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2014年09月

ラーニング・パターン

SFC小論文の題材3割、SFCでやっていることを知る3割、受験勉強のためのヒント4割といった感じで「ラーニング・パターン」を読む事をお勧めしています。

ホームページは、
http://learningpatterns.sfc.keio.ac.jp/
です。

また、これがまとまった冊子のpdfファイルは、こちらです。

私が受験生を教えていて思うのは、「スキルアップを図りたいとき」や「勉強をしているとき」に書かれていることは割と多くの人が守れていない、と思います。

いわゆる「みんなで学ぶ」的なパターンもありますが、たいていが普段の受験勉強のヒントになります。SFC小論文のための題材ならば、パターン・ランゲージ(慶應義塾大学出版会)をSFC小論文のためにどう読むか。を参考にしながら、

を読んでみた方がいいと思います。

ぜひ、読んでみてください。

「総合政策学の創造」や「環境情報学の創造」を見てみる

SFC小論文は「発想勝負」ではない、という話を「環境情報学の創造」という環境情報学部1年生が受ける授業のFacebookに見る没個性、というきわどいネタでご紹介しようと思ったのですが、…Googleさんに聞いてみて下さい。いかに、没個性であるかがよく分かります。もちろん、おもしろそうなものも多いんですけれどもね。

休憩ついでにSFC Global Campas環境情報学の創造 第01回を見てみると、「SFC小論文」で「何を学ぶべきか」ということが、よくわかります。同じく、「総合政策学の創造」という総合政策学部1年生が受ける授業の話もおもしろいので見てみて下さい。総合政策学の創造 第02回なんかがオススメです。

とにかく、どちらの学部も「問題発見・解決」を中心に考えます。あきれるぐらいに。だから、「時間がない」と思うひとこそ、ぜひ「問題発見・解決」を中心にSFC小論文を見てみて下さい。その元に共通する「流れ」や「基本」がわかると思います。

この動画を見た後に、当ブログに戻って、「総合政策的アプローチ」を学んでいただくと、たぶん自信が湧いてくると思いますよ。

非公開で質問をいただいているのですが。。。

公開してもいいかどうか分からないのですが大雑把に。
総合政策学部2014問3について。
中国の学生からすれば、資料3の教科書は、近代化は西洋のおかげということで面白くない、一方で資料4の教科書は、愛国心が芽生え、自国に誇りを持てるから面白い。
こういう構図で捉えて、
科学の教科書に、日本の科学者や技術者の功績を載せることで、日本の科学技術のレベルの高さを知り、自分たちも後に続くぞと士気が上がり、理系離れを食い止められる。
このような答案は、どうか。

また、ある参考書に、
リード文にある、教科書は不変ではないという記述を参考にしなさいとあったのですが、どう思われますか。
少しづつ書き足していきますので気長に待ってくださいね。

まず、この問題のポイントは、
問3:これまでの学習のなかで、あなたが一番親しみにくかった科目は何ですか。一つあげて下さい。そして、その科目の教科書について、どの様な点を、どの様に改善すればもっと楽しく学べるようになるか、改良点を挙げて説明して下さい(500字)
2014年 慶應義塾大学総合政策学部小論文より抜粋
という出題意図にどう答えるか、ということです。

もちろん、「発想の根本」はどこから入ってもかまいません。「理系離れ」というキーワードが、この問題を読んで出てきたあなたの発想であれば、それは「正解」です。但し、設問通りに答えを書かなければいけません。だから、「理系離れを解決しよう」ではダメなんです。「これまでの学習のなかで、あなたが一番親しみにくかった科目は何ですか。」に答えていないですから。

SFC小論文のいちばんやっかいな考え方のひとつであり、他の多くの大学の小論文と異なるところは、「ある正解に近い範囲の物事について書けば、その知識についてある程度の点数が入るわけではない。」というところです。

このまま、「理系離れ」について論じたとしても、それは「不正解」です。「これまでの学習のなかで、あなたが一番親しみにくかった科目は何ですか。」について書かれていないから。けれども、テーマとして「理系離れ」が頭の中に浮かんだのであれば、活用してしまいましょう。試験本番ではとにかく時間がないですから。あなたが「理系大得意」であったとしたら、理系が苦手な友達になった気持ちで「理系嫌いな子」になってしまいましょう。

そして、答案用紙には「これまでの学習のなかで、私が一番親しみにくかった科目は物理です。」(もちろん、数学でも化学でもOKです。)と書けばいいのです。

だから、発想のスタートとしては「理系離れ」は満点のスタートです。けれども、それは「理系離れ」というテーマを書けば「点数の入るテーマ」である、ということを意味しません。

「ケリーは叫びたい衝動を解決したかった」

2012年環境情報学部の資料3はとても示唆的です。「ほぼあらゆるものを作る」という授業の中で、「突然叫びたくなる」問題を解決する機械(ご参考:http://fab.sfc.keio.ac.jp/howto2010/)を作っています。2014年の総合政策学部 の3問目もこれに似ています。とにかく「自分を中心に視点をおいて考えて行く」んです。

だから、考え方のきっかけが「理系離れ」であってもいいけれども、あくまで設問文に合わせて解いていく必要があります。変に自分の頭の中の社会問題辞書から、SFCっぽい社会問題をこねくり出す必要はありません。そして、その科目の教科書について、どの様な点を、どの様に改善すればもっと楽しく学べるようになるか、改良点を挙げて説明して下さいとあるのですから、「あなたにとって物理(仮にね)を『楽しく学ぶ』ことを目標に、どう教科書を変えて行くか」を考えればいいだけです。だから、

科学の教科書に、日本の科学者や技術者の功績を載せることで、日本の科学技術のレベルの高さを知り、自分たちも後に続くぞと士気が上がり、理系離れを食い止められる。

という答案は問いに答えていないのです。「理系離れ」という社会問題を解決する必要なんてないのですから。




前半は「理系離れ」はなぜ食い止める必要があるのか、という問題設定の部分と、技術者の経歴を書いたところで、本当に科学技術のレベルの高さが伝わるか、という実効可能性がポイントになります。別に興味がなければ、「それで?」で終わっちゃいますしね。アイデアの切り口としてはありなのではないでしょうか。ただし、設問は「もっと楽しく学べるか」なので、それに合わせて書かないとダメです。

後半についてはそのまま読めばいいし、大いなるヒントではあると思います。教科書は不変ではなく、その裏にある価値観によって内容が定まるものだから、価値観を先に定めようと思えば糸口になると思います。

続いて、問1について
議論の本位を「低所得者が格差を感じないようにするために、国はどのような政策を施すべきか」とし、
論点を「セーフティーネット」「教育」とするのは、間違いでしょうか。
問2について
資料8に賛成して、政治家は国民の代表として、公務員は公僕として、国民のために対策を講じるべきであり、国民に対し、努力不足だ、甘えているなどと蔑視するなど論外である。このように書くのは、どうでしょうか。
これは、前の問1の論点と後ろの問2はつながっていますか?つながっていなければ、そもそもダメですし、つながっているつもりであったとしても、おそらくはこれをつながって読める人は少ないと思います。あと、資料8の何に賛成で上のような主張となっているのかが分かりません。ここも説明がいると思います。

「内容は出題の内容からずれていないものを書く」のが最初の一歩です。

いろは様の答案について
議論の本位を「少子化が進み、人口が減少し、税収が減ることが見込まれる中で、社会基盤を維持するために、国は何をすべきか」とし、
論点を「見直すべき無駄な、あるいは優先順位の低い社会基盤は何か」としても、問題ないでしょうか。

すみません、お時間あれば。よろしくお願いします。
私は答案としてこれを作成した記憶はないですが、切り口としては「あり」だと思います。

はなはだ簡単ながら。

総合政策学の確立に向けて(2)

今回は、インターネット上で入手できる資料をご紹介します。

ここまで読まなくても合格できるけれども、「総合政策学」をしっかりと理解したいならば、「わかるところ」は読んでみてもいいかも、という論文です。

総合政策学ワーキングペーパーシリーズ No.77

総合政策学の確立に向けて(2):理論的基礎・研究手法・今後の課題
全体を読んでも損する資料ではありません。難しいところは飛ばしながら読んでいってみてください。

注意すべきこと
(1)筆者は経済や金融が専門分野の先生である、ということを意識して読む
(2)ここに書かれた専門用語を丸暗記する必要はないことを理解すること

といった感じでしょうか。

時代背景

但し、この資料に関しては、時代背景を説明した方がよいので、時代背景を説明します。

2001年6月に出された「大学の構造改革の方針」(2001年6月)に基づいて、2002年から新規に開始された文部科学省の研究拠点形成等補助金事業に「21世紀COEプログラム」というものがありました。

ひらたくいいます。「お前ら、未来を見据えた良い研究にはお金をあげるから、がんばって申し込んでくれよ」という制度が2002年にスタートしました。その「文部科学省 平成15年度21世紀COEプログラム(社会科学分野)」に「日本・アジアにおける総合政策学先導拠点 」というタイトルでSFCの総合政策学部の先生が申し込みをして見事採択されました。上のリンク先の文章は、その研究結果の論文のうちの一つです。

総合政策学部2010年資料1の内容を「ものすごく」学問チックに書いたものです。抜き書きしていくと、SFC小論文の資料文に使えそうな箇所も多いです。

ちなみに

予備校の先生やYahoo知恵袋などを見ていると、以下にあげた5冊をきちんと理解すれば、SFCに合格できる、と言う人もいます。あながち嘘ではないと思いますが、この5冊は上で挙げたCOEの研究成果を本にしたものです。だから、中身はものすごく難しいです。(いかに一般に分かりやすい話題を選んでるとはいえ)。

本自体は悪い本だとは思わないのですが、受験生が小論文のために読むような本ではありませんし、これを読むために総額15,000円かけるのはばからしいと思っています。大半が研究結果として、インターネット上に公開されていますしね。

念のため

ちなみに、こういう資料を紹介すると(1)が気になる人がいると思います。暇つぶしに読みたい方は、総合政策学の確立に向けて(1):伝統的「政策」から社会プログラムへをご覧下さい。上で紹介した資料より、重要度は半分ぐらい低いですけれどもね。

3:2010年 総合政策学部 資料1 

これまで紹介した文章は共にSFCの「問題発見」のポイントを示した文章です。

今回、紹介するのはSFCの「問題発見・問題解決」の全容を示した資料です。基本的に、SFCで学ぶ問題発見・問題解決はこの資料文に書いてあることさえ理解すれば、十分に理解できたことになり、あとはそれを「実行に移す」だけとなります。

それが、2010年総合政策学部過去問 資料1「総合政策とは何か」という文章です。この文章は、最低20回は読んでほしい資料です。
先生:SFCの中心理念は何かと尋ねれば、 問題発見・解決だという答えが返ってくるのは知っているよね。 これはお隣の環境情報学部も同じだし、 大学院の理念にもつながっている。
慶應義塾大学 総合政策学部 小論文入試 2010年 資料文より抜粋
とあるように、もちろん、総合政策学部だけではなく、環境情報学部でもつかえます。(過去には、「総合政策的アプローチ」は「環境情報学部」でも使えます!!というエントリーや、「総合政策学部」と「環境情報学部」の小論文の「唯一」の違いというエントリーも書いています。)ともに、問題発見・問題解決を理念とする学部なのですから、両方に共通するのは当然なのです。

基本的に、各年度の小論文は、この資料に示されたプロセスのうちの「どれか」を確認する問題に過ぎません。一番問われる確率は高いのが「問題発見」プロセスなのですが、「問題解決」と共に提示しなければ多いこともよくあります。

この資料はコピーしてきちんと線を引いて読んでみてくださいね。

一つだけご注意を。中に「個別科学主義」や「問題中心主義」といった専門用語っぽいものが出てきますが、これを小論文に書いたところで点数になりませんよ。念のため。あくまで、この文章を通じて、「何を言いたいのか」を読み取ってください。ちなみに、この資料文をSFC小論文に合わせてカスタマイズしたものが、「総合政策的アプローチ」です。合わせて読んでみてください。

2:2011年 総合政策学部 問題文

「1:2007年 総合政策学部 資料文1〜3」に書かれている「城壁」と「攻守」の関係は、「同じものを違う角度から見ると見え方が違う」ということを確認するのに、とても有用です。直感的にもわかりやすいです。

さて、次に読みたいのは、2011年度の総合政策学部の過去問の問題文です。しかも、引用できるぐらい短い箇所です。
「ある枠組み(価値基準・規範)の中で考えたサブシステムにおける定量/定性的な最適解は、別の枠組みで考えると最適にはならないことを認識し、枠組みの設定こそが重要であり、そのために絶えず物事に対しズームをきかせながらとらえ俯瞰するといった、全体のパースペクティブを意識的に持たねばならない」と指摘します。これこそが、総合政策学のアプローチの主要な部分といえます。
慶応義塾大学総合政策学部2011小論文過去問より抜粋
この文章は、実質「城壁」と「攻守」の関係と同じことを、もう少し別の形で書いたものです。

あえて書き換えるとすれば、

「攻」という枠組みで考えた最適解は、「守」という枠組みで考えた場合には最適解にはならない。だからこそ、問題解決においては、「枠組みの設定」が重要であり、絶えず意識的に柔軟に枠組みを設定しなければならない。これこそが総合政策学のアプローチの主要な部分です。

といった感じですね。

2007年と2011年の二つの年度で同じようなことを言っています。SFC小論文の問いたいことが少しづつ見えてきませんか?この文章は短いわりに大事なことがまとまっているので何度も読みたい文章です。分からない言葉は辞書をひいておいてくださいね。

1:2007年 総合政策学部 資料文1〜3

SFCに対する適性を学ぶために、いちばん最初に読むべき過去問は、
・2007年 総合政策学部 資料文1〜3
です。無理してでも入手する価値のある資料文です。赤本を買うもよし、ネット検索をするもよし。


まずは、資料3を先に読んでください。資料1は福沢諭吉の文章なので、多少読む際に戸惑うのであれば、資料3と資料2を読めば十分です。

そして、最低限理解したいところは、

城を守る兵士の立場からは城壁は「良いもの」である一方、城を攻める兵士の立場からは城壁は「悪いもの」である。つまりは、同じ物でも見る角度が違えば、その「良し悪し」や「重要性」が変わる

という点です。

この部分だけであれば、常識的な内容ですし、理解するのは難しくありません。問題は、あなたが城を守る立場であるときに、城を攻める兵士の立場になって城壁は「悪いもの」である、という見方をすることが難しい、ということです。あるいは、同じ城壁を立場を変えて「良いもの」とも「悪いもの」とも見なせるようになるのが難しい、ということです。

但し、それができるようになるには、ある程度の訓練がいると思います。今は「立場を変えると、見方も変わる」ということを理解していればよいです。

論理的に小論文を書く(7):基本「内容構成」とは?

復習です。

論理構成…「内容A」と「内容B」と「その関係」から一つのまとまりのある内容を組み立てること
論理構成の種類
1:接続構成…接続詞に基づく筋道による論理構成
2:枠組構成…フレームワークに基づく論理構成
3:内容構成…内容に基づく論理構成

「接続構成」「枠組構成」だけでは何も決められない。

論理的に文章を書く場合、最終的には「イイタイコト」を筋道立てて説明する必要があります。「筋道立てて」の筋道は「接続構成」「枠組構成」に基づけばいいのでしょうが、「接続構成」は単なる接続詞による構成ですし、「枠組構成」は「男/女」「原因/結果」「長所/短所」「序論/本論/結論」「起承転結」「序破急」のような単なるフレームワークによる構成です。「イイタイコト」は、それ単体では筋道立っていないので、実際の小論文と筋道を仲立ちする構成が必要です。この仲立ちする構成を「内容構成」と言います。

「小論文の構成を行う」とは、この「内容構成」を作成することを言います。内容が決まらなければ、「接続構成」も「枠組構成」も意味がありません。逆に、「接続構成」や「枠組構成」に基づいた構成を決めなければ、筋道だった内容になりません。このような筋道立った内容の構成を「内容構成」というわけです。

これはもう実際の例を見るのが一番速いです。

内容構成の例

よくある「フレームワーク」と内容がしっかり対応している例

問題2 資料Bにも三つの部分、B-1・B-2・B−3があります。それらの資料に基づき、印刷した書物と電子テキストを比べて、電子テキストの長所と短所を300字以内でまとめなさい。
環境情報学部・2010年 問2
さて、この問題を論理的に書くことを考えます。この問題は、電子テキストの長所と短所を書く問題です。だから、「長所」と「短所」を書けばいいんです。はい、内容構成終わり。「ふざけるな」という人が多いと思います。でもね、これは実際に書くと大違いです。「【添削】環境情報・2010年(にこにー様)」この答案を書いた方は、2014年に合格しているはずですが、この問2の答案には「長所」と「短所」が書かれているのかもしれませんが、境界があいまいです。こういう答案を「論理構成がしっかりしていない答案」というのです。この答案を論理的な答案にするためには、

1:「書くべき内容」を読み取る
「この問いは電子テキストの長所と短所を書く問題だな。」
2:書くべき「内容の構成」を決める
「長所」「短所」を書こう。
3:それにあった「枠組構成」を考える
この場合は「長所/短所」という対になる枠組みを書く事を問われているし、出題文にも何も書かれていないから対等に書こう。
4:それにあった「接続構成」を考える
この問題は、対等のものを並べるだけだから、枠組名を並べるだけでいいかな。必要があれば、「長所は、」「逆に、短所は」と逆接の接続詞を入れてもいいかな。

と、考えて、

電子テキストの長所は、...。
逆に、短所は...

という構成を考えることが「論理構成」を定めるということです。「長所/短所」という枠組みは比較的みんな知っている枠組みなので「逆に」を入れようとも入れまいともそんなことでは減点されません。但し、構成をしっかり考えないと上で挙げた例のようにぼやけた答案になってしまいます。これは比較的人口に膾炙した「長所/短所」という枠組みです。だから、意外と書きやすいと思います。

2つ重要なことを指摘しておきます。1つめ「論理構成は内容を決定できない。」これはある意味当たり前のことです。論理構成はあくまで「筋道」でしかないので、行く先は自分で決めなければいけません。但し、その道を行きやすいようにきれいに「整備」するのが「論理構成」の役目であり、内容に影響するものではありません。2つめ「一般的な小論文の書き方は使わない。」起承転結・序論本論結論・序破急などの一般的に小論文の書き方と言われているものは使いません。だって、内容が決まらなきゃ内容構成も決まらないし、枠組構成も決まらないし、接続構成も決まりません。それなのに、先に枠組みを決めてしまうと分かりにくくなります。本末転倒なんですが、予備校等の小論文の採点はこういった綺麗な枠組みに合っていることを採点基準にしている場合があります。あるいは、そういった枠組みが通じる問題を作成しています。でも、「論理」というのはそんなせまいものではありません。

さて、次の問題を見てみましょうか。

よくある「フレームワーク」と内容が対応していないものの、内容が明確な例

問題1 あなたがこれまでに、印象的な関わりを持った生活用品を一つ挙げ、それがどのようなものであったか、あなたがそれを通じてどのような体験をしたか、なぜそのような体験が得られたのかを、500字以内で説明してください。
 慶應義塾大学 環境情報学部 2012年 設問文から引用
この問題も添削で出すと、まともな答案を書ける人が非常に少ないです。先ほどと同じように考えてみましょう。

1:「書くべき内容」を読み取るこの問題では「生活用品」について書くべきであり、その内容は「生活用品を一つ挙げる」「どのようなものであるかを説明」「どのような体験をしたか」「なぜそのような体験が得られたか」を書くべきだ。
2:書くべき「内容の構成」を決める
「生活用品を一つ挙げる」
「どのようなものであるかを説明」
「どのような体験をしたか」
「なぜそのような体験が得られたか」を過不足なく書くべきだ。
3:それにあった「枠組構成」を考える
「生活用品を一つ挙げる」「どのようなものものであるかを説明」「どのような体験をしたか」「なぜそのような体験が得られたか」この4つを網羅しているような一般的なフレームワークはないなぁ。

でも、「生活用品を一つ挙げる」「どのようなものであるかを説明」...この二つの間の関係は「言い換え」であり、後者が前者を詳述した関係になっているし、「どのような体験をしたか」「なぜそのような体験が得られたか」...この二つの間の関係は「体験とその理由」であり、後者が前者の理由となる関係になっている。部分部分は既存の枠組みが使えるなぁ。そして、全ての内容は「生活用品」という一つのテーマでつながっているなぁ。
4:それにあった「接続構成」を考える
一般的なフレームワークはないから部分部分の接続関係は明確にしておこう。重要なのは「詳述」と「体験とその理由」だなぁ。

このように考えて、

「生活用品を一つ挙げる」:私が印象的な関わりを持った生活用品として「○○」を紹介する。
「どのようなものであるかを説明」:○○は、〜である。
 →(「この、である。」と書いて詳述を示す接続構成にする)
「どのような体験をしたか」:私は、(具体的な時期)に、○○を用い、△△な体験をした。
「なぜそのような体験が得られたか」:なぜならば、◇◇だからである。
 →(ここは体験とその理由だから「なぜならば、〜だからである」という接続構成にする)

と書くのです。小論文で尋ねられる内容は、必ずしも世間一般でよく知られている枠組みがあてはまるわけでもありません。出題者が尋ねている内容に過不足なく答えるのが全てであり、「起承転結」や「序破急」など関係ないのです。もちろん、その全部あるいは一部を、起承転結、序論本論結論、序破急に合わせて書いた方が分かりやすい時もあります。その場合は遠慮なくそうした枠組みを使いましょう。けれども、「内容を無視して枠組みを決めることはできません。」(怖いのはこうした「枠組み」をひたすら教えることが小論文を教えることだというスタンスの先生が多いことです。もちろん、こうした「枠組み」はうまく当てはまれば力を発揮しますし、そうした枠組みが当てはまる小論文が多いのも事実ですが、出題者が書いてほしい内容を書かずに、枠組み主体で小論文を書くのは危険です。)

さて、最後の例です。

問題中から「内容」が読み取りづらい場合

問2 教育する者(親・教師)と学習する者(子供・生徒)の関係をめぐって、資料1、資料2、資料3を参照しつつ、資料4についてのあなたの考えを600字以内で記しなさい。

(参考:問1 教育する者(親・教師)と学習する者(子供・生徒)の関係について、資料1、資料2、資料3のそれぞれから読み取れるカント、デューイ、アーレントの考え方は、どのような点で共通し、
どのような点で食い違ったり、対立したりしていますか。900字以内で記しなさい。)
総合政策学部 2008年 問2より引用
最後が一番の難関です。この「問2」は、「あなたの考えを記しなさい」なんです。

つまり、設問から「内容構成」が読み取れません。正確には、「考えを記す」という内容は書いてあるんですが、「私の考えは○○です。」という内容だけで、600文字は書けませんから。こうした問題の場合は、その問題文だけでなく、前の問題文や資料文、そして総合政策的アプローチ(SFCの場合はね)から内容構成を決めます。

例えば、この資料文4の場合は、「教える側の先生」と「教わる側の子供」という関係性を逆転させるような問いかけがなされています。これは「教える側」と「教わる側」の「価値観を再設定」するような問いかけです。だから、「問題の設定」を問われているものだと考えて、「問題の設定」に関して論を展開すると考えます。そうすると、書くべき内容は「一番言いたい内容」→「教える側」→「教わる側」→「その立場の再整理」といった内容になるかもしれません。ここまで来ると、「教える側」と「教わる側」は対立関係ですし、「その立場の再整理」は「止揚(アウフヘーベン)」とすることもできるかもしれません。また、「序論・本論・結論」という枠組みも使えそうですよね。

この手の問題は、2、3年に1回出題され(2014年の環境情報学部もそうですね)ますが、解き方のコツは、

・先に内容を決める
・自分の使いやすい枠組みから枠組構成を決める
・枠組構成から内容構成を決める

というやり方の方がうまく行きます。一旦、曖昧模糊とした「内容」を「整理(=理に従い整える)」ためには、「枠組み」という「理」を使った方がきれいに「整理」でき、結果として内容構成が決めやすいわけです。もちろん、「内容」を考えている間に、自然と内容構成が決まることもありますし、時と場合によります。但し、重要なのは「内容(の大枠)」が先に決まるということです。「枠組み」が先に決まることはありえません。必ず、「設問文を見て、書くべき内容を考えてから、枠組みが決まり」ます。

終わりに

さて、内容構成の説明もここで終わりにします。

今回は、少し実践的にした分、理論的にごまかした部分もありますが(「内容」と「内容構成」をどう分けるのか、とかね。)、たぶん実践的な方がかえって分かりやすいんじゃないかな、と思います。

一応、論理と論理構成の説明はここで終わりです。何度か読み返してみていただけると新しい発見があると思います。

それでは。

合格体験記用エントリー

はじめに

改めまして、合格おめでとうございます。発表後、落ち着かれましたでしょうか。落ち着かれていて、「ちょっと時間があるよ」という方は、このエントリーに合格体験記をご記入いただけましたら大変うれしいです。

(2014/2/28追記)
・現在、4名の方からいただいているのですが「2:本番の試験で気をつけたこと」「3:来年受験する方へのアドバイス」が、とてもおもしろいです。このへんが受験生の参考になると思いますので、たくさんいただけるとうれしいです。
・非公開でご提出いただいた場合、「6:(非公開でご投稿いただいた方へ)このご投稿を合格体験記としてご紹介してもよいですか。」にお返事がないと、私ひとりが読むことになってしまいます。よろしければ、こちらもお返事いただけるとうれしいです。

昨年度は7名の方に(実際は非公開もあるのでもう少し多いです)合格体験記をご投稿いただきました。そして、そうした合格体験記を活用させていただき、ブログ内で折にふれてご紹介させていただきました。

去年の「合格体験記」が参考になったよ!
来年の受験生のために「合格体験記」を書きたい!

という方は、ぜひ合格体験記をご記入いただけますと大変うれしいです。もちろん「合格体験記」をブロマガ内のみでご紹介する(=体験記販売の形をとる)ことはいたしません。ブロマガ内からのリンクや、ブロマガ内での引用は行う可能性があります。予めご了承ください。(もちろん、公開可のコメントに限ります。)

要は「来年、しょうろんを見る子たちのために何か書いていただけるとうれしいです!!」ただそれだけです。

合格体験記(コメント欄にコピーしてお使いください。)

ご記入いただける箇所だけで結構です。入学準備も大事ですよ。

1:①合格した学部
  ②予想合格点 学科 ○点 小論文 ○点
  ③合格報告にご記入いただいていない場合
    あなたの合格を当ブログが参考になり合格した人としてカウントしてよいですか? Yes or No
2:本番の試験で気をつけたこと
  ①当日
  ②前日
  ③1月以降
3:来年受験する方へのアドバイス
  ①4月の受験生(自分)に伝えたいこと
  ②夏休み前の受験生(自分)に伝えたいこと
  ③9月の受験生(自分)に伝えたいこと
  ④直前期の受験生(自分)に伝えたいこと
4:「しょうろん」で絶対に読んでほしいページ
5:オススメしたい本、オススメしたいSFC対策
6:(非公開でご投稿いただいた方へ)このご投稿を合格体験記としてご紹介してもよいですか。
 Yes or No
7:アンケート
  ①ブロマガとブログが入り交じってブログが利用しづらいですか? Yes or No
  ②ブロマガは別のブログにした方がいいですか? Yes or No
  ③その他、貴重なご意見をお待ちしています。

各項目の補足

2: 結局、みんな直前にならないとブログとかしっかりみない(アクセス数が1.5倍増となる12月!!)ので、直前期を細かく分類した内容にしています。
4、5、7:私が知りたいだけです。優先度が低いので、お時間があれば、ご記入いただければうれしいです。
8:は、ちょっと削除しました。結構細かめに書いてくださる方がいらっしゃって、個人特定できちゃうと困るので。書いてくださった方、ごめんなさい。

ご利用上のお願い

このブログをご利用いただく際にお願いごとがございます。こちらの内容を読んでいただいた上でこのブログをご利用くださるようよろしくお願いいたします。

当ブログの記載内容について

私はSFC小論文の採点に関わったことは当然ありません。関わったことがないけれども、このようなブログを運営しています。だから、多分に推測した内容も含まれています。例えば、
「こう書いたら減点されますか?」
「どういう配点ですか?」
「どこがポイントですか?」
とご質問いただいても明確な回答はできません。私が推測できる範囲のことしか書けません。ご了承ください。

添削について

「気が向いたらコメント」でもよい方は書いておいてください。コメントは全て読んでいますので。気が向いたらお返事を書きます。その場合は、ブログ内でもブロマガでもネタに使う可能性があることをご了承ください。

コメントについて

ブログにコメントいただいた場合、当ブログ内で適宜そのコメント内容を引用する可能性がございます。ご了承ください。「メールをください」「お返事をください」とご投稿いただくのはうれしい限りですが、短期間でのお返事はできないこともありますし、基本的にはメールではなくブログ内でお答えしています。ある方が悩まれていることに対する回答は、せっかくだから多くの方に見ていただきたいからです。
またコメントが「非公開」の設定でご質問をいただいている場合は、ブログ内で一部ご質問内容に加筆した上で公開します。どうしてもこの部分は公開をしてほしくない、という箇所があれば、その旨を書いていただけると助かります。

「広告」について

当ブログでは、Amazonアソシエイトを用いているため、当ブログ経由でAmazonの商品を買い物いただいた場合は、Amazonからの広告料が私に支払われます。もちろんご購入いただいた方から余分に私がお金をとるわけではないですが、アフィリエイトがお好きでない方もいらっしゃると思いますので明記します。本のセレクトショップは私の夢のひとつなので、当ブログの文章を読んで本を買ってくださる方がいるのはとてもうれしいです。

「ブロマガ」について

2013年11月に「ブロマガ」をはじめました。「SFC小論文対策ブロマガ「しょうろん特講」発刊のお知らせ」をお読みください。著作権は放棄していませんが、塾・予備校・個別指導・家庭教師等で利用したい、という奇特な方がいらっしゃいましたら、ご自由にお使いください。そして、もし、よろしければ、教材としてのフィードバックをいただけると大変助かります。

いろは塾について

2016年4月より、「いろは塾」という名称で、SFC小論文対策の塾をはじめました。ご興味がある方は、どうぞTwitterのDM並びにEmailでご連絡ください。

Twitter: @IrohaForCom
Email: kadoya0168[at]gmail.com ... [at]を@に変えて下さい

また、詳細については、XI いろは塾のブログカテゴリーをご覧ください。

以上、当ブログをご利用いただく際の「ご利用上のお願い」でした。