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2013年09月

1.問題の再設定:恋愛で学ぶ総合政策的アプローチ

はじめに:ひな形的な意味で。

SFCに合格したいです。でも、小論文苦手です。どうしよう。よくわかりません。次の文章を呪文のように唱えましょう。暗記してもいいくらいです。
SFC小論文はSFCで学ぶ適性があるかどうかを確認する適性テストです。能力テストではありません。適性を満たす行動特性を小論文の形にしてください。SFCで学ぶ適性とは総合政策的アプローチができることです。総合政策的アプローチとは問題解決のための3ステップの思考方法です。①問題の設計②問題の構造化③解決策の検討の3ステップです。この3ステップを身につければSFCで学ぶ適性があることになります。
唱えましたか?簡単に言えば、「問題」→「原因」→「解決」の3ステップですよ。では、総合政策的アプローチの「問題の設計」ステップから理解していきましょう。

あなたの問題は何?『彼氏がいない』。了解です。

総合政策的アプローチは問題解決のための思考方法です。だから、問題について考える必要があります。あなたの問題は何ですか。え?彼氏がいない?。よし、じゃぁ、そこからスタートしましょう。
問題:彼氏がいない。
これは「問題」ですか。SFCでは、これを「問題」と呼びません。SFCでは「解決すべき悪いこと」を問題と呼びます。「彼氏がいないことは悪いことだ」って?どうして?いなくたっていいじゃん。受験勉強に集中できるし。デート代もいらないから、バイトしなくてもいいし。「さみしい」って?それって悪いことなの?「だって、みんな彼氏いるんだもん。」って?みんなと同じことしなきゃいけないの?「実は好きな人がいるんだ」って?好きな人がいればそれでいいじゃん。彼氏じゃなくても…。

キリがなくなるのでやめます。彼氏がいません。これは「事実」です。「事実」には「良い」も「悪い」もありません。「良い」も「悪い」もないのであれば、SFCでは「問題」として扱いません。SFCで「問題」と呼ぶのは「解決すべき悪いこと」ですから。少し考えてみて下さい。「日本では30,000人以上が自殺している。」これは「事実」です。これは「良い」ことですか。「悪い」ことですか。ここで「悪いに決まってるじゃん。」と答える人は、SFCに向いていません。少なくとも、今は。何が「良い」か、「悪い」かは「事実」とは別のモノサシ「価値観」で決めます。
(パターン1)
問題:彼氏がいなくて、さみしい。
価値観:さみしいのは悪いこと、さみしくないのが良いこと
(パターン2)
問題:みんなに彼氏がいるのに、私に彼氏がいない。
価値観:みんなと違うことが悪いこと、みんなと同じことが良いこと。
(パターン3)
問題:好きな人がいるのに、その人と付き合えていない。
価値観:好きな人と付き合えないのが悪いこと、好きな人と付き合えるのは良いこと。
同じ「彼氏がいない事実」でも「価値観」によって、ずいぶん違うように見えませんか。事実は「価値観」を用いて「悪い」と判断される場合にのみ、「問題」になりえます。逆にいうと、「価値観」というモノサシなしで、「問題」は存在しません。

「価値観の設定」がなぜ重要?

どうして価値観の設定が重要なのか。「SFC小論文で一番出題頻度が高いから。」が答えです。でも、それでは本末転倒です。順に考えていきましょう。SFC小論文は「適性テスト」です。SFCで学ぶための適性テスト。SFCは日本でほぼ唯一と言っていい「問題解決」にその中心理念を置く大学です。「問題解決」を中心理念に置くからには、「問題解決」を学ぶための適性がある学生に入学してほしい。つまり、一番問題解決で重要なことが分かっている学生に来てほしい。
(パターン1)
問題:彼氏がいなくて、さみしい。
価値観:さみしいのは悪いこと、さみしくないのが良いこと
解決策:彼氏を作る→「彼氏がいればさみしくなくなるの?」「暗い彼氏だったら?」「ペットでいいんじゃない?」→「さみしくなくなる」ことが解決。

(パターン2)
問題:みんなに彼氏がいるのに、私に彼氏がいない。
価値観:みんなと違うことが悪いこと、みんなと同じことが良いこと。
解決策:彼氏を作る→「彼氏がいれば、みんなと同じ?」「他に、みんなと違うことは?」→「みんなと同じになる」ことが解決。

(パターン3)
問題:好きな人がいるのに、その人と付き合えていない。
価値観:好きな人と付き合えないのが悪いこと、好きな人と付き合えるのは良いこと。
解決策:彼氏を作る→「誰でもいいの?」「おっさんでも?」「となりのクラスのイケメンでも?」→「好きな人と付き合える」ことが解決
パターン1の場合は、友達とわいわいできる環境になったら、たとえ彼氏がいなくても「さみしくなくなる」かもしれない。だから、「彼氏がいない」は、間違った問題の選び方だったのかもしれません。パターン2の場合は、たとえ彼氏が出来ても、みんなと同じイケメンの彼氏じゃないと満足できないかもしれません。逆にどんなにイケメンでも、パターン3の場合は、「好きな人」じゃないとダメでしょう?パターン1~3で、同じ「問題:彼氏がいない、解決策:彼氏を作る」なのに、なぜこうも同じ解決策に状況が違うのか。それは「価値観」が違うから。「価値観」まで立ち戻って考えないと、本当の問題解決になりません。ただ単に彼氏を作っても、パターン1~3全員満足できません。ちゃんと「解決」するためには、「価値観の設定」が重要です。だからこそ、「問題解決」が中心理念のSFCは、「価値観の設定」が出来る学生がほしいんです。少なくとも、「日本では30,000人以上が自殺している=悪いこと」と、短絡的に答えてしまう学生は必要ないんです。

本当の「問題解決」には、「価値観まで立ち戻ること」が不可欠。「問題解決」を中心理念に置くSFCでは、「価値観」と「事実」がそろって、はじめて「問題」だ、と考えます。

問題の設計

問題の設定ステップでは、
   ① 「良い」「悪い」の基準(=価値観)を選択
   ②現在が「悪い」状態であることを提示
を行います。
普段、自分たちが「問題」と思っているものは、「しっかりと「何がよいことで、何がわるいこと」なのかを定めないままの中途半端な問題っぽいもの」でしかありません。ところが、問題が根深いものであればあるほど、「何がよいことで何がわるいことなのか」という価値観を明確にしないと、自分が思っている「よい状態」になりません。SFC小論文では「あなたは価値観に立ち戻って問題を考えていますか。」ということが問われます。そうしなければ、本当の問題解決ができないからです。

SFC小論文では、半分ほどの問題がここのフェーズを尋ねられています。なぜか?「価値観」に立ち戻るのが難しいからです。「自殺する」のは「悪いこと」だと、短絡的に思ってしまうからです。そういう思考の人はSFCでは勉強できません。だから、そういう人は合格できません。

逆に言えば、この「問題の設計」がうまくできるようになれば、SFC合格は近づきます。重要な部分なので、ずいぶんと書きこみすぎました。では、次のステップに行きましょう。

SFCの英語合格最低点は、小論文満点だった人の英語の点数なの?そんなことないのでは?

Twitterで気になる発言を見たので、過去にいただいた質問とそれに対する返事をひっぱりだしてきました。そして、過去にご質問いただいた時よりは、厳しい条件で再計算してみました。
公表されている英語の最低合格点は120点〜150点ですが、仮に130点の最低合格点で合格した人は小論文の点数が満点だったと考えても良いと思われますか?

英語の点数が最低点に近い人が小論文で満点近くをとらないといけないということはないと考えています、もちろんその逆もないでしょう。

これは、SFCの採点方式を考えると自然に明らかになります。

SFC合格に欠かせない「最新の小論文から解くか」「古い小論文を解くか」について考える方法

示唆的な質問をいただきました。ありがとうございます。
こんにちは。これからSFCの小論文を始めようと思っている者です。まず小論文の過去問を解こうと思いますが、最新(2013)から10年ほど解くか、それとも古い方(2003年くらい?)から解くか、どちらの方が有効だと考えられますか?

A:私が人に教える場合には、最新(今であれば2013年)からスタートします。

ちなみに、こういう質問をする方は、現段階ではSFC合格はおぼつかないでしょう。さらには、こういう質問をしてくる生徒が甘えているなぁ、と判断した場合には、こう答えます。

A:どっちでもいいから、くだらないことを悩んでないでさっさとはじめましょう。時間の無駄。

「問題解決」に「恋」をすればSFCには合格できる。

皆さん恋をしていますか?

いきなり強烈なタイトルにしてしまいました。ここのところ、ずっと「2012年環境情報学部」の資料文解説というか、概観のエントリーをしようと思って、いろいろと書いていたのですが、3回書いてもうまく行かないので、少し角度を変えてみようと思い、こんな不思議なエントリーを書く事にしました。

私が恋する「須川くん」は、あなたにとっての「須川くん」と違う。

仮に私が「須川くん」に恋をした、と仮定しましょう。そして、あなたは「須川くん」に恋をしていない。もし、あなたが男性ならば「初ちゃん」というおとなしいけど手品の得意な女の子に恋をしたと仮定しましょう。そして、私が「初ちゃん」に恋していない。

もちろん、てっとり早いのは、「あなたが今好きな人」の名前でこれを考えてみることです。

英文法&小論文添削の受講について

ジョン様から引き続きの質問をいただきました。過去分については、「ネクステ等の文法・語法問題集」はSFC合格に必要かSFC英語に「文法問題」は必要ないかを読んでみてください。

超難関大合格のために必要な英文法勉強法 基礎

これからは、毎日30分-1時間程アップグレードの勉強を取り入れてみることに致しました。
がんばってください。毎日一定時間の演習ができないと気にする人もいますが、気分によって30分〜1時間の間で変動させてもいいですし、ほんとにダメな日は極論を言えば1問でもいいと思います。1週間の平均が30分〜1時間になっていればよいです。

「慶應SFCダブル合格の講師が解説」している「小論文本」は読むべきか?

今日、書店にて 合格する小論文技術習得講義―慶應SFCダブル合格の講師が解説 (YELL books)という本を知りました。 この参考書は 慶応SFCの小論文に有効ですか?
当ブログコメント欄より引用

直接のご回答

・「有効か」と言えば、「小論文初心者にとってはそれなりに有効。」上級者にとっても有効かどうかは疑問が残る。

実は毛程にも気にかけていない本です

「ネクステ等の文法・語法問題集」はSFC合格に必要か

「SFC英語に「文法問題」は必要ないか」というエントリーに対する再質問をいただきました。

質問は気にせずに書いてください。私ができる範囲でお答えさせていただきたいと思います。
9/8の記事にて、
「 ネクステージ程度の英文法力はSFC合格には必要不可欠でありこの習得に対する優先度は非常に高い」 、「 当然、文法・語法も勉強すべきでしょう。それは過去問の出題形式とは関係ない「基礎体力」の話です。 」
と仰られておりますが、一定の英文法力があれば、「過去問の形式」という観点においてはネクステ等の重要度、必要性は低いのでしょうか?
まず話を整理した方がよさそうです。受験英語の勉強方法を2通りにわけたとします。

1.(教科書レベルの基礎を身につけ、)徹底的に志望校に合わせた勉強を行う方法。
  逆に言えば、「志望校」あるいは「出題傾向が変わった年度」は合格率が極端に低くなる方法です。
2.超難関大を視野に入れた基礎力をつけ、最後に志望校に向けて調整する方法。
  「志望校」以外にもある程度短期間で対応でき、少々出題傾向が変わっても合格できる方法。

の2通りに大別できるでしょう。これは特段何か証拠があるわけでもなく、また受験生本人の持っているその他能力にも関わることなので、単純に一般化はできませんが、MARCHぐらいまでならば、なんとか前者の方法で対処できます。けれども、早慶上智は後者の勉強法をすべきです。それはSFCも同様。

ご回答:総合政策学部2011 その2

ご投稿いただいた小論文の添削です。この答案は…さすがに不合格でしょう。
問1 資料1から資料6を参考にして、君が日本をデザインするとき、1)どのような日本を良い日本だと考えますか、2)その根拠となる価値観はどのようなものですか、3)実現のためのプロセスと実現のために君自身ができることあるいはしたいこと、の三点を説明してください。
問2 問1の解答の過程で考えた君の「総合政策学的アプローチ」とは何かを述べてください。
2011年度 総合政策
所要時間:約4h
問1
 GNH(国民総幸福度)が高い日本を良い日本だと考える。これは、「国民にとって良いことは、毎日を満足して過ごせることだ」という価値観を根拠としている。
 資料3は、日本人の生活満足度の低下を指摘している。そして、経済的豊かさだけでなく精神的な豊かさを重視しているブータンでは、国民の9割以上が「幸せ」を感じていると述べている。以上より、国民が満足する生活の実現には、「経済的豊かさ」と「精神的豊かさ」の両方を重視する必要があると考える。よって、「経済的豊かさ」のみが反映されるGDPではなく、両方の豊かさが反映されるGNHの増大を国の目標にすべきだと考えるのである。
 上記のような日本の実現には、まず日本国民全体にとっての満足・幸せとは何かについて話し合い、決定する必要がある。そして、それを実現するための政策を行う必要があると考える。そこで、「内閣官僚や公務員と国民が気軽に討論できるサービス」を提供したいと私は考えている。具体的には、オンライン上で内閣官僚・公務員と国民が気軽にチャットができるような、政府公認のサイトを立ち上げたいと考えている。国民全体にとっての「幸せ」の実現には、幅広い国民の意見が不可欠である。インターネットは幅広い人々が手軽に利用できるようになりつつあるので、これに適していると考えられる。

問2
 私の考えた「総合政策的アプローチ」とは、まず、特定の主体にとってのみ最適な価値観ではなく、全体にとって最適な価値観を選択することである。問1では、特定の国民だけでなく国民全体として最適な価値観について考え、「国民が幸せな生活ができることが良いことである」という価値観を設定した。
 次に、その価値観に基づいて現状を考察し、問題点を発見することである。問1では上記の価値観に基づいて、国民の生活満足度が低下している現状を問題だと考えた。
 そして、その問題の原因を考えることである。問1では、「経済的豊かさ」のみを重視し「精神的豊かさ」を重視しなかったことが上記の現状の原因だと考えた。
 最後に、その原因の解決策を考えることである。問1では、「精神的豊かさを」を重視する政策を行う必要があると考えた。そして、そのためには日本国民にとっての満足・幸せとは何かを話し合い、決定する必要があると考えた。それを踏まえて、自分がしたいことは何かについて提案した。
 以上が、私の考えた「総合政策的アプローチ」である。

問1

「1)どのような日本を良い日本だと考えますか」に対し、「GNH(国民総幸福度)が高い日本を良い日本だと考える。」と書いていますが、これがまずよくありません。そもそもGNHは資料3でも述べているように、ブータンの固有概念です。だから「GNHが高い=ブータンが目指すよい国が、良い日本である。」という意見に見えます。ご投稿者は、恐らくは「日本にとってのGNHが高くなることを目指す」と書きたいのでしょうが、そうなると疑問が生まれてきます。「日本にとってのGNHって何?」という疑問です。それに関して「国民に聞いてみようよ。」と書いています。ところが、この小論文は「君が日本をデザインするとき、」とある以上、「あなた自身」の意見を書くべきです。そうなっていないということは、そもそも小論文の出題に対してほとんど答えていない、ということになります。

これを無理矢理「最大多数個人の最大幸福を実現する国」が「よい国」と考える、とした場合、「できるだけ多くのみんなが幸せなことがよいこと」という価値観を説明しなければなりません。さらには「最大多数個人の最大幸福を実現する国」を実現する政策を書く必要があります。この答案では「みんなに聞く」が政策になっていますが、「みんなに聞いただけで再大多数個人の最大幸福」が実現しますか?「晩ご飯に何食べたい?」「えっと、オムレツ(全員一致)」となれば「晩ご飯」は終わりですか?実際に「オムレツを食べにいくプロセス」が必要です。ところが、この答案ではそうはなっていません。

よって、そもそも問1は論外です。

問2

問2
 私の考えた「総合政策的アプローチ」とは、まず、特定の主体にとってのみ最適な価値観ではなく、全体にとって最適な価値観を選択することである。問1では、特定の国民だけでなく国民全体として最適な価値観について考え、「国民が幸せな生活ができることが良いことである」という価値観を設定した。
文章で書くのは簡単ですが、実際には「全体にとって最適な価値観」を選ぶことはできません。例えば、生活保護賛成派と反対派の双方を満足させる「全体にとって最適な価値観」はありえません。せいぜいお互いの「言い値」の中間点を選ぶのが関の山です。よって非現実的な提案をしていることになります。
 次に、その価値観に基づいて現状を考察し、問題点を発見することである。問1では上記の価値観に基づいて、国民の生活満足度が低下している現状を問題だと考えた。
 そして、その問題の原因を考えることである。問1では、「経済的豊かさ」のみを重視し「精神的豊かさ」を重視しなかったことが上記の現状の原因だと考えた。
ここもよく分かりません。前半は辛うじてよいことにしましょう。ところが後半の「国民の生活満足度」が低下している「原因」は、「経済的豊かさ」のみを重視し「精神的豊かさ」を重視しなかったことが上記の「原因」であるとありますが、これはおかしい。「国民の生活満足度を高める政策として「経済的豊かさのみ」を追求する政策は、実効可能性がない」だけであって、「原因」にはなりえません。

「最大多数個人の最大幸福」がよい価値観であり、「現状はそれが実現していない」。なぜならば「最大多数の個人の意見を聞けていないからだ。」であれば「原因」ですが。

恋愛で例を出してみましょう。「○○くんと付き合えていないのは、外面ばかり磨いて内面を磨いていないからだね。」という時に、
 「原因」=「○○くんの求める外面及び内面の要求水準に達していないから」
 「実効可能性」=「内面を磨いていないから○○くんの要求水準に達していないのでこの解決策はNG」
です。この違いは大きく違うので注意してください。「解決策が失敗する原因」と「現状状況が起こってる原因」は当然相似性はあるものの本質的に異なります。
 最後に、その原因の解決策を考えることである。問1では、「精神的豊かさを」を重視する政策を行う必要があると考えた。
そんなことを書いていませんが?問1で書いているのは「みんなの意見を知らないからみんなの意見を聞こうよ」というだけであり、「精神的豊かさを実現するような意見を聞こうよ」とは書いていません。
そして、そのためには日本国民にとっての満足・幸せとは何かを話し合い、決定する必要があると考えた。
これはまぁOKにしておきましょう。
それを踏まえて、自分がしたいことは何かについて提案した。
 以上が、私の考えた「総合政策的アプローチ」である。
「実現するための必要条件」には触れていても、「十分条件」には触れていませんよね。これでは問題が解決しません。

この小論文で「国民の全員が幸せと考える日本」がよい日本だ、という答案は相当書きづらいと思いますよ?

ご回答:環境情報2011小論文 その2

ご投稿いただいた2011年環境情報学部の小論文の添削ですが、この方は4つご投稿いただいているのですが、この答案が一番…ひどかったです。設問分析以前の問題なので、ご投稿内容に加筆するに留めます。
 それだとさすがにご投稿者の方以外には意味がないエントリーになってしまうので、少しづつヒントは入れていこうと思います。この答案を読んで「いいんじゃない?」と思った人は、相当がんばって練習をした方がいいと思いますよ。
2011年度 環境情報
所要時間:約3.5h
問1
 過剰労働の問題を解決したいと考える。現代の日本社会において、長時間労働を日常的に行わざるをえない人が増加している。
ここまでは辛うじて「よし」としましょう。辛うじて。「過剰労働」の「過剰」自体が既に「価値観」を含んでいることに注意。
それが原因で体調を崩す人が増えている。
「過剰労働」が「健康被害」を引き起こす、という論理です。正確に言えば、「健康被害を引き起こすほど長時間な労働」=「過剰労働」という定義で議論をしないと後の議論がおかしくなります。そうなると、「健康被害を引き起こさない長時間労働」はどう定義すべきでしょうか?
労働者にとって重要なのは健康であるので、現状は問題であると考えられる。
なぜここが言い切れるのかがよく分かりません。「健康」は労働者だけのものですか?「労働者」と「健康」の直接的関係が不明。「人間」にとって「健康」が重要であり、「労働者」は人間の一部であるため、「人間」にとって「健康」が重要ならば、「労働者」にとっても「健康」は重要。なぜ「人間」の中で「労働者」に着目するか、と言えば、それは「労働者」にとって不可分な「労働」という行動が健康被害を引き起こすからでしょう。

ご回答:2012年総合政策学部 小論文 その3

「小論文」を書くときに、どうしても「自分の頭の中」の「知識」が邪魔をする場合があります。知ることはよいことではあるものの、知ることと「よい小論文」を書けることは全く別です。今回ご投稿いただいた2012年総合政策学部小論文はそんなことを思い起こさせる答案です。全体として「構成の論理性」は、これ以上は本番の時間で書くのは望まなくてもいいかな、ぐらいの感じですが、…中身はイマイチというか、イマ2というか…という感じの答案です。せっかくですので一行一行見ていきましょう。

問題1

まずは軽く設問分析をしておきましょう。
問題1
 資料1〜5の内容を参考に、各資料に共通する論点、立場の異なる論点、あなたが重要と考える論点などを挙げつつ、グローバリゼーションが世界の政治・経済にもたらしている変化について論じてください。
慶應義塾大学総合政策学部2012年 小論文 設問より抜粋
という設問ですので、

問題1 構成
 ・各資料に共通する論点
 ・立場の異なる論点
 ・あなたが重要と考える論点
 ・グローバリゼーションが世界の政治・経済にもたらす変化

が書けていれば十分です。
では、中身を順に見ていきましょう。