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2013年11月

「資料を参考にして・考慮して」と書いてある場合、「引用」する必要はあるか。

Q.「資料を参考にして・考慮して」とかって書いてあるとすれば、これは資料を読んで、引用する必要ありますか?自分の主張を考えて、それに合った、自分の考えてることに役立ちそうな部分を抜き出してくればいいですか?というよりむしろ読まなくて良いのかどうか…かが分かりません。
端的にご回答すると「出題内容による」が正解です。

基本的なところは、過去に「ご回答:資料文の答案への組み込み方について」というエントリーを書いていますので、こちらをご参照ください。

問題2 資料Bにも三つの部分、B-1、B-2、B-3があります。それらの資料に基づき、印刷した書物と電子テキストを比べて、電子テキストの長所と短所を300字以内でまとめなさい。
(環境情報学部 2010年小論文)
このような書き振りであれば、「資料に書いていないことは書かない」が基本です。「資料に基づいてまとめる」のですから。だから、読む必要があるか、と言えば「Yes」です。
問題1 資料Aは三つの部分、A-1、A-2、A-3からなっています。A-1に書かれている電子的な図書館がもし実現するとしたとき、A-2とA-3に基づいて、将来の電子的な図書館が日本語に与える影響を考察して500字以内で論じなさい。(環境情報学部 2010年小論文)
同じ年度の問題1です。この場合は、「資料に書いてあることに基づいて、あなたの考えを理由付けて説明しなさい」という意味です。問題2の「まとめる」の場合は、必ず似通った内容になるはずですが、問題1の場合は、「同じ資料に基づいて、異なる結論を理由づけて説明する」ことも可能です。だから、「結論」はあなたの自由です。但し、理由付けのための材料は資料2・3に基づくべきです。この材料を「引用」にするか、「要約」にするかは指定がありませんので、どちらにしても「可」でしょう。この場合も、資料を読まなければならないことには代わりはありません。
問題3 資料Aと資料Bの内容を総合して考察し、皆さんが大学に入学して学習・研究を進める立場に立った時に、印刷された書籍の図書館と比べて、電子テキストなどを収めた将来の電子的な図書館はどのような意味を持ち、どのように使うのが望ましいかを700字以内で論じなさい。(環境情報学部 2010年小論文)
この場合は、「資料A・資料Bに記載している内容を全体的に考慮して、あなたの考えを理由づけて説明しなさい」です。「資料A・資料Bに書いてあるレベルのことは当然あなたの視野に入れて、あなたの考えを理由づけて説明してね」ということなので、資料A・資料Bを「引用」する必要もなければ、「要約」する必要もありません。逆に言えば、「引用」してもいいし、「要約」してもいいです。「理由付けて説明すること」に必要なのであれば。但し、結論の論証過程で、資料A・資料Bで記載している内容を全く無視して強引な結論を出しているような答案はダメになるでしょう。どんな答案かというと、長々と書いたあげく資料A・資料Bを全く見ていないことが丸わかりになるような答案です。この場合も、資料は「読むべき」でしょう。
問題1 資料A、資料B、資料Cを読んで、メディアとコンテンツはどのような相互関係にあるかを整理して、解答用紙に600字以内で記述してください。(環境情報学部・2009年)
この場合もまとめ問題ですので、基本的に資料A・資料B・資料Cに書いていない内容を書くと減点です。但し、整理の際にどのように整理するのかは自由です。「引用」であっても「要約」であっても。通常、「整理して」と言われると「引用」よりは、「要約」の方がうまく書けるでしょう。本来ならば、「引用」自体「整理」なんですけれどもね。この問題の場合は、「読んで」と書いてあるので「読む」べきです。
問題1
 資料1〜5の内容を参考に、各資料に共通する論点、立場の異なる論点、あなたが重要と考える論点などを挙げつつ、グローバリゼーションが世界の政治・経済にもたらしている変化について論じてください。(総合政策学部・2012年)
この場合も、「読まない」と「共通する論点」や「立場の異なる論点」が分からないので「読むしかありません。」「引用」と「要約」は指定がないので、どちらで書いても問題ありません。
問1 資料1から資料6を参考にして君が日本をデザインするとき、1)どのような日本を良い日本だと考えますか、2)その根拠となる価値観はどのようなものですか、3)実現のためのプロセスと実現のために君自身ができることあるいはしたいこと、の三点を説明してください。(総合政策学部・2011年)
と書いてあるので、資料1〜資料6に書いてあることを「引用」「要約」するのではなく「あなたが考えたこと」を書いてください。但し、「あなたが書いたこと」が資料1〜資料6で「否定されている内容」や「疑問視されている内容」であった場合、減点される可能性はあるかもしれません。けれども、この問題では「引用」や「要約」は書く必要はほとんどないでしょう。自分の言いたい事を説明する時に、どうしても必要であれば「引用」や「要約」は否定されていません。「読むべきか。」と言われれば、減点を避けるために読むべきでしょうね。
午後のD組のスピーチ原稿を以下のガイドラインに沿って、横書き1500字以内で解答用紙に書いてください。
ガイドライン
(1)資料①を読むと「日本の針路」を考え、また各組の違いを比較する上で重要な論点がいくつもあることに気づきます(第1問の「観点」も論点の例です)。特に重要と思われる論点について各組の違いを分析しましょう。その上でD組の主張を補強しながら他組を批判してくださいなお資料①からの引用や要約は必要かつ最小限にとどめてください。(慶應義塾大学総合政策学部2013年小論文設問より抜粋)
と書いてあるので、資料は「読むべき」だが、「引用や要約」は「必要最小限」にすることが要件。
問2 
次の1)-4)の項目を考慮して、自民党と民主党のマニフェストを1200字以内で評価してください。
 1)目指すべき社会の姿
 2)目指すべき社会を実現するための具体的政策
 3)政策の実現性を支える根拠やデータ
 4)言及されていない重要政策
資料文を「読め」とも「参考に」とも「考慮して」とも書いていないが、資料文を読むべきパターンですね。読まないと解けません。両政党の記憶の中に「全て」入っている人ならば、読まなくても解けるでしょうが。あえていうと、下線で示した「言及されていない」という文章から、「今回の資料文で言及されていない」重要政策という意味を読み取るべきでしょう。つまり「言及されているか」「言及されていないか」は資料文のみで判断する。もちろん、記憶の中に、正しい情報があれば、「資料内では言及されていないものの、○月△日の党首発言から、○○である」と書く事は可能ですが。そんなスーパーマンはそんなにいないでしょう。最後に「まとめ」です。

・「引用」を要求されることは近年ない。
・「資料を参考に」「資料を考慮し」とある場合は、資料を「読むこと」が求められる。但し、読み方の「強度」までは指定されていない。
・「資料内に書いてあることのみを、引用・要約・まとめる」か、「資料に書いてあることのみに、基づいて論じる」か、「資料内に書いてあること以外も含めて引用・要約・まとめる・論じる」か、「資料にないことを引用・要約・まとめる・論じる」かは問題文に記載があるのでそれに従うこと。
・特にキーとなるのは、「参考にして」「考慮して」という言葉ではなく、語尾の「論じなさい」「まとめなさい」「説明しなさい」や文中の「あなたの考え」などである。

残りの短期間「超特急でSFC小論文を仕上げる方法!!」

あと80日!!などカウンターがTwitterをとびかっています。

このエントリーの目的
 ・SFC第1志望の受験生が、
 ・残りの短期間を利用して、
 ・SFC小論文で合格最低点をとる

ことを目的とするエントリーです。

1:当ブログを信じるかどうか決める

以下、2記事を読んで下さい。これに納得できたら、2以降に進んで下さい。
・合格確率を5倍底上げする「SFC小論文 基礎の基礎」
・「総合政策的アプローチ」は「環境情報学部」でも使えます!!
 世の中、SFC対策法は検索すればいくらでも出てきます。今の時期であれば、「信じられる方法」に力を注いだ方が効果があります。だから「私のブログに賭ける」かどうか、これを決めてください。信じたら合格できるなんて言いませんが、信じて損はさせない、と思います。たぶん…。(所用時間:30分、累計:0.5時間)

合格コメント2013(1)白黒様(仮名)(試験1週間前)」「合格コメント2013(2)るるる様(仮名)(センター試験後、試験日 当日)」のように、直前1ヶ月以内から、このブログを参考にして、合格できた方もいらっしゃいます!!

2:必要な情報を全て揃える

これからはじめる人たちにとってとにかく足りないのは時間です。「読みたい資料が手元にない!!」ははっきりいって致命的。資料を全部揃えて下さい。当ブログでご紹介するのは、赤本含めて12冊です。(所用時間:3時間、累計:3.5時間)
赤本 過去問を10年分揃えて下さい。古いものはプレミア価格になってたりするのが難点ですが、合格のための代金だと思って早めに買っておいた方がいいと私は思います。

①現代文による読解力の向上で使用する本。偏差値が65以上ある人は、出口さんの実況中継だけを揃えて下さい。

③書籍を読むことによる「発想」の習得で使用する本

3:基礎技能の習得

ここから先は、しばらく以下の3軸で進めます。

基礎技能の習得
 ①現代文による読解力の向上
 ②当ブログを用いた「総合政策的アプローチ」の習得
 ③書籍を読むことによる「発想」の習得

順に、勉強方法を書いていくので、それにしたがってください。基本的に①から③を順番にやっていった方がいいですよ。③の読書は気分転換に平行してやってもいいですけれどもね。

①現代文による読解力の向上

目安時間は、現在の読解力に応じて異なるが、ゼロからスタートの場合、30時間〜50時間はやりたい。時間がない人は「毎日1題」を心がける。せめて、板野本1冊くらいは、やりとげてから②にうつって。「読解力」は全ての基本だから。
 とにかく「読解力」を向上するという目的を忘れない。そして、ひたすらやり続けて。板野氏の本を、板野氏の書いている記号通りに「ハイパー化」していってください。彼の手法が現代文として優れているというよりは、文章の接続関係をとにかく徹底的に意識することを紙と記号を使って出来るから、板野氏の本はが重要なだけ。10題から20題は彼の手法でやってみて。日常、他の文章でも、目が自然と「接続語」などで止まるようになったら、板野フェーズは終わり。

続いて、出口フェーズ。実況中継をとにかく熟読して。そして、「盲信」してください。実際、現代文の文章は「言いたい事」がひとつ「A」ってことはまずありません。これが現実。だけど、「言いたい事A」ひとつを言うためだけに、言葉を連ねて「A’」や「A’’」になっているというこの哲学は絶対に忘れてはいけません。それが「読解」の基本だから。これが分かれば、小論文もほとんど書けるので安心して、この1冊を理解して。
 時々、板野さんの本にも戻ってもいいですよ。理解度がずいぶん変わります。板野氏の記号が体に染み付いていれば出口さんは割合すんなり理解できます。

現代文は1日では終わらない身体知だ、ということは忘れないで。(所用時間:40時間、累計:43.5時間)

②当ブログを用いた「総合政策的アプローチ」の習得

目安時間は5時間〜10時間程度。一旦、理解できれば、スムーズに納得できるので、体に覚え込ませる事を目標に。まず当ブログを用いた「総合政策的アプローチ」の学びかた:オススメ編
 これを読んでみて。そして、「「1頁で把握する」で全体像をとらえます」「自分でニュースや身近な話題に当てはめてみる」までやってみて。ポイントは、「SFC小論文の実際の資料文を読む」で掲載している3年分の資料から、小論文に特に役に立つところを抜き出したものが「総合政策的アプローチ」である、ということ。だから、「総合政策的アプローチ」について書いた私のブログとその元ネタであるこの「3年度の文章」をひたすら読み解きながら比べてみて。(所用時間:10時間、累計:53.5時間)

③書籍を読むことによる発想の習得

読む順番はこの順番で読んでいってください。あまり、真剣に読み解かないで、それぞれに書いている目的を達成するように読んでみて下さい。
1:「子どものための哲学対話」(目安時間:1時間程度、必要に応じて読み返す)
 とにかく「考える」という頭の働きをもう一度、頭に思い出させてあげてください。それにはこの本が最適です。子ども向けなので、読むのはとても簡単です。(所用時間:1時間、累計:54.5時間)
2:当ブログ記事:他の受験生と大きな差がつく「情報テーマ」を理解する4つの話(目安時間:15分)
 情報について、整理してあるので、次の本を読む準備になります。分からない知識が出てきても気にしないで。次の本の方がすばらしいから。(所用時間:15分、累計:54.75時間)
3:「わたしが情報について語るなら」(目安時間:3時間)
 情報概念を全般的に綺麗に説明してある良書です。これさえ読んでおけば、必要な思想は全て頭の中に入ります。まちがっても、IT=情報なんて妄想はこの段階でなくしてください。(所用時間:3時間、累計:57.75時間)
4:当ブログ記事パターン・ランゲージ(慶應義塾大学出版会)をSFC小論文のためにどう読むか。(目安時間:15分)
これは5の本で読む場所を指示している記事です。後半の私のひとりごとは放置して前半だけ読んで下さい。(所用時間:15分、累計:58時間)
5:パターンランゲージ(目安時間:初読2時間、必要に応じて何度も読み返す)
「デザイン」と「問題解決」についての理解が深まるから、しっかりと4に合わせて読んでみて。「当ブログを用いた「総合政策的アプローチ」の習得」を、少なくとも「SFC小論文の実際の資料文を読む」を進めてから、この本を読んだ方が効果があります。(所用時間:3時間、累計:61時間)
6:生物から見た世界(目安時間:5時間、生物になりながら読んでください。)
最後、これは入試までにゆっくり読んでおいてかまいません。ただ絶対に読んでおくべき本。これを読んでいるかどうかで、特に環境情報学部の資料の理解度が格段に変わるから。(所用時間:5時間、累計:66時間)

4:過去問への取り組み

目安1過去問3時間〜4時間程度。まず、「しょうろん特講(ブロマガ)」を全て読んでください(各課1時間が目安。)ブロマガなので、お金かかっちゃうんですけれども、それを上回る効果は絶対にあります。このエントリーを書いている時点では4までしか書いていませんが、試験本番までに必ず、必要な大筋を全部書いてしまいます。(所用時間:4時間、累計:70時間)
 「しょうろん特講」を一通り読んで内容を実践すると、SFC小論文への「取り組み方」の「型」が身に付きます。だから、どの年度の小論文も一通り着手できます。これ、本当に重要です。過去問を解く順番は以下の通り。

超特急で勉強する場合の過去問勉強順
1:2011年 環境情報学部
2:2011年 総合政策学部
3:2012年 環境情報学部
4:2012年 総合政策学部


ここまでは、2011年・2012年 過去問総評と資料文・問題構成についても参考にしてください。解く前に熟読したらダメですよ。

超特急で勉強する場合の過去問勉強順
5:2013年 総合政策学部
6:2013年 環境情報学部

これもしょうろん特講の内容によっては適宜順番を変えるかも。こまめにこの記事を見て下さい。(所用時間:4時間×6×3=72時間、累計:142時間)→仮に5年分過去問をやるならプラス48時間(累計190時間、残り70日の場合、実質1日3時間)、10年分過去問をやるならプラス168時間(累計310時間、残り70日の場合、実質1日4.5時間)。

過去問の着手時期について

1過去問3〜4時間×解きたい過去問数÷SFC小論文に使用可能な勉強時間=過去問ができる日数で計算をしてください。例えば、

10年分過去問を3回繰り返したい場合
4時間×20問×3回÷4時間/日=60日前

よって、60日前には過去問に着手したい、ということです。どれを何回やるかはお任せしますが、直近5年分を各3回はやってほしいな。多ければ多いほどいいですよ。

これ以降は、好きな順番に解いていってください。

模試・予備校の添削講座

可能なかぎりにおいて、他人からの採点は一度受けておいた方がよいです。だから、模試や予備校の添削がある講座を申し込んでみてください。

5:苦手分野の克服

SFC小論文で多くの人がつまづくのは、

・資料文が多すぎて時間が足りない。
・何を書いていいのかが分からない。
・うまく文章が書けない。

の3か所です。順番に見ていきましょう。

資料文が多すぎて時間が足りない。

「資料の取捨選択が出来ない」という方は、「資料文をどう読むか」というエントリーが参考になるかもしれません。これを読んでもまだイマイチという方は、しょうろん特講の「第1課:合格のためには必読!!「問題冊子のフレームワーク」!」第2課:問題冊子のフレームワーク(2011年環境情報学部過去問での実戦)」を再読してください。「読解力がない」方は、現代文の力が足りていません。もう一度、現代文に戻りましょう。「速読」を含めた読書関係の展望は、「SFCに合格するための「読む力3分類+5分類」って?」を読んでみて下さい。

何を書いていいのかが分からない

この場合、2つの可能性を疑って下さい。「設問をきちんと読み取れていない」あるいは「アイデアやネタが出てこない」の2つです。多くの方が「アイデアやネタが出てこない」を挙げると思いますが、それで悩んでる人はだいたいが「設問」を読み取れていません。まず、設問をしっかり読めるようになってください。読解力を磨くか、特講第3課 「厳密な意味での設問文」から「設問の分析」へをしっかり今一度読んでみてください。「何を書くか」は「設問」にしか書いていないのに、その設問を疎かにするから、書けなくなることがほとんどです。

アイデアやネタについては、妄想から開放されよう!「難しい知識」がSFC合格に不要となる3つの理由SFC小論文「ネタ力」を鍛える11の方法ネタ(新聞や雑誌などの資料)の整理方法について考えてみたを読んでください。あとは、お遊び感覚で出来る「(やすみ時間)トイレでできる「SFCネタ力養成」トレーニング」もどうぞ。

・うまく文章が書けない。

こういう方はまず「短い文章」(文章が4つまで)を書くところからはじめてください。あるいは、同じネタで構わないので、もう一度小論文を解き直してみます。構成などは前のままで、文章だけをたくさん書いていきます。

またこれらの記事は補完していきます。

「価値観について」というご質問を頂いた方へ

とても示唆的なご質問です。1.問題の再設定:3ページで理解する総合政策的アプローチに対する補足にもなっています。

この3つの例については、「○くん(○さん)が自殺をする」という事実に対して「良い・悪い」という価値観を付与していると考えて下さい。

そして、その前提としての事実として例1「A国とB国が戦争をしている」例2「あなたは「Cくんが大好きだ」という価値観を持っている。」例3「自殺を止めるボランティア活動をしている」があります。

例2だけ補足してみましょう。政党で考えてみます。「TPPに賛成である≒TPPはよいことだ」ということ、これは価値観です。ところが、「自民党はTPPに賛成である」これは「事実」です。「自民党は「TPPに賛成である」という価値観を持っている」ということですから。この「事実」を使うと、「Aさんは自民党に属している」かつ「自民党はTPPに賛成である」ならば、「AさんはTPPに賛成である」と論証できます。つまり、「あなたが価値観を持っている」ことを「事実」として考えると分かりやすいです。恋愛に戻してみましょう。「あなたは「Cくんが大好きだ」という価値観を持っている。」かつ「Cくんが大好きな人は、Cくんの自殺を悪いことだと考える」ならば、「あなたは、Cくんの自殺が悪いことだと考える。」と論証できます。これが論証過程です。

ちなみに、「あなた」がストーカー気質で、「大好きなCくんは私の記憶の中だけに留めたい。実物はいらない」という「痛い人」であった場合、「大好きなCくんの自殺を悪いことだと考えず、むしろ大歓迎かもしれません。」あるいは、相手の価値観に完全に準じるタイプだった場合、「大好きなCくんの考えは全て正しい」から「Cくんが自殺すること」を悪いこと、とは考えません。この論理の裏にある「理由付け」は相対的なものです。これはおそらくはお気づきだとは思いますが、A国とB国の場合でも同様のことは起こりえます。A国が敬虔なキリスト教国家であり「自殺のタブー視」を重要視している国であれば、戦争中であろうとなかろうと、A国は「B国の自殺を悪い」と考えるかもしれません。

【添削】環境情報・2003年(Hong 0様)

総評

Hong 0さんに足りないものはたぶん読解力だと思います。

問題1:
私は、日本社会においてもフリーエージェントは広まると考える。日本でも、一般家庭や大学にもパソコンが設けられ、インターネットを接続する機械が増えてきている。例えばワールドワイドウェブの様に、世界中の様々なHPをクモの巣のように相互にリンクできる。これにより、ネットを介して、アメリカを含め世界中の情報を受け取る事ができる。つまり、アメリカで今注目されている問題についても知ることができる為、フリーエージェントがどういうもので、アメリカで何故増えつつあるのか、といったことが分かるのである。資料1には、アメリカ人が雇用という労働形態を嫌い、「オーガニゼーション・マン」から離れ、組織から個人というフリーエージェントへ移行しているとある。これは、経済と社会の根本的な原因でもある。若い世代が会社への就職を望まず、ネット上で自分の好きなことをしたいと思うのも原因の1つである。また、フリーランスや臨時社員、ミニ起業家といった基本的に自己の自由や欲求を求めて働くといったことも移行する理由の1つであろう。ネットで仕事をするなら、家でも会社でも場所を問わず始められるので、日本でもネットの世界でビジネスをしたい人は少なからずいると思うので、フリーエージェントは増加し続けるだろう。

問題2:
私は、インターネットでの自分の活動を伝えていたが、資料3のように、会社や経済の情勢から、独立の意志をなくしたり、中小企業の多さから、そこに収まりたいと考える人もいることを見ると、自分が今何をして、どんな人生を歩みたいかを見失っているように思える。資料4-5を見ると、開業率は減少の一途を辿っており、資料4-3ではその原因を示している。確かに独立に対する不安は人それぞれで、独立した時に直面する不安もあるだろう。しかし、資料4-8のビジネスパーソン(女性)の統計では、いざ会社に就職してみると、不満が出たりして転職を希望する人が多いのである。そうであるなら、最初から自営業を始める覚悟が必要だったのでないかと思う。一方、資料4-9の男性の場合は、そこで働き続けたいと考えている人もいる。これは年代からして、先程の中小企業の割合が大きいのも理由の1つで、収まるところに収まりたいと考えているのである。しかし、そんな男性社員にも転職の願望はある。資料4-10では、1990〜1999年代において転職したい理由があげられている。理由を見ると、給料が良くなかったり、自分に合う職種を見つけたかったり、自分の能力を発揮したいなど考えてるいる人が多い。これは転職でも独立でも理由は重なる部分はある。給料がよくないのは、自分に合う仕事を出来ず、能力も発揮出来ずに与えられた仕事しか出来ないので、稼ぎも効率も悪い。こうした悪循環から抜け出したいが為に、多少のリスクはあっても、自分の自由や欲求の為に、独立開業する人がいるのである。私が先程話したネットの世界でビジネスをするのも開業の1つである。従って、自分の意志を貫いた人が独立を希望し、フリーエージェントになる人が増えるのである。
ちなみに、SFC小論文は資料文と問題文とが揃っていないととてもじゃないけれども採点できません。私の添削は、今回はたぶん書き散らかしになってしまいますがご容赦ください。

設問分析を軽く

問題1:
資料1、2で記述されたアメリカのフリーエージェントは日本社会においても同じように広まると考えるか。広まるか、広まらないか、諸君の意見を600字以内で述べなさい。

問題2:
資料3は日本における自営業に関する記述とそれに関するデータです。又資料4には日本人の働く意識、独立・企業志向性、サービス業におけるパートタイム労働者比率、日本企業の開業・廃業比率などの様々なデータがまとめられています。資料3及び、資料4にある資料4ー1から4ー10のデータを活用し、問題1でまとめた諸君の考えを800字以内で論証しなさい。その際、資料3にある図1から図3、及び資料4ー1から4ー10の各データ合計13の中から少なくとも8つのデータを活用すること
問題1は出題文が一意に読めないので、資料文かどこかからそれを読み取るしかありません。「アメリカのフリーエージェントは日本社会においても同じように広まる」か、について「同じように」とは、「アメリカでの広まり方と同じ過程で広まるか」と読むか、「アメリカ同様に日本でも広まるか」と読むかというポイント。これは資料文から方向を絞るしかないので、今回はとりあえず、意味が広い方の後者で解説をしていきます。問題2は、要するに「問題1について資料にあるデータを使って論証しなさい」ということです。つまり、問題1は問題2から考えないとまず間違いなく解けません。

総合政策的アプローチで言えば、「フリーエージェント(になる)」は「解決策」と考えるのが自然です。死人テストはクリアできますしね。ということは、基本的に「まず、問題の再設定を問われているのではないか」と疑います。これ以上は、私は何も述べられないので、方法論だけ。資料1・2から読解を行って、資料1・2で説明されている「フリーエージェント(になる)」という解決策が「解決した問題点」を明確に読み取ります。次に、それと同じ状況(正確には問題)が日本でも生じているかどうかを、確認します(おそらくは資料3・資料4)。そして、「起こっているのであれば、解決可能=フリーエージェントは広まる」「起こっていないのであれば解決不可能=フリーエージェントは広まらない」のどちらかで論じます。だから、基本は総合政策的アプローチを下敷きにした読解で事足ります。

問題1

私は、日本社会においてもフリーエージェントは広まると考える。ここまでは問題なし。日本でも、一般家庭や大学にもパソコンが設けられ、インターネットを接続する機械が増えてきている。インターネット「に」接続する機械が増えてきている、でしょう。機械か機会かはこの文脈からは分かりません。おそらくは「機械」のままで合っているのでしょうが、そうなると後ろの「例えば」と相性が悪いです。例えばワールドワイドウェブの様に、世界中の様々なHPをクモの巣のように相互にリンクできる。これは、悪い「例えば」です。何を「例えている」のかが読み取れないので。これにより、ネットを介して、アメリカを含め世界中の情報を受け取る事ができる。つまり、アメリカで今注目されている問題についても知ることができる為、フリーエージェントがどういうもので、アメリカで何故増えつつあるのか、といったことが分かるのである。からどうしたんでしょうか?論理としては至極単純で「フリーエージェントについての情報が増えるから、フリーエージェントが広まる」というだけですよね。資料1には、アメリカ人が雇用という労働形態を嫌い、「オーガニゼーション・マン」から離れ、組織から個人というフリーエージェントへ移行しているとある。正しい引用かどうかは分かりませんが、「ひとつ後ろの文につないでいる」文章です。実際にはつなげていませんが。これは、経済と社会の根本的な原因でもある。ここは意味不明。「フリーエージェントへの移行」が「経済と社会」に対して「何かの影響」を与える根本的な原因になっている、というのが文章通りの読み方。そして、そこから発展しないので、何を主張したいのかが分かりません。若い世代が会社への就職を望まず、ネット上で自分の好きなことをしたいと思うのも原因の1つである。何の原因かが分かりません。恐らくは、フリーエージェントの広がりでしょう。「原因」と書いているからには、アメリカのことであって、日本のことではないんでしょうが。好意的に読んでも、これが「日本」の話をしているようには見えません。また、フリーランスや臨時社員、ミニ起業家といった基本的に自己の自由や欲求を求めて働くといったことも移行する理由の1つであろう。日本語になっていません。ネットで仕事をするなら、家でも会社でも場所を問わず始められるので、これは正しい。日本でもネットの世界でビジネスをしたい人は少なからずいると思うので、これも正しそう?資料1〜4の中身にもよります。あと、ネットビジネス→フリーエージェントという短絡的な思考は、資料1〜4に原因があるのか、ご本人に原因があるのか不明です。実際には、ネットビジネスとフリーエージェントに直接の因果関係はないでしょう。相関関係はあるでしょうけれどもね。フリーエージェントは増加し続けるだろう。 ここは意味不明。

ものすごく好意的に見て、
「私はフリーエージェントは広まる、と考えている。それには4つ理由がある。
・フリーエージェントに関する情報に多くの人がアクセスできるようになるから。
・若い世代が会社への就職を望まず、ネット上で自分の好きなことをしたいと思うから。
・フリーランスや臨時社員、ミニ起業家のように自己の自由や欲求を求めて働く人がおり、働き方が多用になっているから。
・ネットビジネスをしたい人が多いから。」とまとめられるでしょう。

問題2

私は、インターネットでの自分の活動を伝えていたが、資料3のように、会社や経済の情勢から、独立の意志をなくしたり、中小企業の多さから、そこに収まりたいと考える人もいることを見ると、自分が今何をして、どんな人生を歩みたいかを見失っているように思える。私には、あなたが書くべき内容を見失っているようにしか見えません。他人の人生の歩み方を論じてる場合ではありません。今は、設問の趣旨にしたがうときですよ。もっと自分の足元を見ましょう。

「問題1でまとめた諸君の考えを800字以内で論証しなさい。」というのがこの問の趣旨です。あなたが「インターネットでの自分の活動を伝えていたが、」ということとは、一切何も関係ありません。聞かれてないことを答えても仕方がありません。小論文として書くべき内容は、問題に書いてあります。それを見定めないで、適当に答案を書いていたら、何百年立っても合格なんかありえません(実際には、ランダムに組み合わせた文章がたまたま当たってまぐれ合格というケースもありえますが。)

会社や経済の情勢から、独立の意志をなくしたり、中小企業の多さから、そこに収まりたいと考える人もいることを見ると、自分が今何をして、どんな人生を歩みたいかを見失っているように思える。これって「中小企業にいる人は全て、自分が今何をして、どんな人生を歩みたいかを見失っている」という論理ですか?さすがに、言い過ぎでしょう。SFC生が好きそうな「ベンチャー企業」という言葉ですが、「ベンチャー企業」だって中小企業が多いです。(中小企業という言葉の定義を、会社法から見るか、法人税法から見るか、その他経営学的観点から見るか、によっても話は多少異なりますが。)法人税法から見ると資本金1億円以下は中小企業者。だから、資本金1億円以下のベンチャー企業で働いている人は、「自分が今何をして、どんな人生を歩みたいかを見失っている」という主張になりえます。資料4-5を見ると、開業率は減少の一途を辿っており、資料4-3ではその原因を示している。確かに独立に対する不安は人それぞれで、独立した時に直面する不安もあるだろう。しかし、資料4-8のビジネスパーソン(女性)の統計では、いざ会社に就職してみると、不満が出たりして転職を希望する人が多いのである。そうであるなら、最初から自営業を始める覚悟が必要だったのでないかと思う。なぜ、ここで「すぐ」に「自営業につながるか」がわかりません。就職したい会社に就職できなかっただけかもしれませんよね。一方、資料4-9の男性の場合は、そこで働き続けたいと考えている人もいる。これは年代からして、先程の中小企業の割合が大きいのも理由の1つで、収まるところに収まりたいと考えているのである。中小企業蔑視としか思えませんが…。しかし、そんな男性社員にも転職の願望はある。資料4-10では、1990〜1999年代において転職したい理由があげられている。理由を見ると、給料が良くなかったり、自分に合う職種を見つけたかったり、自分の能力を発揮したいなど考えてるいる人が多い。これは転職でも独立でも理由は重なる部分はある。給料がよくないのは、自分に合う仕事を出来ず、能力も発揮出来ずに与えられた仕事しか出来ないので、稼ぎも効率も悪い。こうした悪循環から抜け出したいが為に、多少のリスクはあっても、自分の自由や欲求の為に、独立開業する人がいるのである。ここはまだマシ。私が先程話したネットの世界でビジネスをするのも開業の1つである。従って、自分の意志を貫いた人が独立を希望し、フリーエージェントになる人が増えるのである。相変わらず意味不明。資料にインターネット関連の資料がたくさん載っているんでしょうか?

さて、問1の主張はこうです。
「私はフリーエージェントは広まる、と考えている。それには4つ理由がある。
・フリーエージェントに関する情報に多くの人がアクセスできるようになるから。
・若い世代が会社への就職を望まず、ネット上で自分の好きなことをしたいと思うから。
・フリーランスや臨時社員、ミニ起業家のように自己の自由や欲求を求めて働く人がおり、働き方が多様になっているから。
・ネットビジネスをしたい人が多いから。」この中で辛うじて触れられたのは、後者2つでしょう。前者2つについては全く触れられていないので、「問題1でまとめた諸君の考えを800字以内で論証しなさい。」という問いにそもそも答えられていないただの作文です。

まとめ

点数は、20点〜40点ぐらいあればいい方ではないでしょうか。とりあえず読解力を磨いて下さい。話はそれからです。

特講第3課 「厳密な意味での設問文」から「設問の分析」へ

問題冊子のフレームワーク(特講第1課特講第2課)は、問題冊子を効率的に読めるようになる画期的で当たり前なフレームワークです。なかでも「厳密な意味での設問文」を区分できるようになることが、このフレームワークを用いる過程で一番重要になります。SFC小論文を解く順番を章立てをするとすれば、

SFC小論文の解き方
 1:問題冊子のフレームワーク
 2:設問の分析
 3:読解・アイデア・知識
 4:小論文の構成
 5:小論文の作成
 6:小論文の見直し

という構造です。つまり、「問題冊子のフレームワーク」を使った「読み」が終わった後は、「設問の分析」に進みます。今回はこのお話です。これを読む前に、SFC小論文の構成を決める「縦糸」と「横糸」をお読みいただけると理解が深まると思います。
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2003年・環境情報学部の小論文をご投稿くださったHong 0様へ

手元に問題文がないと添削は不可能です。申し訳ございません、ここに書いてある通り、ネット上に問題がある問題のみ添削ができます。もし、この年度の問題をネット上で見ることができるのであれば、大変お手数ですがご教示ください。
・出来れば、気に食わないとこを改善した文章も載せてもらえるとありがたいです。ex)環境情報の生活用品の質問された方に対しての推敲文の時みたいな…
・大体の点数も出来ればお願いします。
それが、できそうであれば、そしてそうすることが意味がありそうなのであればそうします。
・7割(5分)を目指してるので、そのLevelに達するにはどう改善して行けば良いのか教えてもらえると嬉しいです。
点数の根拠が分かりませんが、とりあえずご投稿いただいた方や、その添削を読む方にとって参考になるような添削を目指しています。20点の答案の方に、140点に一足飛びするような解説は書かない、ということでもありますが。
精神状態:自分では正直、かなり出来が悪いと思ってます。書いてる間だんだん自信がなくなってきて、諦めが入り始めて、『こりゃ間に合う間に合わない問題じゃないかもな…』って感じになりつつ書いてました。なんか文章も当たり前のようなことしか書けず、幼稚な文章だな~って書き終わってそう思いました。しかも、自分が主張する事を見失っている事もありまして、知識自体そもそもないんで、フリーエージェントか~ってボーッとなります。
書き終わって、赤本の解答で見比べたら、内容がだいぶ違ってましたし…溜息かなり出ます。
赤本の解答や予備校の模範解答は信じていません。あれを試験本番で書くのは不可能です。

 前にもどなたかに書いた気がしますが「できがよい、できが悪い」を判断できるほど自分に実力があるかどうかを、まず考えてみてください。もし、それがないのであれば、あなたの感じている感覚は「根拠のない妄想」です。
 また、「幼稚な文章」とはどういう文章なんでしょうか?このブログは、隙さえあれば、恋愛で「例」を出す「幼稚なブログ」ですよ(笑)。もっと「高尚な例」を思い付かないんでしょうか…私は…。ともかく、私には「幼稚な文章」という感覚が分かりません。何が「幼稚」か「幼稚でないか」を明確に定義できない以上、「幼稚」について語る資格はないし、ましてや、その自分が勝手に判断した「幼稚」という感覚で、自分の良し悪しを決めて、自縄自縛に陥るのは、ナンセンスでしょう。

 そういう時間があるのであれば、ぜひこのブログをしっかりと最初から最後まで読んでみて下さい。あなたが感じていることの不安に対する答えの少なくとも半分は、このブログに既に書いてあります。

当ブログでの添削方針について(2013/11/25補足)

当ブログでの「小論文添削」について、いくつかお願い事をさせてください。これは、この記事が投稿されて以降に有効となるもので、過去の投稿に関してはこの限りではありません。

おねがいごと

・お名前を必ずお書きください。
 当ブログ内では、そのお名前で添削させていただきます。
 なお、同じお名前で投稿いただいた方が、適切なアドバイスができると思います。
 複数回ご投稿いただいても、私は気にしません。
・あなたが記載した小論文を当ブログ内(※)で引用することがあります。
 他の記事で、「論理」や「アイデア」の例として、使うことがあります。
 ※但し、「しょうろん特講」内で、勝手に引用することはありません。
・添削後の感想をいただけると助かります。
 適切なフィードバックをしたいので「疑問点」や「感想」などを素直にお聞かせください。
当ブログでの添削方針についても合わせてお読みください。

過去の「添削」系の記事をまとめてみました。

過去の添削系の記事をまとめてみました。他の方の答案を見るのも参考になるので…。「よい答案」を見るというよりは、どのように「推敲するか」を考えるのに役立つエントリーですね。

【総合政策学部 2013】
総合政策学部2013 添削
総合政策学部・2013年 添削
総【添削】総合政策・2013年(るてい様)

【総合政策学部 2012】
ご回答:2012年総合政策学部 小論文 その3
ご回答:2012年総合政策学部 小論文 その2

【総合政策学部 2011】
総合政策学部 2011 ご質問へのご回答
総合政策学部・2011年
ご回答:総合政策学部2011 その2

【総合政策学部 2007】
ご回答:2007年小論文(一部)

【環境情報学部 2012】
環境情報学部・2012年
ご回答:2012年環境情報学部 小論文

【総合政策学部 2011】
環境情報学部 2011年 その2
環境情報学部 2011年 その1
ご回答:環境情報2011小論文 その2
ご回答:環境情報2011小論文

【環境情報学部 2010】
たぶん…これまでご投稿いただいた中で…最悪…。
環境情報学部2010

【環境情報学部 2009】
ご回答:2009年 環境情報学部

【環境情報学部 2003】
【添削】環境情報・2003年(Hong 0様)

並べてみるとちょっと衝撃をうけてしまいました。正直なところ・・・。いいのが、ほとんどない…。

総合政策学部2013 添削

2013年度 総合政策学部 小論文 設問3

 「これからの日本の針路」を考えていく上で重要となる論点が2つある。まず1つ目に「社会運営の主役」について述べる。B組は国家戦略を構築し国を中心にゼロからの再出発をすべきだとし、今欠けているのは強いリーダーシップだと述べ、更には今は緊急事態なので財政赤字は気にせず国内投資を行うべきだと主張している。しかし、経済はもはや地球規模で動き始めており、国益と経済は切っても切れない関係にある。このような時代でそうした政策を行うのは、図7の公的債務残高も鑑みて無茶な選択であると言わざるを得ない。インターネット普及率が欧米と比べて遅れているとも述べていたが、図5を見る限りそれは事実と反しており、主張の説得力が欠けている。一方でC組は、B組が主張するような国家戦略は適さず「したたかな受け身」がふさわしいと述べ、各個人が幸せな生き方を見つけ、その都度国の針路を決めるのが良いと主張している。果たしてそれを国と呼べるのだろうか。国民は1人1人異なる価値観を持っており、当然ながら幸せの尺度もさまざまである。それらを統括する具体的な方法を提案できていない以上、C組の主張は理想論の域から脱却できていない。我々D組は、B・C組が述べるような「国」としてではなく「グローバルかつローカル」レベルでの社会運営が必要と考える。前でも述べたように、経済は地球規模でさまざまな国同士で目まぐるしく展開され始めている。多国籍企業でさまざまな人間が価値観を交換し合い新たなサービスを開発していく時代が到来している。こうした時代においては国が果たすべき役割は少ない。一方で、国内での教育や福祉といった政策はその地域ごとに必要とされているレベル、つまり資金や人員などが異なる。国ではそうした細かい部分を把握することができず、それぞれに応じた援助ができない。したがって、各地域が自律し日本を支えていくことが、これからの時代には相応しい。
 2つ目に「コミュニケーションの主体」について述べる。A組では、日本人は外国語はできないが翻訳出版業のおかげで世界の先端についていけると述べている。確かに先端の情報は手に入れられているかもしれない。しかし、それを実際に有効活用できておらず、日本でしか通用しない高機能商品いわゆるガラパゴス商品の開発しかできていないのが現状である。「翻訳してくれているから大丈夫」といった構えでは先端に追いつけてはいても彼らの先には行けない。海外に進出し自らが英語を使用し、さまざまな人間と関わり合いながら商品を開発していける人材がこれからの日本を引っ張っていくのである。先端の情報は「翻訳者」ではなく「開発者」が海外から得ていくことで真価を発揮するのだ。
 以上を踏まえると、これからの日本には「国」ではなく「グローバルかつローカル」な運用が適していると考える。優秀な人材はグローバルで活躍し、ローカルではお年寄りが満足して暮らしていける、かつ将来グローバルで活躍できる人材を育成できる環境を地域が主体となって作り上げていく。こうした針路が将来の日本に相応しいと考える。

総評

まず、この問題を見る限りにおいて、この答案のよくないところは「D組の主張を理解できていない」ところにあります。特に、論点の2つ目は、D組の主張について「逆」の理解をしています。つまり、D組の主張を、正しく捉えられていないのです。そうなると、帰するべきは「読解力」でしょう。
海外に進出し自らが英語を使用し、さまざまな人間と関わり合いながら商品を開発していける人材がこれからの日本を引っ張っていくのである。先端の情報は「翻訳者」ではなく「開発者」が海外から得ていくことで真価を発揮するのだ。
等と答案に書いています。これは、端的にみれば、「海外にどんどん出て行こう」という主張です。それは、直接的ではないものの、
優秀な人材はグローバルで活躍し、ローカルではお年寄りが満足して暮らしていける
という主張にも見え隠れします。優秀な人は「外に行け」、そうでない国民は「国内で満足して暮らそう」と、言いたいのではないか、と邪推してしまます(この読解は「言い過ぎ」ですけれどもね。但し、複数読める意味の中で、このような読み方を選択させるように文脈を規定する働きはあります。)

一方で、問題の資料文中では、
たとえば炭素ガスの排出規制や投機マネーを規制する国際監視機関の設立を提唱し、誘致すればいい。
総合政策学部2013年小論文 資料1より抜粋
彼らの多くはニューヨーク、パリ、シリコンバレー、東京、大阪、京都など都市に住む。…(中略)。東京はその筆頭格であり、グローバル経済ともつながる。日本にはほかにも大阪、京都、神戸など魅力的な大都市が目白押しだ。
総合政策学部2013年小論文 資料1より抜粋
とある通り、才能にあふれたグローバルな「タレント」を呼び込もうとしています。そのための「開国」です。

だから、「外に出る」と「呼び込む」という意味で、「開国」の方向が全く逆になっています。これでは、何が問題か、というと「読解力」に問題がある、と言わざるを得ないでしょう。きつい言葉で言えば、「グローバル」と言えば、「海外に出て行く」という一方的な先入主しかないまま、その先入主をなんら疑うことなく、文章にある表面上の単語だけを拾って、文章を理解した気になっているだけです。何度も言いますが、SFC小論文は「知識」や「先入観」(この2つは密接に関係します)を披露することが目的ではありません。

それと同様のことが「社会運営の主役」「コミュニケーションの主体」という論点を表す「まとめことば」についても言えます。「社会運営の主役」の方はまだマシです。けして、手放しで「できている」とは言えませんが、B組…国主導・C組…個人主導、という極端な方向性を文章から読み取ろうと思えばできる分、まだマシです。ちなみに、資料Dでは「公」の存在は否定しないものの、国という「中央集権」を否定し、日本を主導するのは「地方」や「個人」など「国」よりもミクロな集まりとしています。
 ところが、第2の論点では「コミュニケーションの主体」という言葉になるともはや意味が分かりません。単純に「使用する言語」とでも単純化した方がしっくり来るような内容になっています。「コミュニケーションの主体」が何なのかが全く読み取れません。このちぐはぐ感も「読解力」に因るものでしょう。

よって、恐らくはあなたの「読解力」に問題がある、という自己分析はおそらくは正しいでしょう。「共通点」や「相違点」を探し出す以前のどこかの段階で、文章をきちんと読めていない、という意味において。

詳解

 「これからの日本の針路」を考えていく上で重要となる論点が2つある。まず1つ目に「社会運営の主役」について述べる。ここまでは違和感なし。B組は国家戦略を構築し国を中心にゼロからの再出発をすべきだとし、今欠けているのは強いリーダーシップだと述べ、更には今は緊急事態なので財政赤字は気にせず国内投資を行うべきだと主張している。若干、文章が長いので句点を打つべきでしょう。また多少資料1の要約感が拭えないので、もう少しまとめの量を減らしましょう。しかし、経済はもはや地球規模で動き始めており、国益と経済は切っても切れない関係にある。ここの部分は、言いたいことは分かるのですが、この文章で理解するのは極めて困難です。このような時代でそうした政策を行うのは、図7の公的債務残高も鑑みて無茶な選択であると言わざるを得ない。ここはこんなもんかぁ、という感じです。インターネット普及率が欧米と比べて遅れているとも述べていたが、図5を見る限りそれは事実と反しており、主張の説得力が欠けている。ここは、そこまで問題ではありません。

ここまでの部分ですが、例えば

B組は、国が強いリーダーシップを発揮して再出発をすべきだ、という立場である。そして、欧米対比で遅れているITインフラの整備を最優先し、都市・地方の双方で公共事業を行うべきとしている。けれども、インターネットの普及率(資料②図5)を見ると、日本は米国を上回る水準であり、ITインフラが必ずしも欧米対比で遅れているわけではない。このようなあやふやな認識下で、国がリーダーシップを発揮するという主張には賛同できない。財政赤字を気にしないB組の政策は上昇傾向にある債務残高(資料②図7)をますます膨らませるだけであろう。(256文字、なお元の該当箇所は250文字)

などとすればよいのではないでしょうか。B組が「最優先」と言っているものが、「事実誤認である」と突きつけるだけで、「国がリーダーシップを発揮するべき」という主張は、力を失います。「債務残高」の話は、むしろ、おまけです。総合政策的アプローチ的に言えば、「問題の再設定の事実認識がおかしい」とのべ、さらには「解決策の副作用が大きい」、と主張しています。一方でC組は、B組が主張するような国家戦略は適さず「したたかな受け身」がふさわしいと述べ、各個人が幸せな生き方を見つけ、その都度国の針路を決めるのが良いと主張している。ここまでは要約部分なので、まぁ、よしとしましょう。果たしてそれを国と呼べるのだろうか。国と呼べないとダメなんでしょうか…。国民は1人1人異なる価値観を持っており、当然ながら幸せの尺度もさまざまである。それらを統括する具体的な方法を提案できていない以上、C組の主張は理想論の域から脱却できていない。「理想論から脱却できていない」ということに対する証明がありません。この部分は、何らかC組に対する「反論」を考えるべきでしょう。我々D組は、B・C組が述べるような「国」としてではなく「グローバルかつローカル」レベルでの社会運営が必要と考える。C組は、むしろ国民主導ですけれどもね。C組はどちらかといえば、「公」をゆるやかに否定しています。前でも述べたように、経済は地球規模でさまざまな国同士で目まぐるしく展開され始めている。多国籍企業でさまざまな人間が価値観を交換し合い新たなサービスを開発していく時代が到来している。こうした時代においては国が果たすべき役割は少ない。一方で、国内での教育や福祉といった政策はその地域ごとに必要とされているレベル、つまり資金や人員などが異なる。国ではそうした細かい部分を把握することができず、それぞれに応じた援助ができない。したがって、各地域が自律し日本を支えていくことが、これからの時代には相応しい。嘘はついていないけれども、もう少し単純化したい部分。単純化して、C組を否定する論点を入れたいところです。

2つ目の部分はもう十分でしょう。「グローバル」という言葉が意味をなしていないので、最初から採点する必要がないでしょう。論理構造(=横の糸)はそこまでは悪くないと思います。そこまでは。

最後に

総合政策学部の2012年と2013年は各資料間の比較という点において言えば、2013年の方が断然に解きやすい問題です。「D組の主張をしっかり理解する」という方針がはっきりしているからです。けれども、そこがしっかりとできておらず、あやふやなため内容もあまりよいものにはなっていません。もっとも、一つ目の論点は、C組に対する反論がいまいちであるものの、B・Cに共通する論点としては成立していると思います。二つ目の論点は論外です。おおまかに採点して、この部分は100/200は超えないぐらいでしょうから、67点〜100点の間ぐらいでしょう。問1と問2でかさ上げして、100点は超えるかもしれませんが…。

といった感じです。おそらくは、「単純化して、読解する」というプロセスのどこかがうまく行っていないのでしょう。そうすると、現代文に近い部分を鍛えるべきでしょう。

こんなところで…。もし、ご質問がありましたら、ご投稿ください。この方と同じ方でしょうか?違う方ならこの記事も参考にしてみてください。

ネタ(新聞や雑誌などの資料)の整理方法について考えてみた

当ブログでは、SFC合格のために、「知識習得は必須ではない」と主張しています。ネタ集めの記事にすら、第一歩は「総合政策的アプローチ」だと明記しているぐらいです。ただし、もちろんこのブログ以外のところで対策をしてらっしゃる方も多い、と思うのでネタの整理方法をご紹介したいと思います。

ネタの整理方法

形式

紙・PC・スマホなんでもよい。とにかく、情報を保存したいと思った時に、すぐさま保存できる形式がよい。私は現在、ほとんどの情報をEvernoteに保存しています。

ただ勉強のしやすさはやっぱり「紙」ですよね…。

見出し

どんな「材料」にでも、それを示す「見出し」や「タグ」が重要になります。試験本番では、「検索機能」を使えないので、「脳」という検索機能を有効に使うためにも、「見出し」は必須です。

出典

書籍名、URL、ページ数、著者、発行年月日、出版社等はメモしておく方がよいです。Evernoteだと、Amazonのリンクを貼るだけいいんで楽なんですけれどもね。

紙でやる場合には、Amazonの該当書籍のページを印刷して、裏に「ネタ」を書く、という方法が手早いです。

明確な引用

原文に忠実に引用してください。もちろん、主観を排除するのが第1目的です。原文を忠実に引用していれば、その言葉をインターネットで検索するとさらによい情報に行き当たることが多いです。引用箇所が明確に分かるように「」などでくくっておきましょう。に

使用方法

どんな話題で、どのように使うのか、の分類を記載しておきます。

統計・アンケート:調査年月日

いつ、その資料が作成されたのか、という情報は重要なポイントです。「津波てんでんこ―近代日本の津波史」という本が「東日本大震災」前に書かれたのか、後に書かれたのか、ということを知っているかで、この本へのイメージはずいぶん変わります。

統計・アンケート:調査機関

どこの誰が、その調査を行ったのか、ということも極めて重要な情報です。例えば「JTの調査により、たばこは健康を害しないことが分かった」という記事はあまり信頼ができそうにありません。たばこの販売に関する特殊会社の研究ですからね。同じように、「誰が調査をしたか」ということによって、信頼性や結論が変わってくる場合があります。同じデータを見ても、異なる結論になることもありえますから。

統計・アンケート:調査した対象や調査方法

どういう人をどれくらい、どのように調査したか、ということです。インターネット上のコピペですけれども、このコピペは非常に示唆的ですよね。
インターネット利用率ついに100%に-総務省の実態調査で判明

 先月27日に実施された、インターネット利用に関するアンケートで
 インターネットの利用率が100%となっていたことが明らかになった。
 麻生総務大臣は「これは政府主導によるIT政策の効果の現れと言っていいだろう」
 とのコメントを発表した。

調査したのは、総務省統計局統計センターなど。今年四月にネット上でアンケートを実施し、約二万三千人から回答を得た。

ネタのチェック方法

・主張したいこととその根拠となる内容は対応しているか?

これもネットのコピペを見る方が分かりやすいですね。
主張:「パンは危険な食べ物」
根拠:
・犯罪者の98%はパンを食べている。
・パンを日常的に食べて育った子供の約半数は、テストが平均点以下である。
・暴力的犯罪の90%は、パンを食べてから24時間以内に起きている。
・パンは中毒症状を引き起こす。被験者に最初はパンと水を与え、後に水だけを与える実験をすると、2日もしないうちにパンを異常にほしがる。
・新生児にパンを与えると、のどをつまらせて苦しがる。
・18世紀、どの家も各自でパンを焼いていた頃、平均寿命は50歳だった。
根拠も一部統計学的に怪しい主張がありますが、根拠は基本的に正しいです。けれども、主張はぐちゃぐちゃです。ただし、これが「もっともらしい事実について書いている場合」はよく騙されたりします。

・発言者や引用元に問題はないか?

雑誌・女性自身によると、「草食系男子が減っていること」が分かった、と書いてあっても信頼しづらいですよね。

・統計数値は古くないか?

「スマートフォンの普及率は1%です(2009年)」という統計数値をあなたは小論文で使えますか?ただ、資料の発行年などをよく見ないと、よくこうした統計数値に騙されます。いたずらに新しい必要はありませんが、無意味なほど古くても意味がありません。

なぜ、それが「ネタ」となるのか?

あなたの「男性」の好みは他の友達と同じですか?(男性なら、あなたの「女性」の好みは?と言い換えて考えてみて下さい。)普通は、人によってそれぞれです。もちろん多くの人が「かっこいい」「かわいい」と思う人が、芸能人やアイドルになっていたり、クラスで人気があったりするのは確かですが、万人の意見が一致するわけではありません。それを決めるのは「個性」であり「自分の価値観」です。

同じように、「ネタ」も「なぜ自分がそれをネタと思うか」ということを突き詰めると、そこにあなたの「個性」や「価値観」があるはずです。「ネタ」を集めるのも重要ですが、その「ネタ」の背後にあるあなたの「個性」や「価値観」を探る事の方がよほど重要です。これは、SFC小論文では、「個性的なネタ」を書く必要がある、ということではありません。その「個性」や「価値観」を明確化することで、あなたにとって強固でいろいろな話題に対して応用の効く話題・テーマ・ネタが生まれる、ということです。それがあれば、少々変わった問題が出題されても対応できます。だから、「ネタの背後」にある「自分とのつながり」を探りながら、知識を集めていくべきなのです。

決して、「予備校や塾の先生が大事だ」といっているからこのネタがよい、「SFCの先生がこの研究をしているから」からこのネタがよい、とは考えない方がよいです。

「資料集め」は「資料速読」につながる

SFC小論文に対して、幅広い知識やネタ集めをさせることは、多くの予備校や塾講師の定番の勉強方法です。私は、それに全くもって反対の立場です。それは、このブログでも何度も主張している通りです。

但し、「多くの資料を学習すること」は資料文を「速く読む」練習には繋がります。本番ではいろいろな資料が出てきて、それを処理しなければいけません。その時に、この上であげたような視点で、自分の持っているネタを整理した経験があるのとないのとでは、大きく状況が異なります。もちろん、資料をまとめることに凝り過ぎることに意味はないけれども、「資料を整理する視点」を自分の中に生まれさせることは重要です。

ぜひ、バランスをとりながら、

・資料を素早く整理する方法を身につける
・ネタを「ネタ」と感じる自分の価値観を掘り下げる

こともしてみてください。