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2014年07月

論理的に小論文を書く(3):基本「筋道を立てる」とは?

まず、はじめに復習です。

小論文...筋道を立てて述べた短めの文章。
筋道...ある命題と別のある命題をつなぐ関係

です。そんなに難しくはないですね。もし、分からないことがあれば、一旦前の文章に戻ってくださいね。

筋道を分解する

筋道は、3つに分解できます。

筋道の分解
1:ある命題(内容A)
2:関係
3:別のある命題(内容B)

の3つですね。この3つがなければ「筋道」は完成しません。言い換えると「筋道が分かる」とは、「ある命題」「関係」「別のある命題」というからなる、ということです。だから、単純化していうと、「論理的に読む」とはこの3つの内容を同定して文章を読むことを指しますし、「論理的に書く」とは、この3つの内容を自分で定めて文章を書くことを指します。

現代文の出口メソッドを考える

現代文の参考書でしばしば名前があがるのは、出口氏の

という本ですね。私もいい本だと思うのでこの本をやってみることをオススメします。

この本の前半では、概ねこんな感じのことを説明しています。「筆者はイイタイコトを形を変えて繰り返します。主張をAとすると、それと同じ内容の具体例・体験A’や比喩A’’を繰り返して強調します。」(詳細は、実際の参考書にあたってみてくださいね。)これは、つまりはこういうことです。

「ある命題」A
「関係」A=A’ (命題Aと命題A’は同じ。
「別のある命題」A’

という3つを文章の中から読み取りましょう。ということです。出口氏の場合「筆者はイイタイコトを形を変えて繰り返す」といっているので、「関係性」は常に「イコール」の関係であるとしています。そして、その視点から文章を読んでいくと、「論理的に読める」というわけです。言い換えると「関係」を固定した上で文章の内容を読み解いて行くという作業をします。これも「論理的に読む」というひとつの方法です。

余談ですが、出口氏の本ではAやA’の範囲を適切に定める方法が、あまりしっかりと触れられていません。但し、文章を「A」というかたまり、「A’」というかたまりにとらえていくので、読むのが速くなります。

現代文の板野メソッドを考える


同じく現代文では、板野氏の本が紹介されます。賛否両論ありますが、私は初学者は板野氏の方法の方がいいと思っています。板野氏は「ハイパー化」と名前をつけて、文章に線や記号をつけます。総勢10種類。例えば、「つまり」という言葉があれば、その「つまり」という言葉に決まったマークをします。「つまり」は「言い換え」を表す接続詞です。だから、「つまり」の前の内容と後ろの内容は同じ意味です。

「ある命題」A
「関係」つまり(命題Aと命題Bは「言い換え」。つまりA=B。)
「別のある命題」B

という関係です。他にも例をあげれば、「確かに△△だが、しかし○○。」という表現を見つけたら、別の決まったマークをします。「確かに△△だが、しかし○○。」という表現の場合、△△と○○は逆の内容になりますし、普通は○○の方が重要な内容です。「確かに明日は雨が降るかもしれないが、明日は傘を持って行かない」などといった具合です。これは、

「ある命題」△△
「関係」△△と○○は逆の関係であり、なおかつ○○の方が重要度が高い。(確かに〜だが、しかし)
「別のある命題」○○○

という関係です。

板野メソッドの場合、各文章間の筋道をつかむのには大変便利ですが、段落間の関係などは見落としがちになります。ただしなんといっても機械的に対応できること、といくつかの論理パターンに慣れやすいということがあげられます。

「筋道を立てる」とは

いま、二つの例をつかって表しましたが、「筋道」を考えるというのは、「ある命題A」「関係」「ある命題B」を明らかにするということです。だから、「筋道を立てる」とは「ある命題A」「関係」「ある命題B」を設定する、ということです。

逆にいえば、これさえ分かっていれば、論理は全て理解できたことになります。次からは、もう少し細かい話をしていきましょう。けれども、「筋道」とその3要素は決して忘れないで下さい。

論理的に小論文を書く(2):基本「筋道」とは?

前回は、

小論文筋道を立てて述べた短めの文章。

であることを説明しました。「筋道」についても、

筋道
1:物事がそうなっているわけ。事の条理。道理。
2:物事を行うときの正しい順序。

と整理したのですが、一旦は「直感」の世界に戻りましょう。

「道」とは「ある点」と「ある点」をつなぐものである

さて、筋道の「道」について考えてみましょう。「道」とは何か、普段歩いている道がそうですね。日本では、通常アスファルトで舗装されています。田んぼには「あぜ道」なんていうものもあります。また、山に入れば「山道」があります。また、必ずしも人間が作ったものでなくとも「けもの道」というものもあります。動物がよく通る=歩きやすい場所が自然と踏み固められ、道になっています。さて、こうした「道」には共通する点があります。それは何か?

道=「ある点」と「ある点」をつなぐもの

という共通点です。

そして、これは「筋道」にも共通します。つまり、

「筋道」とは「ある文章」と「ある文章」をつなぐ道

なのです。まず、初学時によく見落とすことの1点目がこの点です。単独の文章では「筋道」は存在しないし、また「論理」も存在しません。

命題

今は直感的に「筋道」を理解しましたので、少し厳密に定義をしておきましょう。「筋道」とは「ある文章」と「ある文章」をつなぐ道という表現の中の「ある文章」というのが語弊があります。なぜならば、必ずしも「文」だけが「筋道」を作るわけではありません。
学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話
という長めの固有名詞を考えてみましょう。普通、この文章をみると私たちは頭の中で、

1:学年ビリのギャルであった
2:けれども、1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話

と、勝手に「けれども」を補って文章を読みます。私たちの頭の中では「学年ビリのギャルが慶應なんて受かるわけないよ」と想像するため、勝手に「けれども」という前後の接続関係を明示する言葉を入れて文章を読みます。意味内容から、塊同士の接続関係を考えます。この「塊」のことを「命題」と呼ぶことにします。一応、Wikipediaの内容を引用しましょう。
命題とは、平叙文の「内容」あるいは「意味」、若しくは平叙文を構成する「記号、模様、音などの並び」のいずれかを指す。Wikipedia 命題
要は「文章の内容」あるいは「意味」を意味する言葉です。もう一つ例を挙げてみましょうか。
第6章 偏差値30だったギャル、いよいよ慶應受験へ
第7章 合格発表と、つながった家族
学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話 目次より引用
この場合、

第6章 偏差値30だったギャル、いよいよ慶應受験へ
そして、第7章 合格発表と、つながった家族

とつながりそうですね。命題の範囲をうんと広げて、「本の章の内容や意味」と考えることもできます。だから、この場合、本の章の内容や意味も「命題」です。

さて、再整理します。

筋道とはある命題と別のある命題をつなぐ関係である

このことは、どれだけ注意しても注意しすぎることはありません。というよりも、このことをしっかりと理解することが「論理立てる」「論理的に考える」ということの根本なのです。つまり、論理を学ぶとは「関係」を学ぶことに他なりません。

今回は、ここまでにしておきましょう。

論理的に小論文を書く(1):基本

Twitterにてリクエストをいただきましたので、しばらくの間、「論理的に小論文を書く」ことについてご説明して行きたいと思います。

「論理的」とは

まずは、「論理的」という言葉について辞書をひいてみましょう。
論理的
1:論理に関するさま。
2:論理にかなっているさま。きちんと筋道を立てて考えるさま。
デジタル大辞泉
ですね。太字以外は、実質同語反復状態ですので、気にしないことにしましょう。つまり、「論理的」とは「きちんと筋道を立てて考えていること」をさします。

念のため、「筋道」についても調べておきましょう。
筋道
1:物事がそうなっているわけ。事の条理。道理。
2:物事を行うときの正しい順序。
デジタル大辞泉
という意味ですね。「条理」や「道理」についても、検索したいところですが、辞書を調べることを追求し続けると、無限ループに陥ってしまうのでこのあたりにしておきましょう。

「論理的」とは、

論理的
きちんと「物事がそうなっている理由」を説明して考えること、あるいは、きちんと「正しい順序」で考えていること

といった理解でいると、おおまかなイメージとしては問題ないと思います。

「小論文」とは

実は、デジタル大辞泉を検索しても「小論文」という言葉はありません。まだ、辞書にのるほど確定した言葉になっていない言葉なのかもしれません。一方で、「論文」は見つかりましたので、のせておきましょう。
論文
1:議論する文。筋道を立てて述べた文。
2:学術的な研究の結果などを述べた文章。
デジタル大辞泉
(SFC)小論文の場合、2.の意味ではないことは明らかなので、1.の意味ですね。ここで注意すべきは、「論文」という言葉の中に、既に筋道を立ててという意味が入っていることです。したがって、「論理的に小論文を書く」という文章は、実は同語反復しています。「論理的でない小論文」は、存在し得ないからです。なぜならば、論文の定義の中に「筋道を立てて」=「論理的」という言葉が入っているからです。入試小論文であっても、それは同じです。だから、「論理的に文章が書けていない」とそもそも小論文を書く事ができません。「アイデア重視の小論文」であろうと、「発想力を試す小論文」であろうと、「論文」=「筋道が立っている文章」ですので、必ず「筋道が立っている」のです。

小論文の「小」はこのまま「小さい」とか「少ない」という意味でとらえて問題ないでしょう。概して、「論文」は字数が多いですし、通常2時間程度の時間で書き終わるものではありません。だから、2時間で多くとも1500文字程度しか書かない(SFC)小論文は「小」論文と読んでも語弊はないと思います。さて、まとめておきましょう。

小論文筋道を立てて述べた短めの文章。
SFC小論文SFCの出題に合わせて、筋道を立てて述べた通常1,500文字程度の文章であり、2時間で作成する文章。

論文と小論文のちょっとした違い

多くの場合、論文と小論文はその目的が違います。世の中にあふれている「小論文」は、資格試験などで合格するためのいわば実力テストです。一方で、「論文」は学術論文であることが多く、通常「自分の言いたいことを伝える」目的で書かれます。したがって、たいていの場合、小論文と論文の違いは、その文章量ではなく、その目的にあると考えられます。

小論文と作文の違いは気にしない。

多くの小論文講座では、まずはじめに「小論文」と「作文」の違いが説明されます。よくみる説明が、「小論文では意見・理由を述べるのに対して、作文では感想・経験を述べる」といった説明です。当ブログでは、この違いは問題にしないことにします。なぜならば、感想や経験を書いていたとしても、論理的に=筋道立って書いている以上、それは論文となりうるからです。特に、環境情報学部・2012年のように「体験」を書かせる出題もありますから、SFC小論文に関しては、記載する内容によって、小論文と作文を分ける必要はないと考えています。

まずは、はじめはこのあたりにしておきましょう。