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考えるってこういうことだったのか「子どものための哲学対話」

ターゲット:総合政策・環境情報を問わない。受験希望者全員に読んでほしい。

総合政策的アプローチで最も重要となるのは「問題発見」あるいは「問題設定」です。
「問題設定」とは、言いかえると、
 1.何がよいことで、何が悪いことかを定める
 2.いま起こっていることが、1.で定めた基準に照らして悪いことだと明示する

という2ステップからなる思考作業です。

例をあげてみましょう。
「戦争は悪い。」
この甘美な言葉に弱い人は多いです。
けれども、この言葉の持つ幻想に隠されたことがたくさんあります。
戦争があったことで進展した科学技術もたくさんあります。
(インターネットも元は軍事システムですよね。)
では、戦争は本当に悪いことなのか。

こういう「常識をもう一度とらえなおす頭の働き」を経験しなければ、
「問題設定」の作業は、うまくいきません。

哲学のおもしろい本はたくさんあり、政治・経済や倫理等の受験に必要な科目に
関連した本を読むのもいいのですが、
「子どものための哲学対話」という本を紹介します。
子どものためと言いながら、こんな本は子どもが読んで果たして理解できるの?
と、聞きたくなる本です。

ぼくはなぜ、生まれてきたのか?
どうして勉強をしなくちゃいけないのか?
こまっている人を助けてはいけない?
うそをついてもいい?
元気が出ないとき、どうしたらいいか?
友だちなんていらない?
泣くから泣き虫なのか、泣き虫だから泣くのか?
地球はほんとうに丸い?
死んだらどうなる?

といった質問が並んでいます。直接的に、SFCの入試に絡んだりする質問もあります。
「右翼と左翼とどっちが正しいの?」

「どっちも同じようなもの。対立っていうのはほとんど前提を共有しているものの間でしかおこらないんだよ」
(右翼と左翼の対立も)「政治ってものが、心をわきたたせるようななにかだと感じるなかまたちの間でだけ、意味を持つような対立だからね」
2009年総合政策学部の小論文において、「SFCは○○氏が教授にいるので、○○党の立場寄りに書いた方が得点が高い」という無責任な解説を見ます。さすがにまともな受験生は信じないとは思いたいですが…。

2009年の問題は、「政治」という問題解決策について、各政党が重要としている価値観(=「1.何がよいことで、何が悪いことかを定める」)を定めて、その価値観から「政策」が導かれているか(「2.いま起こっていることが、1.で定めた基準に照らして悪いことだと明示する」に近い)を議論できれば、右でも左でもどちらでもよいわけです。

自分の読みとった内容に合わせて思い切って、どちらかの政党の価値観に立って、思い切って議論ができたかどうか、がこの問題の高得点のコツだと思います。

そんなときに「どっちも同じようなもの。対立っていうのはほとんど前提を共有しているものの間でしかおこらないんだよ」という立場に立てればずいぶん違った答案になると思うのですが。

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