FC2ブログ

2014年02月

合格体験記2:ノノ様

ノノ様、合格おめでとうございます。

こんなにたくさんありがとうございます!!
1:①合格した学部 総合政策学部
  ②予想合格点 学科 140点 小論文 140~160点
2:本番の試験で気をつけたこと
  ①当日・前日 緊張しないようにマイペースに過ごしました。
  ③1月以降 早寝早起きのサイクルを作りました。私は中々生活サイクルが直らなかったので、お医者さんから睡眠導入剤(睡眠薬とは別のタイプでとても軽いものです)をもらって試験前日まで2週間くらい飲みました。不安で寝付けなかったりする方にはおススメです。
あんまり眠りで困ったことのない私は、このアドバイスは「新しい」と思ってしまいました。
3:来年受験する方へのアドバイス
  ③9月の受験生(自分)に伝えたいこと:そろそろ小論文を本気で始めましょう

4:「しょうろん」で絶対に読んでほしいページ

   【1ページで把握する「総合政策的アプローチ」】
   http://studyhack.blog.fc2.com/blog-entry-62.html
   皆さんは絶対読むことと思いますが、本当はこの1ページにこのブログの8割くらいの価値は集約されているのではないかな、と思えるようなページです。
   結局は総合政策的アプローチに関しての他の多くのページは、このページをかみ砕いたり、希釈してわかりやすくしたようなものだと思います。それらのページも個別の項目(価値観の設定や副作用の検討など)を深く知るためには有効かも知れませんが、この『1ページで把握する「総合政策的アプローチ」』には何回でも戻って、丸暗記して欲しいと思います。むしろ、この1ページさえ覚えてしまえば、後は問題を見るだけで何が問われているかすぐにわかるようになれます。ただ、そこから自分の意見を書けるか、基本的な設問・資料文への読解力は、いろは様も仰っていますがまた別の問題なので注意です。
 
 【第0回 しょうろん模試(SFC小論文対策模試)】
 http://studyhack.blog.fc2.com/blog-entry-265.html
 代ゼミの模試の100倍いいと思います。
 代ゼミにお金を払うなら、この記事に500円(でしたっけ?)払ってやってみたほうがずっといいです。

5:オススメしたい本、オススメしたいSFC対策
  雑誌「WIRED」
社会×先端テクノロジー系の雑誌です。
  MITの研究の話や、シリコンバレーのITビジネス、社会起業家、都市デザインなど、SFCが好きそうな話題がたくさん載っています。雰囲気的には環境情報寄りかも知れません。これは、アイディアや知識のリソースというよりも「問題発見&解決」のケーススタディとして使うと良いと思います。総合政策的アプローチは、TVのニュースでも身近な事柄でも使えますが、WIREDではその領域がなんとなくSFC寄りなのでその点色々参考になります。また、雑誌なので読みやすいです。今年はここで取り上げられた話が慶應他学部の英語の長文に出たこともあり、タイムリーな話題が多いです。勉強のおまけ程度に。

7:アンケート
  ①ブロマガとブログが入り交じってブログが利用しづらいですか? Yes
  ②ブロマガは別のブログにした方がいいですか?  無回答
  ③その他、貴重なご意見をお待ちしています。
   SFCの小論文は特殊ですし、問題が雑だったりもして色んな意味で難しい小論だと思います。予備校の先生や参考書によっても意見が割れることもよくあります。でも、SFCのポリシーを理解し、それに沿ってアプローチすることによって最低限のラインや問いの本質は見えてきます。私はそれをこのブログで学びました。
   ただ、あまり厳密に「総合政策的アプローチ」を応用しようとしなくてもいいかなと思います。何故なら、総合政策的アプローチで完璧に問題を読解することに執着して逆に混乱したり、本番で時間を取られることはあまりよくないと考えられるからです。総合政策アプローチのおおよそを理解していれば、自然に問題のヒントがいくつも浮かんできます。総合政策的アプローチによる完全読解というよりは、そういうヒントをうまくすくい取れるようになるといいかなあと思います。あと、小論文をブログに投稿する前に、他の方が先に投稿された内容と添削を確認するようにして下さい。他の方の添削を見られることもこのブログの大きなメリットです。
 私は学科を140点としていますが、もしかしたらこれより低かった可能性も高いです(今回は2-6で計算)。それでも受かったのは、小論文のお陰です。このブログが、あなたの指針になるかどうかは人それぞれかも知れませんが、何かしらの判断材料には必ずなるはずです。上手く使って欲しいと思います。
 それからいろは様はツンデレなので、厳しいコメントをもらってもその裏の良心まできちんと読み取りましょうね!
ツンデレ芸人を目指しています。

そんなに、ツンツンしてるかな?わたし。

合格体験記1:水の子様

水の子様、おめでとうございます。

いただきました合格体験記です。
1:①合格した学部 
環境情報学部
  ②予想合格点 
学科 140-160点 小論文 120点

2:本番の試験で気をつけたこと
  ①当日
学科(英語)に関しては、家で過去問を解くときのように、いつも通り落ち着いて取り組むようにしました。小論文に関しては「今回はどんな面白い問題を出してくれるのかな?」といったスタンスで、良い意味で「頑張らず」に取り組みました。
  ②前日 
知り合いと0時ぐらいまでご飯を食べてました(笑)過去問すら目を通していないです。完全に舐めてますね。
  ③1月以降
英語に関しては、とにかく長文に慣れることに尽力を注ぎました。例えば英語ニュースサイトであるBBC.comやCNN.comで、面白そうなタイトルの記事はきちんと全文読み通す、といったことをしていました。あとは過去問の見直しといったところでしょうか。

3:来年受験する方へのアドバイス
  ①4月の受験生(自分)に伝えたいこと
2時間とかでもいいから取りあえず勉強しとけバカ野郎
  ②夏休み前の受験生(自分)に伝えたいこと
自分がどこに行きたいかをしっかり考えて更に勉強に取り組め
  ③9月の受験生(自分)に伝えたいこと
変に自分を縛るな。疲れたらゲームとかツイッターしてもええんやで。でもしすぎるなよ。
  ④直前期の受験生(自分)に伝えたいこと
生活リズム整えとけ!

4:「しょうろん」で絶対に読んでほしいページ
[問題の再設定, 問題の構造化, 解決策の検討] と [縦の糸・横の糸」でしょうか。「しょうろん」で得た知識を本番で活かせたかと聞かれると私は微妙ではあります。が、SFCの根本的な理念である「問題解決」を理解するため、そして小論文を書くにあたって必要不可欠な論述力を養うためにはこれらの2つはもってこいだと思います。

5:オススメしたい本、オススメしたいSFC対策
とにかく過去問です。英語も小論文も絶対に過去問です。あと英語に関して言えば、[速読英単語 上級編 増訂第2版]も素晴らしい参考書だと思います。今生産されているものは増訂第3版でかなり難易度が易化されているのですが、それに対して増訂第2版は全て早慶の入試問題になっています。とても難しいのでこれに載っている単語を全て覚える必要はありません。オススメの使い方は、とにかく音読して体にこのレベルの構文を慣れさせることですね。

6:(非公開でご投稿いただいた方へ)このご投稿を合格体験記としてご紹介してもよいですか。
 Yes

7:アンケート
  ①ブロマガとブログが入り交じってブログが利用しづらいですか? No
  ②ブロマガは別のブログにした方がいいですか? No
  ③その他、貴重なご意見をお待ちしています。

8:あなたはSFCに入って「何をしたい」ですか。
SFCに入ってから見つけます。
昨年同様、非表示の方のコメントを先におのせします。

残念ながらSFCの結果が芳しくなかった方々へ

皆様、SFCの入試の結果が芳しくなかった方へ。お疲れさまでした。

はじめまして、の皆様へ

検索ワードを見ていると、意外と「はじめまして」の皆様が多いようなので、改めてご挨拶させてください。慶應SFC小論文合格対策ブログ「しょうろん」と申します。今年、おそらくは一番活発であった掲示板でも、時々名前が出ていたと思います。答案に「問題発見・問題解決」の話をきちんと書いたのに落ちてしまった、という方は、総合政策学部2014年小論文解説(はじめましての方向け)をご一読いただくと思い当たる節があるかもしれません。

このブログは、趣味でやってるSFC対策ブログです。ちらりと見ていただいて、気に入っていただいた方にSFC対策用にお読みいただく、そんな感じのブログです。たぶん、今の時期にご訪問いただいている方は、結果が芳しくなかった方だと思います。来年もSFCを受けるかどうか、を決めるためにも、ちらりと読んでいただければ幸いです(400エントリー近くもあるんですけれども、お気の召すままに。)効果がある方には意外と効果があるようです。2月からの短期のご利用だったり、1年間を通してのご利用だったり、いろんな付き合い方があります。そのうち、合格体験記もいくつか頂けると思うのでそちらもご参考にしながらゆっくり見ていってください。
 (&非常に慕っていただける方が増えているのはありがたいのですが、匿名の掲示板など他所でお話いただけるときは多少ご留意いただけると助かります。あんまり大きくして派閥みたいにしたくないんです。あくまで、気に入った方が楽しく読んでいただく、このブログはそんな場所です。もちろん合格のための特効薬ではないし、特効薬なんか存在しませんよ。)

なお、このブログでは「SFCに合格してしっかりと勉強したいと思ってる方にしっかり勉強して合格していただく」ということを目標に作っています。斜め読みすると効果が半減するかもしれません。

「仮面浪人」や「別の大学」を考えている方へ

なんとなくいろんな方のご意見を見ていて(それは合格した方も、不合格だった方も 含めてね)、SFCに期待を持ち過ぎかな、と少し感じるところがありました。

いったいご自分が「何を勉強したい」と思っているのか、そして「何をほしい」と思っているのかを明確にしてみてください。学際分野なら他にも大学はいろいろありますしね。大学なんて通過点ですから、いくらでもよい大学はあります。もし、「勉強したいこと」や「何をほしい」のかが分からない場合は、いったんそちらに焦点を向けてみてください。



大学って、夢を叶える場所でもあるけれども、その根幹である「したいこと」を明確にしていないと、うまくいかないことがいろいろでてくると思います。今は「大学でしたいこと」はなんだろう、と考えてほしいな、となんとなく思います。

終わりに

学科の成績はよくて、しょうろんをしっかり参考にしたのにうまくいかなかった...という方、いらっしゃいましたらコメント欄やツイッターでご意見いただけると助かります。

それでは。

ps:リベンジ組の皆様、今年も一緒にやってくださるならば、また一緒にやりましょう!楽しくね。

合格おめでとうございます。SFCへようこそ!

皆様、合格おめでとうございます!!

まず、以下2つの項目をご確認ください。

<お願い>
1:パソコンの前にいる方も多いでしょうがご報告はご家族やお世話になった方が先。ツイッターや掲示板やブログは最後。
2:二十歳未満は飲酒厳禁。つまらないことで合格を無駄にしないで。飲まされた時は「絶対に」つぶやくな。掲示板に書くな。

さて、お願いをお読みいただきありがとうございました。落ち着かれましたしょうか。改めまして、合格おめでとうございます。1年間、当ブログをご利用いただき、誠にありがとうございます。皆様にお伝えしたい事は

おめでとうございます。私もうれしいです!!

ただそれだけです。言葉をたくさん並べるのは、後からにして、次に2つおねがいごとがございます。

合格ご報告のご記入のお願い

合格ご報告用エントリーにて、まずは合格のコメントをお願いしています。来年度の受験生に当ブログを信じていただくためにも、今年は合格者の数をカウントしてみようと思います。また、読んでわたしがにやにやするための、ひとことコメントもご記入いただければ、とてもうれしいです。

合格体験記のご記入のお願い

合格後、身の回りが落ち着かれてからで結構です。

合格体験記用エントリーにて、来年の受験生のための合格体験記を募集しています。お時間のあるときに、じっくりご記入いただければうれしいです。特に、「合格体験記が参考になったよ」という方は、ほんの少しでも結構ですので、コメントをいただけるとしあわせです。

要はこんな「わがまま」です

とにかく速くよろこびたいので結果は速めに「合格ご報告用エントリー」で読みたいです!来年の子のためにじっくり書いていただきたいので「合格体験記用エントリー」は、ゆっくり、でも、忘れないうちにお願いします!

最後まで、とんだわがままなやつでごめんなさい。

皆様の合格によせて

いろいろと、皆様にお伝えしたいことがあるのですが、きっと入学されたらどこかでお会いできると思うので(たぶん)、ブログでは2つだけご紹介させてください。

学びほぐし

経営学の考え方の中に「学びほぐし」という考え方があります。いつもながら辞書をひいてみましょう。
「アンラーニング」(unlearning)とは、いったん学んだ知識や既存の価値観を批判的思考によって意識的に棄て去り、新たに学び直すこと。日本語では「学習棄却」「学びほぐし」などと訳されます。個人や組織が激しい環境変化に適応して、継続的な成長を遂げるためには、いわゆる学習(ラーニング)と学習棄却(アンラーニング)という、2種類の一見相反する学びのプロセスのサイクルをたえず回していくことが不可欠とされます。
人事労務用語辞典の解説>アンラーニングより引用
「高校生と大学生は違う」にちょっとだけ近い考え方です。けれども、その「違い」は「SFC」や「慶應」という「枠組み」にあるのではありません。自分がいかにして古い学びと新しい学びをぶつけるか、それが継続的な成長につながる、ということです。待っていてはいけません。次の言葉にも関係しますが、こういうものはさっと解説を切り上げる方がいいですね。解説はこれぐらいにしておきます。

自力で噛む力

二つ目。これは既にブログの中でもお伝えしていることなのですが再掲します。
井庭 崇(いば たかし)
誰かがわかりやすく噛み砕いて解説くれているものばかり摂取していると、自分で固いものを噛む力がなくなる。大学なんだから、わかりやすいことを吸収する、というのではなく、難解な文章に自分で果敢にチャレンジして、読みこなして行くという経験が重要だと思う。(Twitterより引用)
既にご紹介していますし、またORFでもかなりのスペースがあったので、一度はお名前を見たことがあるであろう井庭先生のツイッターからの引用です。しょうろんは、そこそこ難しい話を、分かりやすく、噛み砕いて説明しているブログです。ただ「必ずしも」それを手放しでよいことだと言えるとは、私は思っていません。しょうろんには、大学に入ってからの皆様の噛む力、それを奪っている「悪いブログ」という側面もあります。「何をいっているんだ?」と思われるかもしれませんが、心の片隅に留めていただけると助かります。

「学びほぐし」に代えた最後のお願い

アンラーニングを「学びほぐし」と訳された方は、とてもきれいな日本語感覚ですよね。

皆様に、最後のお願いがあります。難しいことではありません。合格された方は、「入学準備」について、当ブログで質問しないでください。「Macがいいの?Windowsがいいの?」や、「みんな、どの辺りに住んでるの?」など、色々疑問はあると思います。当ブログではそういったものを「噛み砕く」つもりはありません。たとえ、MacとWindowsマシンをどちらを選ぶのか、という選択を失敗しても、痛い思い出として残しておいてください。ツイッターでいろんな先輩にも聞けますし、Facebookもあります。学校もいろいろ準備しています。どうかご自分で探しにいってみてください。もちろん、そんなに厳密には考えていませんが、私からの「お願い」です。

ps.一年間、私の方がめいっぱい楽しんだかもしれません。楽しかったです。本当にありがとうございました。

合格ご報告用エントリー

皆様、合格おめでとうございます!!

「しょうろんブログ または ブロマガをご利用いただいた方」
・かつ「ブログが参考になり、合格に寄与したと思う方」

は、合格のご報告を当エントリーのコメント欄にご記入をお願いします。もちろん、管理人のみ閲覧可でコメントご投稿いただいてもOK。皆様の喜びの声をお待ちしています。

ご記入をお願いしたいこと

1:他の方とかぶらないお名前
2:合格した学部名、あるいは両学部

3:ひとことコメント
※もしどうしても秘密の場合は、合格学部数だけでもうれしいです。ひとことコメントは、単に私が皆様のうれしい悲鳴を聞きたいだけのコメント欄です。読んでにやにやします。

ひとこと

改めまして、合格おめでとうございます。こんな不思議なブログを1年間ご利用いただきありがとうございます。

書いている私は匿名ですが、中身はその辺りの予備校や塾よりも役に立つ「今の私が出せる『ほんもの』」を書いている、と自分では思っています。こうしたブログにつきものなのは「信頼できなさそう」というイメージです。だから、もう少し、信頼度をあげるために、「合格実績」をブログにのせられたらよいな、と思っています。ご投稿いただいた合格実績を


・総合政策学部:合格者○名
・環境情報学部:合格者△名
・学部は秘密:合格者□名
※うち両学部合格者☆名

こんな感じで「ブログ」の信頼性をあげるための数値としてつかわせてください(ブロマガの宣伝に見えないように、表現は気をつけます。)

簡単にいうと、皆様の後輩に『しょうろん』を利用して、SFCに入学する方がもっと増えてほしい、と思う方はぜひご報告をお願いします。という感じです。

※なお、ご投稿いただいたからといって、授業では全く手加減もサービスもしませんのでよろしくグルワ(グループワーク)しましょう!!あしからず。

総合政策学部2014年小論文解説(はじめましての方向け)

現役女子大生いろはのブログとお遊び企画で名前を変えていたしょうろんですが、実際は「慶應SFC小論文合格対策ブログ ~しょうろん~」です。試験が終わったので、ちょっとしたお遊びでした。【2スレ目】2/19 総合政策学部の380番様から「どういうこと」という質問?がありますので、軽く答えさせていただきます。

まず、2014年の問1と問2は、各予備校様がきちんとおまとめになっているので、深くは解説しません。

問1:学説の違い
資料1 「西洋の衝撃・中国の反応アプローチ」という「枠組み」
資料2 「相互の衝撃・反応アプローチ」という「枠組み」

そして、問2では

問2:「教科書の違い」は「学説」という枠組みの違い
資料3 古い教科書 ・・・「西洋の衝撃・中国の反応アプローチ」という枠組みに基づく
資料4 新しい教科書・・・「相互の衝撃・反応アプローチ」という枠組みに基づく
そして両者の違いは枠組みの違いから生じる

といった感じですね。

さて、では問3を見てみましょう。
問3:これまでの学習のなかで、あなたが一番親しみにくかった科目は何ですか。一つあげて下さい。そして、その科目の教科書について、どの様な点を、どの様に改善すればもっと楽しく学べるようになるか、改良点を挙げて説明して下さい(500字)2014年 慶應義塾大学総合政策学部小論文より抜粋
という問題ですね。

問3の整理
「一番親しみにくかった科目」の教科書を「改善」することで、もっと楽しく学べるようにする。
  古い(現在の)教科書 → 新しい教科書:楽しく学ぶ

という感じですね。これと「問1」と「問2」を重ね合わせると何か共通点が見えてきます。

問3:「教科書の違い」は「枠組み」の違い
古い教科書 ・・・「親しみづらさを生み出す枠組み」に基づく
新しい教科書・・・「楽しく学べるような枠組み」に基づく

問1と問2から考えると、こういう図式が見えてきます。つまり、問3を言い換えると、
問3:これまでの学習のなかで、あなたが一番親しみにくかった科目は何ですか。一つあげて下さい。そして、その科目の教科書について、「どのような枠組みに基づいているから親しみづらいかを明確にし、その枠組みをどのように変えれば楽しく学べるかを示した上で、」どの様な点を、どの様に改善すればもっと楽しく学べるようになるか、改良点を挙げて説明して下さい(500字)2014年 慶應義塾大学総合政策学部小論文より抜粋、赤字部分は当ブログにて追加
といった感じですよね。こうすると、問1〜問3までは一本の線でつながります。

あとは、あなたの思いつくアイデア次第です。前回は保健で例をあげたので今回は体育にしてみましょうか。「あなたが一番親しみにくかった科目は何ですか。」なので、「親しみにくい理由」は何でもかまわないのです。

例1:体育の教科書
古い教科書...正しいトレーニングのスポーツのやりかたを解説する(枠組み)
 (実際に体を動かさないと理解できないことが多いので親しみにくい)
新しい教科書...体育の先生では再現できない優れたスポーツ選手の動きを学ぶ(枠組み)
 (普段の実技よりも遥か高いレベルで各競技を学ぶことができて楽しい)

と、枠組みを変更する。この点から考え、従来の文字や絵といった2次元の情報しか伝えられない教科書を電子書籍に変え、過去のオリンピック・ワールドカップ・プロ野球などの名場面の動画を各競技毎に整理し編集して見られる教科書に変える。

といった感じでしょうか。もう一つぐらい例をあげてみましょう。家庭科にしてみましょう。

例2:家庭科の教科書
古い教科書...一般の家庭で食べる料理の作り方を教える(枠組み)
 (料理が得意な、私にとっては既に知っている料理ばかりであり、かえって親しみづらくつまらない)
新しい教科書...郷土(例えば湘南台)に根ざした郷土料理を学び伝える(枠組み)
 (自分の住む地域の知らなかったよい料理を知る機会となり、料理の腕も上がり、楽しめる。)

と、枠組みを変更する。教科書にのせる料理を全国一律の料理から各地域の郷土料理に変える。また郷土料理にちなんだ衣住の話も教科書にのせ、より自分の住む郷土の衣食住を知る機会を増やす

といった感じでしょうか。

NG答案例

NG例1:化学の例
古い教科書...教科書の薬品の色や実験手順が分かりにくい。
新しい教科書...電子教科書で薬品をカラーにしたり、実験を動画を見ながらできるようにする。分からない点は教科書SNSで先生に質問できるようにする。

なぜ、NGなのかは分かりますよね。「枠組」について、全く触れていないからです。SFCは「ITに強いので、とにかくIT技術」と書いておけばいいや、というタイプの答案です。「でも、SFCの理念って『問題発見・解決』ですよね。この答案だと、「教科書の薬品の色や実験手順が分かりにくい。」ときちんと問題を発見していますよね。『問題発見・解決』ができているんだから、SFCの理念に沿っているじゃないですか?」という質問をよくうかがいます。これは、あとでご説明します。もう一ついきます。

NG例1:現代文の例
古い教科書...小説や評論文の解釈が一通りでつまらない。
新しい教科書...同じ小説や評論文でも多くの観点から解釈できる教科書にしよう。単に読解だけでなく作者の人物像や背景など多角的な点から総合的に学ぶ教科書にしよう。

これも、なぜNGなのかは分かりますよね。「枠組」について、全く触れていないからです。一見、「多角的」や「総合的」という言葉が使われているので、SFCらしいよい答案に見えるかもしれません。

根本的な確認

小論文に、ただ単に「IT技術で解決」と書いたり、「問題発見・解決」と書いたり、「多角的・総合的」と書いてあるだけで、その受験生が本当にSFCの理念が分かっていると判断していいのでしょうか?SFCに合った生徒だと判断してよいのでしょうか。そんな単純な入試で、大学は私たちを計っているのでしょうか。

SFCにおける総合政策学や問題発見・解決とは?

過去のSFC入試に書いてあることを引用してみます。
「ある枠組み(価値基準・規範)の中で考えたサブシステムにおける定量/定性的な最適解は、別の枠組みで考えると最適にはならないことを認識し、枠組みの設定こそが重要であり、そのために絶えず物事に対しズームをきかせながらとらえ俯瞰するといった、全体のパースペクティブを意識的に持たねばならない」と指摘します。これこそが、総合政策学のアプローチの主要な部分といえます。
「2011年 総合政策学部過去問」より引用
これを少しだけ言い換えてみましょう。

「ある枠組み(アプローチ)の中で考えたサブシステムにおける定量/定性的な最適解である教科書は、別の枠組み(アプローチ)で考えると最適な教科書にはならないことを認識し、枠組みの設定による教科書の改善こそが重要であり、そのために絶えず物事に対しズームをきかせながらとらえ俯瞰するといった、全体のパースペクティブを意識的に持たねばならない」と指摘します。これこそが、総合政策学のアプローチの主要な部分といえます。

これこそ、問3に見えてきませんか?

SFCは、「小論文」という形式を通じて、受験生が「本当に枠組みを柔軟に設定できるか」を設問により確認している、と考えた方がしっくり来ませんか?文章中に「問題発見・解決」や「総合的」と書くのは誰にでもできます。けれども、そうした言葉からでは、「本当に枠組みを柔軟に設定できるか」は分かりません。だからこそ、それを計るのが「問3」と言えるでしょう。

同じ事を念のため、2010年の総合政策学部の資料文1からも確認してみましょう。
先生:(中略)「問題発見」というのは、未知の問題を新たに見つけるというよりは、一般的に定義されている問題を批判的に検討すると言う方が適切かもしれない。「発見」という言葉は誤解を招きやすいし、やや言葉足らずな側面もあるので、まだ大学の同僚には説明していないけれども、「問題設定」と言った方がむしろ良いかも知れない。
学生:「問題発見」を「問題設定」に言い換えると何が変わるのでしょうか。
先生:いくつか意味があるのだけれども、最初の違いは目的を意識することだと思う。つまり、誰のためにどういう価値観で問題を定義するのか、という議論があることだ。
とあります。

「あれ?一般的な『悪いところや欠点をみつけること』が問題発見ではないの?」

違います。上で挙げた体育の例を見てみましょう。

例1:体育の教科書
古い教科書...正しいトレーニングやスポーツのやりかたを解説する目的
新しい教科書...体育の先生では再現できない優れたスポーツ選手の動きを学ぶ目的

言葉を「枠組み」→「目的」に変えました。この答案って上で述べたSFCの先生の「問題設定」=「問題発見」ができている答案に見えませんか?

例2:家庭科の教科書
古い教科書...一般の家庭で食べる料理の作り方を教える目的
新しい教科書...郷土(例えば湘南台)に根ざした郷土料理を学び伝える目的

こちらも同様ですよね。こういった価値観・目的・枠組みを柔軟に設定できる=SFCの問題発見・問題解決ができる素質のある学生をSFCは求めているので、問3のような出題があると当ブログでは考えています。

内容が「多角的」や「総合的」でなくともかまいません。家庭科の例は、一般のはばひろい料理がある教科書から、狭い範囲の郷土料理という教科書に変える一見「多角的」「総合的」とは真逆の問題設定をしています。けれども、これはSFCの求める問題発見です。そうした視点を持つ学生に高い点数がつく。SFC小論文は、そうした試験に見えてきませんか?

終わりに

もちろん、問1や問2にも配点はあるはずですので、こういった観点が満たせていないだけで即ダメな答案ではないと思います。けれども、SFCの理念を考えると、どう考えても、問3はこういった「適性」を確認する試験にしか見えないのです。(そして、例年のごとく形を変えて繰り返されます。)おそらくは配点もかなり高いでしょう。そう考えれば、高偏差値でも小論文で落とされる人が多いことも納得できます。高偏差値であっても、単なる「欠点探し」をする方も多いでしょうし。

皆様が、書いたテーマや内容ではなく、こういった視点を持った答案かどうか、一度ご確認いただいてはいかがでしょうか。(例えば、上述のスレ内で政経の答案が上がっていましたが、「政経」という科目の「目的」には触れられているように見えますよね。あの答案がよいかどうかはともかく答案を見る視点が変わると思います。)

発表まで、あと1日ですよね。皆様の合格をお祈りしています。それでは。

独自性や発想力について

SFCの先生はたった2時間で独自性のある答案や、創造力豊かな答案が出来ないことは分かっているので、本番での独自性や創造力への点数はあっても単なる加点であって、合格に本質的なものではないと思いますよ。資料文の丸写しや要約をしてはいけない設問で、それをすると創造性や独自性がないと見なされるかもしれませんけれどもね。

2014年 総合政策学部小論文設問解説(速報&確報)

資料文を読んだ後の確報を追記しました。

2014年総合政策学部 設問

問1:資料1と資料2を比較したうえで、二つの学説の違いを400字でまとめてください。

問2:資料3と資料4では、中国社会の変化と中国をとりまく東アジアの国際関係の変化についての説明の仕方が異なっています。まず、どのような違いがあるのかを説明し、その後に、なぜそのような違いが生まれたのかを問1の解答をふまえて解説してください(800字)

問3:これまでの学習のなかで、あなたが一番親しみにくかった科目は何ですか。一つあげて下さい。そして、その科目の教科書について、どの様な点を、どの様に改善すればもっと楽しく学べるようになるか、改良点を挙げて説明して下さい(500字)2014年 慶應義塾大学総合政策学部小論文より抜粋
※独自に入手したものですが、内容の正誤は確認しておりません。予めご了承ください。

「論点」がないと「違い」が定まらない。

質問:「安倍晋三」と「小泉純一郎」の違いを400字でまとめてください。

という質問に対してどのように答えますか?普通の人は、政策の違いや任期の違いなどを述べるかもしれません。この時、あなたの頭の中には、「総理大臣」としての二人の知識が頭の中に自動的に思い浮かぶはずです。

ところが、

画数と字数が違うため、二人の運勢が異なる

もし、私が「姓名判断」をする占い師ならこう答えるはずです。この時、「政策」の違いや「任期」の違いを述べた人と、「画数と字数」を述べた人とどちらが正しいですか?どちらが正しいとは言えませんよね。それは、両者の間に問題意識の違いがあるからです。

SFCの小論文を「現代文」だと理解している方は、しばしば資料をまんべんなくまとめがちになります(もちろん資料文の構成にもよりますが。)つまり、こうした問題意識やそれに伴う「論点」がはっきりしないまま、つまりはあなたが「占い師」なのか「普通の人」なのかをはっきりしないまま、設問にとりかかります。これがよくありません。

SFC小論文は「問題発見・解決アプローチ」を確認する試験です。だから「論点」は常に「問題発見・解決アプローチ」を意識すべき。

このブログの基本方針を書きます。

SFC小論文とは
「SFCで学ぶために必要な適性」があるかどうかを確認する試験
・「SFCで学ぶために必要な適性」とは「問題発見・解決へのアプローチ姿勢」を意味する
・「問題発見・解決へのアプローチ姿勢」を学ぶことがSFC合格への最短ルートです。

でしたよね。つまり、SFC小論文は「問題発見・解決をする人」の立場として答えなければなりません。「適性試験」ですから。こうした「適性」を発揮するためのアプローチ方法を、「総合政策的アプローチ」と当ブログでは呼んでいます。つまりは当ブログの勝手な造語です。「政策を総合的に考えるアプローチ」ではなく、「SFC小論文で合格点をとることを目的に、SFCにおける問題発見・解決へのアプローチ姿勢への適性を示すアプローチ」です。決して、歴史学的アプローチや経済学的アプローチのようなものではありません。目的もある意味非常に矮小です。

問1のプチ解説

さて「SFCの問題発見・解決アプローチでは、まずこうした両者の問題意識を作り出す差異に必ず着目します。したがって、そうした「問題意識」を産む「価値観」こそがSFCの入試で最も問われることの多い質問です。この価値観は「自分で設定する場合」もあれば、「資料文から読み取る場合」もあります。

2014年総合政策学部の問1はそうした「資料1」と「資料2」の「問題意識=価値観」の違いを説明することが求められています。

ただし、こうした判断は、

判断根拠
1:問2の設問を先に読む
2:SFCの問題発見・解決アプローチを事前に理解する
(3:資料文があまりにもあからさまである)

のうち、いずれかで行われます。3の場合は、現代文的アプローチでも対策可能ですね。あるいは、1を先にすれば、現代文的アプローチである程度よい点数がとれるかもしれません。ただ、資料文次第では検討はずれの部分をまとめる可能性もあります。そこに注意しましょう。

だから、まずは設問全体を眺める意識が重要です。この設問だけを見ている人は、しばしばまとめるときに論点を見失います。

問2:設問文と問題発見・解決アプローチから「方針」を決定し、問1の内容も決定する

問2:資料3と資料4では、中国社会の変化と中国をとりまく東アジアの国際関係の変化についての説明の仕方が異なっています。まず、どのような違いがあるのかを説明し、その後に、なぜそのような違いが生まれたのかを問1の解答をふまえて解説してください(800字)
が問2ですが、SFCにおける問題発見・解決アプローチを理解していれば、これを理解するのは簡単です。「説明の仕方」の相違は、その後ろにある「価値観」の相違にあるからです。これはSFCの問題発見の基本方針であり中心的な内容です。

「価値観が異なれば、ものの見方が変わる」というのはこれまで、何度も何度も過去問の資料文に出てきています。2007年の資料文1〜3は直前に読みたい資料でしたが、お読みになられましたか?「城壁」は「攻め側」か「守る側」かの立場により「問題」にも「解決策」にもなりえます。その「価値観・枠組みの取り方」が「問題」を生むのです。そして、その「価値観・枠組み」をどう設定するか、が極めて重要になります。
「ある枠組み(価値基準・規範)の中で考えたサブシステムにおける定量/定性的な最適解は、別の枠組みで考えると最適にはならないことを認識し、枠組みの設定こそが重要であり、そのために絶えず物事に対しズームをきかせながらとらえ俯瞰するといった、全体のパースペクティブを意識的に持たねばならない」と指摘します。これこそが、総合政策学のアプローチの主要な部分といえます。
2011年 総合政策学部過去問より引用
とも述べられていますよね。

こうした「SFCの問題発見・解決」に関する背景知識を理解していれば、

問1:学説を「価値観の相違」を論点としてまとめることで、つまりは異なる資料文から異なる「価値観・枠組み」を読み取りそれを中心にまとめることで、SFCの問題発見・解決に対するアプローチ姿勢への適性があることを示す問である。
問2:問1の内容をふまえた上で、「価値観の相違」を再度読み取り、その違いとその違いを生む要因を説明することで、SFCの問題発見・解決に対するアプローチ姿勢への適性があることを示す問である。
(ここの「ふまえかた」は資料文がないのでこの段階では書く事ができません。)

と簡単に分かります。こうした設問は過去何度も出ているので判断も容易ですよね。

逆にこうした理念を理解していないと、この手の問題は非常に解きづらくなります。

よくある凡ミス「問題発見・解決アプローチ」

次に、字面的に「問題発見・解決」を捉えている人の場合を次に説明しましょう。

当ブログでは、2012年環境情報学部の問題(生活用品)のデザインをまず最初に解いていただいて、実力を試すことをオススメしていました。また当ブログでは、この問題をたくさん添削しています。その時のよくある誤解答はこんな感じです。

問1:生活用品Aに着目する。Aはこんな生活用品である。私は、Aについてこんな経験をした。なぜこうした経験をしたかというと、Aはこんな性質があるからである。

問2:生活用品Aには○○な欠点がある。だから、○○する方法で(おもしろいことによくあるのが「IT技術で、SNSで」などです)生活用品Aを改良する。

という内容です。そして、赤字部分の「欠点を発見すること」=「問題発見」と思い込み、それを「IT技術やSFCでよくやっていること(3Dプリンタ!!)」で解決すること=「問題解決」と勘違いして答案をすすめていきます。ひどい人であると、「ここが「独自性」や「発想力」をアピールする部分だ!!」と思い込み、「突飛なアイデア・奇をてらったアイデア・奇抜なアイデア」を書いてみたりします。

こうした方は、たぶんただパンフレットを眺めているだけの方だと思います。けれども、こうした問題発見・解決アプローチを書いて、「SFCを理解した」と思っている人が非常に多いです。実際には、この問題発見・解決アプローチについては、2010年総合政策学部の資料文1や2011年総合政策学部の資料文6において、しっかりと説明されているため、本来ならば誤解のしようのない部分のはずです。

さて、この「生活用品のデザイン」の問題はどう解くのか、は簡単です。この問題では「問題解決」の方法、あるいは「問題発見」の方法ともいえるのですが、が資料文中にしっかり定められていました。
(資料文4)
デザインは、単に製品の外観を整えることではなく、ユーザーが必要としている体験を計画し、技術開発に方向性を与え、製品を通じたサービスのあり方全般を考える手段となった。
慶應義塾大学 環境情報学部2012資料文より抜粋
したがって、この問題では「デザイン」は「ユーザーが必要としている体験を計画し、技術開発に方向性を与え、サービスのあり方全般を考えること」でした。だから、いくら「欠点探し」をしても「資料文」に合わないのです。

SFCの問題発見・解決アプローチを理解していれば、「問題発見」=「欠点探し」ではなく「問題ととなる事実に対して、価値観を設定する」だと分かるので、この「設問」では「ユーザーが必要としている体験」が「よいこと」となるので、これを設定することが「問題発見」になる、ということが分かります。

「問3」の解き方について

問3:これまでの学習のなかで、あなたが一番親しみにくかった科目は何ですか。一つあげて下さい。そして、その科目の教科書について、どの様な点を、どの様に改善すればもっと楽しく学べるようになるか、改良点を挙げて説明して下さい(500字)2014年 慶應義塾大学総合政策学部小論文より抜粋
まさか、○○という科目は、△△という欠点があるからつまらない。だから、△△という欠点を□□と改善すればもっと楽しく学べるようになるなんていう、SFCの考え方とは全く違う「問題発見」を行って、「問題解決」を行っていませんよね?よく、SFCは高偏差値でも落ちるし、低偏差値でも受かる、と言われますが、私の考えはこうです。「こういうSFCの考え方と異なる問題発見・解決を行った人の小論文の点数は極めて低くなり、SFCの考え方にあった問題発見・解決を行った人の小論文の点数が高くなる」というだけのことです。

問1と問2では、「各(歴史)学について価値観(枠組み)の設定」次第で内容が変わることを示しました。ということは、問3もこうした

「価値観(枠組み)の設定」を中心に論じることで、SFCの問題発見・解決に対するアプローチ姿勢への適性があることを示す問

であると考えた方がよさそうです。実際に、そうしたアプローチ方法こそが、SFCの問題発見・解決に対するアプローチです。(お昼休みに、総合政策学部2010年資料文1を読んでみてください)

だから、問3は「既存の教科書」を現在の形に足らしめている「価値観・枠組み」は何かを考え、その「価値観・枠組み」を「もっと楽しく学べるような」ものに変え、その「価値観・枠組み」の変更に応じて変わる教科書の内容について論じるべきです。少なくとも、そうしなければ、問3が問1と問2の後に来ている意味がありませんし、SFCで行っている問題発見・解決とずれたものになってしまいます。(まさか何の必要性もなしに単に「ITでインタラクティブな教科書にかえる」って書いた方はいらっしゃらないですよね?3Dプリンタで立体教科書なんて書いてないですよね?SNS教科書なんか作ってませんよね?)

そうしたことを考えると、例えば

「従来の保健科目:日本人として大人になっても知っておくべき健康や身体の知識を学ぶ目的」だから親しみにくくつまらない。「新しい保健科目:10代の若者がいま知っておくべき健康や身体の知識を学ぶ目的」にしよう。そうすれば、「成人病」も「若年性の成人病をきっかけとして成人病全体を学ぶ教科書」に変わるし、「美容やダイエットの正しく健康な知識を身につける教科書」に変わるし、「性教育を、若いうちに実技を含め(避妊の仕方などを指しています。勘違いしないように。)しっかりと指導する教科書」に変わり、興味を持って楽しく学ぶことができます。

という類いの小論文になります。(もちろん、本番では小論文風に書く必要がありますよ)。

そうすれば、SFCで行っている「問題発見・解決へのアプローチ姿勢」を示す目的がしっかり達成できます。

どうすればそのような答案を書けるか

これは、何度もブログ内で書いていますが、

1:SFCにおける問題発見・解決アプローチ=総合政策的アプローチをよく知ること
2:設問を「1」のアプローチを通じて、しっかりと読み解くこと
3:アピールすべき「適性」を設問に答えることで、しっかりとアピールすること(現代文的に読み解かない)

です。

もうすぐ環境情報学部の小論文試験ですね(今、11:42なのでかなりあせってこの文章を書いています)。昨日の総合政策学部小論文について、この記事を読んで思うところがあれば治してくださいね。

それでは。がんばってください。

2/23追記

資料文を読んだ結果、今年の問1は現代文的な読み取りでも十分通用すると思います。したがって、問2も問1が読み取れたら、うまく行くと思います。問3は変更ありません。

問3については各予備校様の意見が別れていておもしろかったです。河合塾の潔さは好きですが、さすがに設問の関係性を無視するのはやりすぎでしょう。あと、東進の無理矢理資料文3・4を楽しさに結びつける見方も好き。差がつかないと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、予備校様の解答も様々です。意外に差がついていると思いますよ。

2014年 環境情報学部・小論文 解説(追加)

資料文を読んだ結果、多少考え方が変わったので少し補記します。速報と書いていることが異なりますがあしからず。

問題文

湘南藤沢キャンパス(SFC)開設25周年を記念して、シリーズ『地球と人間』が出版されることになり、その準備がはじまりました。あなたは、高校生編集者として、このシリーズのうちの一冊の本を編集することになりました。
あなたが編集を任されたのは、異なる作者による文章を集めた本で、あらかじめ以下の【A】〜【I】の9つの文章が、収録される候補として選ばれています。ただし、ページの分量制限があるため、本に収録できるのは9つのうち6つの文章です。本は、あなたが書く「はじめに」という文章と、6つの文章で構成されます。
あなたは、どの文章を選んで、どのような本を作りたいと思いますか?あなたなりの問題意識にもとづいて、本の構成を提案しましょう。

問題1
まず、【A】〜【I】の文章に、それぞれ小見出し(短いタイトル)をつけてください。

問題2
あなたなりの考えにもとづいて、本に収録する文章を6つ選んでください。なお、どの文章を選ぶかについては、採点の対象とはなりません。あなたの発想で、自由に選んでください。
⑴選ばなかった3つの文章のアルファベットを記入してください。
⑵3つの文章を選ばなかった理由を、300字以内でまとめてください。

問題3
あなたは、「はじめに」という文章を書いて、選ばれた6つの文章を通じて読者に感じ取って欲しいことを伝える必要があります。
編集者としてのあなたの考えを紹介しながら、この本の読者に伝えたいことを、1000字以内でまとめてください。

問題4
あなたが編集する本に、タイトルをつけてください。次々と刊行される予定の、シリーズ『地球と人間』にふくまれる1冊として、魅力的なタイトルを考えてください。字数は、記号をふくめて25文字までとします。 2014年 環境情報学部小論文 問題文より抜粋(当ブログコメント欄にご投稿いただいたもの)

1:テーマ「本の編集」は「解決策である」

「あなたは、どの文章を選んで、どのような本を作りたいと思いますか?あなたなりの問題意識にもとづいて、本の構成を提案しましょう。 」

今回の設問の場合は「本を編集する」がテーマであり、このテーマは死人テストをパスするのでこれは明らかに解決策。だから、これをきっかけにして、考えていきます。解決策がテーマの場合は、「問題の再設定」が問われることも念頭においてください。「解決策の決定」については「問1 見出しの作成」「問2 資料の選択」「問3 「はじめに」の作成」「問4 本のタイトル」という4つの出題として、設問になっています。「実行可能性」は、この出題の場合、明らかに本は編集できるので問われていなさそうです。「副作用」はおもいつけば書けばいいと思います(本の内容が偏っている場合、それを正す言葉とか。)。ということで問われるのはほぼ「実効可能性」のみ。「目的」と「イイタイコト」がずれていると、ずれ度合いに応じて減点幅が大きくなるでしょう。なお、「問1」のタイトルを「問3」で使用しなければ「即減点」などという狭量なことはないでしょう。本のはじめにだって「第1章では、〜」「第2章では、〜」と章番号のみで書かれることはよくあります。そういった点からも資料B、資料Dなどという書き方をしたら、即減点ということはないでしょう。但し、問1の見出しは「本全体での位置づけ」を考えながらつけた人の方が点数が高いと思います(次項ご参照)。

上の太字部分でも強調したように、「あなたなりの問題意識」を書くことが求められているので、それは「問2」および「問3」で書くのが自然でしょう(「問1」や「問4」にももちろん関係します。)。ここで「あなたなりの問題意識」については、シリーズ『地球と人間』の中の一冊の本という形式なので、少なくともその問題意識と『地球と人間』の関係性については、問2あるいは問3で触れたいところ。ちなみに、私は「地球と人間」というテーマにこだわらず、「地球」だけを問題意識の対象としてもいいし、「人間」だけを問題意識の対象にしてもいいと思います。シリーズ『地球と人間』というシリーズが「人間1」「人間2」「人間3」「地球1」「地球2」「地球3」という形で出版されるのは極めて自然なので。したがって、よほどのテーマ設定でない限り、「地球と人間」というテーマとの関係性さえ、問2か問3で述べている限りは、そのテーマ選択での減点はないと思います。毎度のことながら、「斬新なテーマ」は求められていないでしょう。別箇所で引用しましたが、
人は訓練によって「情報」の量を増やすことができる。ひとつは自明性の領域を懐疑と自己批判によって削減することによって。もうひとつは異質性の領域に対して自己の受容生を拡大することによって。
東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ(遥洋子)
にある通り、「当たり前」を「当たり前ではない」と見なして再び考えることが「新しい」を考えることにつながります。だから、高校生から見て「一見新しそうなテーマ」を書くことは求められていないでしょう。基本が好きな先生はたくさんいますよ。むしろ、新しいものばかり好きな先生はほとんどいないと思います。

但し、一番ポイントとなるのは、やはり問題意識です。読者に対して「何を期待して」「どういう内容を伝えるか」の「何を期待して」つまり「本の目的」=「問題意識」については、問3(あるいは問2)に書いていなければ、減点はやむ終えないと思います。したがって、「はじめに」については、

「はじめに」の構成例
○本書の目的
 ・どういったことを問題意識として
 ・どんな読者に
 ・どのようなことをしてもらう目的とするのか
○「地球と人間」シリーズ内での位置づけ
○本書を通じて伝えたいこと
○本書の構成

ぐらいで書ければよいと思います。赤字部分は次をご参照。

補足「はじめに」を完璧に書くかどうか

問題3
あなたは、「はじめに」という文章を書いて、選ばれた6つの文章を通じて読者に感じ取って欲しいことを伝える必要があります。
編集者としてのあなたの考えを紹介しながら、この本の読者に伝えたいことを、1000字以内でまとめてください。
ここは相当揉めそうなので、しっかり補足しておきます。

まず、結論から。

「はじめに」形式で書いても「はじめに」形式でなくともどちらでもOK。

問題文の「あなたは、「はじめに」という文章を書いて、選ばれた6つの文章を通じて、読者に感じ取って欲しいことを伝える必要があります。 」ここまでを読むと設問で「はじめに」を「書いて、伝える必要があります。」とあるので、「はじめに」を最後まで書くことを指示しているように見えます。その後ろの部分は、接続語を省略しているので、「書いて、伝える必要がある内容」の同格と見なして「はじめにを書く」の「言い換え」と考えます。すると「編集者としてのあなたの考えを紹介しながら、この本の読者に伝えたいことを、1000字以内でまとめてください。」=「はじめにを全て書く」と読めます。これが読み方のひとつめ。

もうひとつは間の段落を意識して「切る方法」。「あなたは、「はじめに」という文章を書いて、選ばれた6つの文章を通じて読者に感じ取って欲しいことを伝える必要があります。 」ここまでは「設問の前提」と考えます。「必要があります。」が多少きつい表現なんですが、それは無視。ここで「段落」があるので「意味が一旦切れた」と考えます。すると、前の文章と一切つながりもなく、突然「編集者としてのあなたの考えを紹介しながら、この本の読者に伝えたいことを、1000字以内でまとめてください。」という別の問題が出てきます。だから、ただ単に「はじめに」の文章に書く内容と多少関係のある「編集者としてのあなたの考えを紹介しながら、この本の読者に伝えたいことを書く」という別の問題になります。これはいわゆる前の文の「選ばれた6つの文章を通じて読者に感じ取って欲しいことを伝える」と「編集者としてのあなたの考えを紹介しながら、この本の読者に伝えたいことを、1000字以内でまとめる」の間の関係性をかなりの程度まで断絶させて読む読み方です。

個人的には7−3で前者ですが、例えば、論理パズルゲームであれば、単に後ろの文章を読むだけのひっかけ設問として後者が存在し得ます(前の文章は一切無視)。よって、いずれにせよ、両方で読める。

前者で解いた場合には「はじめに」は完成します。後者で解いた場合には「はじめに」は完成しません。ただし、「編集者としてのあなたの考えを紹介しながら、この本の読者に伝えたいことを、1000字以内でまとめる」という手法で「はじめに」を全て書くこともできます。こうした「はじめに」は「後者」でありながら「完成形」でもある。そうなると、いずれにせよ、「完成」「ただのまとめる」という区分は無意味になります。だから、どちらで書いても減点はなし。

いずれにせよ、本来は「はじめに」を完成させる意図だったと思います。さすがに、そういった論理パズルを小論文の設問の途中で行わないのが普通ですし。もし、「はじめに」の「あらすじを書け」なら、接続語を入れて、そう読めるように書くはずですし。

ただし、注意しなければいけないのは、いずれにせよ、どちらにも読めるので採点の際には、「どちらでも読めること」を考慮に入れた採点基準となる。そうなると次の「2」は必ずしも必要なくなるので、問3にかかる2の部分は話半分に読んでください。なお、ここに関して「加点」があるかは不明。私はあると思っています。

2:本を「編集」し、「完成」させることから分かるコンピテンシー

ここからの部分が、解説として、特に付け加えたい部分です。これを読む前に、「システム」をお読みいただけるとより分かりやすいと思います。

今回は資料文を読んでいくと「全体」や「部分」のようなテーマに関係するものが、そこそこあります。A,B,Dあたりは確実にそうですよね。他の資料も、そういったテーマにかすったり、思い起こさせたりします。そして、設問全体を読めば、この「本」は「完全に完成する」ことが分かる、というのは、既に速報時点で、指摘している通りです。また、これは問1〜問4の順に「ボトムアップ的」に本を「編集」して最後は「完成」させる手順を示しているようにも見えます。受験生は文章を「編集」して、ある意味で「本」を完成させます。ここまでが出題意図。(決して資料文を「まとめる」のではない。)

ここで「完成させる本」を「全体」として見ると、「はじめに」や「6つの文章」は「部分」になります。さらに「地球と人間」シリーズから見ると、この「本」は「部分」です。それをつなぐジョイントとして、「問1:小見出し」や「問4:本のタイトル」があります。さらに普通の人の頭の中には、「本」というひな形は既にあるはずです。

ということは、この出題は「部分」と「全体」という視点を柔軟に切り替えて対象を見られるか、という適性を確認する出題ではないか、ということです。もちろん、設問を丹念に読んでいくと、「部分と全体」に気づかなくとも、かなりの精度で本を完成させる事はできます。全て設問に書いてますから。また、問題4の
問題4
あなたが編集する本に、タイトルをつけてください。次々と刊行される予定の、シリーズ『地球と人間』にふくまれる1冊として、魅力的なタイトルを考えてください。字数は、記号をふくめて25文字までとします。
というわざとらしい「限定」も気になります。さらに普通の高校3年生には「本」という形式のひな形が頭の中にあるので、設問を丹念に読み取り、「シリーズの中の、一冊の本を完成させる」という意識があれば、「部分」と「全体」をうまく考慮して、全体を完成させることはそんなに難しいことではないでしょう。

極言すれば、こうなります。単にまとめちゃう人の「はじめに」は

「○○○。
資料Aでは、こういいたい。
資料Bでは、こういいたい。
資料Cでは、こういいたい。 だから、全体ではこういうことです。」

という答案になります。でも、「本」という形式や資料文の多様性から見るに、本を編集する意識に立てた人は、

「○○○。
まず私は資料Aを通じて○○といった問題意識を提示したい。
こうした問題意識の背景には、資料Bに述べているような哲学が重要となる。
もちろん、資料Cのような哲学も忘れてはならない。
だから、全体ではこういうことです。」

と、各資料を本全体の中でイイタイことを、うまく伝えるように構成していく。こういったことが可能です。そして、ヒントは全て小論文の設問に書かれています。だから、これを読み取れていないのは、ある意味、単なる設問の読解不足です。

そうしてそうしたことをきちんと意識して答案を作れている受験生こそが、「地球環境の中の部分と全体を〜」などと文章を書く受験生より、「「部分」と「全体」という視点を柔軟に切り替えて対象を見られる」という適性を持っていることは明らかです。「小論文」を単に「自分の意見や資料をきれいにまとめる」と思っているだけのある種「頭のいい」受験生をふるい落とすための「差がつく」よい問題なのではないでしょうか。

「部分と全体」コンピテンシーを計れそうなポイント
・問1のうち選んだ資料は「本全体」を意識した見出しになっているか。
・問3で各資料文について、「本全体」の中での位置づけを示し、配置順序を示したか。
・問3で「地球と人間」というテーマとの関係を論じたか。
・問4で「地球と人間」との関係性を意識した表題付けとしたか。

他にもあると思いますが、こうしたポイントから「部分と全体コンピテンシー」を計っていると考えれば、偏差値や小論文模試の順位とSFCの合否結果の相関度合いが低いのもある程度説明できると思いませんか?

補記:高校生編集者という視点について

この部分に関してはいろいろ悩んだのですが、資料文を読んでみて「問題の設定」部分に関して、この視点を入れるのは難しい(なぜならば、この問題は資料文の選び方により、「あなたの問題意識」を書く事もできるし、「あなたがみたSFCの問題意識」も書く事もできるので、必ずしも高校生に視点を限定できないと思いました。)と思うので、その部分は不要な気がします。(浪人生がいるのが分かっているのに、「高校生編集者」と書いているのは、まだひっかかってるのですが。)
 但し、同一、全く同じ問題意識で全く同じ資料構成の小論文があったときに、「自分が高校生であることを意識して目的設定をした、あるいは、いいたいことをまとめた」ということが書かれた答案があれば、その答案の方が点数が高くなるのは確かです。なぜならば、「設問の条件をよりしっかりと満たしたことが分かる答案」だからです。こうした見方に加点がつくか、最後のどんぐりの背比べのときに参考にされるのかは分かりませんが、採点基準の中に入っている可能性は高いと思います。ただし、それに関して大幅加点や大幅減点はないと思います。あくまで「どちらがよいか」を考えた時に「軍配」があがるのです。

最後に

各予備校様と観点が違うのは、分かっているのですが、ご参考になれば。(各予備校様でも観点が分かれているので、必ずしも「差がつかない」と言い切れない気がします。念のため。)こうした点でまとめられてなければ、即不合格、といっているんじゃないですよ?念のため。

総合政策的アプローチはこうるさいけど、かわいくて、おいしい子です

はじめに

【2スレ目】2/20 環境情報学部というスレッドからの流入が増えていますね。何やら不穏な様子ですが、私が一番お伝えしたいのは、「もう試験が終わったんだから、国立等の入試が残っている人以外は少しゆっくりしようよ。不安になるのは分かるけどさ、掲示板を眺めてたりなんかせずにさ。目を休めてあげようよ。」です。

私なら、読書をオススメします(目は休まりませんが。)何も読みたい本がなければ、1冊ご紹介しておきます。何度かしょうろんでもご紹介していますが、「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」(遥洋子)です。上野千鶴子や遥洋子さんはフェミニズム関連でいろいろとお嫌いなかたがいらっしゃると思いますが、この本はおもしろいし、ちくま文庫なので安いし入手しやすいですし(ブックオフでも手に入る!はず)、ぜひお読みいただければ、と思います。

「社会の常識」について

とはいえ、議論自体の流れについて大きく3つ指摘しておくと、

もし、SFCの問題発見・問題解決に対する姿勢が「社会の常識」ならば、
 1:なぜ「SFCの優れた先生たち」はそのようなものを「理念」として掲げるのか?
 2:なぜ「世の中の問題」はなくなっていないのか?
 3:「社会の常識」を理念とする大学でいったい、自分は何を学びたいのか?

といったところでしょうか。

「問題発見」の「価値観・枠組み」の設定は、知識として理解するのはとても簡単ですが、「価値観・枠組み」を自分で自由に設定するのは結構厄介なのです。例えばスレの流れで上で述べた通り「社会の常識」が論点として上がりますが、あの「社会の常識」の「社会の常識」とはいったいなんなんでしょうか。「常識」が「常識」になっているからには、「常識」を常識たらしめる「価値観」や「枠組み」があります。『「イスラム社会の常識」と「日本社会の常識」は違うよね?』と指摘すれば、「当たり前じゃん」と返事する人が多いでしょう。それは「価値観」や「枠組み」を相対化する言葉をそこに明確化したからであり、それがないまま「社会の常識」という言葉がこのスレでは使われているので、それって「問題発見」できていないよね?と思っちゃうのです。そして、おそらくあのような「社会の常識」という言葉の使い方をすれば、「価値観・枠組みを設定する」ことができていない、とSFCの教授は見抜くと思いますよ。

こうしたときに、わざわざ物差しのように「毎回、問題の再設定してくれなきゃイヤだよ」とアピールしてくれる切り口が「総合政策的アプローチ」です。ちょっとこうるさい子ですが、よろしければお使いください。そして、この子に慣れてくれたら、試験の時にも「SFCの理念」を思い出すのに、ちょっとだけ便利だとおもいます。そんな子ですよ。絶対的な子ではなく、絶対的なだだっ子です。

遥洋子さんの本から、ふたつ引用しておきます。
ひとつのできごとは多面体で、にもかかわらずなぜ一面しか見えてこないのか。物事が多面体であることを知るだけでなく、その一面しか見せなくしているトリックそのものを見破らねば、わかったことにならないのではないか。
東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ(遥洋子)
そしてもう一つ。「社会の常識」はいわば「自明」の領域にあり、「自明」の領域に留まってしまえば、それは結局自分の「情報」を減らすことになってしまいます。
人は訓練によって「情報」の量を増やすことができる。ひとつは自明性の領域を懐疑と自己批判によって削減することによって。もうひとつは異質性の領域に対して自己の受容生を拡大することによって。
東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ(遥洋子)
(もちろん、一回限りの小論文でそう判断するのは酷だ、という意見はあるでしょうが、それって英語で苦手な単語がたくさん出たり、数学で好きではない問題が出るかもしれない一回限りの試験の点数で合否判断するのは酷だ、というのとほとんど変わらないんですよね。)

「小論文」で「適性」を計るということは可能か?

ブログの中では、すでにコンピテンシーという考え方を紹介していますが、経営学の中で「優秀な人をいかにして見抜き、育てるか」というのは、ひとつの大きなテーマです。世界中で様々な人たちが、そうしたテーマについて研究を重ねていますし、恐らくは日本の企業も資料などで読む限りは2000年代からこうした「コンピテンシー概念」を面接等に導入しつつあります。そうして「その手法を平均的に多くの社員に使える形にする手法」についても研究されています。SFCにも「慶應大学SFC研究所」内に「キャリア・リソース・ラボ」などがあり、コンピテンシー概念について研究されていらっしゃる先生もいらっしゃいます。(必ずしも、「見抜く側」のコンピテンシーには限りませんが)。こうした状況下で、「『がんばります』と書いたり発言しているからこいつは『努力する人間だ』」程度の低い判断が行われるはずもないわけです。ついでに言えば、そう私が書いているということは「総合政策的アプローチ」にはこうした「コンピテンシー面接」から着想を得た「ちょっとだけおいしい何か」を入れ込んでるんですけどね。そして、その「隠し味」をいかせるかどうか、もご利用いただく方次第なんです。
 『ぱっと読んで、これって「当たり前」じゃん』と思っちゃう人にはたぶんそうした恩恵ってすくなくなっちゃうと思っています。そうしたものも含めて、当ブログは「宣伝はしない」し、「利用したければお好きにどうぞ」というスタンスなのです。もちろん、私はこのアプローチを「絶対視」はしていませんしね。他の方がどう使うかも自由です。ただ味覚をするどくして、「いままで知っていること」とのちょっとした違いという隠し味を楽しめるようになることで、たぶんこの子はおいしく食べられるのです。
「教養」や「オリジナリティ」に神秘的な意味を与える必要はない。「すでに知られていること」が何かを知ること。それと自分の考えていることがどう違うかを分節する能力を持つこと。「異見」はそのようにして創られる。
東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ(遥洋子)

「問題発見・解決」は「対策」により身につくか。

私は、ベナーさんという看護論を書いた人が大好きです。看護や介護の歴史を変えた一人と言われている方です。この人は何をやったか、というと、多様な仕事を抱える看護婦がどのように熟達していくか、そして、熟達した看護婦をどうやって育てるか、ということを考えてまとめた方です。その後、「臨床」すなわち「現場」での、実践的対応力をどうやって伸ばすか、ということが、看護の分野を中心に発展してきました。もちろん看護学を離れたところでも、こうした流れは加速しました。(例えば、2013年環境情報学部の資料文7の「実践知 -- エキスパートの知性」なんかもその一例ですよね。資料文の引用箇所とは異なる箇所です。)人工知能を批判したドレイファス兄弟の知見がベナーの看護論には含まれています。このあたり、非常に学際的な魅力がありますよね。「人が育つ」「人を教える」という方法論はどんどん変化しています。ベナーの看護論を読みましたか?とは言いません。ただ、恐らくはあまり深く考えずに、ベナーの看護論を読むと「なんだろう。この経験談ばかりの教訓○か条みたいなものは?」ただの「対策」なんじゃないの?と思っちゃうかもしれません。ベナーのやっていることを、そのまま「問題発見・解決」の習得に結びつけるのは難しいのですが、「人が実践的に育つ」というところは、総合政策的アプローチ及びしょうろんは結構意識して、その使い方をまとめています。これもおいしい隠し味です。よろしければ、おあがりください。ちなみに、この隠し味はけっこう苦みを入れたりします。
オリジナリティは情報の真空地帯には発生しない。
東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ(遥洋子)

「問題発見」という言葉は何を伝えるか。

もし、人が何の予備知識もないまま、「問題発見しろ」と言われたら、おそらくは「欠点」を探すと思います。私もそうするかもしれません。一方で、SFCでいう「問題発見」は「欠点探し」ではありません。ただし、世の中多くの人に「問題点を探せ」といえば、欠点探しをするでしょう。

そういった時には、いったん「問題発見」という言葉を、しっかりと再定義してあげる必要があります。それをせずに、何も考えずに「問題発見すればSFCの理念に沿っているよ」というのは、またSFCの理念とずれていると思うのです。そして、それは2010年総合政策学部資料文1でもお見通しのように、「問題」も「発見」も、「手あか」のついた言葉であるため、なかなかSFCの理念通りの「問題発見」を伝えることができません。そうした時には、いったん言葉を変えてあげたり、補足的な説明をしてあげる必要があると思います。逆に、「問題」や「発見」について「手あか」を取らずに、他人に「これがSFCの理念だ!」と伝える行為は無責任なのかもしれません。

言葉はとてもこわいものなのです。(だからこそ、総合政策的アプローチでは、「問題発見」という言葉をアプローチの中に入れずに、「手あか」をある種取っているのです。)
言語は経験のすべてを表現するにはつねに「不足」であること。そしてそれと同じぐらい、言語は経験に対してつねに「過剰」であること。
東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ(遥洋子)

さいごに

だいたいああいうスレは「信者」vs「信者乙」に必ず陥るので、あのあともきっと建設的な流れにならないと思います。別に、誰かがやっていることを否定するわけでもなく、誰か特定個人を否定するわけでもなく、ただ単に「不安」とそれに対するいろんな方の「やり場のない不安」がとびかっているスレだと思います。

あまり、建設的な流れにならないと思ったので、こういう形でお返事しておきます。

それでは。

2014年 環境情報学部・小論文 解説(速報)

どこやらか外部流入がありますので、補足を。あくまでも「差がつきそうな視点」です。採点基準ではありません。

いろいろ考えた末に、「合格発表まで悶々とする人」がいる、のは分かりつつ、もう少し解説を書きます。ツイッターと掲示板を見ていると、「え?」という意見が多く、かなり戸惑っています。

しっかりと対策してきた受験生なら、最低限「気づいてもいいよね?」という点を中心にまとめていきます。これらの点ができいていない場合、「他の人と差がつく」と思います。「差がつかない」という意見を随所で見ましたが、これらの点にきちんと気づいて、まとめられているでしょうか?ご確認ください(なお、問題文については当ブログにご投稿いただいたものを利用しております。タイポなどは若干手直ししてございますが、原文とはことなる可能性があります。また資料文は掲示板などに投稿されているものや当ブログにご投稿いただいた概略を見ているのみです。資料文を見た後に、意見が真逆になる可能性もあることをご理解ください。)

問題文

湘南藤沢キャンパス(SFC)開設25周年を記念して、シリーズ『地球と人間』が出版されることになり、その準備がはじまりました。あなたは、高校生編集者として、このシリーズのうちの一冊の本を編集することになりました。
あなたが編集を任されたのは、異なる作者による文章を集めた本で、あらかじめ以下の【A】〜【I】の9つの文章が、収録される候補として選ばれています。ただし、ページの分量制限があるため、本に収録できるのは9つのうち6つの文章です。本は、あなたが書く「はじめに」という文章と、6つの文章で構成されます。
あなたは、どの文章を選んで、どのような本を作りたいと思いますか?あなたなりの問題意識にもとづいて、本の構成を提案しましょう。

問題1
まず、【A】〜【I】の文章に、それぞれ小見出し(短いタイトル)をつけてください。

問題2
あなたなりの考えにもとづいて、本に収録する文章を6つ選んでください。なお、どの文章を選ぶかについては、採点の対象とはなりません。あなたの発想で、自由に選んでください。
⑴選ばなかった3つの文章のアルファベットを記入してください。
⑵3つの文章を選ばなかった理由を、300字以内でまとめてください。

問題3
あなたは、「はじめに」という文章を書いて、選ばれた6つの文章を通じて読者に感じ取って欲しいことを伝える必要があります。
編集者としてのあなたの考えを紹介しながら、この本の読者に伝えたいことを、1000字以内でまとめてください。

問題4
あなたが編集する本に、タイトルをつけてください。次々と刊行される予定の、シリーズ『地球と人間』にふくまれる1冊として、魅力的なタイトルを考えてください。字数は、記号をふくめて25文字までとします。 2014年 環境情報学部小論文 問題文より抜粋(当ブログコメント欄にご投稿いただいたもの)

気づいてほしい点1 「本は解決策である」

これは、当ブログのコメント欄にご投稿いただいているのでお気づきの方も多いと思います。

「資料文を6個選んで、よさそうなものを6個えらんでまとめただけの文章」(よさそうなもの=環境情報学部や総合政策学部の「理念」に該当する文章などをさす。)をただ書くだけではお話になりません。なぜか?お分かりの方も多いと思います。「この本を出す目的が分からないから」です。

何度も繰り返しているように「解決策」は、「ある悪い状態にあるものを、ある良い状態に変える」ものです。目的も設定しないまま、よさそうなものをただ書くのではなく、「なぜこの本を出すのか」という目的がないと「何かを(本を通じて)伝える」という解決策が「解決策」ではなく、ただの「自己満足」になります。こうした「目的」などが定められていない答案は減点を覚悟してください。問題文の中でも、「あなたなりの問題意識」とあるので、これは問題発見・解決アプローチや総合政策的アプローチなどといった考え方を知らなくても、簡単にわかると思います。

差がつきそうな場所 1
・本を解決策として捉えることができずに、問題意識や目的意識が明確に定められていない答案とそうでない答案では差がつく。

気づいてほしい点2 「あなた」の視座は「高校生」にある

掲示板やツイッターなどで見ていると、ここに触れている意見を見た記憶がありません。冒頭にばっちり書いてありますね。
あなたは、高校生編集者として、このシリーズのうちの一冊の本を編集することになりました。
つまり、この編集は「高校生」の視点や価値観から行われるべきものであるのです。

こうした書き手の「立場を限定する出題」は、
さて、今は昼休みです。あなたはD組のスピーチライターです。
総合政策学部 2013年問題文より抜粋
このとき、制作者あるいは製作者の立場から、具体的な事例を考えて、そのための企画案を作成して、
環境情報学部 2009年問題文より抜粋
などがあり、実質のところ頻出問題です。さらには、「問題発見・解決アプローチ」では「どの立場に立つのか」という点は、問題発見・問題解決の基本です。何度も言いますが、2007年総合政策学部の資料1〜3や2010年総合政策学部の資料文1を確認してみてください。「ただの編集者」として「この問題を解くか」、「高校生編集者」として「この問題を解くか」で、「はじめに」の文章は「字面だけ」ではなく、変わってくるはずですし、変わってこなければおかしいです。(安易に思いつくものとして「25周年記念にあたり、高校生から大人に向けてのメッセージ、とか、あるいは高校生がSFCを選ぶ時の指針として」、などという「はじめに」を書く方法が考えられます。)

昼休み限定記事でも、「二人の総理の相違点について説明せよ」という設問があるとした場合に、「普通の人」の視点と、「姓名判断の占い師」の視点では解答が当然異なる、と書きました。もし「高校生編集者」の視点に立っていない答案とそうでない答案があった場合、明らかに「高校生編集者」の視点で編集された「はじめに」である方に軍配があがるでしょう。設問の条件ですからね。他大の小論文であっても、読み取れて当然の部分です。そうした出題の時に、単に「編集者視点」で書くよりは「高校生編集者ならではの本」という書き方をした方が、同じ内容であれば、点数はよくなると思います。「

差がつきそうな場所 2
・同じような内容のとき「ただの編集者視点」か「高校生編集者ならではの視点」かを比較すると、「高校生編集者視点」に軍配があがる。

(この部分は、資料文を読んで再検討するかもしれません。2/21 15:00追記)

ちなみに、ここまでは最低限本番で余裕で読みとりたいところ。

気づいてほしい点3:「編集」と「要約」は同義ではない

資料文を読んでいないから何とも言えませんが、SFのような文章があったようですね。

他にもいろいろあるみたいですが、「はじめに」の部分で本の構成として「まず未来の世界を想像してみよう。」と書いてSFの資料を入れる、とか、「私は「資料○」で述べたような意見に反対なのである。」などと書いて資料を入れるとか、単に「自分の賛成意見を並べる」だけではないのが「編集」のよいところです。これを「要約」と捉えると、「反対意見を入れる」や「比喩の資料を入れ込む」がしづらくなります。

さらにはこうした態度は問1にも受け継がれます。なぜならば、「問1」は
問題1
まず、【A】〜【I】の文章に、それぞれ小見出し(短いタイトル)をつけてください。
等からも想定されるように、選んだ6個の文章については、本の各章の見出しにも使えます。というよりも、おそらくはそうしたことを想定した「問題1」でしょう。だから、問1は単なる「資料のタイトルづけ」という国語の問題ではなく、全体の本の構成を決定しないと決まらないもっと幅広い全体的なものなのです。少なくとも、資料文の内容をまとめた国語のタイトル付けだと思っちゃう人の中には、本当に実力がある人はいなさそうです。こうしたところには、ちょっと気の利いた人なら気づくでしょう。もちろん、時間がない場合には、単なるタイトルづけに終わっても構わないですし、後から変更することも可能でしょう。問3中で、その「タイトル」を使って「はじめに」を書いた人も多いはずですが、そうした全体性を意識すると、よりよい「問1」になっているはずです。

採点基準として「本全体の中での位置づけ」と「問1」の関係性という基準は(おそらくは加点として)十分にあり得ると思います。

差がつきそうな場所 3
全体の「要約」ではなく全体の「編集」という視点を持った答案の方が点数が高い

気づいてほしい点4:この問題では「本は完成」する

この問題では「はじめに」を書いて資料を選んだら本が完全に完成します。隅から隅までの完成品です。だから、この「本」については自分の持っている問題意識と資料文が一致しないかぎり、自分の問題意識を入れ込むのはかなり困難です。「○○問題に興味がある」といった自由な設定はできません。だからこそ、「2」の「高校生編集者」という視点を入れないと、「問題意識」をうまく書けない人が出てくるでしょう。

そういった場合には、「本が完成する」といった意識を持てば、違った方針が立てられるかもしれません。

また問1で決めた「タイトル」を用い、「はじめに」の中で、資料を「読んでほしい順」に内容や位置づけを紹介すれば、単に「どの資料を選ぶか」という「本としては中途半端なもの」ではなく、「順番まで決まったしっかりした本」になります。

こうした「はじめに」の書き方の工夫でも、点数に差がつくでしょう。

差がつきそうな場所 4
問題文から、この問題では本全体が確定することを読み取り、資料の「選択」のみならず「並びの決定」など本としての完成品に近づけた方が点数が高い(でしょう)

終わりに

もちろん、こうした内容に触れていないだけで「即不合格」といいたいのではなく、「設問読解」をしっかりと重ねることで、他の人と差がつく答案になる、ということです。

それでは。