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2012年07月

高3 夏休み 勉強法

質問いただいたので詳しめに。

○まず、英語or数学を合格最低点レベルにあげましょう

もし、SFCに受かる可能性を高めたいならば、小論文は後回しです。
理由は簡単。
 ・学科で最低点をクリアしないと小論文は採点さえされない。
 ・学科で最低点をクリアするだけの勉強をするには時間がかかる。
 ・小論文は問題が「価値観」を問う問題である場合、「まぐれ合格」が存在しうる。
  学科でコンスタントに5割は採れないと「まぐれ合格」ほぼない。

英語、数学、英語・数学でも過去問で5割とれるレベルまでに上げてください。
各学科の勉強法はいろんなとこで聞けるでしょうから割愛します。

○小論文の勉強をするのであれば、200文字の文章を20分で書けるようになること

そうはいっても、小論文の勉強をしないと不安だ、という人はいると思います。
ただ厳しいことをいうと、過去問で学科が5割とれないレベルで、
中途半端に小論文に手を出すと、最終的な合格確率は下がります。
だから、そういうレベルの人は、この課題だけやればいいです。

1.「あいうえおかきくけこさしすせそ…」を200文字書いてその時間を測ること×3回
2.過去問、新聞、教科書の文章を200文字分写してその時間を測ること×20回
3.過去問、新聞、教科書の要約を200文字で行うこと×10回。1回の時間は30分。

英語が苦手な人の夏休みにやる小論文対策はこれぐらいでOKです。
まず英語で合格最低点を狙いましょう。

SFC小論文合格のための夏休み読書術

もうすぐ夏休みですね。夏休みには夏期講習やなんかで参考書リストをもらったりすると思います。また、何冊か読むぞ、と意気込んでいる人もいると思います。今回は、SFC小論文合格のための夏休み読書術を書いてみます。

読書でしか学べないこと1:大量の情報処理ができるようになること
SFC小論文は課題文が非常に長いです。そして、多岐にわたります。捨てる文章と捨てない文章をはっきりする必要があります。そのためには、文章をザッピングして大意を読みとる力が必要です。その力は、現代文で培うのは難しいため、SFC小論文用に学ぶ必要があります。新聞をザッピングするか、本をザッピングするかのどちらかが有効です。

本の中で、2~10頁程度の範囲を「要約せよ」と言われた場合、
 1.キーワード1つ
 2.キーセンテンス1つ
 3.3行要約(時間1分程度)
が、できるようになるとよいと思います。

日本の論点などの大型本を読むのであれば、このタイプの勉強法につかうのがいいと思います。書いてあることを網羅しようとしちゃだめです。

読書でしか学べないこと2:SFC的な考え方を学ぶこと
SFC小論文は、「SFCに合わせた思考法」をできるようになるとよいと思います。まず総合政策的アプローチ。このブログで書いている「総合政策的アプローチ」を学ぶ一番よい教材は「過去問」です。その次がこのブログでしょうか(宣伝)。その次はこのブログで書いている3冊がまずオススメです。

子どものための哲学対話
 SFCは、「常識にとらわれない思考」が必要になります。正確にいうと、「価値観を再設定する」ときにいったん自分の頭が自動的に処理している「常識」をうたがってみる必要がある。この「常識を疑う」ことを体感するのにいい本です。常識をうたがうというと「斜に構えた考え方」と理解する人がいます。そういうものじゃないんです。かんたんに読める本なのでオススメです。詳細はこちら

生物から見た世界 (岩波文庫)
 環境情報学部を受ける人にオススメです。本来であれば、アフォーダンス関連の本を勧めたいんですが、アフォーダンス関連の本でやさしい本がないんです。むずかしい本を読むよりは、過去問の方がよっぽどいいですし…。とすると、一番良いのはこの本です。直感的にものすごく分かりやすい。詳細はこちら

わたしが情報について語るなら (未来のおとなへ語る)
 同じく環境情報学部を受ける人にオススメです。「情報ってなんですか」をうまくまとめた本です。情報はコンピューターを指す言葉ではなく、もっとひろい概念で理解した方がいいんです。環境情報学部の入試はよく「情報」について問われます。情報は、深掘りしておいてよいテーマです。詳細はこちら

やってはいけないこと
読書はSFC小論文の勉強の中ではおまけでしかありません。知識を集めるのは重要ではありません。「これを読まないと合格しない」本は「過去問」だけです。上で紹介した3冊を消化するのにもそれなりに時間がかかります。手は広げ過ぎない方がいいと思います。

3.解決策の検討:3ページで理解する総合政策的アプローチ

各ステップに入る前に:信念の復習

SFC小論文に合格するために重要な「信念」
・「SFC小論文」は、「SFCで活躍できる適性があるかどうかを確認する適性テスト」です。
・「SFC小論文」は、大学の出題に合わせて「適性がある」ことを示せばOKです。
・「SFCで活躍できる適性」とは「SFC固有の問題解決に対する取り組み方になじめるか」という適性です。
・「総合政策的アプローチ」は、「SFC特有の問題解決に対する取り組み方」を、「小論文用にまとめたフレームワーク」です。

この信念は、絶対に忘れてはいけない信念です。必ず学習の前に心構えとして心の中で、もしくは、声に出して繰り返しましょう。

解決策の検討

3.解決策の検討
3.解決策の検討
④1.で設定した問題に対する解決策を決定する。
⑤実効可能生の検討:④の解決策が「実際に効果があるかどうか」を検証する
 ※2.のステップで分析した原因に対する解決策となっているかどうかを検証する。
⑥実行可能性の検討:④の解決策が「実行」できるかどうかを検証
⑦副作用の検討:④の解決策に「副作用」「実行した場合に困ること」がないかどうかを検証
【出題頻度】「要」の部分であり、両学部とも頻出です。

最もバラエティに富んだ出題がなされる「解決策の検討」

「解決策の検討」は、「問題の再設定」に次ぐ大事なステップです。「問題の再設定」よりも格段に「わかりやすい」ステップではあるものの、出題のバラエティという意味では、直接的には「解決策の検討」からの出題の方が多くもあります。

例として、「ゴミ分別問題」を考えてみましょう。「家庭ゴミが分別されていないため、焼却炉がしばしば故障する」という状況について、それを解決するための解決策を考えることとします。(簡単のため「問題の再設定」と「問題の構造化」は省略します。)まず、④1.で設定した問題に対する解決策を決定する。は、悩まずにできると思います。ここでは、アイデアとして3つ考えだしました。

解決策A:啓発ポスターを掲示する。
解決策B:分別は全て市職員が行う。
解決策C:抜き打ちチェックを行う。


⑤実効可能性の検討:④の解決策が「実際に効果があるかどうか」を検証する

解決策Bは、「分別がきちんとなされる」という意味で必ず効果があります。ところが、解決策Aは、ポスター自体を見ない人も相当数いるでしょうし、たとえポスターを見たとしても、そのことで分別が促されるかどうかもわかりません。だから、効果の程はよくわかりません。解決策Cも「罰金100万円」等のペナルティがあれば有効に働くかもしれませんが、ただ単なるチェックのみならば、意に介さない人もいるでしょう。

このように「効果があるかどうか」という観点から、解決策の有効性を検討するのが⑤実効可能性の検討のステップです。

⑥実行可能性の検討:④の解決策が「実行」できるかどうかを検証

解決策A・解決策Cは、その気になれば簡単に実行できそうです。「抜き打ち」も「頻度が低くなれば、効果が弱くはなる」ものの、例えば年に1回、一家庭のみをチェックする、というぐらいなら必ず実行できます。だから、「実行可能性」はあります。一方で、解決策Bは一見して実行が不可能に見えます。百歩譲って、実行するのに非常にお金がかかります。そのため、実質的には実行不可能でしょう。だから、「実行可能性」はありません。

このように「実際にその解決策が実行できるかどうか」という観点で検討数rのが⑥実行可能性の検討のステップです。

副作用の検討

解決策A・解決策Bはプライバシーの問題は生じなさそうです。解決策Aはそもそも関係ないですし、解決策Bも集積所に集められて誰のゴミか分からなくなった状態で分別すればいいのですから。ところが、解決策Cは「ゴミのチェック」を行い、「ゴミの所有者(責任者)」に、それをフィードバックするのですから、プライバシーの問題があります。抜き打ち検査なのですから、個人情報が書かれた書類はもちろんのこと、ゴミとして捨てた下着等を再度あさられる可能性があるわけです。この場合、「プライバシーの侵害」という「副作用」が生じます。もちろん、「解決策に効果がありそう」でも「解決策が実行できそう」でも、それを実行することで「他の悪い状況が生じる」のであれば、その解決策に対する利点は損なわれます。

このように、「その解決策を実行することで生じる新たな悪いこと」について検討するのが、「⑦副作用の検討」です。もちろん、「新たに良いこと」が生じる場合もありますよ。念のため。



以上のように、「解決策の検討」ステップは直感的に非常に分かりやすいです。だから、このステップ内の4つの小ステップをしっかり操れるようになれば、簡単にこのステップはマスターできるようになります。

注意事項:厳密になりすぎないように

 解決策Bについて、上記の例では「実行可能性がない」と書きました。けれども、横浜市のように非常に大きな都市では、無理矢理ひねくりだせばそのための予算を用意することは可能です。だから「実行可能性はある」。しかし、実際に実行した場合、他の予算を圧迫するため、「他に必要な解決策(介護とか、教育とか…)が実行できなくなる」という「副作用が生じる」と分析することもできます。これは、どちらが正解というものではなく、その都度現実的に判断していくべきです。
 同様のことは「解決策C」の「実行可能性と実効可能性」についても生じます。あまりにも頻度が高いと「実行することは難しくなる」反面、「解決策の効果は高く」なります。逆に、あまりにも頻度が低いと「実行は簡単である」反面、「解決策の効果は低く」なります。
 「分類」をすることが目的ではなく、「もれなくきちんと考えること」が目的なのですから、きちんと検討の俎上に上がれば、どちらに分類をしてもよいわけです。

SFC小論文の過去問から

資料文

・総合政策学部 2010年 資料1
 これは王道です。この資料をきちんと読み込んでおいてください。

設問


・総合政策学部 2011年 問1 (3) 実現のためのプロセスと実現のために君自身ができることあるいはしたいこと
 ④と特に⑥を問われています。「君」が実行できること、という視点ですね。
・総合政策学部 2010年 問2・問3 「有効かどうかについて論じて下さい」
 特に⑤〜⑦が問われています。問1で③を問われているため、③と⑤の関係に着目すると答案が書きやすくなります。また、①に目をつけた上で、「問題を解決しない」という答案を書く事も可能です。
・総合政策学部 2009年 問2 2)目指すべき社会を実現するための具体的政策 3)政策の実現可能性を支える根拠やデータ
 2)は④が、3)は⑤〜⑦がそれぞれ問われています。「実現可能性」とは単に⑥のステップをさすのではなく、⑤〜⑦全てをさします。私が提示しているフレームワークは絶対的な分類ではなく、思考するためのプロセスですので柔軟に捉えていきましょう。
・環境情報学部 2012年 問題1・問題2
 「印象的な関わりを持った生活用品」を解決策と見なして1:問題の再設定、④解決策の決定、2:問題の構造化が問われている問題です。
・環境情報学部 2010年 問題1 将来の電子的な図書館が日本語に与える影響
 これは、「電子的な図書館」を解決策と見なした上で、日本語に与える副作用を検討する⑦のステップです。もちろん「よい副作用」も考えうることが特徴です。
・環境情報学部 2010年 問題2 電子テキストの長所と短所
 1.問題の再設定と⑦副作用の検討の双方を答案に書く事ができます。「電子テキスト」を解決策と見なす視点が重要です。
・環境情報学部 2010年 問題3 皆さんが大学に入学したときの電子図書館の「意味」と「どのように使うのか」
 「意味」が「1.問題の再設定」、「どのように使うのか」が「④解決策の決定」です。「皆さんが」という言葉で限定されているように「⑥実行可能性の検討」にも視野を広げることが重要です。
・環境情報学部 2009年 こども向け映像コンテンツの作成
 直接的には「④解決策の決定」が中心です。但し、(3)企画案を誰に読んでもらうか、は⑥実行可能生や「1.問題の再設定」を方向付け、(4)企画の具体的な内容 で④解決策の決定 を「1.問題の再設定」と⑤〜⑦を意識しながら答案を作成することが重要です。

「解決策の検討」には「問題の再設定」が隠れている

SFC小論文、ひいては、総合政策的アプローチ、SFCの問題解決の本質は「問題の再設定」にあります。なぜならば、「解決策の検討」は特段SFC流の問題解決でなくとも自然に行われていることだからです。科学でも、法学でも、経済学でも同様のステップを意識しています。だから、本質はあくまで「問題の再設定」におかれています。

設問のみを素直に見ると「3:解決策の検討」に見える設問が圧倒的に多いです。ところが、資料文や他の設問との関連を考えると、「1:問題の再設定」を念頭においた上で、「3:解決策の検討」について書いてください、という出題が大半を占めます。これを意識しないまま、答案を書こうとすれば、アイデア重視の試験に見えるのは当然です。ここは、勘違いしないようにしてください。

3.解決策の検討:恋愛に学ぶ総合政策的アプローチ

しつこく、繰り返しましょう。

本当に、本当に、重要なんです。
SFC小論文はSFCで学ぶ適性があるかどうかを確認する適性テストです。能力テストではありません。適性を満たす行動特性を小論文の形にしてください。SFCで学ぶ適性とは総合政策的アプローチができることです。総合政策的アプローチとは問題解決のための3ステップの思考方法です。①問題の設計②問題の構造化③解決策の検討の3ステップです。この3ステップを身につければSFCで学ぶ適性があることになります。
今回は、総合政策的アプローチの最終ステップ「解決策の検討」の説明です。その前に復習です。

「問題の設計:前々回の復習」と「問題の構造化:前回の復習」

SFCの中心理念は「問題解決」です。問題解決で最も重要なことは「価値観の設定」です。この価値観の設定を行うステップを「問題の設計」と呼び、
① 「良い」「悪い」の基準(=価値観)を選択
②現在が「悪い」状態であることを提示
を行います。次に、その問題の原因を探ります。原因に対処しない解決策は効果がないからです。
③問題の原因を探る
 ・原因、「原因」の原因、「原因の原因」の原因、…と深掘りする
 ・原因間の相互関係を考える

「つきあいたいんです。」

問題の設計ステップ、問題の構造化ステップを終えました。こんな感じです。
問 題:好きな人がいるのに、その人と付き合えていない。
価値観:好きな人と付き合えないのが悪いこと、好きな人と付き合えるのは良いこと。
原 因:まだ知りあって間もないから。
これに対して、解決策を考えました。
解決策①:明日、告白しよう。
でも、失敗したらどうしよう。どきどきして声をかけられなかったら。ほとんど知らない子に告白されても、反応に困るんじゃないかな。みんなの噂になったらどうしよう。
解決策②:惚れ薬を飲ませよう。
こんなんじゃ絶対に成功するわけないから、惚れ薬を発明しよう。私を好きになるように。効果は抜群。
解決策③:監禁して「はい」と言わせよう。
もう、いっそ、あたしのマンションに閉じ込めて「うん」というまで離しません。でも、見つかったら、犯罪だよね。それに、結局嫌われちゃうかもしれないし。だいたい、両親と住んでし、妹もいるのに、そんなのできるわけないじゃん。
***
どのパターンもそれぞれ混乱してますね。解決策を検討するためには、3つの切り口があります。「実行可能性」「実効可能性」「副作用」です。

1."実行可能性"…「解決策」はそもそも実行できるの?
2."実効可能性"…「解決策」自体に効果はあるの?
3."副作用"…「解決策」をやったら悪いことが起こらない?

この3つの確認をきちんとすればOKです。”実行”のしやすさから考えると、解決策①>解決策③>解決策②ですよね。確かに"告白"は難しいけど、「惚れ薬を作る」「監禁」よりは簡単でしょう。「監禁」はいくつかのハードルを越えれば実行できそうです。一方で、「惚れ薬」をどうやって作るかは見当もつきません。

"実効可能性"効果があるかどうか、解決策①は効果のほどは不明です。解決策②は効果は抜群。解決策③は、「はい」とは言わせられそう。
解決策②>解決策③>解決策①という感じでしょうか。

"副作用"は、解決策①は噂が心配だよね。解決策②は文字通り薬の副作用が…。解決策③は、犯罪…。つかまっちゃうかも。
解決策②=解決策③>解決策①みたいな感じでしょうか。

この3点から、総合的に考えるのが「解決策の検討」です。

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恋愛から学ぶ総合政策的アプローチ。いかがでしょうか。