの部分ですね。次行きます。

先生:SFCの中心理念は何かと尋ねれば、 問題発見・解決だという答えが返ってくるのは知っているよね。 これはお隣の環境情報学部も同じだし、 大学院の理念にもつながっている。 もちろん、 これまでの多くの学問が、 人間社会に存在する何らかの問題を解決することを追究してきているのだけれども、その多くは個別の学問体系を発展させる中で、 問題を解決できればよい、 ということだったのではないかな。 それに比べ、 SFCは問題解決こそが中心だということで、 問題発見・解決を前面に打ち出したことが、決定的に違うんだな。
学生:それはよく聞きますが、 その先がよく分からないのです。
先生:まあ、 とりあえず、 話を進めよう。総合政策学は、政策問題を解決する学問だと言っていいと思うよ。


SFCの中心理念は何かと尋ねれば、 問題発見・解決だという答えが返ってくるSFCは問題解決こそが中心だということで、 問題発見・解決を前面に打ち出した この部分も正確に書こうとしている分、かえって混乱しそうな言い回しになっているので注意が必要です。「中心って『問題解決』なの?『問題発見・解決』のどっちがなの?」という疑問が出てきませんか。
 字面だけ読めば、中心理念=問題発見・解決、中心=問題解決ですし、言葉足らずですが、これで正解だと思います。ここはこう理解してください。「SFCでは問題解決を個別学問体系の副産物として考えるのではなく、問題解決そのものをターゲットとして考えよう。問題解決を行う場合、最も重要な部分は問題発見なんだ。だから、『問題解決』そして特に『問題発見』を中心理念としよう。」 中心=問題解決の「中心」は「視点」の意味と捉えると分かりやすいと思います。
これはお隣の環境情報学部も同じだし、 大学院の理念にもつながっている。 環境情報学部と総合政策学部は理念を同一とするため、問題の根底はほぼ同じです。ただし、環境情報学部の方が「情報・認知・環境」というキーワードがある分、少しこの理念から見た応用小論文が出されることが多いです。その意味では、総合政策学部の方が過去問が分かりやすい傾向にあると思います。難易度は大して変わらないと思いますが。

その多くは個別の学問体系を発展させる中で、 問題を解決できればよい 知の分類として、よく引用されるアリストテレスの「知」の分類があります。「エピステーメー(学問知)」「テクネー(技術知)」「フロネーシス(実践知)」です。(アリストテレスについてならば、アリストテレス入門、この「知」の分類について詳細に知りたければ、ニコマコス倫理学〈上〉・ニコマコス倫理学〈下〉をどうぞ。前1冊は、環境情報志望の場合、時間があれば読んでもOK。受験としては、後ろ2冊はオーバーワーク。高1・高2、もしくは入学後のSFC生が読む本。)これまでの大学での学問は、エピステーメおよびテクネーを中心にし、フロネーシスの一部は在野の学者に任されてきた。このフロネーシスの部分、特に問題解決のフロネーシス部分を中心に据えた学部にしよう、とSFC理念を理解しても60%程度は合っているでしょう。

総合政策学は、政策問題を解決する学問だと言っていいと思うよ 前述の通りです。総合政策の中心は「問題解決」なんです。もう少し書き足すとすれば、「総合政策学は、政策を解決する学問(最も重要なポイントのみに絞れば、問題を発見する学問)だと言っていいと思うよ。」という感じでしょうか。SFCの主眼は「問題解決」にある、ことを再掲しています。

学生:えっ、いきなり論理が飛躍したように聞こえますが。 まず、 政策問題って何なのですか。
先生:これが最初の問題だよね。 「総合政策」 の 「政策」 は、 いわゆる国の政策だけでなく、 いろいろなレベルや主体の政策 (戦略・方針) を含んだ概念なのだよ。 環境問題が分かりやすいかも知れない。今や地球温暖化等の問題は、 一つの国で解決できる問題ではないのはわかるよね。 だから、 地球温暖化防止条約のように、国家の枠を超えた全地球的な取り組みが必要だ。
学生:つまり、 国際的な公共政策のことですか。
先生:ちょっと違うかな。 国際条約を結んだら、 自動的に何かが実現するとは限らない。 地球温暖化防止には、 国が果たすべき役割は当然あるし、 都道府県や市町村にもある。 これがいろいろなレベルでという意味だ。
学生:なるほど。
「総合政策」 の 「政策」 は、 いわゆる国の政策だけでなく、 「政策」というと、つい「国が実施するもの」と短絡的に思いがちな人のための前置きです。後に明示されますが、総合政策学部の政策とは「政策問題」を指します。つまりは、単に政策という解決策を指す言葉だけではなく、その政策が解決する問題を視野に入れた言葉として、「政策」を使っています。だからこの部分も「「総合政策」の「政策」は、政策問題を指し、いわゆる国の政策問題だけでなく」と読んだほうがいいでしょう。「解決策と問題は分けることができない」というのは当たり前ですが、特にSFC小論文では強調した方がよい点です。

いろいろなレベルや主体の政策 (戦略・方針) を含んだ概念なのだよ。 この前後は、この文章の難所です。一読目は、「いろんな価値観をもった人が、いろんなやりかたで問題の解決に向けて取り組むんだよ。」と理解すれば十分です。

環境問題が分かりやすいかも知れない。 「いろんな価値観をもった人が、いろんなやりかたで問題の解決に向けて取り組む」のうち、主に「いろんな人たちのいろんなやりかたが必要」部分を分かりやすくするための例として、環境問題を挙げています。 ただ、誤解を生じやすい例でもあるので学生:つまり、 国際的な公共政策のことですか。先生:ちょっと違うかな。 と、補足しています。あくまでポイントは「いろんな人たちのいろんなやりかたが必要」ということを理解しましょう。

要するに「政策」とは、「いろんな価値観をもった人が、いろんなやりかたで問題の解決に向けて取り組むこと」です。
これさえ理解できれば十分です。